イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

救荒作物として利用された リョウブ

2015-08-31 21:49:10 | 趣味・特技
リョウブ科(Clethraceae); リョウブ属(Clethra); リョウブ(C. barbinervis)
学名: Clethra barbinervis
和名: リョウブ(令法)


 せせらぎ公園で見かけた木が気になっていた。幹はナツツバキやサルスベリに似ていて、つるつるしている。縦にまだらにはげ落ちた形がきれいだ。7月に小さな白い花が房状に咲く。何となくウワミズザクラと似ているが、咲く時期が違うし花穂の形もやや先がとがった感じだ。調べてみて、リョウブという木であることが分かった。
 この木は救荒作物として令により植えさせたことによる名だという。若芽をリョウブ飯などに利用するとのことだ。どんな味がするんだろう。


せせらぎ公園に植えられているリョウブ。(花巻市星が丘、2015年7月12日)



同上。花穂をアップ。(同上)



同上



幹をアップ。サルスベリやナツツバキに似ている。(同上)



花が終わり実ができてきた。(同上、2015年8月16日)



同上



お歯黒の原料になった ヌルデ

2015-08-29 23:22:05 | 趣味・特技
ウルシ科(Anacardiaceae); ヌルデ属(Rhus); ヌルデ(R. javanica); 変種ヌルデ(R. j. var. chinensis)
学名: Rhus javanica var. chinensis
和名: ヌルデ(白膠木)
英名: Chinese sumac


 8月になると3角形の白い花穂をつける木が道路脇に目立ってくる。葉は奇数羽状複葉。これはヌルデという木で、ウルシの仲間だがあまりかぶれることは無いようだ。この木の葉にはアブラムシの仲間が寄生して虫えいをつくることがある。これにはタンニンが豊富に含まれて黒色染料に用いられ、江戸時代のお歯黒などにも用いられたという。生薬名は五倍子あるいは付子と呼ばれ、腫れ物、歯痛などに用いられたそうだ。

8月になると道路脇にヌルデの花が目立つようになってくる。(花巻市矢沢、2015年8月13日)



同上。(遠野市、2015年8月15日)



同上



ヌルデは雌雄異株。これは雌花(同上)



雄花。(盛岡市繋、2015年8月19日)


ネコが喜ぶ マタタビ

2015-08-26 20:30:27 | 趣味・特技
マタタビ科(Actinidiaceae); マタタビ属(Actinidia); マタタビ(A. polygama)
学名: Actinidia polygama
和名: マタタビ(木天蓼)
英名: silvervine

 山道をドライブしていると緑色の葉に混じって部分的に白くなった葉があるつる性の植物がよく目に付く。かなりの頻度で生えているので見かけている人も多いはずだ。これがマタタビである。本当に実が成っているのか気になっていたが、安全な場所で車を止めて調べてみたら、ちゃんと実が成っていた。
 マタタビはリュウマチ、冷え性、神経痛などに有効だとされるが、ハエやアブラムシが寄生して虫瘤になった虫えいの方が通常の実よりも薬効があるそうだ。何カ所かで実が成っているのを見つけたが、虫えいになった方が多く見受けられた。
 雌雄異株であり、雄花と両生花がある。6月頃開花する。花は良い香りがした。
 マタタビはネコ科の動物に恍惚感を与える成分が含まれていて、与えるとネコが喜ぶそうだ。ネコに好かれたい方は試してみてはいかがでしょうか。


東和町の山道をドライブしていて道ばたにマタタビを見つけた。ちょうど花が咲いていた。(花巻市東和町、2015年6月30日)



同上。雄花をアップ。(同上)



同上。両生花をアップ。(同上)



盛岡の東中野でマタタビの実が成っているのを見つけた。虫えいマタタビだ。(盛岡市東中野、2015年8月5日)



実をアップ。(同上)



住田町でもマタタビを見つけた。(陸前高田市住田町、2015年8月15日)



ほぼ同じ場所に、通常のマタタビとマタタビの虫えいの両方が見つかった。(同上)


翼を広げた下面は白く翼角に黒い斑紋がある ノスリ

2015-08-07 22:43:50 | 趣味・特技
タカ科(Accipitridae); ノスリ属(Buteo); ノスリ(B. japonicus)
学名: Buteo japonicus
和名: ノスリ(鵟)
英名: Eastern Buzzard

 7月27日、広域公園でテニスをした帰り道、遠くの杉の木のてっぺんに鳥が止まっているのが見えた。明らかにトビとは違う。でもあまりはっきりしない、写真を撮りながら近づいていったがすぐに気づかれて飛び立ってしまった。一般に鳥は警戒心が強く、特に猛禽類は目が利くようで近寄って写真を撮るのが難しい。かなり遠くからの写真で拡大すると鮮明では無かったが、お腹が白いこと。翼の下面は白っぽくて、一部に黒い斑紋があること。お腹にも斑紋があることなどから、ノスリであることが分かった。注意深く見ていると身近に色々な鳥がいるのに驚かされる。


遠くの杉の木のてっぺんにノスリが留まっていた。(花巻市湯口、2015年7月27日)



同上



近寄るとすぐに気づかれて飛び立ってしまった。翼を広げた下面は白っぽく、一部に黒い斑紋があるのが特徴。(同上)


つる性でウメのような葉っぱ ツルウメモドキ

2015-08-06 22:22:31 | 趣味・特技
ニシキギ科(Celastraceae); ツルウメモドキ属(Celastrus); ツルウメモドキ(C. orbiculatus)
学名: Celastrus orbiculatus
和名: ツルウメモドキ(蔓梅擬)
英名: Oriental staff vine, Japanese bittersweet

 先に紹介したクマヤナギと同様に、鉄道沿線に設けられた鉄製の垣根に覆い被さるようにツルウメモドキが茂っていた。そのなのとおり葉がウメに似ていなくもない。
 5月に黄緑色の花を咲かせる。雌雄異株である。8月に実を結び、秋になると3つに開裂して中から赤い種皮に覆われた種子が顔を出す。


5月、ツルウメモドキの花が咲いた。鉄道脇の垣根に覆い被さるように茂っている。(花巻市浅沢、2015年5月26日)



同上



花をアップ。雄花。(同上)



8月のツルウメモドキ。(同上、2015年8月2日)



同上。よく見ると実がたくさん成っている。(同上)



同上



実をアップ。(同上)