イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

凄まじい勢いで成長して花粉をまき散らす オオブタクサ

2014-04-25 06:51:00 | 日記
キク科(Asteraceae); ブタクサ属(Ambrosia); オオブタクサ(A. trifida)
学名: Ambrosia trifida L.
和名: オオブタクサ(大豚草)

 北アメリカ原産。1952年に日本に侵入した帰化植物で、北海道、本州、四国、九州に分布している(ウィキペディア参照)。6月中にはほとんど目に付かないのに7月頃から急速に成長を始め、8月から花が咲き始める。非常に成長が早く、あれよあれよという間に成長して至る所に群落をつくる。生育条件が良いと短期間の間に3mを超える程であり、凄まじいほどの成長力だ。葉は茎に対生し、形は掌状に3から5裂し、縁は鋸歯状、葉の表裏ともざらつく。茎の上部に雄頭花が長い花穂に総状につき、その下に雌頭花がつく。しかし、花が咲き始めるときは雌頭花はあまり目立たず、咲き終わって雄頭花が落ちてしまい花穂の軸だけになると、花穂の基部にある成長した果実ががやけに目に付く様になる。
 ブタクサと共に花粉症の原因植物であり、日本国内ではスギ、ヒノキに次いで患者数が多いとされる。
 名前の由来は英名のhogweedの直訳とのこと。ただし、英辞によればhogweedはブタクサ属だけではなく、ムカシヨモギ属(Heracleum)やハナウド属(Heracleum)などの固い毛で覆われた植物の総称であるとのことである。だとすれば、植物体表面のザラザラした毛の感じを豚の皮膚になぞらえたものなのだろうか。


7月末成長を始めたオオブタクサを見つけた。(花巻市日居城野、2013年7月31日)



8月中旬花穂が出始めた。(釜石市中妻、2013年8月13日)



花穂が伸びて花粉をまき散らし始めている。(釜石市中妻、2013年8月14日)



サイクリングロードの脇に生育したオオブタクサの群落。(花巻市若葉町、2013年8月17日)



10月になると雄花は落ちてしまい、花穂の基部にある果実が目に付く様になる。(釜石市鳥が沢、2013年10月1日)



木の様に大きく成長したオオブタクサ。(釜石市千鳥町甲子河原、2013年10月4日)


花弁が閉じたままで咲く?ナワシロイチゴ

2014-04-24 06:52:45 | 日記
バラ科(Rosaceae); バラ亜科(Rosoideae); キイチゴ属(Rubus); ナワシロイチゴ (R. parvifolius)
学名: Rubus parvifolius L.
和名: ナワシロイチゴ(苗代苺)

 ナワシロイチゴはバラ科キイチゴ属に分類される植物の一種。別名アシクダシ、サツキイチゴ、ワセイチゴ、サオトメイチゴ(ウィキペディア参照)。
 我が宮殿脇の土手に宮殿建設時から生えている。キイチゴであることは見れば分かるが、色々な種類がある。さて、最初は葉の裏が白いことからエビガライチゴかと思ったが、紫色の毛が茎や萼に密生するというところが異なる。宮殿脇のイチゴにも毛が生えてはいるが紫色ではなく、それほど目立たない。何というイチゴなのかさんざん迷った末に、ナワシロイチゴと判定した。ナワシロイチゴは茎がツル性、花色が紅紫色で花弁が開かずに円錐形であることが決め手となった。他に葉には重鋸歯があり、先は丸い。葉裏には白い綿毛が密生するという特徴がある。
花が咲くときに派手な色で虫を引きつけるための花弁が開かないとはなんて変わった植物だろう。せっかく紅紫色の派手な花弁があるのに宝の持ち腐れだ。それに引き替え白い萼の方は大きく開いて、花弁より目立つほどだ。だから、花が咲いているのに、咲いているという印象がない。実際、花弁が開いていないのだから咲いたというのも変かも知れない。これにも何か深い理由があるんだろうな。
 名前の由来は、苗代をつくる時期に実が熟すためだという。


我が宮殿脇の土手にナワシロイチゴの花が咲いた。紅紫色の花弁は開かず閉じたままで終わる。開いた白い萼の方が目立つ。花が散ると中からたくさんの雄しべが顔を出す。(花巻市桜台、2013年6月4日)


ほとんどの花が散った状態。白い萼だけが目立つ。(同上、2013年6月13日)


ナワシロイチゴの実がたくさんなった。(同上、2013年7月15日)


実をズームアップ。(同上)


踏みつけられながらしぶとく生きる オオバコ

2014-04-23 06:36:37 | 日記
オオバコ科(Plantaginaceae); オオバコ属(Plantago); オオバコ(P. asiatica)
学名: Plantago asiatica L.
和名: オオバコ(大葉子)
英名: Chinese Plantain, Arnoglossa

 オオバコもよく見かける普通の植物だ。しかし、昨年から今まで植物を観察してきたが、オオバコよりもヘラオオバコの方が見かける頻度はずっと高かった。どうも、他の植物と同様外来種に負けているのだろうか。もっとも生育する場所は微妙に異なる気がする。オオバコは踏みつけられて固くなった地面や乾燥して他の植物が生育できにくいところに生えているのに対して、ヘラオオバコはより柔らかで湿った土を好む様な気がする。道路脇の花壇の中や、芝生の中で見かけるのはヘラオオバコが圧倒的に多かった。また、河原など生育条件良いところではヘラオオバコは見違えるほど大きく育っている。しかし、オオバコはあまり見かけなかった。
 オオバコの花も変わった花だ。長い花穂を出すが、ヘラオオバコと同様に下の方から咲き上がっていく。ヘラオオバコはリング状に咲き上がっていくのに対して、オオバコの場合には咲き上がる幅が大きくてリング状には見えない。だから、ヘラオオバコの花穂の様な派手な印象は受けない。でも良く見るとそれはそれで面白い花だ。
 まず最初に雌しべだけが閉じた花の中央から顔を出し、そのあとから花が開いて4本の雄しべが出てくる。4つの萼の基部には1つの苞がある。良く見ると情けないながらも小さな花弁が萼の上から出ている。残念ながらこれはいくら目が良くても肉眼では無理で、虫眼鏡で見るか写真に撮って拡大して見るしかない。
 生薬として古くから用いられ、オオバコの成熟種子、花期の全草を乾燥したものを、それぞれ車前子(しゃぜんし)、車前草(しゃぜんそう)といい日本薬局方に収録された生薬である。また、葉だけを乾燥させたものを車前葉(しゃぜんよう)という。これら3つはともに消炎、利尿、止瀉作用などがある。(ウィキペディア参照)。
 名前の由来は、葉が広くて大きいところからオオバコ(大葉子)の名前が付けらた。漢方での名前の由来は、人や車の踏み通る道端の跡に好んで生えることから車前(しゃぜん)または車前草(しゃぜんそう)と呼ばれた(イー薬草ドットコム参照)。

7月始め砂利だらけの荒れ地に生えていた。花穂も小振りだ。(釜石市中妻、2013年7月9日)


7月下旬、河原で見つけた。花が終わった茶色い花穂の中に、花が咲いている穂が1本だけ長く伸びていた。(釜石市千鳥町甲子河原、2013年7月23日)


8月初旬、花が終わった花穂だろうか。(花巻市桜台、2013年8月12日)


8月中旬、咲き上がっている途中の花穂が出ていた。上半分が雌しべが出ている花穂で下半分は雄しべが出ている。(花巻市星が丘せせらぎ公園、2013年8月16日)


同上、花穂を拡大。上半分には1本だけ雌しべが出ている。下半分は雄しべが突き出ていて賑やか。(同上)



同上、花穂の雌しべが出ている部分と雄しべが出ている部分の境目を拡大。4枚の萼とその下に1つの苞が見える。また、雄しべが出ている花で、萼の上に出ている小さな花弁が見えるだろうか。(同上)


小学校の校庭脇の土手。何故かオオバコだけが群生していた。(花巻市桜台桜台小学校、3013年8月16日)

花が終わると花穂が直ぐに褐色に変わる ウツボグサ

2014-04-22 06:49:34 | 日記
シソ科(Lamiaceae); ウツボグサ属(Prunella); (種)セイヨウウツボグサ(Prunella vulgaris); (亜種)ウツボグサ; P. v subsp. asiatica
学名: Prunella vulgaris L. subsp. asiatica (Nakai) H.Hara
和名: ウツボグサ(靫草)

 東アジア温帯域に分布する多年生草本。日当たりのよい山野の草地に群生する。茎は高さが10〜30cmで、断面が四角形である。花期は6〜8月頃で3〜8cmの花穂に紫色の唇形花を密集して咲かせる(ウィキペディア参照)。
 7月下旬道路脇の土手で見つけた。群生してるという感じではなく、他の植物に紛れて所々に顔を出しているという感じだった。残念なことにかなりの数が枯れた様に茶色の穂になっていて不自然な印象を受けたので、これはてっきり農薬か何かの影響ではないのかなとその時は考えたが、あとで調べてみたら、ウツボグサは花が終わると直ぐに褐色に変わる特性を持っているとのことで、花穂だけを集めた生薬を夏枯草(カゴソウ)というらしい。見つけたときには残念ながら既に花の最盛期を過ぎていたことになる。
 夏枯草は日本薬局方にある生薬であり、利尿、消炎作用があり、腫物、浮腫、腎臓炎、膀胱炎などに用いる。
 ウツボグサの名の由来は円筒形の花穂が弓矢を入れる靫(うつぼ)に似ていることによる(ウィキペディア参照)。

道路脇の土手で見つけた。(花巻市金矢、2013年7月24日)



花をズームアップ。(同上)



花穂をやや上から撮影。(同上、2013年7月31日)



花穂が既に茶色に枯れ上がっているものの方が多かった。花穂だけが枯れ上がっているのでどこか不自然な印象を受けたが、これがこの植物の特性らしい。(同上)


全て白色の花を咲かせるイボクサを見つけた

2014-04-21 06:56:15 | 日記
ツユクサ科 Commelinaceaeツユクサ亜科 Commelinoideaeムラサキツユクサ連 Tradescantieae 亜連Tradescantiinaeイボクサ属 Murdanniaイボクサ M. keisak
学名Murdannia keisak (Hassk.) Hand.-Mazz.

 和賀川グリーンパークの池のまわりで見つけた。イボクサかと思ったが花の色が白いのでそうなのかどうかなかなか確信が持てなかった。手持ちの図鑑にはイボクサは淡紅色の花が普通と書かれており、さらに葯の色が青紫色の完全雄しべと淡紫色の仮雄しべと書かれていた。見つけた花は花弁も葯も全て白色だ。他に似た植物は無いかと調べてみると、ウリカワという植物があるが、こちらの方は花弁は白いが幅が広く、葯が黄色で雄しべの本数も多い。どうも違う。納得できないのでネットで調べてみたら、白いイボクサを見つけたという記事がいくつかあったので、やはり朕が見つけたのもイボクサだと確信したしだいである。
 名前の由来は葉の汁をつけるとイボがとれるということからついたと言われているが、その効果は確認されていないようだ。


池の回りで見つけた。ツユクサの様な葉っぱの中に3枚の花弁の花が3つほど見える。(北上市和賀川グリーンパーク、2013年9月9日)



花をズームアップ。(同上)