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黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

名もなき廃墟 #07

2006-11-13 06:23:39 | ・名もなき廃墟
こんな名もなき廃墟はどうでしょう。



年季の入った崩れかけの塀だけです。
個人宅の外塀だとすれば、かなり立派な家だったと思いますが、
放置されてからの時間も立派に経っています。


















 
正門と通用門をふさぐブリキもひしゃげています。
以前にアップした台北の市内でそこら中にみかけた光景ですが、
東京の都心部では滅多におめにかかれません。

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名もなき廃墟 #06

2006-11-11 23:49:10 | ・名もなき廃墟
こんな名もなき廃墟はどうでしょう。



酒屋さんの仕舞屋が更にうち捨てられたモノかと思います。
左が酒蔵、右が店舗、
手前の場所は配達用のトラックが出入りしていたんではないでしょうか。

仕事が忙しく、遠出がなかなか出来ないときは、
しょうがなく家の近所の廃墟を探します。
普段通る道を一本入ったり、違う路地を曲がってみたりすると、
突然名もなき廃墟が立ち現れて、
少しは気分の平穏が取り戻せたりします。
 
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名もなき廃墟 #05

2006-11-10 00:38:09 | ・名もなき廃墟
こんな名もなき廃墟はどうでしょう。



すこしひしゃげたトタン板。
程よく錆が浮かび上がった部分と、
そうでない部分のバランスが、
絶妙です。
画像から切れている左側をみると、
複雑な造りになっています。





板張りの壁が痛み、
それをトタンで修復しながら生きながらえた家屋。
部分的に板が剥がれて穴があいた壁面。
色に統一性のないトタン板。
申し訳なさそうに生える赤い葉の植物。
傾いたコーン。
壊れた井戸ポンプ。
無造作に伐採された枝。
すべてのディテールが集まって、
絶妙な殺風景を作り出しています。
 
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名もなき廃墟 #04

2006-11-09 02:16:34 | ・名もなき廃墟
こんな名もなき廃墟、というより廃物件はどうでしょう。



鉄板が収縮してキンキン音が鳴り出しそうな、
寒い冬の曇天の日だったと思います。



一時期、錆と塗装の剥げに魅せられた時がありました。
湾岸の工業地帯は、錆と塗装剥げの宝庫なので、
ひがな一日、極上の錆や剥げを探し求めて彷徨ったのを思い出します。



晴れているとこのタンクの向こうには、
代々木のDoCoMoビルがみえるような場所ですが、
この一角は、平日でも殆ど人通りがなく、
ちょっとかわいそうな場所です。
 
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名もなき廃墟 #03

2006-11-08 00:10:38 | ・名もなき廃墟
こんな名もなき廃墟はどうでしょうか。



背景に映るビルからも分かるように、
新宿~代々木の界隈です。
路地を入った閑静な住宅街の中に突然姿を現す、
20年近く放置された廃墟です。



屋敷全体が草に覆われ、
道沿いに立つ木は、家の何倍もの高さに成長してしまっています。



玄関も草に覆われ、もはや入り口がわかりません。
周囲にはそこそこしっかりした戸建ての住宅が並んでいるので、
この屋敷の一角だけ、時空が歪んでいます。

隣の人の話だと、以前に雑誌社の取材がきたそうですが、
よく見つけるものだと思います。
 
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名もなき廃墟 #02

2006-11-07 01:45:03 | ・名もなき廃墟
昨日と同じ船工場の廃墟。
 

 
目の前は運河になっていて、
何艘かの船が停泊していましたが、
この工場に寄り添う様に停泊していた2隻の船は、
すでに半分水没していました。
運河の水はあまりにも透き通っていて、
遠目には水没しているようにはみえませんでしたが、
近くで見ると、
船室は海水で満たされていました。



休日のせいか、人気はまったくありません。
隣に並ぶ船工場はどれも廃墟ではなかったので、
おそらく平日は人がいるんでしょうが、
人がいない年期の入ったドッグは、
すでに廃墟だと言われても納得してしまいます。

廃墟は、壊れている事よりも、
人がいない、という事が重要なことに気がつきます。
 
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名もなき廃墟 #01

2006-11-06 02:59:33 | ・名もなき廃墟


誰にも知られることなく、
名前があったとしても意味もなく、
いつのまにかそこにあって、
いつのまにか解体されてしまうような、
そんな廃墟が一番よく知っている廃墟。






この船工場も、名前はあるけど別に重要じゃないし、
今あるかどうかもわからない。
だれも保存しようとも言わない。
そんな
名もなき廃墟が、廃墟としては一番しっくりくる。
 
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