近江フィールドワーク

琵琶湖の淡水魚を中心とした、下手の横好き素人ブログ。内容を信ずるなかれ!

NO.20「ビワマス」 琵琶湖には凄いのがいます。

2006年11月03日 08時13分37秒 | 滋賀県の淡水魚紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する淡水魚の紹介、今日の1匹はビワマス。湖西を流れる川に流入する農業排水路で、体長50cmくらいのビワマスを1匹保護しました。この日はワタカを探しに湖西(湖東アブラハヤ、湖西ワタカと聞いていたので)に向かったのですが、農業排水路で意外な大物に遭遇してしまいました。水路は三面コンクリート張りで、水深0.2m~1.0mで流れが強いという環境でした。排水路2本が合流するコンクリート桝があり、その場所が生簀の様になっていて迷い込んでいた感じです。弱っているのか、大型タモ網ので簡単に救い上げました。これを直ぐ上流の水路へ放流してあげました。(滋賀県農政水産部水産課の担当者さんに、事情を説明して承認済みの行動です。写真利用も許可済みです。許可無く助けても捕まることがあるので注意して下さいとの話です)見るのも捕るのも初めてで、文書では書けないほど感動、手足が震える思い。見た目は、溯上する鮭という感じで、ゆっくりと雄大に泳いで行きました。誰にも見つからず無事に繁殖を迎えてくれるよに願います。
<データ>
名前:
ビワマス
分布:
 琵琶湖(芦ノ湖などに移殖されているらしい) 
体長:
 400~600mmくらい 
生息:
 琵琶湖の水深20m辺り、琵琶湖流入河川(幼魚期と繁殖期)

 
特徴:
 漢字で「琵琶鱒」と書く琵琶湖固有種で、自然分布は琵琶湖のみ。形状は鮭と似た体形でして「鼻曲がり」。マス系なのでアブラビレを持ちますね。繁殖期は10月中旬-11月下旬で、生活している琵琶湖から生まれた川へ集団遡上して産卵を行います(遡上は大雨の日が多く、アメノウオと呼ばれるらしい)。生まれた稚魚は赤い小さな斑点を持ち、5~10cmくらいまで生まれた川で留まります。そこから赤い斑点が消えて腹部が銀化する6~7月に、川を下り琵琶湖へ向かいます(一部の雄は川に留まることもあるそうですが)。琵琶湖では低水温を好む為、季節により棲息層を変えているそうです。主に鮎やスジエビを捕食して2~5年ほど掛けて成長し、また生まれた川に帰り産卵をして一生を終えます。100年以上人工孵化放流がおこなわれており、近年はほぼ20~50トンの漁獲量(滋賀県 水産課の情報より)で安定していて、外来魚の影響を受けていないようです(密漁者が1番の天敵?)。滋賀県の醒ヶ井養鱒場では養殖が行われています。刺身や塩焼きにして食べられますが、絶品というほどは美味しくはないため、商業価値が低いようです(私は美味しいと思いましたが)。滋賀県では、滋賀県漁業調整規則第35条で10月~11月の間は捕る事だけでも処罰されます。また、6滋賀県漁業調整規則第35条により、琵琶湖内でも25cm以下は捕ってはいけませんので注意して下さい。
参考・引用文献
私見:
 海の無い滋賀県で成魚を見ると衝撃的でした!
採取:
 春から夏に沖合いで刺し網(一般の人は無理ですが)。沖に出てビワマス釣り(ウグイが外道としてよく掛かるらしい。)解禁する12月1日に溯上遅れの個体を狙う。
飼育:
 入手も難しく、特殊設備と技術が必要な為、飼育不可として置きます。
動画:

画像:
        
        
 08.05.31追加画像、ビワマスの稚魚。滋賀県漁業調整規則第36条によりビワマスの稚魚は捕獲できませんので、網に入っても放流してあげて下さい。

       

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ビ・ワ・マ・スー!!(○_○;) (Zacco)
2006-11-03 22:13:00
やはり私のフィールドとは一味違いますね。。。
正直驚いたやら、羨ましいやら、
今の気持ちを文章にするのが難しいです。
流石は琵琶湖!!
としか言えません。(失笑)
貴重な写真を見せて戴きました。m(__)m
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Unknown (きつね)
2006-11-03 23:58:19
第一印象、でか!! 以上です。
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Unknown (ryu-oumi)
2006-11-04 08:04:49
>Zaccoさん
 正直、琵琶湖博物館のポスターを見て「こんな奴が普通に捕れる分けが無い。」と思っていましたが、琵琶湖をなめていました。感動するくらい、普通に泳いでいました。
禁猟期間開けの12月にもう見に行きたいです。

>きつねさん
 正にその通り、カワムツの幼魚を見てい時に現れたので、ゴムボートに潜水艦が突っ込んだくらいのインパクトでした。

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