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黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

名もなき廃墟 #22

2007-04-17 00:33:41 | ・名もなき廃墟


仕事の用があってちょっと行った新宿の北部、牛込と呼ばれる場所にも、
Mapionの最拡大地図に掲載されていないほど細い路地に、
時空が歪んだ街がありました。








ほんの短い路地。
半分くらいは現役、そして半分くらいは使われていない建物が、
所狭しとひしめき合っています。
そしてこの集落の魅力はなんと言っても、草木と一体化した生活。







この井戸は現役なんでしょうか。
カコカコしなかったんでわかりませんが、
緑色に塗装されたものなので、
それほど古くはないようです。







この集落を上から眺められる場所がありました。
ビルの谷間に並ぶ茶色い屋根瓦は不思議な光景です。
画像中央の空き地は、かつて民家が建っていた跡地でしょうか。
玄関や炊事場の土間のあとのようなものが見えます。

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名もなき廃墟 #21

2007-04-16 03:21:17 | ・名もなき廃墟


昨日アップした最初の建物の裏側へ回ると、
コンクリート舗装されていない駐車場になっていますが、
周囲を現役と廃墟の木造住宅が取り囲み、
完全に異界へ迷い込んだ趣です。







ジャングルの様に育ちまくった木々。
落雷で死亡したような木には、
蔦草がこれでもかっていうほど絡み付いています。








集落にある、懐かわいい現役の建物。
庭に無造作に並べられた花の植木鉢。
なかなかこうは置けない、絶妙な配置です。

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名もなき廃墟 #20

2007-04-15 01:09:06 | ・名もなき廃墟


カテゴリにして時々アップしている新宿ノーザンウエスト同様、
新宿の南東地区にも、かつて昭和の街並が残っていましたが、
その半分は21世紀に入ってから解体され、
今では残り半分の地域にほんの少し残っているだけです。
そのうちの一軒。
このエリアには7~8軒の懐かしい建物があり、
その雰囲気は「集落」という言葉を連想させます。
廃墟は民家2軒とアパート1軒の3軒で、残りは現役です。



2軒の廃屋のもう1軒。

「あばら屋」という言葉を聞かなくなって久しいですが、
確かに街からあばら屋は無くなりました。

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名もなき廃墟 #19

2007-04-14 00:42:55 | ・名もなき廃墟


画像からもわかるように、南新宿界隈。
Mapionの最拡大地図にも載っていない路地のまた裏路地に、
ぽつんとあった名もなき廃墟。








町中の名もなき廃墟は、
その殆どが狭い路地裏とかにあることが多いんで、
最近は超広角レンズの必要性を感じます。








磨りガラスの向こうにあるのは、木製の鏡台でしょうか。
できれば部屋の明かりは、乳白色のランプシェードがついた、
白熱灯であってほしいな、と思います。

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名もなき廃墟 #18

2007-04-13 00:57:59 | ・名もなき廃墟


おそらく夏は緑に覆われる木造家屋。
からみつく蔦は、主がいない建物を、
何年冷やしてきたのでしょう。
同じ木造でも、四角い板張りではなく、
横長の板張りなので、
きっと当時は洋風な印象だったんでは。





右寄りの2階にはみ出した、トイレスペース。
むきだしの小舞と懐かしい小窓。

都会のどまんなかで、
よくぞここまで放置してくれました。

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名もなき廃墟 #17

2007-04-12 00:17:39 | ・名もなき廃墟


昨日アップした懐かしい日本家屋の裏側。
こちら側もグリーンとブルーのトタンに、
木の板張りの配色が絶妙に奇麗で、
左下に写るのはガスメーターのカバーでしょうか、
これまた懐かわいいです。






そしてこの裏側の向かいに建つ、同じような木造家屋。
こちらは珍しい赤いトタンで補強されていますが、
赤いトタンもまたいい味。
耐火の意味でも、耐震の意味でも、
おそらく外観を木造にする住宅は今後ますます造られないと思うけど、
せめて今残っているものを見て、
楽しみたいもの。

木の窓枠、雨戸の戸袋、
幼少の頃住んでいた木造住宅を思い出すなぁ~。
 
ちなみにこの物件は、廃墟というよりは、
今は誰も住めないため放置されている状態だそうなので、
(昨日の記事のコメントで教えて頂きました)
いずれ復活して人が住む時がくるといいと思います。
 
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名もなき廃墟 #16

2007-04-11 02:47:28 | ・名もなき廃墟


最近、木造家屋をトタンで補強した廃墟が気になります。
下町の方にあった、恐らく最近廃墟になった民家。
その造りからして、遊郭、あるいはおき屋を彷彿とする建物です。








特に窓の前に設置された細い木のサンがその感じを強調しています。

美しいですね!日本の木造家屋。

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名もなき廃墟 #10

2006-11-16 00:38:56 | ・名もなき廃墟
昨日アップした名もなき廃墟の続きです。

別の角度から見てみました。
画像が傾いてるのか、建物が傾いてるのか。
本来は水平に建っていたんでしょうが、
手前の道が緩やかな坂なために、
時間が経つうちにだんだん坂に馴染んでいってしまったのでしょう(^^;



最近アップしてきた「名もなき廃墟」シリーズに、
何度かコメントを頂いたneonさんから、
「トタンパッチワーク」という言葉を教えて頂きました。
6日前の記事にアップしたような、
トタンを張り合わせて出来上がった壁面の事だそうですが、
この建物の壁面は、
トタンと木のコラボパッチです。




ちなみにこの建物は明らかに廃墟ですが、
実は人が使っています!
人が使っていても、廃墟は廃墟だと思います。



名もなき廃墟シリーズもちょうど10回アップしたので、
きりがないのでこの辺でひとまず終わりにします。

ここにアップしてきた廃墟は、
いわゆる有名な大鉱山や巨大工場の廃墟とは、
まったく違う時間を積み重ねてきた廃墟です。
同じ20年や30年という年月でも、
かたや誰もが知るくらいのオーラを放ち、
かたや誰からも知られる事なく、
やがて時間の静寂に消えてゆく。

なんか、それって、人生? みたいな
 
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名もなき廃墟 #09

2006-11-15 01:50:39 | ・名もなき廃墟
こんな名もなき廃墟はどうでしょう。



画像からもわかるように、
かなり住宅やオフィスビルが密集した地域に、
ポツンとあります。
以前アップした戸山の給水塔の記事でも書きましたが、
どんどん真っ白くなっていく東京の街中に、
こういった風情と色で残っていると、
凄く有機的な生き物のように見えます。




特に裏手の屋根の上に乗っかった、
建て増ししたような部屋の部分は、
かなりきてます。
ブラボーとしか言いようがありません。
 
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名もなき廃墟 #08

2006-11-14 00:38:38 | ・名もなき廃墟
こんな名もなき廃墟はどうでしょう。



住宅街の中にポツンと取り残されたような
小さな焼失家屋。
周囲は相当接近していますが、
類焼は一切なく、植物も全く健在です。
それとも、類焼した隣を建て替え、
植物が年を越して奇麗に再生する、
そんな長い間、
この家屋は放置されているのでしょうか。



それにしても何に使われていた建物でしょうか。
人が住むには一部屋しかありません。
倉庫にしては窓が多く大きすぎます。
手前には基礎が残っているので、
解体の途中に出火したんでしょうか。






夜になると明かりのない小屋を、
崩れた梁越しに月が照らしていました。
 
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