K-World (Kの世界)

アルツハイマー型認知症の妻K、
発病後18年目になります。
現在は介護療養型病院に入院中。
(夫Route463)

いい所もあるんじゃない?

2008-10-26 14:11:46 | ケア日記
他人のウンチの始末をするなんて、
誰だってほんとうはイヤですよね。

だけど、愛する妻Kのことであれば、
逃げるわけにはいきません。

イヤだと感じることがあっても、
イヤだと感じるのは、ほんの一時的なこと、
「いい所もあるんじゃない?」と考えれば、
イヤな気もちも小さくなります。

10月26日の午前10時のお話です。

私がトイレから出ると、洗面台のマット上に
特大の便があるのを見つけました。

Kはここ1週間排便がありませんでした。
昨日からはお尻に手を当てるなどして、
出したい雰囲気を漂わせていました。

トイレに入るたびに、排便かと期待するも、
毎回空振りに終わっていました。

今朝、私は「もしやKも?」と思いながら、
トイレに入りました。

その「もしや?」が的中してしまいました。
私がトイレに入るときに、Kもトイレに
行きたかったのですね。

トイレに入りたい時間がぶつかってしまう。
よく聞くお話です。

Kはきっとあちこち探したまわった末、
洗面台前にしゃがみ、用を足したのでしょう。

山盛りの便を見て、一瞬、どうしようって、
途方にくれましたが、起きてしまったこと、
冷静に受け入れるしかありません。

便・汚れ物の処理、身体の洗浄と着替え、
最善の対処法と手順は、経験がものをいい、
手際よく行うことができました。

「いい所もあるんじゃない?・・・」
そう思いながら、「よかった」と思った。

まずは「出てくれてよかった」と思った。
パンツの中にでもいいから出てくれればと
思っていただけに、ほっとしました。

和室のフトンの上でなくてよかった、
居間のジュウタンの上でなくてよかった、
台所の片隅でなくてよかった、・・・、
Kも気をつかってくれていたんだ。

風呂場のシャワーが使える季節でよかった。
真冬だったら風邪を引かせないように
もっと気をつかわなければならない。

そんなふうに「よかった」と思っていると、
イヤな気持ちはどこかへ飛んでいきました。

Kがにっこり笑って、「ごめんね」、
これで一件落着と相成りました。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (maro)
2008-10-27 22:07:39
今晩は

家族は逃げるわけにはいきませんね。
まずは排泄があり良かったと
頭を過ぎります…良かったねと声かけ
気持ちの持ち方 考え方で
でも
素晴らしい対応の仕方お見事につきます。
大変なお仕事ご苦労さまと思い
ブログを読ませてもらいました。

家は今朝仕事から帰ってきましたら
夕べのラキソが効いたらしく、哀れな姿
4時頃パット交換のときは何事も無く
何処の家族も同じだな~
笑ってしまいました。
これからはカゼひきが怖いですね

今日は週一回の訪問介護日でしたが
入浴が済んでいたので「介護相談」に
のって戴き不安が減り、自信をくれる
看護師さんです…逢うのが楽しみです。

排泄の話は尽きませんね。
無理をされませんで
 気持ちよく行きましょう!!
返信する
初めまして (soyo)
2008-10-27 22:50:32
母が60歳でアルツハイマーと診断されました。
3年前位から物忘れなどひどくなり、未破裂脳動脈瘤が見つかるのと同時にアルツハイマーの診断を受けました。症状は進む一方で、今は家族で日々母のことで頭が一杯。こんなに家族で話し合うのは初めてじゃないかと思います。
色々調べているうちに、こちらにたどり着きました。route463様のブログを拝見して涙が止まらなくなってしまいました。
私たちが不安に感じている事も、よかった、ほっとしたと書かれている事。なんだか胸のつかえが取れたように、涙があふれてしまいました。

私たちを懸命に育て、家族を守ってくれた母。今度は私たちが母を守ってあげたいと思います。

まだまだ大きな壁にぶつかることもあると思います。
その時にはroute463様の言葉から勇気をもらえたらと思います。

突然のコメント、失礼しました。
また訪問させていただきますね!
返信する
Unknown (Route463)
2008-10-27 22:59:54
maro様

こんばんわ
きょうは珍しくデイにて排尿がありました。
いつもは家に帰るまで我慢しているみたい。
やはり家のトイレの方が安心してできる?
ほんとうに微妙な心の動きなんですね。

ラキソは効き目があるようですね。
出ないで悩む姿を見るより、出てくれて、
ほっとしている顔を見るほうが好きです。

何かと相談に乗ってくれる看護師さん、
心強い味方ですね。そういう人との出会い、
大切に守っていきたいですね。

maroさんも私も、排泄のケアを通して、
その道の専門家になれそうですね。
返信する
Unknown (Route463)
2008-10-27 23:40:21
soyo様

ようこそお訪ねくださいました。
60歳の若さでこの病と診断され、
お母様はご無念だったと思います。
soyo様ご家族の悲しみのお気持ちは、
痛いほど分かります。

お母様の病状の進行を見るにつけ、
soyo様ご家族は、胸を締めつけられる
思いでいっぱいのことでしょう。

soyo様の「今度は私たちがお母様を
守ってあげたい」というお気持ちは、
何ごとにも変えがたく尊いものです。
お母様にはきっと通じていますよ。

家族の愛情が何よりの薬ですから。

soyo様、お一人で抱え込まないこと。
介護サービス、ご近所のみなさま、
家族の会のみなさま、ヘルパーさん、
そういった方々のご支援を受けて、
soyo様ご自身のストレスを解消する
ようにしてくださいね。
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