goo blog サービス終了のお知らせ 

近江フィールドワーク

琵琶湖の淡水魚を中心とした、下手の横好き素人ブログ。内容を信ずるなかれ!

「ニホンイモリ」 媚薬イモリの黒焼き

2006年11月01日 09時02分08秒 | 滋賀県の亀・両生類紹介
滋賀県に生息する両生類の紹介、今日の1匹はニホンイモリ。山間部にある神社の排水路でニホンイモリを捕まえました。排水路は三面コンクリート張りで、水路底に細かい砂が堆積し、水深が0.3m程度、日影で水温がとても冷たい環境でした。水路の落差下の水量が多いところにタモ網でを入れると、枯葉と一緒に黒い物体。山椒魚の子供?とか思いましたが、裏返すと腹が赤い為、アカハラ(ニホンイモリ)だと判明。久し振りに見ると背面は、大分黒かったんだなと改めて思いました。ちなみに、惚れ薬の必要も空き水槽も無い為、その場で放流してあげました。
<データ>
名前:アカハライモリまたはニホンイモリ
分布:滋賀県の山側 
体長:100mm程度の個体まで採取経験あり 
生息:水田・池・沼・小川・渓流付近の水溜りなどの止水域
     
特徴:
 漢字で「赤腹井守、日本井守」と書く日本固有種の両生類です。体型はトカゲ型と申しましょうか、そんな形をしています。尻尾は泳ぎ易いように平たく、短い足にやや長い指を持ちますね。体色はザラザラの背面が黒褐色、腹面は赤と黒の斑模様という姿をしている(だからアカハライモリ)。繁殖期は春から夏でして、卵から孵った幼生はオタマジャクシ風。成体は皮膚から有毒の液を分泌するらしいのでので、触った後は手を洗う(生物全般に言えますが)。毒とを持つらしいので食べないように!
参考・引用文献
私見:
 骨まで再生する再生能力はモンスター級ですね~
採取:
山間部の水路のやや水位がある所をタモ網で掬う。枯葉などの下に居る場合もあるので枯葉ごと掬う
飼育:
 ①容器:30cm成体飼育数は2、3匹
 ②底床:粗めで角の無い砂利
 ③濾過:どれでも可
 ④設備:ヒーター△、エアーポンプ×、ファンorクラー△
 ⑤水草:アナカリスやマツモ
 ⑥餌 :人工配合飼料
 ⑦混泳:お互いが口に入らないサイズの魚
 ⑧置物:流木などの隠れ家
 ⑨繁殖:難しい

 水槽は直射日光が当らず、水温が上昇しない場所に設置する(高水温に弱い)。水草や隠れ家(植木蜂、流木など)をレイアウトする。濾過器をつけて水を清潔に保つ(水槽が小さい場合、水換えも頻繁にしてあげる。)冬眠させる場合は、陸を作り水苔をレイアウト。冬眠させない場合は、熱帯魚用のヒーター(水温設定ができ、カバーの付いたもの)を入れる。脱走する可能性が有りますので、水槽に蓋をつける。餌は、ミミズや鶏ササミを食べますが、慣れれば人工飼料も食べる様です。過密飼育を行うと共食いの恐れも有ります。

※それから陸地を作る(浮き島で良い)必要があります。陸地が無いと溺れてしまうのと、体温調整ができずに死んでしまうことがあります。水槽飼育する場合、隙間を全て塞がないと脱走します。上部濾過装置にも侵入します。
 (情報提供者 きつねさん)
動画:

画像: 
        
        
     08.10.29追加画像。
    

よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎

「クサガメ」 臭い亀

2006年10月19日 14時13分05秒 | 滋賀県の亀・両生類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する亀の紹介、今日の1匹はクサガメ。時間の無い中、水の枯れかけた農業排水路で子供のカメを捕獲しました。黒い甲羅と臭い匂い、顔も周りの黄色い模様から、クサガメだと思います。これで滋賀県に棲息するカメは全部紹介できたのでは?
<データ>
名前:クサガメ
分布:滋賀県全域
体長:甲羅290mmまでの採取経験あり 
生息:河川中流から下流、湖沼やため池、水田など様々
     
