帰り道、たまたま公園のベンチに
『灰縞さん』を見掛けたので
公園の中を通って行こうとしたら、
以前ここで会った女性が
猫達にご飯をあげた後、帰ろうとしていたのに
わざわざ自転車で戻って来て、私に声を掛けて来た。
この女性、猫好きにしては
猫に嫌われる位の大きな声で話す人なので
夜分に会うとちょっと困った事になる。
耳が悪いのかも知れないが、
ちょっと苦手なタイプだ。
何故かって、
話の中身が根拠のない猫の噂話が多いからだ。
私が以前公園で話した事のある人間だと解かると、
捲し立てる様に猫達の近況を話し始めた。
どうでもいいことだが
以前私が、猫達の屋根上の集会現場の話をして
『おにぎり』が意地悪猫じゃないと反論したのが
気に入らないらしいのだ。
延々と続く話をよそに、『灰縞さん』はお腹一杯なのか
ベンチの上で毛繕いを始めていた。
私は話を聞くのに疲れて相槌も打たず
『灰縞さん』をジッと見詰めていたら、
「…キジトラは他にもおるけど、黒も来よるもんね。
ほら、あそこにおるやろ?チャッピー(『灰縞さん』)は前から
ここにおったよ。白いのは3~4匹おるし、
白黒猫は他にもう一匹大きいのがおるっちゃけど…
こないだあそこの角で白猫が死んでたとか……云々」
しかし、その猫はどう見ても黒猫じゃない。
胸の辺りに白いのが入っていて濃い縞が入ったサビ黒猫だし、
『灰縞さん』は灰色のトラだけど、キジじゃない。
私の記憶では、『灰縞さん』は数ヶ月前に川向こうの
私の実家のすぐ前に出没していた。
こっちに引越して来たのはその頃だ。
私は人の顔は直ぐ忘れるけど、
猫の顔は割と忘れない方だが、確かに猫達の中には
本当に見間違える位のソックリさんは、いる。
確実に『おにぎり』が意地悪な猫な訳ではないと思うのだが…。
出会った場所にも寄るだろうし(縄張りの境界線だったり)
猫同士の相性もあるだろう。
馬鹿らしくなって何も言わずにいると、
一通り話したらスッとしたのか
帰ると言い残し、自転車で去って行った。
でも、本当の事は猫にしか解からない。
あの人は、誰かと話したかっただけかも知れないが
出先で土産に貰った切花が
私の気持ちと同じ様にくたびれかけていた。
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※どうか一度。「山猫屋」からのお知らせです。