『こんちわ、翁さん、寄ってお茶を飲んでいかないかね、今日は婆さんもいるわ、ハハハハ。韓国で冬期のオリンピック、ニュースだけで見るが、冬だから当たり前だろうが、体感温度が随分と低いらしいな、ハハハハ』、『お茶をご馳走になるかな、そう思ってはいたが、ファハハハ。南房総や伊豆半島では御花畑が水仙、河津桜などが見頃だとか、婆さんが元気なら出かけるのだが』
『翁さんは奧さんの家食を頑張っているが、昨日は婆さんの友人に不幸があって出かけて、昼にコンビニ弁当をレンジで温めて食べてみたが、正直美味しくないわ。味付け自体が今風の若者の味とでも言うのか、口に合わなくて、ファハハハ』、『俺はコンビニもむすびは食べるが、弁当の類いはそう思うわ、レンジでチンは便利ではあるが、一昔前の犬の餌の方が旨かったわ、ギャハハハ』
『弁当のメーカーの試食も中年や若者で、高齢者のモニターはいないだろうからな。ならば高齢者が作る農産物販売所の弁当が美味しいだろうな、翁さん、ハハハハ』、『婆さんとの旅でしばしば温泉民宿に泊まったが、料理は素朴だが美味しかったよ、特に伊豆の地魚の料理がね。長野や福島の春秋の山菜も美味しいわ、沢ガニやカジカ、サンショウウオ、熊や鹿肉の珍味もね、ハハハハ』
『翁さんの名刺には「旅士」とも記されているが、それが旅の贅沢なのかもな。いやね、婆さんの料理は日本一、孫たちも楽しみにして出かけてきて、野菜の煮っころがし、手作りの刺身コンニャク、手打ちうどんを平らげて、ハハハハ』、『お言葉が無いが、婆さんが通院の日はここでお昼をご馳走になるかな?、ハハハハ。・・囲碁も熱が入っているようで、初めての大会まで1ヶ月だものな』
あとがき==この頃は「家食」が贅沢のようだな、日本人の心を込めて作るのは、女性の感性だわ、ガハハハ==放念の翁