イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

菊じゃないのに シュウメイギク

2014-11-30 20:52:22 | 趣味・特技
キンポウゲ科(Ranunculaceae); イチリンソウ属(Anemone); シュウメイギク(A. hupehensis); 変種シュウメイギク(A. hupehensis var. japonica)
学名: Anemone hupehensis var. japonica
和名: シュウメイギク(秋明菊)、キブネギク(貴船菊)
英名: Japanese thimbleweed, Japanese anemone

 植えてもいないのに釜石の庭に突然シュウメイギクが生えてきた。白花の一重の花だ。
 シュウメイギクを調べてみると、古い時代に中国から入ってきた栽培品が野生化したものだという。別名貴船菊ともともいうが京都の貴船に多かったことに由来するという。しかし、これらのシュウメイギクは八重咲きであり、萼片が30個あり、外側のものは厚くて淡緑色、内側のものは紅紫色または白色の花弁状であり、果実は出来ず、地下匍匐枝で増殖するという。
 となると、釜石で生えてきたのは何なのだろう。この白花の一重の花も一般的にシュウメイギクと呼ばれているらしい。しかし、こちらの方はどうやら園芸品種でイギリスで育種されたものらしい。こちらの方は果実が出来るのでその種がどこかから飛んできて生えてきたということのようだ。
 シュウメイギクというが菊ではなくキンポウゲ科の植物である。種が飛んであちこちで増えるのだろうか、最近は白花一重のシュウメイギクを良く見かけるようになった。


釜石の庭に突然生えてきたシュウメイギク。まだ蕾が多い。(釜石市中妻、2013年8月27日)



花をアップ。(同上、2013年8月28日)



同上。花がたくさん咲いてきた。(同上、2013年9月4月12日)

トゲがあり取り除くのにはやっかいだが風情のある サルトリイバラ

2014-11-27 22:08:42 | 趣味・特技
サルトリイバラ科(Smilacaceae); シオデ属(Smilax); サルトリイバラ(S. china)
学名: Smilax china
和名: サルトリイバラ(猿捕茨)
英名China root

 昨年庭に生えてきたトゲトゲの植物。調べてみてサルトリイバラだと分かった。茎にトゲがたくさんあり葉は光沢があり、丸っこくて数本の葉脈がはっきりしている。草なんだか木なんだかはっきりしないが、半低木ということで木に分類されるようだ。今まで無かったのに突然生えてきたのは恐らく鳥が運んできたのだろう。
 それ以来注意していたが、あちこちで生えているのが見つかった。雌雄異株の植物なのだが、近所では雄株しか見つからなかった。雌株に実が成っているのを見つけるのに苦労したが、釜石の大天場山で実を着けているサルトリイバラを見つけた。
 生薬としても用いられ、秋に根茎を乾燥させたものを和の山帰来(さんきらい)といい中国産の土茯苓(どぶくりょう)の代用とする。はれもの・できもの、にきびなどの腫れ、むくみ(浮腫・水腫)のときの利尿、中国では胃がん、食道ガン、直腸がん、乳腺がん、子宮がん、鼻咽がんの治療にも用いられるという(イー薬草ドットコム)。
 トゲがあって庭などに生えてくると取り除くのにやっかいだが、葉は光沢があり、雌株であれば実も成り、風情のある植物だと思う。


自宅の庭に生えてきたサルトリイバラ。トゲトゲして茎も硬いので素手で取り除くのは大変だ。(2013年6月17日)



近所で見つけたサルトリイバラの雄株。かなり大きく成長していた。(2014年5月5日)



同上



雄花をアップ。(同上)



釜石の大天場山で見つけたサルトリイバラの雌株(2014年7月5日)



同上。実をアップ。まだ未熟なので青いが熟すと赤くなる。(同上)

育てるのが簡単で、健康にも良い便利な野菜 シソ

2014-11-26 17:44:15 | 趣味・特技
シソ科(Lamiaceae); シソ属(Perilla); エゴマ(P. frutescens); シソ(var. crispa)
学名: Perilla frutescens var. crispa
和名: シソ(紫蘇)
英名: Red Shiso

