イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

薄緑で目立たないが味わい深い花 シュンラン

2015-05-30 22:26:55 | 趣味・特技
ラン科(Orchidaceae); セッコク亜科(Epidendroideae); シュンラン連(Cymbidieae); 亜連 (Cymbidiinae); シュンラン属(Cymbidium); シュンラン(C. goeringii)
学名: Cymbidium goeringii
和名: シュンラン(春蘭)


 シュンランは代表的東洋蘭の一種である。洋蘭のシンビジウムと同じ属であり、地生蘭の代表的なものである。洋蘭のシンビジウム黄色、ピンクと派手な色のものが多いが、シュンランは薄緑色の花であり非常に地味である。交配育種は時間がかかり現在でも尚なかなか難しいようだが、野生採集個体を元にした園芸品種が多数で回っているようである。
 野生のシュンランには今までであったことは無かったが、小岩井農場の自然観察会で初めてお目にかかることが出来た。地味で目立たない花だが、森の中にひっそりと咲く姿は味わい深い。


小岩井農場の自然観察会で出会ったシュンラン。(岩手郡雫石町小岩井農場、2015年5月16日)



同上。(同上、2015年5月25日)



同上


油が多く生木でも良く燃える アブラチャン

2015-05-29 06:57:16 | 趣味・特技
クスノキ科(Lauraceae); クロモジ属(Lindera); アブラチャン(L. praecox)
学名: Lindera praecox
和名: アブラチャン(油瀝青)


 円満寺を起点として大沢温泉に抜ける新奥の細道をドライブしていたら、道端に黄色い花を総状に着けた木を見つけた。花だけでほとんど葉は展開していない。何という木なのか気になっていたが、小岩井農場の新春植物観察会に出かけて同じ木が花を咲かせているのを見つけ、ガイドの方に聞いたらアブラチャンという木であることが分かった。
 ちょうどクロモジも花を咲かせており黄色い花で良く似ているが、クロモジの若枝は緑がかっており、黒い斑紋が入るのに対して、アブラチャンは樹皮の色が灰褐色である。また、花柄がクロモジよりもやや短く花がよりかたまって着いているように見える。雌雄異株である。
 クロモジと同様樹皮を引っ掻くと柑橘系の良い香りがする。「アブラ」は「油」、「チャン」は「瀝青」(ピッチやコールタール)のことで、生木でも良く燃えることから付けられた名前であり、種子や樹皮の油は灯火用に使用されたという。
 


円満寺を起点とする深奥の細道にアブラチャンがたくさん咲いていた。(花巻市円万寺、2015年4月11日)



同上



同上



同上



花をアップ。雄花。



同上



小岩井農場に生えていたアブラチャン。(岩手郡雫石町小岩井農場、2015年4月25日)



同上



花をアップ。雄花。

枝を引っ掻くと柑橘系の良い香りがする クロモジ

2015-05-27 23:19:03 | 趣味・特技
クスノキ科(Lauraceae); クロモジ属(Lindera); クロモジ(L. umbellata)
学名: Lindera umbellata
和名: クロモジ(黒文字)

小岩井農場の早春植物観察会で初めてクロモジに出会った。葉が出かかった枝に黄色い花が総状に着いている。枝の色は暗緑色をしているが、名前のとおり黒い斑点が着いている。枝全体が黒くなったものもある。枝は高級な爪楊枝の原料となり、楊枝そのものも黒文字と呼ばれるそうだ。
 何といっても印象的なのは、枝を爪で引っ掻いて臭いを嗅ぐと柑橘系の様な良い香りがすることだ。
 珍しい樹木なのかなと思っていたら、身近にごく普通に生えていることが分かった。いつもテニスをやりに行く広域公園の森にもたくさん生えていたし、花巻から鉛温泉を通って西和賀に抜ける道路の脇でもいくつか見つけることが出来た。
 雌雄異株であり、花被片は6個、雄しべは9個、雌花の子房の回りには黄色い腺体が囲む。
 クロモジの根皮を乾燥したものを生薬で、釣樟(ちょうしょう)と呼び、急性胃腸カタルや脚気に効果があるという。


