イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

春先に紫紅色の花を咲かせる ハナズオウ

2015-07-31 21:28:13 | 趣味・特技
マメ科(Fabaceae); ジャケツイバラ亜科(Caesalpinioideae); ハナズオウ属(Cercis); ハナズオウ(C. chinensis)
学名: Cercis chinensis
英名: Chinese redbud
和名: ハナズオウ(花蘇芳)

 中国原産のマメ科の落葉低木。花が美しいため庭木として栽培されている。花柄が短く枝に直接ついているように見える。4~5月頃葉が出る前に紫紅色の蝶形花をたくさんつける。葉はつやがあるハート型。花後数cmのマメ鞘が多数ぶら下がる。

4月にハナズオウの花芽ができた。(釜石市中妻、2014年4月24日)



同上



5月、ハナズオウの花が咲いた。(同上、2015年5月9日)



同上。(同上、2015年5月10日)



7月、ハナズオウの豆果がたくさん成った。(同上、2014年7月4日)



同上



春に咲くのに ナツトウダイ

2015-07-29 22:29:48 | 趣味・特技
トウダイグサ科(Euphorbiaceae); トウダイグサ属(Euphorbia); ナツトウダイ(E. sieboldiana)
学名: Euphorbia sieboldiana
和名: ナツトウダイ(夏燈台)

 小岩井農場の自然観察会でナツトウダイを見つけた。ナツトウダイという名前だが見つけたのは5月であり、名前がしっくりこない。これについてはハツドウダイというのがなまってナツトウダイになったという説などがあるようだ。
 茎の先端に5枚輪生し、その中心から5本の茎が出てその先端に杯状花序をつけ、更にその脇から2本の茎が出てその先端に更に杯状花序をつけるという構造になっている。花にも花弁は無く、めしべとおしべだけがある変わった花だ。
 小総苞の縁に4個の花びらのようなものが並んでいる。両端に角を生やしたような面白い形をしている。これは花びらではなく腺体というものであり、蜜を分泌する役割を持っている。


小岩井農場でナツトウダイに出会った。輪生した5枚の葉の中心から5本の茎が出て、その先端に杯状花序がつき、更にその脇から2本の茎が出てその先端に杯状花序がつくという構造になっている。(岩手郡雫石町小岩井農場、2015年5月16日)


同上


同上



杯状花序。花粉と受粉して垂れ下がった雌花が見える。(同上)



約半月後(5月31日)果実がかなり膨らんできた。(同上、2015年5月31日)



膨らんだ果実。(同上)



同上



アリと仲良くやってる コニシキソウ

2015-07-27 23:43:00 | 趣味・特技
トウダイグサ科(Euphorbiaceae); トウダイグサ亜科(Euphorbioideae); トウダイグサ属(Euphorbia); コニシキソウ(E. supina)
学名: Euphorbia supina
和名: コニシキソウ(小錦草)

 北アメリカからの外来植物。砂利道やブロック塀の脇など乾燥気味で他の草が生えにくい場所に良く生えている。地面を這うように広がるが、茎はせいぜい10~20cm程度でそれほどの勢いも無い。
 葉は対生で長さは1cm程度の長楕円形で、葉の表面に赤紫色の斑紋があるのが大きな特徴だ。枝の上部の方の葉脇に杯状花序をつける。雄花と雌花があるが花弁は無く、4つの腺体とおしべ、めしべだけの花であり1mmにも満たない。茎は赤く、茎や葉裏、果実には白い毛がたくさん生えている。
 この小さな花の受粉にはアリが重要な役割を果たしているという。また、果実は1~2mm程度の大きさで熟すとパチンとはじけて種を飛ばす。その種をまたアリが拾ってその範囲を広げるのだという。ちっちゃなくせになかなか面白い生存戦略を持つ植物だ。
 生薬名をハンジキン(斑地錦)と呼び、中国では全草を止血・血便・血尿に用いまた、催乳薬としても用いるという。

ブロック塀の脇に生えてきたコニシキソウ。(花巻市桜台、2014年7月8日)