 シソは強い植物だ。一回畑に植えると花が咲き、実が成り、その実から種がこぼれ落ちて自然に又翌年生えてくる。利用価値も高い。青シソは大葉として天ぷらや細かく刻んで薬味に用いるなど様々利用できる。赤シソはご存じ梅干しに使用できる。また、シソの実はまだ青い内にしごき取って冷凍しておくと総菜などに利用できて便利だ。以下は家で良くやるシソの実の総菜の作り方だ。
 材料:シソの実、冷凍枝豆、ニンジン、ゴボウ、もしあればニンジンの葉っぱ。
 作り方:ニンジン、ニンジンの葉、ゴボウを刻み、鍋で炒める。油も水も不要。適当に火が通ってきたら、醤油、味醂、砂糖で甘じょっぱく味付け。鞘から取りだしておいた枝豆を入れて更に煮る。火が通ったところでシソの実を入れて更に煮て、味を調整してお仕舞い。作るのにあまり時間はかからず、10分程度で出来てしまう。タッパーに入れて冷蔵しておくとかなり保存が利く。
 シソは古くから生薬としても用いられ、葉を乾燥したものは紫蘇葉(しそよう)または蘇葉(そよう)という。種子を採取して乾燥したものを紫蘇子(しそし)、茎だけを天日で乾燥したものを紫蘇梗(しそこう)という(イー薬草ドットコム)。薬効は便秘、食欲不振、消化不良、気管支炎(気管支カタル)、せき・たん、ノイローゼ(神経症)などに有効だ。蕁麻疹などアレルギーにも有効だとされる。生薬としては赤ジソが用いられる。
 更に、シソの実はエゴマと共にアルファリノレン酸を多く含むことで注目されている。アルファリノレン酸は青魚に多く含まれるDHAやEPAと共にオメガ3脂肪酸と言われるものの一つであり、成人病予防や食の洋風化に伴うアレルギー体質の改善にも有効だとされている。
 そんなこんなで凄いパワーのある植物だけど便利でおいしい野菜なので是非お宅でも栽培してはどうでしょうか。 


昨年庭に植えたこぼれ種から勝手に生えてきたシソの大株。1.5m以上にも育った。(花巻市桜台、2014年10月4日)



花をアップ。(同上)



花穂をアップ。実をしごき取るのにはもう少し待った方が良いかも。でもあまりゆっくりしてると茶色くなってしまうので、その前にしごき取った方が良い。(同上)

石畳風コンクリートブロックの隙間からたくさん生えていた ザクロソウ

2014-11-24 20:22:17 | 趣味・特技
ザクロソウ科(Molluginaceae); ザクロソウ属(Mollugo); ザクロソウ(M.stricta)
学名: Mollugo stricta
和名: ザクロソウ(石榴草)

 8月、いつも散歩に行くせせらぎ公園でザクロソウを見つけた。せせらぎ公園の歩道は石畳風コンクリートブロックで敷き詰められているが、その隙間からたくさん生えていた。丁度花を咲かせているところだった。残念なことに、見かけたのは8月の数回だけで、実が成ったところを見てみたいと思っていたら、9月になったらきれいに除草されてしまい見ることが出来なかった。どうして皆自然に生えてくる草を目の敵にするんだろう。少しぐらい残してくれればいいのにといつも思う。朕にとっては、人工的に育種されたごてごてした園芸植物よりも、自然に生えてくるこれらの可憐な植物の方が大切なのだ。
 葉は長さ1.5~5cmの披心形。花は直径約3mmでまばらな集散花序。花弁は無く白から緑色の萼片が5個着くが、見つけた花は薄いピンク色をしていた。小さいが良く見ると可憐な花だ。
 ザクロソウという名前は葉の形がザクロの葉に似ていることに由来すると言う。


石畳風コンクリートブロックの隙間からたくさんザクロソウが出ているのを見つけた。(花巻市星が丘せせらぎ公園、2014年8月20日)



一株をアップ。(同上)



同上。サイズを指と較べて欲しい。(同上)



花序をアップ。開く前の萼片はピンク色。(同上)



同上



花をアップ。萼片は5枚。(同上)

カナムグラと一緒に生えていた オオバクサフジ

2014-11-23 20:27:20 | 趣味・特技
マメ科(Fabaceae); ソラマメ属(Vicia); オオバクサフジ(Vicia pseudo-orobus)
学名: Vicia pseudo-orobus
和名: クサフジ(大葉草藤)

 最初見つけたときはクサフジのような紫色の花で時期が秋だったのでツルフジバカマかと思った。しかし、良く見てみると小葉が大きく枚数も少ないので違うことに気づいた。後で調べてみた結果オオバクサフジだと判定した。
 釜石線と国道が並行して走っている場所の土手にたくさん生えていた。1ヶ月以上経過した後で実を結んでいないか見るために同じ場所を探してみると、たくさん実が成っていた。豆鞘には2~3個の実が成っていて、中から豆を取りだしてみるとウズラマメのような斑点模様があった。ネットでオオバクサフジを調べてみると、種子は黒いと書いてあるものが殆どであり、斑点模様があると記載しているサイトは見つけられなかった。しかし、花や葉の特徴からオオバクサフジで間違いないと思う。


釜石線と並行して走る国道脇の土手で見付けたオオバクサフジ。カナムグラなどの他の植物と一緒に生えていた。(遠野市、2014年9月9日)



同上



花穂をアップ(同上)



さらに花穂をアップ。(同上)



1ヶ月以上経過した後で同じ場所に行ってみた。たくさん実が成っていた。(遠野市、2014年10月23日)



同上



豆鞘をアップ。(同上)



豆鞘から豆を取りだしてみた。ウズラマメのような斑点模様があった。(同上)