特徴:
 漢字で書くと「草亀」では無く「臭亀」となるらしい亀の仲間。体型は甲羅が楕円形で、側面から見ると高さ(厚み?)が有りますね。甲羅には折れ目が縦に3本入っています。体色は暗い茶褐色の甲羅、ダークグレー系の体、首には黄色いスジ模様が入ります。脚の付け根辺りから臭い匂いを醸し出す(流石は臭亀と呼ばれるだけあって、中々臭いですよ~)。繁殖期は夏前後でしょうか、子亀をその時期に見掛けます。現在「ゼニガメ」として売られているのは、殆どがクサガメの子供ですね。農業形態の変化(コククリート化な)や外来亀に棲息域を侵されて減少しているらしい(滋賀県では棲息数は多いかな?)。でも彼ら自体、稲作と一緒に大陸からやって来たと言う話も?
参考・引用文献
私見:
 臭い個体は本当に臭いです!人気が出にくいだろうな・・・
採取:
 甲羅干しをしているところや川底を歩いているところをねらい網や素手で捕獲する。
飼育:
 ①容器:80㎝四方程に成体飼育数は1匹
 ②底床:無い方が良い
 ③濾過:どれでも可
 ④設備:ヒーター○、エアーポンプ×、ファンorクラー×
 ⑤水草:無い方が良い
 ⑥餌 :人工配合飼料
 ⑦混泳:単独飼育が望ましい
 ⑧置物:甲羅を干せる場所が必須
 ⑨繁殖:難しい

 イシガメの飼い方と同じで良いと思います。(イシガメよりも丈夫ですが、サイズも大きくなります)
動画:

画像:
        
     亀の顔。捕獲直後は文字通り、カメになっています。
        
        
 成長に伴い腹面側が黒くなっています。大人になって腹黒くなるのは人間も同じ?

        
        
        クサガメ(左)とニホンイシガメ(右)比較。
        
        
        
 クサガメの子供。甲羅の縁が白く、裏側も白の部分が多いですね。
 

 このような蛭が寄生していることが多いですね。
    

よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎

「ミシシッピアカミミガメ」 またの名をミドリガメ

2006年10月08日 07時39分22秒 | 滋賀県の亀・両生類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する亀の紹介、今日の1匹はミシシッピアカミミガメ。南部の河川中流で甲羅干しをしているカメを発見しました。ダークグリーンの甲羅、頭に赤い模様がある為ミシシッピアカミミガメだと思います。ミシシッピアカミミガメは、「ミドリガメ」としてペットショップや夜店で売られていましたが、サルモネラ菌感染の噂の影響か?最近では売られているのを余り見かけません。(最近の子供は、ザリガニやカメよりムシが好きだから?)逆に、飼えなくなって放流された個体が、野生化して問題になっている外来種です。
<データ>
名前:ミシシッピアカミミガメ
分布:滋賀県全域(原産はアメリカ)
体長:甲羅が300mm程度の個体まで採取経験あり
生息:河川中流~下流、湖沼、溜池など
    
特徴:
 通称「緑亀」と書く外来種のカメです。体型は楕円形で硬い甲羅に覆われた体を持ち、足の爪が鋭いですね。体色は幼体期の甲羅が鮮やかな黄緑色をしているが、成長すると緑褐色から灰褐色にかわります。また甲羅の腹部は黄色っぽく、頭部には目の後ろに赤いスジが見られます(これが赤耳)。繁殖期は春頃でしょうか、夏には子亀を見掛けます。日光浴をしている姿をよく見かけますね。水質汚濁に強く在来種の卵を捕食する為、在来種を脅かす存在となっている。(放流厳禁、飼えないなら買わない!)
参考・引用文献
採取:
 水面に顔を出した時を狙い網で捕獲する。(成体は、強く噛み付くことがあるので捕獲後の取扱に注意する。)
飼育:
 ①容器:80㎝四方程に成体飼育数は1匹
 ②底床:無い方が良い
 ③濾過:どれでも可
 ④設備:ヒーター○、エアーポンプ×、ファンorクラー×
 ⑤水草:無い方が良い
 ⑥餌 :人工配合飼料
 ⑦混泳:単独飼育が望ましい
 ⑧置物:甲羅を干せる場所が必須
 ⑨繁殖:難しい

