蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

漢字の読み方  (bon)

2018-01-26 | 日々雑感、散策、旅行

       昨日は、“めったにない寒さ”とか言っていましたが、東京で最低気温
      氷点下4℃で、48年ぶりとか。今朝のさいたま市は、氷点下9.8℃で観測
       史上記録だそうです。 日陰には雪はまだ厚く残っています。

 

 先ごろセンター試験も済んだところですが、ちょっと漢字について振り返ってみること
にしました。 先のセンター試験とは何ら関連はありません。 
『読めそうで読めない漢字2000』(加納喜光著、講談社+α文庫、1994年4月第1刷)を
パラパラめくっていたりすると結構面白いというか、“なるほど”と思うようなところが
ありました。

 漢字の読み方・・などといえば、まず『重箱読み』や「弁慶がな、ぎなたを持って・・」
の『弁慶読み』が思い浮かんできますが、この本によると、まだまだたくさんの読み方が
紹介されていて、うなづくところがたくさんありました。
 順に拾い読みしながら ネット調べも含めて進めてみました。

『重箱読み』 よくご存じの通り、上は音読み、下は訓読み で、重(じゅう)箱(ばこ)
ですね。 このように読むことばは 他に、利幅(りはば)、蛇腹(じゃばら)、激辛
(げきから)、馬刺し(ばさし)、豹皮(ひょうがわ)などが挙げられていて、さらに、
金星、残高、親身、桟橋、団子、湯治場、河川敷・・などがあり、結構たくさんありますね。

      重箱
        (ウイキペディアより)

『湯桶読み』(ゆとうよみ)という、重箱読みと逆の、上が訓読み、下が音読みのが
ありました。こちらも日本語の熟語の変則的な読み方なのですが、漢語と和語が結合した
形だからだそうです。“湯桶”(ゆとう)は、そば湯などを入れてくるアレがそうですね。
 で、どのような言葉かといえば、身近にもたくさんあって、御中(おんちゅう)、朝晩
(あさばん)、雨具(あまぐ)、更地(さらち)などお馴染みで、このほかにも、初冠雪、
白装束、薄化粧、大騒動、敷金、手帳、豚肉などなど・・。

       湯桶
         (ウイキペディアより)


『和尚読み』(おしょうよみ)というのがあります。 音読みには、呉音、漢音、唐音が
あり、その昔中国から日本に入ってきた時代によって定着した読み方だそうで、呉音は奈良
時代以前と古く、7~8世紀には漢音という具合で、もっぱら仏教(他に医学)などの
言葉に多く残っているとあります。和尚さんに関連しているので、和尚読み・・といって
いるそうです。
 ところで、ネットには、この「和尚」も、宗派によって違っていて、禅宗では(おしょ
う)、天台宗は(かしょう)、真言宗や真宗では(わじょう=和上)と呼ぶとありました。
 で、和尚読み にはどのような言葉があるか・・。 善男善女(ぜんなんぜんにょ)、
一期一会(いちごいちえ)、怨霊(おんりょう)など、男をダンではなくナン、女をジョ
ではなくニョ、という風に少し柔らかめの発音なんですね。 言語道断、久遠、妖怪変化、
建立、屏風、悪名など、こちらもたくさんあります。 普段はこのようなことを知らずに
使っていたのでした。 ろうりゃくなんにょ・・? は、口が回らないとき・・。

『唐人よみ』(とうじんよみ)。鎌倉から江戸あたりの読み方をこのようにいい、この時代、
中国から輸入された日用品などの呼び方に多いとあります。  たとえば、瓶(びん)、
鈴(りん)、餡(あん)などがそうで、明朝体、行灯、脚立、脚絆・・さらには、暖簾、
普請などもそうなのだそうです。

『漢文読み』というのもあります。 ちょっと難解 かもしれませんが、漢文調で、所謂
(いわゆる)、為替(かわせ)、親不知(おやしらず)、不知火(しらぬい)、勿忘草
(わすれなぐさ)とくれば、よくわかります。不忍池・・上野の、これも漢文読みですね。

