リボルバー

ロマンポルノの制作中止後、
「ロッポニカ」として一般映画の制作に踏み切ったにっかつですが、
結局数ヶ月で終了。
これはその「ロッポニカ」最後の作品です。
藤田監督が、一丁の拳銃によって様々な人生が絡みあい狂ってゆく、
ロードムービー群像劇を描きました。

藤田監督の最後の作品でもあります。

巡査部長の清水はある日、公園で会社員の阿久根に拳銃を奪われます。
阿久根は不倫相手が別の男と結婚することに逆上して、
盗んだ拳銃でふたりを殺そうと思ったのです。
しかし実行に移すことなど出来ず、拳銃は公園のゴミ箱に捨てます。
それを高校生の進が拾います。
進はレイプの現場を目撃、その犯人に歯が折れるほどの暴力を受けて、
悔しい思いを抱えていました。
拳銃を手に入れた進は、
そのレイプ犯を殺そうと鹿児島から札幌へとむかいます。
清水は警察署を退職した後、
ホステスをしている節子のヒモのような生活を送っていましたが、
拳銃の行方を知ると、進の友人直子と共に札幌へ旅立つのでした。

物語のストーリーだけを追ってゆくと、
かなり暗くなりがちな内容ですが、
とぼけたコンビの蜂矢＆永井の存在とか、
すべてが終わったあとの清水の突き抜けた表情とかで、
映画から受ける印象は明るいの。
しっかりベッドシーンがあるのも、それがえらく生々しいのも、
さすが藤田監督（笑）
しかし、ちと情けない男性陣に比べて、
女性陣、強いね～。


監督 藤田敏八
清水信彦　沢田研二 拳銃を盗まれた巡査
出水進　村上雅俊　高校生
佐伯直子　佐倉しおり 進の同級生
蜂矢圭介　柄本明 競輪狂
永井新 尾美としのり 蜂矢の相棒
尾崎節子 手塚理美 ホステス
山川亜代 南條玲子 清水の見合い相手
阿久根康男 小林克也 拳銃を盗んだ会社員
有村美里 吉田美希 阿久根の不倫相手
伊地知 長門裕之　清水の上司
１９８８年１０月公開

神保町シアターで「あの時代（とき）の刑事（デカ）」
というテーマで何本か上映されたうちの一本でした。
この映画に関しては、刑事ものじゃない気もしますが、
（ おまわりさんだし～）
とはいえ、他の刑事もののように
頻発する暴力団抗争の闇を暴くだの、
危険な潜入捜査だの、
体を張った壮絶なアクションだのは、
ファンとして沢田さんの身が心配なので、
よかったというべきかな（笑）

おまわりさんからヒモに・・・

すぐに拾ってくれるオンナがいるなんて、
これも才能でしょうか