 大きくて高さのある容器(脱走防止の為だが、高すぎると日光を浴びれないので注意)を用意し、陸地と水辺をレイアウトする。容器を野外で日当たりの良い所に設置(日影になる所も作り)、外敵防護のネットを張る。水質悪化に強いが、病気予防の為にまめに水を換える。冬場は、枯葉などを敷き詰め、温度変化の少ない場所へ移動させ、冬眠させる。餌は雑食性で、魚、水生昆虫や藻類、水草を食べるているが、慣れれば市販の人工飼料も食べるので、水質悪化し難い人工飼料を与える方が良い。飼育は基本的に容易だが、大きくなることや、成長に伴い色が黒くなる事を知った上で飼育しましょう。
動画:

画像:



 全方位撮影~
      
      
      
  滋賀県内で捕獲したミシシッピアカミミガメの成体(TOPとは別個体)。

      
      
  滋賀県内で繁殖したミシシッピアカミミガメの子供(ミドリガメ)。
      
      
  ミドリガメより少し大きくなったサイズの子ガメ。


よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎

「ニホンスッポン」 雷が鳴っても離さない

2006年10月06日 09時29分12秒 | 滋賀県の亀・両生類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する生物の紹介、今日の1匹はニホンスッポン。砂地の河川などで良く採取できるこの亀さん、甲羅も柔らかく鼻も尖っていますので、恐らくはスッポンでしょうね。
<データ>
名前:ニホンスッポン
分布:滋賀県のほぼ全域 
体長:甲羅が300㎜程度個体まで採取経験あり 
生息:河川中流や水田周辺水路の砂底、湖沼など
     
特徴:
 漢字で「鼈」と書く亀の仲間ですね。体型は丸く平たい甲羅を持ち、その甲羅は柔らかい。首は長く鼻先は尖り、手足には水かきを持ちます。体色は甲羅の背面が緑褐色で腹部は白色系です(幼体の腹部は赤味がある)。繁殖期は夏頃で、メスは後ろ足で地面に穴を掘り白く丸い卵を産みます。爪や甲羅と一部の内臓以外は鍋にして食べられる。(甲羅は、精力剤に使われる。)玄武のモデルは、亀ではなくスッポンだと言う説もあります。
参考・引用文献
私見:
 鍋にすると、見た目以上に美味しいですね~。食材にしか見えない(笑)
採取:
 日光浴をしているところを網で襲う。小さい川ならタモ網で挟み撃ち(水中はかなり泳ぎが速いので、大きな川では捕獲し難い。)
首が長く噛み付いてくるため、捕獲後の取扱は注意!
飼育:
 ①容器:80㎝四方程の容器に成体飼育数は1匹
 ②底床:無い方が良い
 ③濾過:強力なもの
 ④設備:ヒーター○、エアーポンプ×、ファンorクラー×
 ⑤水草:無い方が良い
 ⑥餌 :人工配合飼料
 ⑦混泳:単独飼育が望ましい
 ⑧置物:甲羅を干せる場所が必須
 ⑨繁殖:水槽では難しい

 大きな器に水を入れて砂利を敷き、石等をレイアウトする。(砂に潜ると落ち着くようです。)皮膚が弱い為、日光浴が出来る陸地を必ず設ける。水草を入れる場合は、砂に潜る為、浮き草の方が良い。水は亀よりも深くいれて、脱走対策を怠らない。餌は肉食の強い雑食性(ほぼ肉食と考えてよい)、慣れると人工飼料にも餌付くが、生餌も与えた方が良いのではないでしょうか。飼育は容易部類でしょう。
(私は砂を敷いた容器に体高の4倍の水を入れ、餌は余り与えずに幼魚とエビを泳がせ、水換えの時に砂利を洗ってあげるだけで5年ほど飼育しました。また、室内飼育だったので、夜中に石を動かす音が五月蝿かったのを覚えています。)
動画:

画像:
         
