うまさいと

お馬さんは好きですか?

香港國際賽事(Hong Kong Sprint編)。

2005-12-03 00:30:40 | 競馬
色々とつかえそうなので香港について書いてみよう。まずはHong Kong Sprintから。

Hong Kong Sprint(HK-G1 T1000m)
調教国/Rating(WTRR)/馬名(生産国)/齢/性/斤量/調教師
HK 123 Silent Witness (AUS) 6 G 126 T Cruz
FR 116 Chineur (FR) 4 C 126 M Delzangles
JPN 115 Admire Max(JPN) 6 H 126 M Hashida
HK 115 Cape Of Good Hope (GB) 7 G 126 D Oughton
GB 113 Majestic Missile (IRE) 4 C 126 W Haggas
GB 111 Benbaun (IRE) 4 G 126 M Wallace
HK 110 Country Music (AUS) 5 G 126 T Cruz
HK 108 Planet Ruler (AUS) 6 G 126 A Lee
HK 107 Able Prince (AUS) 5 G 126 J Moore
HK 100 Natural Blitz (AUS) 5 G 126 D Cruz
MC 100 Warcat (NZ) 4 G 126 C Yee
HK 95 Absolute Champion (AUS) 4 G 126 A Lee
FR 108 Nipping (IRE) 3 F 122 R Collet
USA 103 Nicole's Dream (USA) 5 M 122 L Rivelli

というわけで、選出馬は14頭。このうちウィルスの感染からくる体調不良、さらにバリアトライアルでの5着凡走など、Silent Witnessの回避は確実。ということで、プレレートから推測する本番のレーティングは一番うまくいって国際G1のレートである115を確保できるか微妙なところ。といっても、国際レーティングは毎年この香港國際賽事に合わせてハンデキャッパーが海外から集められ、レーティングの調整を行う会議が開催されますので、レート修正による多少の上下は考えられるでしょう。

しかし、Silent Witnessを除くとトップレートになるのが仏国のChineurだとはおそれいったorz

今回のHong Kong Sprintは欧州勢、香港&マカオ勢、それに日本&米国といった感じで大別すると見やすいかもしれません。
まずちらっと欧州勢を見渡すと、4頭ともNunthorpe S.(GB-G1 T5f), Prix de L'Abbaye de Longchamp(FR-G1 T1000m)の両レースをつかっていることがわかります。これを見ると、欧州の短距離路線(7f以下)がいかに限られた面子で競われている路線かというのがすぐにでもわかってしまうわけで、地盤沈下が進んでいるといっても過言ではないのかもしれません。他地域からの遠征馬であるChoisirやCape of Good Hopeなどが風穴を空けてしまうのも頷けます。それは長距離路線の方がさらに著しいという可能性もあるのですが、WesternerやVinnie Roeなどの活躍によって少し変革が起こりつつあるのかもしれません。話を戻します。
Nunthorpe S.(GB-G1 T5f)
Majestic Missile 3rd
Benbaun 5th
Chineur 9th
Nipping 10th
といった感じ。勝ったごきぶりさんことLa Cucarachaは出てこないのね。残念。
Prix de L'Abbaye de Longchamp(FR-G1 T1000m)
Chineur 4th
Majestic Missile 9th
Benbaun 10th
Nipping 15th
こちらはこんな感じ。こうやって見るとNippingが一番だめっぽい気配がしますが、微細ながらプラスなデータを後述しましょうか。どうみてもドングリの背比べとしか言いようが無いのですが、推せるお馬さんだけでも挙げておきましょうか。

暫定トップレートのChineurはCape of Good Hopeも出走(4着)していたRoyal Ascot Meeting at YorkのKing's Stand S.(GB-G2 T5f)の勝ち馬です。ここで116をもらったのでしょうが、このレースには昨年のHong Kong Sprintに参戦して欧州勢では最も人気になっていた(というよりもSilent Witnessの人気が高過ぎた感もあり)Varが出走していまして6着と。しかし、今年のVarは精彩を欠いていたので参考にはならないかもしれませんが。そして南アフリカで種牡馬入りしたというのは以前書いた記憶があり。脱線したので元に戻すと、ChineurはKing's Stand S.の後はNunthorpe S., Prix de L'Abbaye de Longchampを9, 4着と敗退し、Prix de Seine-et-Oise(FR-G3 T1200m)でも5着。前半戦の4連勝の勢いが嘘のような後半戦に入ってからの低迷振りで、ここで一発という可能性は少し低いかと思われます。Fasliyev産駒ということもあり、そろそろ潮時かなということだったのですかねぇ。というよりも、昨年と比較しても欧州勢は面子的に相当ダウンした感があるので、む~、狙えない。