小岩井農場でクロモジを見つけた。(岩手郡雫石町、2015年4月25日)



同上



花をアップ。子房が見えるのでこれは雌株だった。(同上)



別な場所で雄花を見つけた。(同上)



黒文字の枝。名前のとおり黒い。(同上)



同上



広域公園で見つけたクロモジ。もう既にかなり葉が開いていた。(花巻市金矢広域公園、2015年5月2日)



同上



花をアップ。雄しべが見えるので雄株だった。(同上)



西和賀町で見つけたクロモジ。(西和賀町、2015年5月8日)



枝をアップ。深緑色に黒い斑点。(同上)


花をアップ。雄しべが見える。この株も雄株だった。(同上)

どこからかやってきて勝手に増えた ビオラソロリアプリケアナ

2015-05-24 22:02:28 | 趣味・特技
スミレ科(Violaceae); スミレ属(Viola); アメリカスミレサイシン(V.sororia); ビオラソロリアプリケアナ(V.sororia 'Priceana')

 4~5年前から朕の庭園にスミレが目立ってきた。植えたわけではないのだが、ブルーベリーの根本の下草を取るときに后(きさき)に命じ、スミレだけは残すように指示したところ、どんどん増えてあっという間に下草はほとんどスミレだけになってしまった。
 生えてくるスミレは3種類あり、スミレ(種としての)、ノジスミレの2種類は判別できたが、残りの白いスミレがなかなか判別できない。スミレの図鑑を調べてみても当てはまるものが見あたらないのだ。さんざん調べた結果、花弁が大きくふっくらしている、側弁の基部が毛むくじゃら、距は太くて短い、葉は心形で濃い緑色、などの特徴から在来種ではなくアメリカスミレサイシンの品種であるビオラソロリアプリケアナであると判定した。
 ビオラソロリアの仲間は原産地は北アメリカで、花の大きさは在来の日本のスミレと大差はないが、非常に丈夫で、どんどん繁殖して在来種を圧迫してしまう恐れがあるので注意が必要だという。朕の庭園のスミレも圧倒的にこのスミレが多くなってしまった。しかしスミレ(種としての)やノジスミレも数はこれよりも少ないが、ちゃんと生き残っている。それほど心配することは無いのかも知れない。


ブルーベリーの根本に勝手に増殖してきたビオラソロリアプリケアナ。(花巻市桜台、2013年5月18日)



同上。(同上、2014年4月25日)



カエデの根本に自然に生えてきた。(同上)



花をアップ。(同上)



同上



花を横からアップ。(同上)



同上

白地に紫色の斑点ソバカススミレ ビオラソロリアフレックルス

2015-05-23 08:02:19 | 趣味・特技
スミレ科(Violaceae); スミレ属(Viola); アメリカスミレサイシン(V.sororia); ソバカススミレ(V.sororia 'Freckles')


 あの菊池雄星や大谷翔平の出身校である花巻東高等学校のすぐそばでソバカススミレがたくさん咲いていた。アメリカスミレサイシンの園芸種。アメリカスミレサイシンという名はスミレサイシンと同様に太い地下茎を伸ばすからだという。
 ビオラソロリアの仲間は原産地は北アメリカで、花の大きさは在来の日本のスミレと大差はないが、非常に丈夫で、どんどん繁殖して在来種を圧迫してしまう恐れがあるので注意が必要だという。
 白い花弁に紫色の斑点が入る


花巻東校等学校のすぐそばでソバカススミレを見つけた。(花巻市日居城野、2013年5月18日)



同上



花をアップ。(同上、2015年5月8日)



花を横からアップ。(同上)



花柱をアップ。側弁の基部には毛が生えている。(同上)



花柱をアップ。先端が膨らんでいる。(同上)