黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

イタリア旅行記 #05 アリアーニ洗礼堂

2011-04-13 01:48:27 | イタリア旅行記
2010の暮れに行ったイタリアの旅行記です。
今回はアリアーニ洗礼堂@ラヴェンナです。

アリアーニ洗礼堂
アリアーニ洗礼堂

アリアーニとは、前回アップした、
サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂でも触れた、
異端アリウス派のこと。
サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂からほど近い、
人通りもまばらな路地の奥に、
ひっそりと佇んでいます。
外壁が下からの間接照明で照らされていますが、
これは地盤沈下によって現在の地表より、
建物の最下部が沈下しているためです。





アリアーニ洗礼堂
アリアーニ洗礼堂(画像はクリックで拡大します)

こじんまりとした堂内は、
外壁と同じ煉瓦が露出した極めてシンプルな造りで、
天井部分にのみモザイク画が残っていますが、
このモザイク画がサンタポリナーレ・ヌオヴォ同様、
初期キリスト教を伝えるモザイクとして、
世界遺産い登録されています。





アリアーニ洗礼堂
アリアーニ洗礼堂(画像はクリックで拡大します)

中央の図像をアップしてみると、
年齢不詳の頼りなげな青年が、
半身浴をしているように見えますが、
これはヨルダン川で洗礼を受ける若き日のキリスト。
アリウス派はキリストを神としてではなく、
生身の人間として認識していたのがわかります。





アリアーニ洗礼堂
アリアーニ洗礼堂(画像はクリックで拡大します)

右で洗礼を行っているヨハネ、
そして聖水を吹きかけている頭上の鳩、
ともにサンタポリナーレ・ヌオヴォの図像より、
更に牧歌的な雰囲気を醸し出しています。





アリアーニ洗礼堂
アリアーニ洗礼堂(画像はクリックで拡大します)

洗礼を受けるキリストを取り囲んでいるのは使徒。
十字架の玉座の右に立つ、鍵を持った人が、
キリスト第一の使徒、ペトロですが、
このペトロがカトリック教会の中で、
どんだけ重要な存在かを痛感させられるとは、
この時はまだ知る由もありませんでした。





アリアーニ洗礼堂
アリアーニ洗礼堂(画像はクリックで拡大します)

このアリアーニ洗礼堂で一つ気になったのは、
堂内の壁面を埋め尽くす煉瓦です。
幅や長さ等は、かなりいい加減な作りながら、
どれもが通常の煉瓦より薄く感じられます。



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