モロー ガニュメデス
アルタイルはわし座のα星で、0.8等の白く光る星です。
天の川の東岸に位置し、西岸のベガと相対しています。
「アルタイル」とはアラビア語で「飛ぶ鷲」を意味しています。
七夕の彦星はこのアルタイルです。
わし座はオリンポスの最高神ゼウスが
羊飼いの美少年ガニュメデスをさらうため変身した鷲の姿をかたどっています。
ゼウスはガニュメデスを小姓として神々の饗宴に侍らせるために彼をさらいました。
ちなみにガニュメデスの姿はみずがめ座として星座になっています。
神々に酌をするために瓶を手にした姿をしています。
古代ギリシア世界では同性愛はタブー視されておらず、
むしろ男女の愛よりも純粋なものであると考えられていました。
そのため神話の中にも同性愛的な趣向の物語がいくつも残っています。
ミケランジェロ ガニュメデスの略奪
ミケランジェロが親しくしている美しい青年に贈った作品といわれています。
「略奪」の場面を描いているはずなのですが、
ガニュメデスはうっとりと鷲(ゼウス)に身をゆだねているようです。
ルネサンスの人文主義者はこの物語を
人間の魂の天上(神々の世界)への回帰ととらえていました。
そのため天上へ連れ去られるガニュメデスは穏やかな表情をしているのです。
正直言って赤ん坊では小姓にはできないのになと思います。
>遊行七恵様
やっぱりガニュメデスは美少年でないとお話になりませんね。
昨年のモロー展ではこれとは別のガニュメデスが展示されていました。
そちらもとても素敵でした。
>sekisindho様
レンブラントがおしめの必要な赤ん坊の姿にガニュメデスを描いたのは少年愛的傾向へのアンチテーゼであったとも言われています。
しかし赤ん坊の姿に描いたからこそ、わが子をさらわれた親の悲嘆が伝わってくるようです。
>red_pepper様
ハドリアヌスは寵愛していた美少年アンティノウスをガニュメデスに見立てて、わし座のそばに「アンティノウス座」という星座を作りました。
この星座は現在は使われていませんが、皇帝はこの美少年を熱愛していたようで、彼に捧げる街まで作りました。
red_pepper様のおっしゃるとおり、神話には隠された真実がいろいろとあるのではないか常々思っております。
神話と聞くと、私は何時でも何の抵抗もなく全てを受け容れてしまいますが、神話の世界にこそ真実が隠されているのではないかと思うことがあります。
こんばんは。
以前ドレスデン展でレンブラントの「ガニュメデスの略奪」を観ましたが、ミケランジェロとはずいぶんと違ったものでしたね。
可哀想にガニュメデスは恐怖でオシッコを漏らしていましたし、驚き悲しむ両親が主役であったように思えました。
ドレスデンにあるレンブラントの絵では赤ん坊の誘拐図でした。歌舞伎の良弁僧正の話みたいな作品でした。
ガニュメデス、素敵です。
わたしの愛する黄金聖闘士をなんとなく思い出します。