蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

不思議な日本語(24)  (bon)

2022-04-30 | 日々雑感、散策、旅行

 大体月末のテーマにしているのですが、早やくも来てしまいました。
春に3日の晴れ無し・・というそうですが、本当に降ったり晴れたり忙しいです。
春の雨は植物にとっては大事ですが、強風はご遠慮願いたいものです。関東の春は、
連休明けくらいまで例年強風に悩まされます。 先日の台風みたいな強風に、ベラ
ンダの花木はなぎ倒されていました。

 では、不思議な日本語その24に入ります。

 

・たおやか  Goo辞書には、「1 姿・形がほっそりとして動きがしなやかなさま。 
2 態度や性質がしとやかで上品なさま。」とあります。
 1つ目は「たおやかな女性のからだ。」や「たおやかになびく髪。」といった表現、
2つ目は「たおやかな少女。」や「たおやかな振り付けのダンス」といった女性に関
連した表現が一般的です。
「あの女性ダンサーは、たおやかな身のこなしで観衆を魅了していた。」や「ポニ
ーテールをたおやかになびかせて踊る少女。」 
などの例がありました。

        たおやかに女人に似たりカキツバタ(山田幸子アナウンサー)
         (ネット画像より)


 漢字では「嫋やか」と書きます。「嫋」は「女」と「弱」という簡単な漢字で
成されていますが、常用漢字ではないのですね。
 「たおやか」の由来・語源は、「たおー」は「たわむ」からきているそうです。
「たわむ」とは
「弓なりになる」「弧を描く」「しなう」という意味で漢字では
「撓む」と書きます。撓む
(たわむ)は「撓る(しなる)」と同じ意味で、力が加えら
れても折れずに柔らかく
曲がることですね。
 で、「やか」というのは、名詞や形容詞の語幹・擬態語などについて「~の感じ」
という性質や状態を表す形容動詞を作る接尾辞だとあります。
 思いついた語を次に列記してみます。結構たくさんありました。

あざやか、おだやか、かろやか、きらびやか、こまやか、ささやか、さわやか、
なやか、しめやか、しとやか、すこやか、なごやか、にぎやか、のびやか、はな

か、はれやか、ひそやか、まろやか、ゆるやか…などなど、良い意味の日本語ば

りですね!

 以上から、「たわむ」の音が変化して「たおやか」ができたのですね。関係あり
せんが、「たおやめ」は「手弱女」と書きますね。

 

・更地  「更地とは、建物などがなく、借地権などの使用収益を制限する権利が
付いていない宅地のことをいいます。 建物などがなくても、借地権が付いていれば
更地とはいえませんが、抵当権だけが付いている場合は更地といいます。 抵当権は
土地の使用収益を制限する権利ではないためです。」とあり、不動産用語のようです
ね。

         更地
          (ネット画像より)

 更地の「さら」というのは、どういうことなんでしょうか? まっさら(真っ新)
の「さら」で、「新」という字があてられていました。真っ新とは、名詞・形動で、
「全く新しいこと。まだ全然使っていないこと。また、そのさま」とありました。 
名詞に付いて接頭語として、そのものが新しいことを示す ともあり、その例として
「さら湯」「更地」があげられていました。

 また、「まっさら」の「さら」だけで、新品、新しく使用していない、おろしたて 
の意味で使われています。関西方面やその他の地方でもよく使われている方言だそ
うです。
さらの靴、さらの取り皿など。『折角さらの靴を下ろしたのに雨にあって
しもうた。』

 

・おつり  釣り銭(つりせん)とは、商品を買うとき、商品より高い額面の金銭
で支払った場合に受け取る差額分の金銭のこととあります。 難しい表現ですね。
魚釣りとは関係がなさそうです。
 おつりの「釣り」は「釣り銭」の略で、「釣り合い」の意味からきているそうです。
つまり、物々交換をしていた時代に、多く取りすぎるとあとから超過分に相当する
ものを相手に返す慣わしがあった。そこから、お互いの損得の「釣り合い」を調整し、
多すぎた分を返す意味で、「釣り」というようになったとあります。

         (ネット画像より)


 なるほど、釣り合うことなんですね。魚釣りの方は、魚を吊り下げ(上げ)て捕
獲することから「つり」となる・・とありましたが、「魚吊り」とは言わないのは
なぜでしょう。それに、釣の漢字は、金偏に勺(すくうの意)から、針のようなも
のですくい上げるという意味とも考えられますから、魚をこの針ですくい上げるの
が実感として賛成したいのですね。

・マンネリ  マンネリズムの略語で、もともとは芸術面などで一定の技法、形式
などが惰性的に繰り返され、型にはまって独創性や新鮮さを失うことを意味してい
ますが、それがさらに広い意味で使われ、お定まり、一本調子、単調、平板など新
鮮味がなく、代わり映えしないことの意に使われますね。

           (ネット画像より)

