リンドウ科 Gentianaceae、リンドウ属 Gentiana、トウリンドウ G. scabra 変種リンドウ G. s. var. buergeri
学名:Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim.
10月末、広域公園のテニスコートでテニスをしていたら、ボールがコートの外に出てしまった。山の中にあるコートなのでマムシが出たり、タヌキや熊も出る所で少し気持ちが悪かったが、ボールを拾いにコートの外に出た。その途中足下を見てみると30cmほどの草丈で紫色の花を咲かせている植物が生えていた。後で調べてみたら、リンドウだと分かった。リンドウといえば岩手県の特産の園芸植物でもあるが、園芸種とは異なり草丈も小さく花の数も少なく全く地味な印象だ。
リンドウ属は学名でゲンチアナというが、ゲンチアナといえばゲンチアナバイオレットが思い浮かぶ。別名クリスタルバイオレット。微生物実験でグラム陽性菌と陰性菌を区別するときに用いる色素だ。ゲンチアナというので恐らく最初はリンドウから抽出した色素なのだろうか。また、別名ピオクタニンともいうがこちらの方は口内炎になったときに治療に用いるし、大腸内視鏡検査でポリープの位置を確認する目印としても用いる色素のひとつだとという。そう言えば朕が大腸ポリープの手術をした後で、3年後に再び内視鏡検査を受けたとき腸の一部が紫色に染まっていたのでびっくりしたが、これがその目印だったのかもしれない。
根を乾燥したものは生薬名を竜胆(りゅうたん)というらしい。竜胆は、苦味が強いことでよく知られ、 クマの胆嚢を乾燥した「クマの胆」の、熊胆(のうたん)より苦いということから、竜の胆として、竜胆の名前がついたとのこと。
唾液、胃液、膵液、胆汁の分泌を促進して胃腸の働きを活発にするため、食欲不振、消化不良、胃アトニー、胃酸過多症、腹痛などに効果があるとのこと(イー薬草ドットコム参照)。
テニスコートの裏山で見つけたリンドウ。30cm弱しかない。(花巻市金矢広域公園、2013年10月29日)
こちらの方は草丈が40~50cm程ある。(同上、2013年11月2日)
花を上からズームアップ。(同上)
更にズームアップ。(同上)