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イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

大柄で花柱が3本花柄が長い ミヤマハコベ

2014-06-10 09:07:27 | 日記
ナデシコ科(Caryophyllaceae); ハコベ属(Stellaria); ミヤマハコベ(Stellaria sessiflora Yabe)
学名: Stellaria sessiflora Yabe
和名: ミヤマハコベ(深山繁縷)

 全体に大柄なので、最初に見つけたときはウシハコベだと思った。しかし、花を良く見てみると花柱が3本しかない。ウシハコベは5本あるのが特徴なので違うハコベだ。調べた結果、全体に大型なのと、特に花が大きいことなどからミヤマハコベと判定した。
花弁は5枚だが深く深裂するので10枚に見えるのは多くのハコベ属と共通の特徴だ。しかし、花柱が3個であり、特に花柄が長い印象を受けた。また、花柄には1列にかなり長い毛が生えているのも特徴だと思う。多くの本やネットには茎に1~2列毛が生えていると記載されているが、写真からは1列は確認できるのだが2列かどうかははっきりしなかった。葉の表に毛はないが裏面の葉脈上に毛が生えているのも特徴で、ウシハコベは葉には毛が生えていない。
生えていた場所は薄暗い林の中の道端であり、ここではほとんどのハコベはミヤマハコベだった。逆にハコベやコハコベは林を抜けた比較的日の当たる場所に生えている。


林の中の道端でミヤマハコベを見つけた。(盛岡市太田、2014年5月6日)



花柄が長く、かなり長い毛が1列に生え、蕾も毛むくじゃら。葉の裏の葉脈上にも毛が生えているのに注目。(同上)



花は5枚の花弁だが、深裂するので10弁に見えるのは多くのハコベの仲間と共通の特徴だ。花柱は3本で雄しべは10本。(同上)

体が大きくて花柱が5本なのが決め手 ウシハコベ

2014-06-08 09:49:53 | 日記
ナデシコ科(Caryophyllaceae); ハコベ属(Stellaria);ウシハコベ(S. aquatica)
学名: Stellaria aquatica (L.) Scop.
和名: ウシハコベ(牛繁縷)

 ハコベやコハコベよりも全体に大型。根本の方に近い葉は葉柄があるが茎の先端に近い方の葉は茎を抱く。花は白く、花弁は5枚だが基部まで深く深裂するので10枚に見える。直径は8~10mm。最大の特徴は花柱が5個あることであり、他のハコベ属と分ける決め手となる。
 あちこち探してみたが、圧倒的に多いのはハコベやコハコベであり、ウシハコベが見つかる頻度はそれほど多くはなかった。畑や休耕地ではあまり見られず、草丈が高く茂る土手等で見つけることが多かった。他の草があまり生えていない場所や頻繁に耕されたり草刈りが行われる場所ではウシハコベはこれらのハコベに負けてしまうのだろう。大きいことが全てではないのだ。
 茎の節の部分は暗紫色になると図鑑には記載されていたが、見つけたウシハコベはそのようなものは無く、全体が緑色のものと茶色のものがあり、茎だけではなく葉脈までも茶色になっているものもあった。同じウシハコベでもかなり変異があるような感じを受けた。



小学校裏の道路脇で見つけた。茎が茶色。(花巻市桜台、2013年5月19日)



花をズームアップ。(同上)



田の脇の土手で見つけたウシハコベ。茎だけではなく葉脈までも茶色になっていた。(花巻市笹間、2014年5月19日)



花をズームアップ。(同上)



やはり、田の脇の土手で見つけたウシハコベ。こちらは全体が緑色だった。(花巻市南城、2014年5月29日)



花をズームアップ。(同上)


巨大な太陽の目玉 暈(かさ、ハロ)

2014-06-07 06:53:11 | 日記
  テニスをしているとき何度も暈(かさ、ハロ)を見た。テニスはサーブをする位置により太陽が目に入ることが多い。その場合目が眩まないようにどのようにしてサーブを打つかが1つのポイントとなる。つまり、太陽の位置を意識することも重要なのだ。そんなわけで、太陽の位置を意識することが多いために暈を見つけることも多いのだろう。今年に入って既に3回も見つけた。
 良く晴れた日に多いが、徐々に天気が崩れ始める時に発生することが多いという。5km以上上空に広がる薄い高層雲や巻層雲の氷の粒に光が入り屈折することにより発生する。太陽を中心として半径22°の内暈と46°の外暈があり、どちらも内側が赤色で外側に向かって色が変化し一番外側が紫色になる。22°の暈は6角柱の氷の結晶に横の方から光が入った場合で、60°のプリズムによる屈折に相当する。46°の暈は上面から光が入り、側面から光が出ていくときに発生するもので90°のプリズムによる屈折に相当する。22°の方が一般的に良く見られる。今回見つけたのも22°の暈である。
 暈は太陽を瞳とした巨大な目玉のようだ。


4月3日13時撮影した。少し雲がかかっていて丁度飛行機雲もかかっていた。(北上市和賀川グリーンパーク、2014年4月3日)



4月20日13時43分撮影した。ぎらぎら輝く巨大な目玉。(花巻市金矢広域公園、2014年4月20日)



5月3日10時45分撮影した。ぎらぎらの目玉を飛行機が横切っていった。(同上、2014年5月3日)

スゲガサに利用されてきた カサスゲ

2014-06-06 05:45:46 | 日記
カヤツリグサ科(Cyperaceae); スゲ属(Carex); カサスゲ(C. dispalata)
学名: Carex dispalata
和名: カサスゲ(笠菅)


 近所の休耕田に群生しているカサスゲを見つけた。最初はアゼスゲかと思ったが、側小穂の鱗片があまり目立たず、全体に緑色に見えるところが気になった。ネットで検索して調べてみたら、アゼスゲの雌しべは2つに分かれているのに対して、カサスゲは3つに分かれているという。幸い側小穂の写真はたくさん撮っていたので調べてみたら3つに分かれていることが分かり、見つけたのはカサスゲと判定した。
 アゼスゲと良く似ていて、茎の一番上につく小穂は雄性で残りの2~5個つく側小穂は雌性である。見つけた時点の雄性小穂は茶色い細長い葯が多数ぶら下がっていたが、花粉らしい物は見あたらなかった。恐らく既に花粉は散ってしまったあとなのだろう。雌性穂は3つに分かれた白い柱頭を出すが、毛がもじゃもじゃに生えている、花粉を効率よく捉えるための風媒花の特徴なのだという。そのせいで雌しべを出す時期には全体に白っぽく見える。熟してくると果胞の先端の嘴が少し反り返る。鱗片は赤紫色の部分があるがあまり目立たない。
 その名のとおり、古くから、笠や蓑などの手工芸品の材料として利用されてきたという。


近所の休耕田で群生しているカサスゲを見つけた。(花巻市星が丘、2014年5月20日)



頂小穂は雄性で2~5個出ている側小穂は雌性。雌しべが出ている小穂は白っぽく見える。頂小穂は茶色だが、花粉が出てしまった後だと思われる。(同上)



雄性小穂のアップ。残念ながら花粉が出てしまった後の抜け殻。(同上)



雌性小穂のアップ。モジャモジャの毛のついた雌しべがたくさん出ている。よくよく見ると、雌しべは3つに分かれていることが分かる。(同上)


少し塾度の進んだ雌性小穂。先端の嘴が少し反り返っている。(花巻市笹間、2014年5月26日)

茎についたトゲのザラザラでウナギでも掴めそう アキノウナギツカミ

2014-06-04 07:07:16 | 日記
タデ科(Polygonaceae); イヌタデ属(Persicaria); アキノウナギツカミ(P.sagitata var.sibirica)
学名: (Persicaria sagitata var.sibirica)
和名: アキノウナギツカミ(秋の鰻掴)


 9月初旬、田の脇の土手でアキノウナギツカミの花をつけ始めた。花の先はピンク色で基部の方は白色で、ミゾソバに良く似ている。しかし葉の形は全く異なり長披針形で先は尖り、基部は茎を抱く。茎は蔓状で長く伸び断面は4角形で角には下向きにトゲが生えている。このトゲで他の植物に引っかかり覆い被さるように伸びていく。
 名前の由来は茎についたトゲがザラザラしていてウナギでも掴めそうだということらしい。


田の脇の土手でアキノウナギツカミが花を着け始めた。(花巻市笹間、2013年9月9日)



名前の由来となった茎のトゲ。断面が四角形の茎の角に鋭いトゲがたくさんついている。(花巻市湯口自然休養村、2013年9月25日)



9月下旬になると花がたくさん着き始めた。(同上)



花をズームアップ。まだ全部蕾の状態だが、花はミゾソバとそっくりで先の方がピンク色で基部の方は白色。(同上)