『百姓読み』とは何か? 漢字の偏や旁(つくり)から勝手に類推して読むのを百姓読み
というのだそうです。だから・・というのでもありませんが、人名に多いのだそうです。
 これって、本当は、熟語の誤読であるとネットにありました。 そうですよね。人名は、
聞いてみないと読めないのが結構あります。 この文庫本の例には、桑田佳祐、秋野暢子が
挙げられていました。パソコンで文字変換するとき、なかなかなくて、“人名・地名”の
ところにあったりすることがあるのは経験済みですね。桑田佳祐の佳は「か」で、暢子は
「ちょうこ」だとありました。
 矢印の右が百姓読み。 弛緩(しかん→ちかん)、貼付(ちょうふ→てんぷ)、遡及
(そきゅう→さっきゅう)、矜持(きょうじ→きんじ)など。このほか、
消耗(しょうこう
→しょうもう)、口腔(こうこう→こうくう)、洗滌(せんでき→せんじょう)などが
ネットにありましたが、これらは、すでに百姓読みが普通になっている感じですね。

       (もうちょっと・・)         

『弁慶読み』ぎなた読み ともいうそうです。これは、子どものころに、「ひるるすばんに
こい」を「昼、留守番に来い」と「昼留守、晩に来い」などと聞かされた覚えがありますね。
区切りが大事だという読み方です。 間髪を入れず(かん、ぱつをいれず)、 屋上屋を
重ねる(おくじょう、おくを重ねる)、好事魔多し(こうじ、まおおし)などうっかりする
と違って記憶していたりもします。 ことば遊びでは、「わたしはいしゃです」「おしょく
じけん」などもありました。

『一字音読み』 まず、同類のものをいくつか挙げて他のモノを省略する場合に、「・・
等」と書きますが、この「等」という字を、(とう)と音読みするか(など)と訓読みするか、
この場合はどちらもあります。「等々」とある場合は、(とうとう)ということの方が多い
と思います。わたしなどは、ひらがなで書くときは(などなど)漢字のときは(とうとう)
ですね。
 ところで、この項は、一字音読みですから、大それた(だい)、頭が高い(ずがたかい)
などで、これを(おおそれた)とか(あたまがたかい)などというと、ちょっと変な感じで
すね。 政治家などが、野に下る(や)、根を詰める(こん)、端を発する(たん)、
我を
通す(が)、陰にこもる(いん)などが挙げられていますがどうでしょうか。

『一字訓読み』こちらでは、「今月の飲みだいはいくら?」の「だい」は「しろ」で、本来
は、飲み代(しろ)なんですね。酒代は「だい」で、これは、代金ですね。身代金などは、
普通に読めますが、この訓読みというのも結構あるのですね。生きる証(あかし)、悲しい
性(さが)、天の岩戸(あま)、真に受ける(ま)、話の要(かなめ)など。

『連ね読み』「天皇」などのように2文字が連なって発音する連声(れんじょう)といわれ
る読み方です。フランス語では、リエゾンみたいなところですね。
(Je te aime→
Je t’aime→ジュテーム)。  春雨(はるさめ)、反応(はんのう)、四天王(してん
のう)、観音(かんのん)、因縁(いんねん)などたくさんあります。三位一体、仁和寺、
歎異抄。


 長くなって申し訳ありませんが、まだまだあるのですが、もう2つだけ・・。うち一つは、
かって当ブログにも記事アップしました「熟字読み」で、一字ずつでは読めない熟語のことです。

『熟字読み』「秋刀魚」、「気質」、「玄人」、「狼煙」、「七夕」、「独楽」、「火傷」、
「案山子」などです。   いよいよ最後です・・

『詰まり読み』で終わりにします。 これは熟語を構成した時に、小さな「っ」つまり
促音でつながる言葉のことなんです。  合戦(がっせん)、十戒(じっかい)、素気
(そっけ)、生粋(きっすい)、牛車(ぎっしゃ)、法度(はっと)、法被(はっぴ)、
河童(かっぱ)、七宝焼きなどもきれいですね。 最後屁で終わるのは忍びないのです
が・・。

 

 

 

 

 


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