りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

10周年記念公演 “あの空の向こう”―2幕― 3

2017年07月23日 19時07分10秒 | 新作(人形劇用)

                                                                  

 

     

 
    音楽流れ、シスター・アマン歌う。

 シスター・アマン「全く・・・毎日毎日、同じことの繰り返
         しでいい加減飽き飽きするわ。一体何が楽
         しくてこんな慈善事業・・・はぁ・・・」

    〝毎日馬鹿馬鹿しい やってられないホントにもう
     やれやれ溜息しか でてこないわ疲れてきた
     これまで何の為に いやになるわいい加減に
     こんなに我慢してる 同じことの繰り返しよ”

 シスター・アマン「こんな面白くもない衣装に身を包んで、
         一生過ごすなんてごめんだわ!フン!」

    〝だけども楽しいこと 考えてるこんな中で 
     私の生きる道が 潤う為なんでもする
     どんなに悪いことに 手を染めても構わないわ
     幸せになる為に 誰かのことおとしめても”

   コーラス〝有り触れた日々 退屈な日々
        なぜこんな日々 面白くない 
        いつまで続く 無意味に続く
        ただ漠然と繰り返される”

    〝明日はどんな理由つけてたかろうチョロイもんね 
     これから安泰だわ 私の人生なんて素敵
     あの子は金のなる木 手放さない絶対にね
     お金が手に入るの 黙っててもがっぽりとね”

   コーラス〝有り触れた日々 退屈な日々
        なぜこんな日々 面白くない
        いつまで続く 無意味に続く
        ただ漠然と 繰り返される”

    〝金だけ 金さえ お金は裏切らない”

    シスター・アマン、札束を手にしながら大笑いする。
    そこへ壁をつたいながら一人の目が見えない少年
    (フレディ)、上手より楽しそうに登場。
    (シスター・アマン、慌てて札束を仕舞う。)

 シスター・ローラの声「フレディ!フレディ、待って頂戴、
           フレディ!」

 フレディ「先生!こっちだよ!(笑う。)」

    フレディを追いかけるように、一人の見習い
    シスター(ローラ)登場。


  

 
 シスター・ローラ「フレディ!危ないわ!」
 フレディ「大丈夫だよ、先生!」
 シスター・アマン「まあまあ、何事です?」
 シスター・ローラ「あ、シスター・アマン!すみません
         ・・・」 
 シスター・アマン「フレディ、あなたは目が見えないので
         すからね。そんな風に暴れられて怪我で
         もされては堪ったものではありません。
         (ブツブツと)金ズルに何かあったらど
         うするのよ・・・」

 シスター・ローラ「シスター・アマン?」
 シスター・アマン「あ・・・え?ああ、何でもありません。
         (誤魔化すように咳払いする。)」
 フレディ「ごめんなさい、アマン先生。ねぇ、アマン先生!
     今度お兄さんはいつ、僕に会いに来てくれるかな?」
 シスター・アマン「さぁ・・・電話では、お仕事が忙しい
         ようでしたわ。もうしばらくは来れないの
         ではないかしら。」
 フレディ「・・・そうなんだ・・・」
 シスター・アマン「さぁさぁ、忙しいのですから、ローラ
         先生の手を煩わせないで頂戴。シスター・
         ローラ、あなたも一人の子どもにばかり
         気を取られていないで、もっと他にも仕事
         があるのですからね。」
 シスター・ローラ「はい、シスター・アマン・・・」
 シスター・アマン「本当に面倒ばかり掛ける子と役に立たな
         い先生だこと・・・(ブツブツと)フン!」


    シスター・アマン、上手へ去る。

 フレディ「ローラ先生、ごめんなさい。僕のせいで・・・」
 シスター・ローラ「いいのよ、あなたは何も気にしなくて。
         それより私、向こうを手伝わなければいけ
         ないのよ。フレディ、一人で大丈夫?」
 フレディ「うん!僕、平気だよ、一人でも!早くローラ先生
     は向こうの手伝いに行って!」
 シスター・ローラ「ええ。じゃあ、ごめんなさいね。何か
         あったら直ぐに声を掛けて頂戴!」
 フレディ「はい!」


    シスター・ローラ、フレディを気に掛けながら、
    上手へ去る。(紗幕閉まる。)

    — 第 2 場 — B

    音楽流れ、中央スポットにフレディ浮かび上がり、
    歌う。

 
  


    ゛いつ会えるの 本当は寂しい
     いつも独りぼっち 側にいて欲しい
     暗闇の中         コーラス゛寂しいと”
     誰も頼る人がいない
     僕は孤独だ
     早く会いに来てお兄さん 待つよ”

    ジェシー、下手後方スポットに浮かび上がり
    歌う。(フレディを見つめる。)


  

    ゛会いに行くと 約束したのに  コーラス゛守れ
                      そうにない” 

     また一人にしてしまうのか
     ごめんよ”

    ジェシー、フェード・アウト。
    フレディ、歌う。  

    ゛僕は一人 いつも一人
     寂しいんだ”

    フレディ、フェード・アウト。

    — 第 3 場 — A 


  


    上手スポット、机に置いてある黒電話の呼びベル
    が鳴り響く。
    上手よりシスター・アマン、ブツブツ言いながら
    登場。

 シスター・アマン「もう、この忙しい時に一体誰よ、ホント
          に・・・(電話に出る。)はい、はい
          そうですが。はい・・・え・・・えーっ
          !?(音楽流れる。)ジェシー・ブラウ
          ンが死んだですってー!?(受話器を
          置く。)何てことなの!?私の金のなる
          木が・・・!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛なんの為に 今まで
    あんな子ども 世話してきたと
    思っているの”

 シスター・アマン「全てはお金の為・・・私の為・・・!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛これからは役に もう 立たないじゃないの”
   
 シスター・アマン「ただの厄介者だわ!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛これから先 いい部屋に住まわす必要もない
    身分に合う”

 シスター・アマン「そう!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛暮らし”

 シスター・アマン「フレディ・ブラウンの部屋を北の塔の
          天辺へおやり!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛また新しい”

 シスター・アマン「次は誰から搾り取ろうかしら。」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛獲物を探すわ”

    シスター・アマン笑う。フェード・アウト。







    — “あの空の向こう” ― 4へつづく
  










— ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ —

 (どら余談^^;)

 皆様、またまたお久しぶりでございました。
 ここ2か月近く、ホント珍しく寝込んでおりました。
 ようやく9割がた復活をはたし、リトルパインもしばらく
 お休みさせてもらっていたのですが、やっと始動し始める
 ことができるようになりました(^^;)
 
 リトルパインの近況はといいますと・・・
 寝込んでいる間にも、ボランティア公演の依頼が5件と、
 来年度の第11回自主公演の日程が決まり、その新作を
 寝込みながら書き進めていたもののセリフ練習に入り始め
 たばかり・・・と言ったところであります。

 そのボランティア公演に行く為の新作も書かなければ
 ならず・・・病み上がりの身としましては、少し辛い部分
 もありますが、長い間お休みしていた分、より頑張って
 準備をしていきたいと考えています。
 


 【 第11回リトルパイン人形劇公演のお知らせ 】

 2018年7月28日(土)吹田メイシアター小ホール

      『シャーロットの翼』2幕





 どうですか?
 今年は題名が先に決まったのです(^^;
 いつもは団員達にやいやい言われながら考えるのが・・・
 熱にうなされながら゛フッ”と浮かんだタイトルです(^^)v
 是非、会場までそんな風についたタイトルの物語、
 ご覧になりにいらして下さい

 





 









 


モリーウィズフェアリー ―全4場―エンディング

2017年07月09日 13時30分48秒 | 新作(人形劇用)



  


 コッコ「分かったよ・・・ホワイトフェアリー・・・」
 クック「うん・・・」
 コッコ「ねぇ、ホワイトフェアリー・・・最後に僕たちか
     ら、お別れのプレゼントがしたいんだ・・・。」
 ホワイトフェアリー「分かりました・・・。カラスを助け
           ようとして、こんなことになったの
           だから、モリーはいいことをしたの
           ですものね。願いを叶えるかわりに
           、あなた達からモリーに素敵なプレ
           ゼントをしてあげなさいな。」
 コッコ「ありがとう、ホワイトフェアリー・・・(モリー
     の側へ。)モリー・・・お別れだね。」
 クック「(モリーの側へ。)少しの間だったけど・・・」
 コッコ「僕たち、君と出会えてよかった・・・」

    コッコ、クック、スポットに浮かび上がり歌う。

      ゛ありがとう
       僕たちの
       存在信じてくれて
       ありがとう
       だから会えた
       僕たち
       お別れだ”

 コッコ「さようならモリー・・・」
 クック「さようなら・・・」

    コッコ、クック、顔を見合わせ頷く。
    フェード・アウト。

    — 第 4 場 — A

    音楽流れ、フェード・インする。と、校舎内。
    中央ベットにモリー、眠っている。
    そこへ上手よりマーサ登場。

 マーサ「モリー!モリー!起きてモリー!」
 モリー「う・・・ん・・・」
 

   


 マーサ「ねぇ、早く起きてご本読んで!」
 モリー「待ってマーサ・・・今起きるから・・・え・・・
     !?(ガバッと起き上がる。)私・・・マーサ
     ・・・私ずっとここにいた・・・?」
 マーサ「何言ってるの、モリー!(笑う。)ずっと私と
     一緒に寝てたくせに!」

     そこへ上手より子ども達、走り登場。


   


 子ども1「モリー!!」
 子ども2「モリー!!」
 子ども4「早く起きてー!!」
 子ども1「もう、モリーは寝坊だなぁ!(笑う。)」
 モリー「・・・みんな・・・」
 子ども4「今日はモリーがみんなに、妖精のご本を読んで
      くれる約束よ!!」
 モリー「妖精の・・・?」
 子ども4「さぁ、早くご飯食べて、ご本読んでね!!」
 子ども2「みんなで向こうで待ってるよ!」
 子ども1「さぁ、モリーの支度が整うまで、みんなで向こ
      うで待ってようぜ!」
 子ども4「うん!」
 マーサ「早くね!モリー!」

    子ども達、上手へ走り去る。

 モリー「・・・どうしたのかしら・・・なんだか変な感じ
     ・・・」

    紗幕閉まる。

    — 第 4 場 — B

    (紗幕前。)
    下手より、エプロン姿で雑巾を手に持った
    ブラックフェアリー、ほうきを持ったエストラ
    登場。(2人、頭に三角頭巾。)



   


 ブラックフェアリー「エストラ!!さっさと掃き掃除なん
           て済ませて、こっちを手伝っとくれ
           !!」
 エストラ「ブラックさん!ここでは私たちは同等の立場で
      すのよ!あなたに命令される筋合いはございま
      せん!」
 ブラックフェアリー「何て生意気な口をお聞きだい!?」
 エストラ「フン!」

 おばさんの声「ちょいと新人2人!!愚図愚図しないでさ
        っさと済ませな!!まだまだ仕事は残って
        るんだよ!!高い賃金払ってやってんだ!!
        それに見合う働きをしな!!」

 ブラック・エストラ「はーい・・・!!」
 ブラックフェアリー「・・・これって・・・いいこと・・・
           になるのかねぇ・・・」
 エストラ「本当・・・」
 ブラック・エストラ「はぁ・・・」

    2人、掃除しながら下手へ去る。
    入れ代わるように上手より着替えたモリー、
    妖精の本を持って登場。歌う。

    モリー゛何だか不思議な
        夢見たのかしら
        確かに       コーラス゛ここに
        いたわ            側に”
        夢でない”

 モリー「私・・・なんだか大切なことを忘れているような
     ・・・」

    そこへマーサ、下手より登場。

 マーサ「モリー!!どうしたの?」
 モリー「マーサ・・・」
 マーサ「早くコッコとクックのお話し読んで!」
 モリー「・・・コッコと・・・クック・・・?」

    その時、鈴の音と共にコッコ、クック登場。
    モリーの周りを飛び回る。
    (モリー、マーサに絵本を読んでいるように。)



   



 コッコ「モリー・・・!」
 クック「モリー!」
 コッコ「モリー・・・本当に僕たちのこと、忘れちゃった
     んだ・・・」
 クック「コッコ・・・僕、寂しいよ・・・」
 コッコ「僕もだよ、クック・・・」
 モリー「(手に持つ絵本を見る。)・・・いるわ・・・」
 コッコ「え・・・?」
 モリー「妖精はいるのよ!!いつだって私たちの側に!!」
 マーサ「(笑う。)モリーがずっとそう言ってたんじゃな
     い!」
 モリー「そうね!!コッコ・・・クック!!いるんでしょ
     !?」
 コッコ・クック「モリー!!」

    — 第 4 場 — C

    紗幕開く。と、妖精の森。美しい花々が咲き乱れ、
    妖精たちが飛び交う。



   


    モリー゛確かにいるのよ
        大切な人が
        確かに感じる
        暖かい温もり

        ずっと側にいてくれた  コッコ゛僕らは
                        ここだよ”
                    クック゛君を
                        守る為”
        たとえ姿がなくても   コッコ゛ずっと
                      ここにいる”
                    クック゛君を
                      見ているよ”
        私に分かる       コーラス゛いる
        温かい風            ここに”
        私の側 今もいる

    コーラス゛楽しい場所 ここは
         みんな集う 場所さ
         妖精たち いつも
         あなたの側に いるよ
         誰の心にも
         きっと届く筈”

    モリー゛信じる心があればいい
        誰にも見える筈だから
        素敵な思いで
        心の中に
        残る筈だから”

 コッコ・クックの声「僕たちはいつでも君の友達だ!どん
           な時も君の心の中にいる。たとえ見
           えなくても・・・」       
        
    
   


   








        ————— 幕 —————



 








 


モリーウィズフェアリー ―全4場― 4

2017年07月09日 12時20分33秒 | 新作(人形劇用)

 

   

 

    
    上手方スポット、フェード・アウト。
      舞台明るくなる。

 モリー「どうしたらカラスさんは、元の姿に戻れるの?」
 カラス「なぁに、簡単なことですよ・・・」
 モリー「本当に?」
 カラス「はい・・・。たった今、あなたに自由にしてもら
     ったお陰で・・・ほら、この実を食べればたちま
     ち私の願いが叶って、はい、元どおり・・・!」
 モリー「願いが叶って・・・?」
 カラス「はい。」
 モリー「それ・・・願いが叶う実なの?」
 カラス「ええ・・・」
 モリー「どこへ行けば、その実が手に入るの?」
 カラス「(ニヤリと笑う。)・・・お嬢さんも・・・何か
     叶えたい願いがおありで・・・?」
 モリー「私、妖精になりたいのよ!」
 カラス「妖精に・・・?」
 モリー「(頷く。)」
 カラス「じゃあ・・・お嬢さんに、この実を差し上げまし
     ょう。」
 モリー「でも、その実はカラスさんの・・・」
 カラス「私なら大丈夫。自由にしてもらったお陰で、また
     直ぐに取りに行けますからね。」
 モリー「そうなの?」

    (音楽流れる。)

 カラス「さぁ・・・遠慮せずにどうぞ・・・(実を差し出
     す。)私を助けてくれたお礼に・・・特別にこの
     実をあなたに差し上げましょう・・・」
 モリー「(そっと実を受け取る。)・・・ありがとう・・・
     」
 カラス「さぁ、お食べ・・・」
 モリー「(実を食べる。)」
 カラス「その悪い妖精とはこの私さ!!(笑う。)」
 モリー「え・・・?あ・・・(倒れる。)」



   



 コッコの声「モリー!」
 クックの声「どうかしたのかい?モリー・・・」

    そこへ下手より、コッコ、クック登場。

 コッコ「中々こないんだから・・・」
 クック「そうだよ!」
 コッコ「(モリーを認める。)モリー・・・?」
 クック「(モリーを認める。)・・・モリー・・・」

    コッコ、クック、モリーに駆け寄る。

 コッコ「もりー!!」
 クック「どうしたの!モリー!!」
 カラス「おやおや・・・双子の白い羽を持つ妖精じゃああ
     りませんか・・・」
 コッコ「誰だ!!」
 クック「カラス・・・?」
 コッコ「モリーに何かしたの!?」
 クック「何故モリーの意識がないの!?」
 カラス「さぁ・・・私には何がどうしてだか・・・。2人
     で話していると、突然その娘が勝手に倒れたんで
     すよ。」
 コッコ「突然倒れただって・・・?」
 クック「モリー!!」
 コッコ「モリー!!しっかりしてモリー!!」
 カラス「そんなに心配しないで、お2人さん。」
 クック「だって・・・!」
 カラス「それより・・・自分たちの心配をしたらどうだい
     ・・・?(隠し持っていた杖を取り出す。)」

 ホワイトフェアリーの声「お待ちなさい!」

 カラス「何?」

    ホワイトフェアリー上がる。

 ホワイトフェアリー「いい加減にさない、ブラック!!」
 コッコ「ブラック・・・?」
 クック「ブラックフェアリー・・・?」
 カラス「ふん・・・バレちゃあしょうがない!!」

    カラス下がり、入れ代わるようにブラックフェアリー
    上がる。

 コッコ「ブラックフェアリー・・・!!」
 クック「今までいたカラスはブラックフェアリーだったの
     !?」
 ブラックフェアリー「(笑う。)いかにも私はブラック
           フェアリー!!もう少しでこの目障
           りな双子の妖精を、奈落の底へ叩き
           落としてやることが出来たのに!!
           よくも邪魔をしてくれたものだ!!
           ホワイトフェアリー!!」

 
   



 コッコ「ホワイトフェアリー!!」
 クック「ホワイトフェアリー!!モリーが!!」
 ホワイトフェアリー「コッコ、クック、分かっていますよ。
           直ぐに助けてあげますからね。少し
           だけ待って頂戴・・・」
 コッコ「(ホッと溜息を吐く。)よかった・・・」
 クック「よかったねモリー。直ぐに助かるよ・・・」
 ホワイトフェアリー「さぁブラック・・・あなたはただ自分
           の欲望だけで、この正しい心を持つ
           人間と、いたいけなこの2人の妖精
           の命を奪おうとしましたね。」
 ブラックフェアリー「だから何なのさ!!私は、昔に他の
           妖精が私にしたことへの復讐をしよ
           うとしたまでだ!!」
 ホワイトフェアリー「関係のないこの者たちにですか?」
 ブラックフェアリー「関係あろうがなかろうが、私には知っ
           たこっちゃないね!!」
 ホワイトフェアリー「そうですか・・・知らなかったこと
           とは言え、あなたが今まで受けた屈
           辱に対する詫びとして、あなたの羽
           を本来あるべき色へ戻してあげよう
           と思いましたが・・・」
 ブラックフェアリー「余計なことはするな!!」
 ホワイトフェアリー「そう・・・余計なこと・・・のよう
           でしたね。そのかわり、罰を与えま
           しょう。」
 ブラックフェアリー「罰?一体何の・・・」
 ホワイトフェアリー「あなたをこれより100年の間、人
           間界へ修行する為に送り出すことに
           します!」
 ブラックフェアリー「修行!?」
 ホワイトフェアリー「そこで100の良いことをするまで、
           ここへ戻ることは許しません。」
 ブラックフェアリー「馬鹿な・・・!!」
 ホワイトフェアリー「さぁ、下界へお行きなさい!!(杖
           を振り上げる。)」
 ブラックフェアリー「な・・・わ・・・わあーっ!!やめ
           て・・・やめてーっ!!お姉様・・・
           」


   


    ブラックフェアリー、消える。

 ホワイトフェアリー「戻ったら一緒に暮らしましょう・・・
           今度こそ姉妹仲良く・・・」
 コッコ「ホワイトフェアリー・・・」
 ホワイトフェアリー「さぁ、待たせましたねコッコ、クッ
           ク。」

    — 第 3 場 — B

 クック「ホワイトフェアリー、モリーは助かるよね?」
 コッコ「モリーは大丈夫だよね?」
 ホワイトフェアリー「ええ、モリーは大丈夫ですよ。」
 コッコ・クック「よかった!!」
 ホワイトフェアリー「でも・・・」
 コッコ「でも・・・?」
 ホワイトフェアリー「モリーを今直ぐに人間界へ帰すので
           す。」
 コッコ「え?」
 クック「帰す・・・?」
 コッコ「どうして・・・」
 クック「ここで治してよ、ホワイトフェアリー!」
 コッコ「そうだよ!何も人間界へ・・・あんな意地悪な
     仲間のいるところへ戻らなくても、ここで・・・
     !」
 ホワイトフェアリー「(首を振る。)モリーがここにいれ
           ば・・・このまま二度と目覚めるこ
           とはありません・・・。」
 コッコ「目覚めることがない・・・?」
 クック「・・・嘘だ・・・」
 コッコ「嘘だ!!」
 クック「嘘だ!!」
 コッコ「嘘だ!!」
   

   


 ホワイトフェアリー「いいえ・・・本当です。残念ですが
           ・・・」
 コッコ「そんな・・・」
 ホワイトフェアリー「妖精界で受けた傷をなかったことに
           するには、今の彼女にとっての現実
           の世界・・・すなわち人間界に戻す
           ことが、唯一モリーが助かる方法な
           のです。」
 コッコ「ホワイトフェアリー!モリーが人間界へ帰ったら
     元気になるんでしょう?」
 クック「そしたらまたここへ来られる?」
 ホワイトフェアリー「・・・人間界へ戻ったなら・・・
           モリーの記憶からこの世界のことは
           消えてなくなります・・・」
 コッコ「え・・・?」
 ホワイトフェアリー「勿論あなた方と出会ったことも・・・
           あなた方の存在さえも・・・」
 コッコ「そんな・・・」
 ホワイトフェアリー「さぁ、もう時間がないわ。早くモリー
           を人間界へ帰さなければ、二度と目覚
           めることが出来なくなるのですよ。」

    コッコ、クック、一時涙を堪えるように。
    決心したように2人、顔を見合わせる。
    (音楽流れる。) 









   —゛モリーウィズフェアリー”エンディングにつづくー









ー ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — 

(どら余談^^;)

 突然に文字の大きさが変わってしまい・・・
 多分、私が自分でパソコンのいらぬところを触って
 しまったんだと思いますが・・・^^;
 元に戻すのに、四苦八苦してしまいました・・・💦

   読んで頂いている途中に可笑しな箇所があるかも知れ
 ませんが、申訳ありません<(_ _)>
 気にせず読み進めて頂けると助かります(>_<)
 









 


モリーウィズフェアリー ―全4場― 3

2017年07月09日 09時57分32秒 | 新作(人形劇用)




   



      “待ち望んだ跡継ぎが出来
      幸せ満ち足るこの国さ
      だけど不運じゃないか
      双子だなんて
      しかも見てみろ
      羽の色違う
      まぁ一人は白い羽の純潔
      なんて可愛いの
      だけども嘘だろこの羽
      黒い色だぞなんてこと
      災いくる
      良くないことが起こるぞ”

 村人妖精1「そうだ!こっちの黒い羽を持つフェアリーを、どこか
        よそへやるんだ!」
 村人妖精2「えっ?」
 村人妖精1「この国のどこか隅にでも家を建てて、ひっそりと住ま
        わせときゃあいい!」
 村人妖精2「災いを遠ざけるのか!」
 村人妖精1「(頷く。)そう言うことだ・・・」

    村人妖精たちフェード・アウト。
    入れ代わるように、ブラックフェアリー、ホワイトフェアリー
    明るく。
    ブラックフェアリー、歌う。



   



      “初めて知った
      この私の運命
      衝撃だった
      なぜ私は生まれたの”

    ホワイトフェアリー、歌う。

      “初めて知ったわ
      違えた運命(さだめ)
      そんなことがあったの”

 ブラックフェアリー「白々しい!!」

    ブラック“私達の運命? 
         笑わせないで       ホワイト“決まってたことよ”
         生まれた時から私は一人
         生きてる”

    ホワイトフェアリー、下がる。

    ブラック“呪われた運命さ
         生まれた時に       コーラス“決まってたことよ”
         だから私は誰も信じない
         憎むの”

 ブラックフェアリー「見ておくがいい・・・この私を一人にした妖精た
            ちめ・・・。いずれこの国に災いがもたらされるで
            あろう・・・。この私の手によって・・・(笑う。)」

    そこへ下手より、エストラ登場。



   



 エストラ「ブラックフェアリー・・・」
 ブラックフェアリー「エストラ・・・どうした?」
 エストラ「妖精の国に面白い来客が・・・」
 ブラックフェアリー「来客?」
 エストラ「いいことをして願いを叶えてもらおうとしている人間が
      ・・・」
 ブラックフェアリー「人間・・・」
 エストラ「(頷く。)コッコとクックが、人間界から連れて来たようで
      すわ・・・。」
 ブラックフェアリー「コッコとクックが?」
 エストラ「はい・・・ホワイトフェアリーの両羽から生まれた、2人共
      が白い羽を持つ双子の妖精の・・・」
 ブラックフェアリー「それはいい・・・(手に持っていた杖を折る。)」

    (曲終わり。)
    ブラックフェアリーの笑い声残して、フェード・アウト。

    ――――― 第 3 場 ――――― A

    明るい音楽流れ、背景変わる。と、森の中。
    上手よりコッコ、クック登場。

 コッコ「モリー!」
 クック「モリー!こっちだよー!!」

    コッコ、クック、上手方に手招きすると、モリー、
    キョロキョロと周りを見回しながら登場。



   



 モリー「わぁーっ・・・綺麗なところ!」

    モリー、歌う。

      “素敵だわ
      初めてよ
      こんな場所にくるの
      今までと
      全然違うのよ
      嫌なことなんてないわ
      キラキラと輝いた
      憧れの場所だわ
      こんなとこにいつまでもいたい
      そんな気持ちだわ”

 モリー「でも、いいことって一体何をすれば・・・」
 コッコ「大丈夫!いつものモリーでいれば、直ぐにいいことをする
    機会が訪れるよ!!」
 クック「そうさ!」

    コッコ、クック歌う。

      “僕らがいるよ君の側にずっと
      君の夢は僕の夢”

    モリー、歌う。

      “初めて見つけた私の居場所よ
      なんて素敵なのかしら
      これからもずっといたいわ
      夢の中の友達・・・”

    コッコ、クック、木の枝の小さい隙間をぬうように、
    下手へ去る。

 モリー「あ!、待ってよ二人共!(音楽終わる。)私、まだ人間なの
     よ!!あなた達のように、こんな小さい隙間、通れないわ!
     待って・・・待ってったら!(溜め息を吐く。)早くいいことをし
     て、小さくしてもらわなきゃ。」

    音楽流れる。
    その時、どこからか微かに声が聞こえて来る。

 声「お嬢さん・・・」

 モリー「え・・・?」

 声「・・・お嬢さん・・・お嬢さん・・・そこのお嬢さん・・・」

 モリー「誰?誰かいるの?」

 声「ここです・・・私はここにいます・・・」

 モリー「どこ?」

 声「この木の葉の下に・・・埋もれて動けないのです・・・」

 モリー「木の葉の下・・・?」

 声「優しいお嬢さん・・・助けてくれませんか・・・?」

 モリー「え・・・ええ・・・」

    モリー、木の葉の山を掻き分けると、一羽のカラスが
    現れる。



   



 モリー「カラスさん・・・?」 

    カラス、歌う。

      ゛ご名答 そう カラスです”

 カラス「はぁ・・・助かりましたよ、お嬢さん。」
 モリー「どうしてあんな木の葉の山の中に?」
 カラス「(悲しげに。)はい、私は見ての通りカラスです。
     ですがそれは・・・聞いてくれますか?お嬢さん
     ・・・」
 モリー「ええ・・・」

    カラス、歌う。

      ゛本当の姿は違う”

 モリー「え・・・?」

      ゛この私 何をした
       悪い妖精
       なんの権利があるの”

 モリー「妖精・・・?」

      ゛この姿 すぐ もとどおり”

 モリー「どうやって?」

    下手方、モリー、カラス、時間が止まり、舞台
    薄暗くなる。上手方スポットにブラックフェアリー、
    エストラ、浮かび上がる。

  

      

 

 ブラックフェアリー「エストラ・・・今度は妖精の城から
           眠りの実を一粒・・・この私に調達
           して来ておくれじゃないか?」
 エストラ「眠りの実を・・・?」
 ブラックフェアリー「そう、一口食べれば二度と目を覚ま
           さなくなる眠りの実・・・さ・・・」

    ブラックフェアリー、歌う。

      ゛邪悪の実 ああ 恐ろしい・・・”

 ブラックフェアリー「そうすれば、おまえさんもその存在に
           鬱々としていた人間・・・を・・・
           この私が上手い具合に始末してあげる
           よ・・・。」
 エストラ「本当に・・・?」
 ブラックフェアリー「ああ・・・」
 エストラ「(ニヤリと微笑む。)分かりました・・・。直ぐ
      に手に入れて参ります。お任せを・・・」
 ブラックフェアリー「(声高々と笑う。)」

 

 

 

 

  

    —゛モリーウィズフェアリー” 4へつづく—
















― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ―



     
     あまり“カラス”をじっくり見たことがなくて、なんとなーく
    イメージでくちばしが黄色だったような気がして、黄色いくち
    ばしのカラスさんを作ってしまいました・・・。
 
    ホントは真っ黒・・・なんですよね?黄色の訳ないっか