あえて他にも欧州勢を推すならば、Nippingを推したいかなと。持ちレートは108であり、前述の通りNunthorpe S., Prix de L'Abbaye de Longchampでは10, 15着と敗れています。一応その間にPrix du Petit Couvert(FR-G3 T1000m)での勝利が挟まるのですが、注目に値するのは半兄であるZippingが3年前のHong Kong Sprintで5着しているというところ。ちなみにその時、Cape of Good Hopeは9着でした。まぁ、そんなこんなで走るとしたらNippingじゃねぇかという至極アレな予想。

続いて115はサイトでも何度も何度も取り上げた「さすらいのスプリンター」ことCape of Good Hopeさんとアドマイヤマックス。
昨年2着のCape of Good Hopeのローテーションたるや凄まじいものがありまして昨年暮れのHong Kong Sprintから
「香港→豪州→香港→英国→(香港でバリアトライアル2着)→日本→豪州→(香港でバリアトライアル1着)」という遠征三昧。その甲斐あってか、それまでどうしても勝てなかったG1を2つも勝ち(豪州と英国)、第一回のGlobal Sprint Challengeの王者に輝きました。Silnet Witnessが回避すれば、香港のエースとして出走してくることは間違いありません。海外からの参戦馬を見渡してもさほど強力な布陣ではなく、ここで勝たなければSilent Witnessに勝てる日は無いと思わせるようなお膳立てが整っています。そういうところでまた負けてしまうのがCape of Good Hopeの持ち味とも言えるかもしれませんが、この冬の豪州遠征でSalinger S.(AUS-G1 T1200m), The Age Classic(AUS-G2 T1200m)と両方とも3着に敗れてしまったのはちょっと痛かったかな、というところ。

アドマイヤマックスはご存知の通りHong Kong Mileで0.3秒差の4着があるので、日本よりも時計のかかるSha Tinの芝コースへの対応力に関しては問題はないかと思われます。今年は高松宮記念を勝ったこともあり、堂々の選出ということになりました。欧州勢はさほど脅威ではないので、敵は香港勢ということになるでしょう。個人的にこのお馬さんはマイルに向いているのではないかと考えていますが、さて引退レースとして直線1000mというのはどうなのでしょうか。姪にあたるラインクラフトが古馬戦線に混じってもなかなかの活躍を見せていることから、牝系の同時活性化というのも見たいなという気はします。鞍上が上村騎手になるとの噂なのですが、私は菊花賞当日の華麗な逃げ切りを現地で観ているので、問題は無いと思っています。

International Sprint Trial(HK-G2 T1000m)の上位二頭であるPlanet Ruler, Able Princeは、あの面子では実績上位だったので上位独占も当然というところ。ただ、国際レースになるとさすがに地力に差が感じられる。どちらかというとその時の3着馬で昨年の3着時のように今回は逃げに出そうなNatural Blitzや、前走大敗もSilent Witnessに迫る実力を感じさせていたCountry Musicなどの方が不気味な存在に感じられる気がしますが。

唯一米国からの参戦となるNicole's Dreamは多分米国で芝5fのステークスレースを4勝してます。アメリカの芝のスプリンターなんてそうそう思い付かないので、ちょっとだけ注目。引退したPico Centralや亡くなったSaratoga Countyなど、ばかっぱやいダート馬が出てきた方が怖いとは思うのですけどねぇ。一番推したいのは一昨年のBreeders' Cup Sprint(USA-G1 D6f)の勝ち馬であるCajun Beatです。出てこないけどさ。ふんだ。淋しい。