ドキュメンタリー「沖縄 うりずんの雨(ジャン・ユンカーマン監督作品)」を鑑賞して戦争を知らない日本人として感じた事、
神保町の岩波ホールで公開されているドキュメンタリー映画「沖縄 うりずんの雨」。
「うりずん」という言葉を知ったのが、
先月、
夏に沖縄家族旅行を計画していて、
某ラーメン店主から、
「うりずん」というお店が沖縄でオススメだと聞きました。
「うりずん@安里」は、1972年創業の琉球泡盛を世に広めた草分け的なお店。
県内に46ある泡盛メーカーや、お店オリジナルの古酒が、美味しい琉球料理とともに楽しめます。
この時、無知な私は「うりずん」って旧地名か何かと思っていました。
でも、
映画を観て、うりずんの本当の意味が良くわかりました。
「うりずん」とは、
「潤い初め(うるおいぞめ)」が語源とされ、冬が終わって大地が潤い、草木が芽吹く3月ごろから、沖縄が梅雨に入る5月ぐらいまでの時期を指す言葉だそうです。
1945年4月1日、
沖縄地上戦が始まった日と、うりずんの時期が重なる事から、沖縄では、「うりずん」とは、
70年前の沖縄地上戦の忌まわしい教訓の言葉でもあると言う事。特別な意味があったのです。
戦争体験者の中には、うりずんの時期に、70年経った今でも、体調を崩す方がおられるそうです。
そういった意味で、戦後70年経っても、沖縄では太平洋戦争はまだ終わっていないともいえます。
「うりずんの 雨は血の雨 涙雨 礎の魂 呼び起こす雨」
*沖縄地上戦では、3000万発の砲弾(「鉄の爆風」)がアメリカ軍から発射され、沖縄の民間人が、子供を含めて約10万人、さらに日本とアメリカの軍人が14万人、合計24万人の尊い命が亡くなりました。
私はこのドキュメンタリー映画「沖縄 うりずんの雨」は、米映画「アメリカンスナイパー」に匹敵する反戦映画だと感じました。
2時間半の大作ですが、決して長さは感じさせない、
私たちは沖縄の事を知らなさ過ぎたと逆に反省させる映画でもあります。
「行ってらっしゃい」、玄関先で見送る貴方の愛おしいお子さんが、学校ではなく、戦場に行く世の中に、再びなっても良いのか?
子供たちを守るのは、いつの世も、戦争好きな政府ではなく、一生懸命に育てた肉親だと、確信させてくれる映画でもありました。
日本中の戦争を知らない親御さんに観ていただきたい、そんな映画でした。
ロッキー