あ・しねま・たいむ

今日も映画でまったり

太陽を盗んだ男

2017-02-14 14:04:19 | 映画 1979
ドリパスのリクエスト上映で、
お台場まで観にいってきました。

中学校の理科教師をしている城戸誠は、
茨城県東海村の原子力発電所を襲撃、液体プルトニウムを強奪します。
アパートの自室で、そのプルトニウムから原爆を手づくり、
ついには完成させてしまうのです。
そして、出来上がった金属プルトニウムの欠片を仕込んだ模擬原爆を、
国会議事堂のトイレに置き去り、日本政府を脅迫するのでした。
城戸誠が交渉相手に名指ししたのは、
かって誠がクラスごとバスジャック事件に巻き込まれたとき、
体を張って誠と生徒を救出した丸の内警察署捜査一課の山下警部でした。
ここから山下警部との攻防が始まります。
第一の要求「プロ野球のナイターを試合の最後まで中継させろ」
第二の要求「ローリング・ストーンズ日本公演」
第三の要求「現金5億円」これは原爆製造で使った借金返済のため。

映画終了時にはなんと客席から拍手が(笑)

公開時に観たのは上野の映画館でした。
面白かったのですが、数えるほどしか観客がいなかったの。
同じ東京でも新宿や銀座、池袋では立ち見だったという話ですが。
で、長らくカルト映画の位置付けだったのですが、
近年では一般的な評価が高まって、
1999年キネマ旬報「映画人が選んだオールタイムベスト100」
日本映画篇で13位、
2009年「オールタイム・ベスト映画遺産200(日本映画編)」
〈日本映画史上ベストテン〉では歴代第7位に選ばれています。
皇居前広場に無許可で入り込み一発撮りしたり、
国会議事堂のシーンもビルからの一万円札バラ撒きシーンも、
そしてカーチェイスもゲリラ撮影で、
警察にパクられたスタッフもいたとか。
とてもいまでは( いや、当時でも)こんな撮影方法はできません。

原爆をつくっていく過程は、かなり長く、
しかも丁寧に(笑)描かれています。
黙々と作っていく姿は美しいです。
汗さえ美しいです。
一心不乱に作業する姿を見ていると、つい応援したくなってしまい、
失敗したら大変!とハラハラしてしまうんだよね~。
・・・・作っているのは原爆なのですが。

この映画は映画館の大スクリーンで観るのがお勧めです。


監督 長谷川和彦
城戸誠 沢田研二
山下警部 菅原文太
沢井零子(ゼロ) 池上季実子 ラジオDJ
田中警察庁長官 北村和夫
仲山総理大臣秘書 神山繁
市川博士 佐藤慶
バスジャック犯 伊藤雄之助
浅井 風間杜夫 ラジオプロデューサー
水島刑事 汐路章
石川刑事 石山雄大
里見刑事 市川好朗
佐々木刑事 森大河
田所刑事 中平哲仟
サラ金の係員 小松方正
交番の警官 水谷豊
サラ金の男 西田敏行
1979年10月公開



城戸先生はまるで「七つの顔の男 多羅尾伴内」です。
( 古すぎる映画なので知ってる人しか知らない)

あるときはお爺さん
あるときは黒い衣装に身を包んだ強奪犯
あるときは絶世の美女・・・妊婦ですが。
あるときはターザン
しかしてその実体は・・・中学の理科教師!
( 古い映画なので決め台詞も知ってる人しか知らない・・・)

やりたい放題の誠くん。
みんな、男の子がひそかにやってみたいと思っていることかも。