イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

サンショウとそっくりだけど香りが少なく、花は8月に咲く イヌザンショウ

2017-06-29 20:01:54 | 趣味・特技
ミカン科(Rutaceae); サンショウ属(Zanthoxylum); イヌザンショウ(Z. schinifolium)
学名: Zanthoxylum schinifolium
和名: イヌザンショウ(犬山椒)

 10年以上も前だろうか、庭にサンショウの木が自然に生えてきた。と思っていた。しかし、何かおかしい。サンショウの花は4~5月頃咲くはずなのに、この木は8月に咲くのだ。サンショウにもいろんな種類があるのかなと思いそのままにしておいた。しかし、最近これは絶対変だと思い調べてみたら、サンショウによく似たイヌザンショウであることが分かった。
 サンショウと比べてみると、同じ奇数羽状複葉なのだが、小葉間の感覚がやや広くスカスカな感じがする。見分けのポイントは先に述べた、花の咲く時期の違いと刺がサンショウでは対生するのに対して、イヌザンショウは互生することだ。葉の香りはあるが、それほど強くはない。揉んでもあまり香りは出てこない。


庭に勝手に生えてきたイヌザンショウ。種を鳥が運んできたのだろう。(花巻市桜台、2014年8月22日)


花が咲いてきた。(同上)


花をアップ。雄花のようだ。(同上)


さらにアップ。(同上)


イヌザンショウの複葉は小葉の間隔がサンショウよりも広い。(同上、2017年6月29日)


イヌザンショウの刺は互生している。(サンショウは対生)(同上)

花弁に切り込みがなく直径1cm程度の地味な白花 オオヤマフスマ

2017-06-26 15:23:49 | 趣味・特技
ナデシコ科(Caryophyllaceae); オオヤマフスマ属(Moehringia); オオヤマフスマ(M.lateriflora)
学名: Moehringia lateriflora
和名: オオヤマフスマ(大山衾)、ヒメタガソデソウ(姫誰袖草)

 花巻神社の境内でオオヤマフスマを見つけた。神社という場所は中に生えている草花に昔からあまり手を加えられていないためか、近所の住宅街ではあまり見かけない草花が生えている。オオヤマフスマもその一つだ。この草は近所では殆ど見かけない。花巻でもかなり西側の山に近くなる農家の土手で一度見かけたことがあるだけだ。
 5枚の白い花びらで、一見してナデシコ科の植物と分かる。花弁に切り込みがなく直径1cm程度の地味な花。葉は対生して、長楕円形で先っぽは余り尖っていない。3脈がある。草の高さはせいぜい20cm程度である。葉や茎に細毛がある。
 


花巻神社の境内でオオヤマフスマを見つけた。(花巻市愛宕町花巻神社、2017年6月20日)



同上



花をアップ。(同上)



笹間の農家の土手で見つけたオオヤマフスマ。(花巻市笹間、2014年5月19日)



花をアップ。(同上)

プラスチックフィルムのように透明感のある葉っぱ コツボゴケ

2017-06-18 11:27:36 | 趣味・特技
チョウチンゴケ科(Miniaceae); ツルチョウチンゴケ属(Plagiomnium); コツボゴケ(Plagiomnium acutum)
学名: Plagiomnium acutum
和名: コツボゴケ

 我が庭園のブルーベリーの木の根っこの辺りを見てみたら、ちっちゃな葉っぱがきれいに並んでついた植物が生えていた。見かけないヤツだなと思って調べてみたら、葉っぱの付き方からして一見顕花植物のようにも見えるが、コケの仲間であり、コツボゴケだと分かった。
 拡大してみると、葉が透き通るように薄くてきれい。プラスチックフィルムで出来てるようにも見える。こんなヤツが我が庭園に隠れていたとは知らなかった。
 チョウチンゴケ科に属し、特徴は葉の上半分にだけ鋸歯があることだという。


ブルーベリーの木の根っこの辺りにコツボゴケを見つけた。(花巻市桜台、2017年6月12日)



拡大してみると、葉っぱが透明でプラスチックフィルムで出来てるように見える。(同上)



同上



葉の上半分に鋸歯があるのが特徴。(同上)



同上

緑色のマットから赤茶色の胞子体がニョキニョキ ヤノウエアカゴケ

2017-06-17 20:33:02 | 趣味・特技
キンシゴケ科(Ditrichaceae); ヤノウエノアカゴケ属(Ceratodon); ヤノウエノアカゴケ(C. purpureus)
学名: Ceratodon purpureus
和名: ヤノウエノアカゴケ、ムラサキヤネゴケ
英名: ceratodon moss, fire moss, purple horn toothed moss

 太田の森にかかっている用水路の橋のはじっこでなにやら賑やかに赤茶色のもやしのようなものがたくさん生えている。図鑑とにらめっこして調べた結果、ヤノウエアカゴケであろうと判定した。
 緑色の配偶体から赤茶色の胞子体がニョキニョキと沢山出ていた。先端部分には蒴(さく)が着いている。


太田の森の用水路にかかった橋の端っこでヤノウエアカゴケを見つけた。上の方に見えるのは水路の水。(盛岡市太田、2017年6月11日)



配偶体は緑色。(同上)



配偶体から赤茶色の胞子体が賑やかにニョキニョキ出ている。先端部分に蒴が着いている。(同上)

橋の端っこにニョキニョキ生えていた 地衣類ハナゴケ科

2017-06-14 10:05:47 | 趣味・特技
地衣類(lichenes); ハナゴケ科(Cladoniaceae)

 テニス大会で早々と負けてしまったので、久し振りに太田の森を散歩した。雫石川から分かれた用水路の橋の上で見慣れないものを見かけた。橋の端の方に、コケが生えていたが、内側の方には緑色のコケが生えていて、その更に向こう端に白いキノコのようなものがニョキニョキ生えている。天辺の方は小さな円形でコップ状になっているものや、先端に茶色いキノコの子実体みたいなのが着いているものもある。見かけはイモムシがウジャウジャいるようにも見えて、あまり気持ちの良いものではない。
 なんだろうと思って調べてみたら、これは地衣類の仲間で、型態分類から行くと樹状地衣類にあたり、型態からしてハナゴケ科に属するものと思われた。地衣類というのはややこしい生きもので、菌類と藻類が共生したものである。しかし、現在では基本的には菌類を基本に分類されているようである。菌類では子嚢菌類が殆どを占め、一部担子菌類や不完全菌類の場合があるとされている。共生相手の藻類は緑藻類や藍藻類である。菌類と藻類が共生することにより、単独では生存出来ないような場所に生育出来るようになった生物群だ。人類も戦争ばかりしないで、地衣類に見習ってはどうだろうか。
 
用水路にかかった橋の端の方に白いキノコのようなものが生えている。(盛岡市太田、2017年6月11日)



拡大してみると、下の方にはゼニゴケのようなものがあり、そこから生えているように見える。肌はザラザラしていて気持ち悪い。(同上)



更に拡大。虫が一匹とまっていた。上の方が円くてコップ状になっているものがみえる。(同上)



同上。天辺に茶色いキノコの子実体のようなものが着いているものがある。(同上)