日本維新の会はこのほど、地方自治体の首長と参院議員の兼職を可能にするための地方自治法・国会法改正案を衆院に提出しました。
何のことはない。維新の会の共同代表を務める橋下大阪市長の国政進出を目指した環境整備が目的で、現行法の兼職禁止規定を削除することにしています。同党の小沢鋭仁国対委員長は記者会見で「(将来的に)橋下氏が国会に出られるようなルートをつくりたい」と述べています。党利党略の我田引水で法改正を目論んでいるものです。橋下氏の国政出馬については共同代表の石原氏も強く勧めていて、橋下氏自身は、その気はないと否定していますが、この人物はこれまで「2万パーセントない」とか言いながら平気で前言を翻すことをしてきましたし、昨年は、この夏の参議院選に出馬することを表明し、首長と国会議員の兼務はできると公言してきました。
首長、それも大きな自治体の首長と国政の兼務は可能だとは思われません。かつて滋賀県知事を務め、新党さきがけの代表だった武村正義氏は「首長と政党の代表を両方やろうというのは思い上がり。私は県知事も政党の代表も両方経験したが、それぞれ24時間フル稼働しても足りないくらい」と言っています。
橋下氏の従軍慰安婦発言などによる混乱を踏まえ、夏の参院選での橋下氏擁立論は弱まっているそうですが、この人物は政治から身を引いた方がいいと思います