うまさいと

お馬さんは好きですか?

Dixieland Bandについて考察してみる。

2004-11-04 00:16:56 | 競馬
珍しく生産界関連のことについても書いてみる。といっても結局海外の話題だったりするんだが。


「Broodmare Sire(母父)」と言われてどんなお馬さんを思い出すか。これは人それぞれなんだろうけど、例えば現在の日本ならNorthern Tasteなんだろうし、最近はマルゼンスキーが注目とか。一昔前ならトウショウボーイとか、このサイトを見ている方ならそういった感覚をお持ちのことだろうと思う。


じゃあ、アメリカのBroodmare Sireってどうなってんのよ?と。やはり日本のNorthern Tasteと同じ様に、Broodmare Sire界を席巻しているツワモノがいる。bloodhorseのBroodmaresire Ranking(アメリカでは色々な団体がランキングを掲載している上に、集計方法がそれぞれ違う為、順位はまちまち)によると、予想通り大御所Mr. Prospectorが97年から03年までLeading Broodmare Sireを続けている訳で。しかし、その牙城を揺るがす種牡馬が出てきたというのが今日のお話。


「Dixieland Band」この馬名に聞き覚えはあるだろうか。


デルタブルースの母父!と答えた人は初級マニア。
Egyptband,Drum Tapsなんかの親だよね!と答えたら中級マニア。
アメリカンボスの母父!と答えた人もやはり中級マニア?


ちなみに私は初級レベルです。


それはおいといて、要はこのDixieland Bandが歴史を変える大事をやってのけようとしているんですな。


04/11/02現在、このDixieland BandがLeading Broodmare Sire RankingでMr. Prospectorを抑えてトップに立っております。Dixieland BandをBroodmare Sireに持っていて今年活躍しているお馬さんを挙げてみるとSouthern Image(Santa Anita H etc.),Society Selection(Alabama S. etc.),Freefourinternet(Hawthorn Gold C. etc.),Pollard's Vision(Illinois Derby etc.)なんかがいますな。勝ち鞍は代表的なのだけね。一般のレースの賞金が低い為に高額賞金レースの影響力がランキングに大きく反映するアメリカですが、Dixieland Bandの場合、一頭だけ抜けてるお馬さんが活躍、とかではなく、Stakes Winnerもそれなりにいると。産駒数もそれなりに多いんだけど、上級レベル(G1で活躍中)で安定して活躍しているお馬さんが常に何頭かいるということか。ちなみに、Leading Sire Rankingでは55位だったりする。


でね、結局何が言いたいのかというと「何か微妙にリンクしたりするんだねぇ」と。こういった年に、きっちり日本でデルタブルースなんていうGⅠ馬を輩出する辺り、Dixieland BandはBroodmare Sireとして本当に優秀なんだろうなぁと思うんです。


Broodmare Sireとしてこういった活躍をするのは「牝系との和合性の高さ」みたいなものが考えられるんだろうと。Broodmare Sireとしてそれなりに影響力を残しつつ、かといって目立ちすぎる訳でもなく、なのに次代に配合された種牡馬の特性をきっちりと生かし切る。そんな感じの「次代の種牡馬との和合性」とでもいうべきものです。


したらば、それはどういったところから来るものなのか。Dixieland Bandの父はNorthern Dancerで、歴史上でも和合性はピカ一なんだろう。では、母父のDelta Judgeって何だろうな。という疑問にぶち当たるんですよ。このDelta Judgeにやはり秘密があるんだろう。調べてみたところ、海外でも種牡馬としてかなりの活躍馬を輩出してます。詳細は割愛しますが、代表産駒はここではProud Deltaだけにしておきますけど、産駒傾向として芝もダートも短距離も中距離もお構いなしで輩出してるってのが凄いな。デルタブルースの例を持ち出すとやはり日本の傾向も考えなければいけないか。日本でいうと・・・お、いたいた。オークス馬であるシャダイアイバーや、Ski Goggleの母父なのか。やはりこう、どういったfieldでも活躍できるというのは大きなメリットなんだろうなぁ。






さぁ、ここからは個人的な意見でとばしていきます。


内容は主に「Dixieland Bandの名前の由来とDelta Bruceへと繋がる血のロマン」。


海外の名前のつけ方ってのは、本当によく考えられていると思うんですよね。日本はまだ歴史的に見ても浅いのですが、クロフネなんかは非常に秀逸なネーミングセンスだと思うんだけどなぁ。勿論、一代限りってイメージはあるけども。


