イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

踏みつけられながらしぶとく生きる オオバコ

2014-04-23 06:36:37 | 日記
オオバコ科(Plantaginaceae); オオバコ属(Plantago); オオバコ(P. asiatica)
学名: Plantago asiatica L.
和名: オオバコ(大葉子)
英名: Chinese Plantain, Arnoglossa

 オオバコもよく見かける普通の植物だ。しかし、昨年から今まで植物を観察してきたが、オオバコよりもヘラオオバコの方が見かける頻度はずっと高かった。どうも、他の植物と同様外来種に負けているのだろうか。もっとも生育する場所は微妙に異なる気がする。オオバコは踏みつけられて固くなった地面や乾燥して他の植物が生育できにくいところに生えているのに対して、ヘラオオバコはより柔らかで湿った土を好む様な気がする。道路脇の花壇の中や、芝生の中で見かけるのはヘラオオバコが圧倒的に多かった。また、河原など生育条件良いところではヘラオオバコは見違えるほど大きく育っている。しかし、オオバコはあまり見かけなかった。
 オオバコの花も変わった花だ。長い花穂を出すが、ヘラオオバコと同様に下の方から咲き上がっていく。ヘラオオバコはリング状に咲き上がっていくのに対して、オオバコの場合には咲き上がる幅が大きくてリング状には見えない。だから、ヘラオオバコの花穂の様な派手な印象は受けない。でも良く見るとそれはそれで面白い花だ。
 まず最初に雌しべだけが閉じた花の中央から顔を出し、そのあとから花が開いて4本の雄しべが出てくる。4つの萼の基部には1つの苞がある。良く見ると情けないながらも小さな花弁が萼の上から出ている。残念ながらこれはいくら目が良くても肉眼では無理で、虫眼鏡で見るか写真に撮って拡大して見るしかない。
 生薬として古くから用いられ、オオバコの成熟種子、花期の全草を乾燥したものを、それぞれ車前子(しゃぜんし)、車前草(しゃぜんそう)といい日本薬局方に収録された生薬である。また、葉だけを乾燥させたものを車前葉(しゃぜんよう)という。これら3つはともに消炎、利尿、止瀉作用などがある。(ウィキペディア参照)。
 名前の由来は、葉が広くて大きいところからオオバコ(大葉子)の名前が付けらた。漢方での名前の由来は、人や車の踏み通る道端の跡に好んで生えることから車前(しゃぜん)または車前草(しゃぜんそう)と呼ばれた(イー薬草ドットコム参照)。

7月始め砂利だらけの荒れ地に生えていた。花穂も小振りだ。(釜石市中妻、2013年7月9日)


7月下旬、河原で見つけた。花が終わった茶色い花穂の中に、花が咲いている穂が1本だけ長く伸びていた。(釜石市千鳥町甲子河原、2013年7月23日)


8月初旬、花が終わった花穂だろうか。(花巻市桜台、2013年8月12日)


8月中旬、咲き上がっている途中の花穂が出ていた。上半分が雌しべが出ている花穂で下半分は雄しべが出ている。(花巻市星が丘せせらぎ公園、2013年8月16日)


同上、花穂を拡大。上半分には1本だけ雌しべが出ている。下半分は雄しべが突き出ていて賑やか。(同上)



同上、花穂の雌しべが出ている部分と雄しべが出ている部分の境目を拡大。4枚の萼とその下に1つの苞が見える。また、雄しべが出ている花で、萼の上に出ている小さな花弁が見えるだろうか。(同上)


小学校の校庭脇の土手。何故かオオバコだけが群生していた。(花巻市桜台桜台小学校、3013年8月16日)