 語源的にはイタリア語の「マニエラ(maniera:手法・様式)」に由来する言葉で
あるとあります。また、「行儀」「作法」「礼儀」や、きまりきった癖や作風を意
味する「manner(マナー)」から生まれたとも。  いずれにしても「マンネリ化」
してしまうと飽きられて次第に葬られて行く運命にあるようですね。

 余談ですが、略語について見てみましたら、身の廻りにたくさんあるのですね。
パソコン(パーソナルコンピュータ)、スマホ(スマートフォン)、コンビニ(コ
ンビ―ニエンスストア=利便提供型店舗)、スーパー(スーパーマーケット)、フ
ァミレス(ファミリーレストラン)、パトカー(パトロールカー)、デモ(デモン
ストレーション)、プレハブ(プレファブリケーテッドハウス)、リストラ(リス
トラクチャリング=再構成・・組織再編で解雇を伴う)、バイト(アルバイト=こ
れはドイツ語から)、日本語の略語では、部活(運動部・文化部の倶楽部活動)、
教科書(教科用図書)、電卓(電気式卓上計算機)、地名などでも・・アメ横(ア
メヤ横丁)、ヤネセン(
谷中・根津・千駄木)、関西ではたくさんあり過ぎですが、
ニッポンイチ(日本橋1丁目)、ウエロク(上本町六丁目)、タニキュウ(谷町九丁
目)・・

・いたちごっこ  goo辞書に、1、子供の遊戯のひとつ。二人が「いたちごっこ、
ねずみごっこ」と唱えながら、互いに相手の手の甲をつねって自分の手をその上に
のせ、それを交互に繰り返す遊び。2、(1の遊びはきりがないところから)互いに
同じようなことをいつまでも繰り返すだけで、決着がつかないこと とあります。

 この遊びは、江戸時代ころに盛んにおこなわれたようで、現在ではもっぱら 2の
意味、つまり、同じことを繰り返し際限のないさまを表していますね。いたちごっこ
の愚かしい議論・・など、良くあります。まったく!

 ところで、「~ごっこ」とはどのような意味でしょうか? 鬼ごっこ、お医者さ
んごっこ
などがありますが、「ごっこ」とは「交互」「事」から変化したもの と
あります。鬼ごっこは、お互い交互に行うという意味からで、お医者さんごっこの方
は、お医者さんの事真似という意味からではないかとありました。

 「ままごと」は、飯事で、事真似ですが、「ままごっこ」とは言わないですね。
どうしてなのかわかりませんが、こちらはかなり複雑な遊びですね。参加する人を、
お父さん、お母さん、赤ちゃんや果てはペットなど家族に見立てた役を振り分け、
そして、家の炊事・食事・洗濯・買物・接客等を模倣するのですね。
みんな早く大人になりたかった。

 

 

 

Sophia Loren & americano

 

 

 

 


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6 コメント

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Unknown (teruo0209)
2022-05-01 10:04:55
不思議な日本語 いつも楽しみ
一冊の本にして読みたいです(^^)
ありがとうございます😊
返信する
コメントありがとうございます。 (bon)
2022-05-01 10:46:14
それにこのようなお褒めに預かり、身の置き所を探しています。
teruo0209さん、なぜかお久しぶりって感じがしています。
世の中事件だらけで、心が曇りがちとなりますが、大谷やダルが遠いところで頑張っているだけが晴れやか・・、
そんな日々となっています。
ゴールデンウイークに入って、コロナの特別規制もない久々の連休は、ドコモ人出がすごいようですね。 皆さん待ちに待っていたようですが、特段コロナが亡くなったわけではないので、
リバウンドが恐ろしいですが、やはり皆さん待ちきれなかった・・。
不思議な日本語・・勝手に言っているのですが、日常ふと「どうしてこういう言葉がなある? その由来は?」などが気になるときなど、メモっておいて、後で調べる・・
そんな感じで,とりとめのない記事で、お騒がせしています。
まだ、メモにはたくさんありますので、もう少し続けます・・。
返信する
Unknown (teruo0209)
2022-05-01 17:03:14
メモが沢山あるとのこと安心しました(^^)
ちょっと生意気な言い方ですがその探究心に賛辞を送らせてください。

本当に素晴らしいです。
返信する
teruo0209さん (bon)
2022-05-01 22:26:45
ありがとうございます。
これを励みとして頑張ります。
返信する
Unknown (samgirly)
2022-05-01 22:27:12
このシリーズ楽しくて好きです。
「さらの皿」なんて笑ってしまいました。
魚釣りは吊りなのに魚吊りではないあたりは、触れてはいけない部分だったりして?(笑)
いつも楽しませて頂き、ありがとうございます。
返信する
皆様のご訪問に感謝です。 (bon)
2022-05-02 08:35:15
言葉というのは、じっくりと眺めてみたりすると、味が出てくるというか、
なかなか含蓄に富んだものがあります。
川の石ころのように、長年人々にもまれてそれなりの形に変化して
今また変化しつつある生き物のようですね。
「下山の思想」のように、下りでは、いろいろと景色を楽しんでいます。
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