じゃ、この牝系についてちょっと考えてみよう。暇な方はお付き合いお願いします。


できることならば、Dixieland Bandの血統表、Delta Bruceの血統表辺りをもう一つのウィンドウで開いていただければより話がわかりやすくなる。というか、開いてないと文字だらけで意味がわからないと思います。


Dixieland Bandというのは「Dixieland Jazzって種類の音楽のバンド」ということらしく、詳しくはDixieland Jazzのバンドのサイトに書いてありますので割愛。というよりも転載はまずいゆえ。話を元に戻すとDixieland Bandの母の「ミシシッピの泥」Mississippi Mud、父「北の踊り子」Northern Dancerからきてる。

もうちょっと説明すると「Dixieland Jazz」は「New Orleans Juzz」を含むわけ。で、New Orleansにはミシシッピ川が流れていると。ちなみにミシシッピ川の河口には三角州があるのです。その「ミシシッピの泥の中の北の踊り子」→「ディキシーランドバンド」なのか。わからんでもない。正直言うとあんまりわかんない。

こんなことで挫けてはいけないので、ここで考えを変えてみよう。最初の「Dixieland Band」の訳をもう一つの候補であるも「DIX(仏統治時代の10$紙幣)が通用していた地域のバンド=New Orleansのバンド」と考えてみる。すると「ミシシッピの泥の中の踊り子」→「New Orleansのバンド」となる。これなら連想可能か。

続けよう。Mississippi Mudの母の「砂のバギー」Sand Buggy、父は「三角州の審判」Delta Judgeか。むむむ、難敵だ。ここは「Delta」から「Mississippi」を連想して、「Sand」辺りからミシシッピ川とつなげて「Mud」を連想と。よし。

次の世代はSand Buggyの母の「エジプト人」Egyptian、父は「戦争」Warfareなのか。ここは、砂地での戦闘からすんなり「Sand Buggy」が連想できそうですな。

また遡るとEgyptianの母の「夜の霧」Evening Mist、父は「ヘリオポリス(太陽崇拝の中心地=カイロ)」Heliopolisなので、何でかわからんがエジプト人になったんだと。

その次はEvening Mistの母の「霧の小島」Misty Isle、父は「午後8時30分」Eight Thirty(その母がDinner Timeだからね)。この辺りで繋がりが希薄になっているけども。何となくまだわかる。

ちなみにその次はSeven Pines「7つのパイナップル?」とSickle「鎌」なんだが、さすがにもう限界。わからん。


ここまで何で続けたかというと、デルタブルースの牝系、もしくはその名前の由来をもう少し深くまで連想したかったからってのもある。


Dixieland Band「New Orleansのバンド」とOcean Jewel「海の宝石」の間に生まれたのがDixie Splashなのか。これは難しいな。だけども単純に「Dixieland Jazzが飛び散る」って感じで考える。するとDance in the Dark「闇の中の踊り」とDixie SplashはDelta Bruceは「ミシシッピのブルース」に・・・ならないか。いや、何とかなるか。「ミシシッピ川河口付近の荒々しいブルースをイメージして」だそうですが、血統的になるべくしてなった名前だと考えられなくもないなぁ。


何の役にも立たないことをたくさん書いてしまったけれど、ここまで読んでくれた方は、よほどのお馬さん好きなんだと思う。じゃないと飽きるから。ここからはそういった方へのメッセージ。


一頭のお馬さんに詰め込まれている情報というのは、調教情報とか、戦績とか、そういった一代限りで終わるもの以外にも、血統とか、その血統に隠されたメッセージとか、そういったものがある訳で。私がよく「日本はあんまり~」みたいなことを書くのは、そういった面で、ひいては「bloodsportsとしてのhorseracing」といった点から競馬を楽しんでいる人がどれだけ大勢いるかという点について苦言を呈しているのです。勿論、競馬の楽しみ方なんて千差万別だし、強制する気もないけれども、新たなファン層を獲得しようと思うのなら、そういった部分に訴えかけてもいいのではないかと思うのです。じゃないと、日本競馬はいつまでたってもギャンブルスポーツだし、本当の意味での「文化」にはならないと思いますよ。



追記:人には教えたくないってどういう意味なのか。
   ということで、褒められたととっておこう(楽観)。