黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

【特集】中ノ島 #15

2005-10-25 10:05:39 | ・特集 中ノ島


軍艦島の中でもよく知られた場所や有名なエピソードの数々は、
軍艦島関係の老舗サイトさんを初め、私たちオープロジェクト
端島出身の方のサイトもで、沢山アップされているので、
このブログでは、あまり知られていない所を取り上げていきたいと思います。

かつて明治年間の僅かな期間に炭鉱として栄え、
その後軍艦島の姉妹島的な役割を担ってきた中ノ島の特集。
今回は、前回の探索で行きそびれた、
船着桟橋近くの高台に残る火葬炉跡です。


※画像はクリックすると拡大します。

画像は船着桟橋を降りて直ぐの護岸高台を見上げたところです。
手前に綺麗な煉瓦、奥に色褪せた煉瓦の構造物が見えます。
前回の探索では、時間切れで近くへ行けなかったので、
今回行ってみることにしました。






※画像はクリックすると拡大します。

鬱蒼と茂る低木の中を進んでたどり着くと、
そこには画像のような施設跡がありました。
中ノ島内の火葬施設に関して詳しく書かれた『廃墟探索』の情報や、
室内の燃焼跡の状態、
以前アップした高台平坦地の火葬炉との類似点などから、
恐らくこれも、複合式火葬炉跡だと思います。

前回の探索で見た火葬炉を仮にA火葬炉、今回のをB火葬炉とすると、
BはAに比べて、両室内の横幅が狭く、
Aは排煙口が奥の壁面にあるのに対して、
Bは奥の天井にあることなどの違いがあります。
またAには扉はありませんでしたが、
Bには画像でもわかるように鉄の扉が残存しています。

中ノ島の煉瓦遺構を見て思うのは、
その発色がとにかく良いことです。
恐らく風雨を直接受ける場所にあるため、
常に洗われている状態だからだと思いますが、
この火葬炉は木立に囲まれているせいか、
山中などにある他の廃墟の煉瓦遺構同様、
それ程綺麗な色をしていません。
また風通しが悪いせいか、
この施設が使われていた当時の空気感のようなものが、
今でもあたりに漂っているのを感じました。
軍艦島で仕事をし、この島で荼毘に臥された方々のご冥福を、
心からお祈りします。

合掌

追記:
この施設は、一つ上の画像でいうと、奥の色褪せた煉瓦構造物の方で、
手前に写る色の鮮やかな煉瓦構造物を見忘れてしまいました。
次回再探索の際に、また行ってみようと思います。

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■シリーズ:中ノ島■ INDEX

【参考】蒟蒻煉瓦:小菅修船場

元軍艦島の島民の方々のブログ及びサイト
現役時代の中ノ島:炭鉱操業時と綺麗に整備されている緑地公園
究極の軍艦島サイト!:軍艦島や中ノ島の事を詳しく知りたい方はまずこちらへ!
            通常見られない数々の操業時の写真は圧巻!

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2 Comments

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Unknown (超問です。)
2005-10-30 10:09:43
この火葬炉を見ると、蒟蒻煉瓦の施設の内側に、豆腐煉瓦で火葬炉を作っている形になるのでしょうか。



しかし、蒟蒻煉瓦は発色が良いですね。新しいはずの火葬炉の建物の方が古く見えます。
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中ノ島の煉瓦 (廃墟徒然草)
2005-10-30 17:09:00
▼超問さんへ

書き込みありがとうございます!



画像左端の煉瓦は、蒟蒻っぽいですね。

さらに大きな画像でみると、

蒟蒻っぽい煉瓦が左の室内の壁にも使われいるようにも見えます。

しかし正面の壁などは豆腐タイプですね。

これはどういったことでしょうか?

正面左寄りの発色の違う煉瓦は、

この記事の一番上の桟橋側から見た画像の、

右側手前に張り出してる遺構の裏側ということでしょうか?

※もうちょっと詳しくみてくればよかったと思います。



また発色のよさは、蒟蒻煉瓦ゆえのものでしょうか?

だとすると製造時の成分がかなり違うとか・・・

いろいろ調べることがありますね!



煉瓦に関して、最近疑問に思うことがありますので、

次回の記事にアップしたいと思います。 

 

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