イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

巨大な網を張る オニグモ

2014-04-28 05:42:30 | 日記
クモ綱(Arachnida); クモ目(Araneae); コガネグモ科(Araneidae); オニグモ属(Araneus); オニグモ(A.ventricosus)
学名: Araneus ventricosus L. Koch
和名: オニグモ(鬼蜘蛛)

 8月の末釜石の実家に帰ったとき、夕方大きなクモが一生懸命に網を作っているところに出くわした。かなり大きな網で直径2mぐらいにも見えた。基本となっている糸は家の屋根から庭に生えているキンモクセイの木だ。この紐を縦糸にして、大きな網をほぼ水平に作っていた。
 あいにく夕方だったので光が採れず、しかもクモがすばしっこく動き回るので不鮮明な写真しか撮れなかったが、大きさや形からしてオニグモと判定した。
 しかし、ウィキペディアには「オニグモは夜間のみ円網を張るのが普通である。網は大きなもので、垂直に張られる。網の目はかなり粗い。」と記載されていた。つまり、どうも水平には張らないらしいのだ。そこで、水平に網を張るクモはいないかなと調べてみたら、ドヨウオニグモというのがいた。しかし、このクモは小型で、5.5~10mmしかない。水平に網を張っているのが気にはなるが、オニグモで間違いではないと思う。
 オニグモは夜網を張り、夜明け前に張るのとは逆の手順で網を片付けるのだそうだ。さて、ファーブルはニワオニグモが片付けた網を食べてしまうのを観察し、食べた網を原料に再び翌日網を張ることに感嘆したのだそうだ。このことについては異論が出て、網に着いていた虫を食べているのを見間違ったのだということになったが、のちに同位元素を使用した実験で、張られた蜘蛛の巣に同位元素を含ませ、その元素が一旦クモに取り込まれ、翌日張られた網に再び同位元素が出てきたことから、ファーブルの観察の正しさが証明されたのだそうだ。ファーブルは偉い!蚊に刺されながら夜中に観察したんだろうな。


観察したのはこんなクモ。オニグモと判定した。(釜石市中妻、2013年8月27日17:46)



写真が不鮮明で見にくいが大きな網が写っている。(同上)



同上。こちらの写真はフラッシュをたいて撮影。(同上)