映画です。 川端康成の長編小説『山の音』が原作の、成瀬巳喜男監督による昭和
29年(1954年)公開の東宝映画です。 少し前のBS1の放送を録画していました。
古都鎌倉の奥まったところ、閑静な住宅に住む 尾形家がその舞台です。 東京の
会社に勤める重役、信吾(山村聰)とその妻、父親と同じ会社に勤める息子、修一
(上原謙)とその嫁、菊子(原節子)の4人家族は、何不自由なく外見には平穏な上流
家庭を送っていますが、父親夫婦は、すでに夫婦感情は薄れ、淡々とした生活にあり、
息子は、結婚まだ浅いにもかかわらず外に女を作り好き放題な生活をおくるも、妻
菊子は健気に家庭を取り持っている・・そんなどこかぎくしゃくした陰鬱ともいえる
雰囲気の中で毎日を過ごしています。 そんな折に、修一の姉(長女)が、夫婦仲が
悪く2人の子どもを連れて我が家に戻ってきたり、精神的に休まることがない一層暗い
日々となっています。
ただ、嫁の菊子は、明るく振舞って、特に義父(山村聰)には親切で何かにつけて
心配りをする、義父からしてもそんな菊子がかわいく思われ、自分の昔の恋人に思いを
重ね合わせたり、この二人の心だけは通じ合っているのです。
(ameblo.jpより)
映画はこのような状態のまま、物語が進むのですが、父親は息子のそんな状況を
知りつつも厳しく咎めたりすることも、女と別れさせることもせずひたすら陰鬱な
日々を送る中、菊子との間だけは華やぐ雰囲気が取り戻せているのです。
そんな中で、やさしい菊子は決断するのです。息子修一と別れて実家に戻ることを
決心し、また、信吾夫婦も息子修一を残してふるさと信州に戻ることを決心するのです。
みんなバラバラになってしまう そんなエンディングでした。
(gooブログより)
この映画は、年老いた義父の想い出の中で、息子の嫁菊子と心を通わせるほのかな
恋心がさわやかに描かれているようで、タイトルの「山の音」とどのように関連する
かは分からずじまいでした。
ネットの原作の解説によれば、義父が夢の中でふとしたことから山の音のような
響きを聞きそれに死期を感じる‥そのような出だしがあるのだそうです。 映画では、
「最近どうも疲れているのか、頭がすっきりとしない。頭だけ取り外して洗濯できたり
すればいい・・」などと嫁菊子との語らいの中での表現がそれに近いのかもしれない
と・・。
さらに、川端康成の小説は、6年にわたり書き下しをまとめたものだとあり、小説の
背景は終戦後の、敗戦の傷跡が色濃く残る時代を息子の投げやりな行動に重ねたり、
愛人との生活ぶりの中にも戦後の影を映したりした、そのような時代背景の中での
複雑な人々の感情の流れが描かれていたのでしょうね。小説「山の音」は高評価され、
海外でも絶賛を浴びたとあります。
(ナタリーより)
上原謙と原節子が夫婦役で出演した映画は、先に観た成瀬監督の「めし」がそうで
したが、この時は、しっかりとした夫婦として描かれていました。原節子の映画では、
いつも同じ調子の丁寧な言葉遣いで明るく爽やかなイメージが映し出され、この
「山の音」でも、変わらぬいい味を出していました。上原謙は、この映画では初めて
の役柄なんでしょうね。二枚目俳優がとんでもないふしだらな役を演じています。そして、
父親役の山村聰より1つ年上なんですね。
全体的にはやや不発のイメージが残りましが、モノクロの中の映像の素晴らしさと、
山村聰、原節子の微妙な心のコミュニケーションは印象深いものがありました。
なぜか、日本語のyoutube を探せませんでした・・
改编自川端康成同名小说,观感像极了小津的成濑电影 | 马克电影《山之音》
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます