りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“アレックス” ―全15場― 完結編

2013年01月28日 20時14分43秒 | 未発表脚本

       

         その時、酔っ払った客3人、ピーター達の
         テーブルに近寄る。

  客1「よぉ、兄ちゃん・・・楽しくやってるじゃないか・・・。」
  ピーター「何か用か・・・?」
  客2「まぁ、堅いこと言わずに、皆で仲良くやろうぜ・・・」
  客2「そうそう、今日は折角のクリスマスなんだし・・・」
  ピーター「悪いが僕達は2人きりで祝いたいんだ。向こうへ行っ
        てくれないか・・・。」
  客1「まぁまぁ・・・そう言わずに・・・(ピーターのグラスに、自分の
     持っていた酒瓶の中身を注いで。)さぁ、俺の奢りだ・・・」
  ピーター「・・・聞こえなかったのか・・・2人にしてくれと言ったん
       だ・・・」
  キャシー「(怯えたように。)ピーター・・・」
  ピーター「(キャシーに聞こえるように。)大丈夫・・・」
  客1「さぁ、彼女にも・・・(キャシーのグラスに酒を注ぐ。)」
  ピーター「(立ち上がって。)やめろ!!」
  客1「(絡むように。)俺の奢りはいらねぇってのか!!」
  ピーター「・・・そうだ!!」
  客1「なんだと・・・!?いい気になるなよ!!」

         客1、ピーターに殴りかかる。
         客2、3も加わり、喧嘩になる。

  キャシー「(驚いて立ち上がる。)ピーター!!」

         そこへアレックス、走り登場。
         その時、ピーターに殴られ、怒った客1、
         隠し持っていたナイフを取り出し、
         キャシーに向ける。

  客1「これが見えないか!!」
  ピーター「キャシー!!」
  キャシー「(怯えて。)ピーター・・・」
  
         客2、3、無抵抗なピーターに殴りかかる。
         その時アレックス、物陰から飛び出し、
         客1に飛び掛る。キャシー倒れる。

  キャシー「(腹を庇うように。思わず叫ぶ。)やめて!!赤ちゃん
        が!!」
  アレックス「(その言葉に呆然と。)・・・キャシー・・・」
  キャシー「(アレックスを認め。)・・・アレックス・・・」
  客1「糞う!!(アレックスに飛び掛る。)この野郎!!」
  アレックス「やめろ!!(客1を押さえつける。)」
  客1「痛てててて・・・!!離せ・・・離せ、こいつ・・・!!」
  アレックス「いい加減大人しく帰るんだ!!」
  客1「痛てて・・・やめろ・・・」
  アレックス「でないとこの腕がどうなっても知らないぞ!!」
  客1「い・・・わ・・・分かった・・・分かったから・・・この手を離して
     くれ・・・」
  アレックス「本当だな!!」
  客1「あ・・・ああ・・・帰る・・・帰るから・・・腕が・・・」
  アレックス「(客1を離す。)」
  客1「糞う・・・!!覚えてろ!!この糞野郎!!(客2、3に向
     かって。)おい!!」
  客2「あ・・・(ピーターを捕まえていた手を離す。)ああ・・・!(客
     3に目で合図するように。)」

         3人の客、罵倒を吐いて走り去る。 
         アレックス、呆然としているキャシーの
         側へ。落ちていたキャシーのコートを
         拾い、キャシーの肩に掛ける。

  アレックス「(微笑んで。)・・・大丈夫だったか・・・?」
  キャシー「・・・アレックス・・・」
  アレックス「(優しく。)体・・・大事にしろよ・・・。俺は・・・悔しくて
         ・・・式には行けそうにないが・・・幸せになれよ・・・。
         (微笑んで立ち上がり、出て行こうとする。)」
  キャシー「(涙が溢れる。立ち上がって。)・・・アレックス・・・!!
        」
  アレックス「(振り返る。)」
  キャシー「・・・違うの・・・」
  アレックス「・・・違うって・・・?」
  キャシー「・・・あなたのよ・・・」
  アレックス「・・・俺の・・・?」
  キャシー「(腹を触って。)この子は・・・あなたの・・・」
  アレックス「(呆然と。)・・・え・・・」
  キャシー「・・・ごめんなさい・・・」
  ピーター「(立ち上がり、溜め息を吐く。)とうとうバレたか・・・。本
        当だアレックス・・・。俺はそれを承知で彼女と結婚す
        るつもりだったんだ・・・」
  アレックス「馬鹿野郎!!何故もっと早くに言わないんだ!!」
  ピーター「どうも、おまえ達2人は似た者同士と言うか・・・2人揃
        って強情なところが欠点だな・・・。それにつけ込んで、
        キャシーと結婚しようとした俺も・・・卑怯な奴だが・・・
        (笑う。)じゃあ、後は2人で上手くやれよ・・・!」

         ピーター、出て行く。

  アレックス「キャシー・・・」
  キャシー「アレックス・・・ごめんなさい・・・」
  アレックス「(キャシーの手を取る。)馬鹿だな・・・(微笑む。)俺
         の方こそ・・・君に謝らなきゃいけないんだ・・・。ごめ
         ん・・・。それと・・・もう一つ・・・言わなきゃならないこ
         とが・・・」
  キャシー「・・・え・・・」
  アレックス「・・・愛しているよ・・・結婚しよう・・・」
  キャシー「(嬉しそうに頷く。)」

         その様子を店の隅で見ていたマリアと
         ジョー、顔を見合わせ微笑み、出て行く。
         アレックス、キャシーの手を取り店の出口
         へゆっくりと進む。
         と、丁度入って来たロバート、ミリーと会う。

  ミリー「あら!?(驚いて。)仲直りしたの!?」
  アレックス「まぁね。」

         アレックス、キャシーをエスコートしながら
         出て行く。
         ロバート、ミリー、2人が出て行くのを
         見ている。

  ロバート「やっと仲直りしたのか・・・(嬉しそうに。)」
  ミリー「よかった・・・。ピーターと結婚するなんて言い出してたか
      ら、どうなるかと思ってたのよ。」
  ロバート「そうだな。」

         2人微笑んで店の中へ進む。
         フェード・アウト。(カーテン閉まる。)

    ――――― 第 14 場 ―――――

         カーテン前。
         嬉しそうなマリアとジョー、スポットに
         浮かび上がる。

  マリア「あの堅物の化学者がパパだったなんて・・・!!」
  ジョー「よかった!!これでマリアも消える心配がなくなったね
      !!」
  マリア「何て素敵なの!!来てよかった・・・本当によかった・・・
      。ママ・・・赤ちゃんを両腕の中に抱き締めてあげてね・・・
      !!」
  ジョー「さぁ、マリア!!僕達の世界へ帰ろう!!」
  マリア「ええ!!」

         暗転。

    ――――― 第 15 場 ―――――

         カーテン開く。
         舞台はアレックスが初めてマリアに
         出会った公園。
         アレックス、キャシー登場。ベンチに
         腰を下ろす。

  アレックス「あの日・・・俺は君と喧嘩して・・・不貞腐れてこの公
         園に来たんだ・・・。(笑う。)あの時は全く、最悪な気
         分だったよ・・・。」
  キャシー「私だって同じよ・・・。あの日は・・・ううん・・・今日まで
        ずっと辛かったわ・・・。自分の気持ちに嘘を吐いて・・・
        本当はあなたと仲直りしたいのに出来なくて・・・」
  アレックス「キャシー・・・。そう言えば・・・あの時、初めてマリア
         に出会ったんだ・・・。えらく君と仲直りしろと、熱心に
         言ってたな・・・」
  キャシー「マリア・・・?」
  アレックス「ああ・・・ほら、学校で君も会った子どもさ・・・。君や
         俺のことをよく知っていて、今日、君が酔っ払いに絡
         まれるって言うのを教えてくれたのも、あの子なんだ
         ・・・。丸で超能力者みたいな子だったな。(笑う。)」
  キャシー「アレックス・・・そのマリアは・・・どこへ行ったの・・・!
        ?(思わず立ち上がる。)」
  アレックス「・・・キャシー・・・?(立ち上がる。)どうしたのさ・・・」
  キャシー「(アレックスの手を取って。)マリアが誰なのか分かっ
        たのよ!!」
  アレックス「分かった・・・って・・・?」
  キャシー「(嬉しそうに微笑み頷く。)」

         キャシー、ゆっくり舞台中央へ。
         アレックス、キャシーへ歩み寄り、
         そっと肩を抱く。

  キャシー「(ゆっくり自分の腹を見る。そっと手を添え、呟くように
        。)10年後に会いましょう・・・」
  アレックス「(微笑んで、キャシーを見詰める。)」
  
         アレックス、キャシー、嬉しそうに寄り添い
         遠くを見詰める。








            ――――― 幕 ―――――







    


     ではここで、次回掲載作品の予告を・・・
     次回は、私の好きな“悪魔”さん登場のお話しで、読み
     直してみたらなんと途中で書くのを止めていた作品・・・
     と言うことは、途中からはこれから書き進めなければ
     いけないのですが、私の作品の今風であり、昔風でも
     あるところが面白いな・・・と思ったので、敢えてこちらを
     ご覧頂こうと思いました(^^;

     どこからが、今現在の私が書き始めた部分になるか・・・
     などをご想像頂きながら読み進めて頂くと、また違った
     面白みがあるのではないでしょうか・・・(^O^)

     それでは次回・・・“エド”・・・エド・・・と言う名前も、以前
     何度か登場しましたが・・・すみませんm(_ _)m
     お楽しみに~♥









   
 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪    


     (どら余談^^;)

     1月25日(金)

     なんとか無事に仮録音終了しました(^_^;)
     パソコンも頑張ってくれたので、ホッと一安心です♥

     まだ本録音は2月末頃の予定なのですが、
     イロイロとこれを使って、編集の勉強が・・・
     少しでも出来るといいですね・・・(^^;

     さて、この新作品が録音し終われば、7回公演の
     作品をもう一つ、書き上げてしまわなければなりません。
     今までの自分作業+編集作業が加わる為、少し
     ハードな新作作りに、間もなく入ります・・・(>_<)

     


     1月26日(土)

     分かりました~・・・(o^^o)
     何故投稿出来なかったかの原因(>_<)

     ずっとページの最後に、自分の“グー版”ワールドと、
     “ヤフー版”ワールド、それに“リトルパイン”のホーム
     ページのアドレス(?)を載せていたの、ご存知でした
     でしょうか・・・?
     それが、突然2、3日前から載せると投稿出来なくなっ
     た原因のようです(^_^;)
     てっきり、またいつのもようにパソコンの調子が悪くて
     ×になっていたと思っていました(>_<)
     また何故そのようになったのか・・・は、分からないまま
     ではありますが、とりあえずスッキリです(^^;

     皆様にはお騒がせして申し訳ありませんでしたm(_ _)m














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