体育館の周りに生えてきたコニシキソウ。(北上市成田屋内運動場、同上)


コニシキソウの花と果実。よく見ると雄花と雌花が見える。(花巻市桜台、2014年7月6日)


同上。(北上市成田屋内運動場、2014年7月8日)


同上。(花巻市桜台、2014年7月13日)



ハリーポッターが使用した死の秘宝 Elder Wand の材料 ニワトコ

2015-07-25 12:20:15 | 趣味・特技
レンプクソウ科(Adoxaceae); ニワトコ属(Sambucus); 種(Sambucus sieboldiana); ニワトコ
(S. s. var. pinnatisecta)
学名: Sambucus sieboldiana var. pinnatisecta
和名: ニワトコ(接骨木、庭常)
英名: Japanese red elder

 あちこちでよく見かける木の一つだ。若芽は山菜として利用できるらしい。春には白い花を房状にたくさん咲かせる。花はめしべが赤茶色でやけに目立ち、その周りに花弁より長いおしべが5本星のように開いている。何となく一つ目小僧のような印象の小さな花がたくさん集まって咲いているという感じだ。7月になると赤い実がたくさん房状に実る。
 古くから人々との関わりが深く、魔除けとして用いられたり、果実酒や薬用としても用いられてきたようだ。薬用としては接骨木(セッコツボク)の名があるように、骨折の治療の際の湿布剤に用いられてきた。他にも解熱、利尿などの効果もあるようだ。
 ハリーポッターには3つの死の秘宝の1つにニワトコの杖(Elder Wand)がでてくる。手に入れると死に打ち勝つことができるという。

4月、ニワトコの木から新芽が出てきた。(岩手郡雫石町小岩井農場、2015年4月25日)



5月になるとニワトコの花が咲き出す。(花巻市浅沢、2014年5月5日)



同上



同上



同上、赤茶色の柱頭がやけに目立ち一つ目小僧の様な花だ。(同上)



同上。(花巻市円万寺、2015年5月5日)



同上



7月になると赤い実がなる。(北上市スーパーマーケットおせんの近く、2013年7月1日)



同上



同上。(花巻市浅沢、2013年7月2日)


杉林の中で木漏れ日を浴びて群生する エビネ

2015-07-23 20:51:13 | 趣味・特技
ラン科(Orchidaceae); エビネ属(Calanthe); エビネ(C. discolor)
学名: Calanthe discolor
和名: エビネ(海老根)

 古い球茎が地表近くに連なる様子からエビネという名がついたとされる。がく片と側花弁の色は変異が大きく、赤っぽい色から薄緑色まで様々ある。唇弁は白または薄紫紅色である。全体的印象から華やかな洋蘭と比べて派手さは無く地味でしぶーい感じがするが、味わい深い花だと思う。
 今までも庭先に植えられていたのを見たことはあるが、小岩井農場の自然観察会で初めて自然に生えているエビネを見ることができた。今までは草原に生えているのかと思っていたが、イメージと全く異なり、杉林の中の木漏れ日を浴びて育っていた。よっぽど強い光が嫌いなんだろうと思った。花の色も赤茶色から薄緑色までそれぞれ微妙に異なっていた。


4月25日に行ったときは、昨年生長した葉が杉の枯れ葉の上に広く横たわっていて、まだ、新芽は出ていなかった。(岩手郡雫石町小岩井農場、2015年4月25日)


同上



5月16日には既にエビネが咲き始めていた。(同上、2015年5月16日)



5月31日に訪れたときは、エビネがあちこちで咲き最盛期を迎えていた。(同上、2015年5月31日)



同上



同上。これは赤茶色のエビネ。(同上)



同上。これは薄緑色。(同上)



杉林の中に群生している。(同上)



僅かな木漏れ日を浴びて生育している。(同上)



同上



群生するエビネ。(同上)



同上



同上



同上



赤茶色のエビネをアップ。(同上)



薄茶緑色のエビネをアップ。(同上)