中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

民主主義(2) 民意

2012-01-17 12:20:48 | 身辺雑記

 

民主主義とは多数者の意思で物事が決定され、実行されるものだが、多数決で決まればそれで終わりというものではない。少数者であっても「いつかは自分の考えが多数になれる」という希望を持つことができることが民主主義の精神だ。そこには少数者の意見も民主主義を損なうものでない限り、尊重されるべきだという考えがある。

 

 昨秋の大阪市長選挙で「圧勝」して当選した橋下徹氏は、これは自分の考えを支持した「民意」だと意気軒昂だ。それは間違いない。対立候補に23万票ほどの差をつけたのだから、相対的には「圧勝」だろうし、彼を支持した有権者の意思表示だろう。しかし、対立候補に投じられた票も約52万票ある。私の住む市の有権者数は平成23年9月2日現在で約18万6千人だったから、この3倍近くでこれは無視できない大きな数で、これもまた「民意」であることは間違いないことで、「死に票」になったわけではないはずだ。勝った方の主張を支持したのが民意で、そうでないのは民意ではないということはない。大阪市の有権者数は約210万5千人で、橋下氏が得たのはその約36%の約75万票であることも考慮の中に入れるべきだろう。選挙で投票しなかった者にも考えがないということはない。勝った、勝ったで何でも自分の思いの儘にできると思うことには疑問がある。首長たる者は、自分への反対者の声も含めて、広く市民の考えを探る謙虚な姿勢であるべきだ。 ()