         
  07.07.17追加画像。七夕の笹を貰いに行ったら、近くの水路で頭をだしていたので捕まえました。
         
  滋賀県某所で採取された巨大スッポンで御座います。
   

よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎

「ニホンイシガメ」 日本固有の亀

2006年09月20日 07時48分45秒 | 滋賀県の亀・両生類紹介
 今日の1匹はニホンイシガメ 。私が小学生の頃にはクサガメと共によく見掛けて亀でした。今では、カメを見掛けてもミジジッピアカミミガメばかりですね。まだ滋賀県では、市街地近辺で見掛ける事もありますが、何時まで見る事ができるのでしょう?
<データ>
名前:ニホンイシガメ
分布:滋賀県のほぼ全域 
体長:150mm程度までの採取経験があります
生息:山間部の川、池、沼など比較的水質の良い所(実は、余り綺麗じゃない川にもいたりします)
     
特徴:
漢字で「日本石亀」と書く日本固有の水生カメです。体型は楕円形で他の亀に比べて平た良甲羅を持ち、甲羅の後方にはギザギザしています。体色は甲羅の背面が黄茶色、腹側は真っ黒です。餌は雑食性で、魚や甲殻類や水生昆虫だけで無く、水草などもも食べるとか。産卵期は春から夏頃ですが、冬でも産卵する個体がいました。産卵は水辺の湿った土に穴を掘って行われ、楕円形の白い卵を産みます。生まれた子亀は甲羅が高く盛り上がっていますが、5cm位になると成体と同じく平たくなります。冬眠は水中の落ち葉の下や泥の中などで行われているのを確認しました。子亀がゼニガメ銭亀)と呼ばれていて有名ですが、売られているゼニガメは、殆どがクサガメの子供ですね。山間部の宅地・道路等の開発や外来種の移入により個体数は減少していますね(特に開発による生息地減少が主因かと思われます)。
おまけ:イシガメとクサガメの雑交配種は、ウンキュウと呼ばれています。
参考・引用文献
私見:
 純粋な在来亀で滋賀県で採取できるのはこのニホンイシガメだけですね。
採取:
 ・甲羅干しをしているところをねらい網や素手で捕獲する。
 ・川底を歩く個体をタモで掬う。
飼育:
 ①容器:60㎝水槽に成体飼育数は1匹(これでも狭い)
 ②底床:無い方が掃除がし易い
 ③濾過:無しで頻繁に水替えか、強力な濾過器を…
 ④設備:ヒーター○、エアーポンプ×、ファンorクラー×
 ⑤水草:無い方が良い
 ⑥餌 :人工配合飼料(餌付くまでは赤虫)
 ⑦混泳:単独飼育が望ましい
 ⑧置物:甲羅を干せる場所が必須
 ⑨繁殖:水槽では難しい

 大きく高さのある容器(脱走防止の為だが、高すぎると日光を浴びれないので注意)を用意し、陸地と水辺をレイアウトする。容器を野外で日当たりの良い所に設置(日影になる所も作り)、外敵防護のネットを張る。糞や餌による水質悪化に気を付け、水を清潔に保つ(飼育水を飲むので、水質悪化は病気の原因)。冬場は、枯葉などを敷き詰め、温度変化の少ない場所へ移動させ、冬眠させる。(小亀は冬眠させず、暖かくして越冬させた方が良い)餌は雑食性で、魚、水生昆虫や藻類、水草を食べるています。慣れれば市販の人工飼料も食べるので、水質が悪化し難い人工飼料を与える方が良い。成体の飼育は比較的容易だが、小亀は飼育が難しいようなので、捕獲した場合は逃がしてあげましょう。
※実体験の追記
 子亀は環境に慣れるまで中々餌付かないこともあります。餌も人工飼料に慣れるまでは、赤虫などの動きのある餌を与えて環境に慣れさせましょう。水温を20度位にして暫く環境に慣れさせ(私の場合1週間でした)、お腹を空かせた時に人工飼料(テトラ社 レプトミンミニ)を与えると食べるようになりました。子亀は空腹が続き過ぎると弱って死ぬ様なので餌は注意!
動画:

画像:



        
      成体の画像。


交尾中のニホンイシガメ。季節は冬の2月ごろでした。

        
        
        
       本物の銭亀(日本石亀の子供)

        
        
        
 08.02.06追加画像。日本石亀の成長と甲羅高さの関係?孵化後まもなくは比較的甲羅の中央部が膨らんでいますが、成長に伴い(甲羅長5cm頃には)甲羅が平らになっています。

        
  飼育風景。クリルを目当てに皆が集まりはじめます。 

よろしければこちらにもお越し下さい。
近江工舎