りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“未来への扉” ―全9場― 4

2011年10月30日 22時44分17秒 | 未発表脚本


  トレイシー「(2人に気付いて。)いらっしゃいませ。(ジョーイに
         向かって。)飲んで行く?それとも帰る?」
  ジョーイ「・・・今日は真っ直ぐ帰ることにするよ・・・。なんだか、
        アレックスの顔を、まともに見ることが出来ないような
        気がするからね・・・。」
  トレイシー「そう・・・。じゃあね。(エンゼル達の方へ行こうとする
         。)」
  ジョーイ「トレイシー!!」
  トレイシー「(振り返る。)」
  ジョーイ「あの・・・!!(何か言い掛けて、言葉に詰まるように。
        )」
  トレイシー「もう・・・何も言わなくていいから・・・。(微笑む。)
         さよなら・・・。」
  ジョーイ「・・・ありがとう・・・」
  
         ジョーイ、トレイシーから視線を捥ぎ取るように、
         だがその顔付きは、何か晴々と下手へ去る。

  ヘンリー「(椅子を引いてエンゼルに勧め、自分も座る。近寄っ
        て来たトレイシーに。)僕には水割り・・・それから、
        この人には何か、口当たりのいい軽いカクテルを・・・。
        」
  トレイシー「はい。」

         トレイシー、下手奥へ去る。

  ヘンリー「フランシス、どうです?中々感じのいい店でしょう。僕
        も余り、この裏通り界隈には、足を運んだことはなかっ
        たのですが、この間、偶々部下に誘われましてね。
        余り気乗りはしないなぁ・・・と思いながらも、断る理由
        もなく、付き合ったんですよ。ま、お陰でこんな場所の
        割には、素敵な店を知ることが出来て、よかったので
        しょうけどね。(笑う。)いやぁ、それにしても今日の
        映画は、中々ロマンチックでしたね。あんな映画は、
        あなたのような美しい女性と、2人で見に行ってこそ
        堪能できると言うものです。(下を向いたままのエンゼ
        ルに気付いて。)どうしました?気分でも優れません
        か?」
  エンゼル「(下を向いたまま。)・・・いいえ・・・。」
  ヘンリー「そうですか?」
  エンゼル「・・・あの・・・(ヘンリーを見て。)私、もうそろそろ帰ら
        なければ、父や母が・・・」
  ヘンリー「ああ、それなら大丈夫ですよ。今日はお父様、お母
        様にはちゃんとお許しを頂いてありますから。映画を
        見た後、一流ホテルでディナーを取り、その後は美味
        しいお酒を頂いて・・・さぁて、その後は・・・予約して
        ある夜景の綺麗なホテルで・・・。」
  エンゼル「え・・・?(思わず驚いた表情で、ヘンリーを見詰める
        。)」
  ヘンリー「(笑って。)冗談ですよ。お許しを頂いているのは、
        ここまでです。お酒を1、2杯付き合ってもらった後は、
        ちゃんと家まで送りますから、そんな心配そうな顔は
        なさらなくていいですよ。僕はね、フランシス、父や母
        にとても感謝しているのです。あなたが生まれた時、
        直ぐにあなたが僕の者になるように、お膳立てをして
        おいてくれたことに・・・。あなたは如何ですか?」
  エンゼル「(下を向いて。)・・・私は・・・」
  ヘンリー「(笑って。)恥ずかしがらなくてもいいですよ。」

         その時トレイシー、盆の上にグラスを2つ乗せて
         下手より登場。

  トレイシー「お待たせしました。(其々の前へ、グラスを置く。)」
  ヘンリー「このカクテルは?」
  トレイシー「この店のバーテンダーが考えたもので、先日、賞
         を取ったカクテルなんですよ。お酒が余り強くない
         お嬢さんにでも、飲みやすい甘口になっています。
         名前は“エンゼル”・・・。どうぞ、ごゆっくり・・・。
         (一礼して下手へ去る。)」
  エンゼル「・・・エンゼル・・・(グラスを手に取る。)・・・キラキラ
        光って、綺麗な色・・・。(回りを見回して、下手方を
        一時見詰める。)」
  ヘンリー「何か?」
  エンゼル「・・・え?いいえ・・・。(グラスを目線まで高く掲げて、
        向きを変えてみる。)あ・・・色が変わって見えるのね
        ・・・見る方向によって。ライトの加減があるのかしら
        ・・・?綺麗ね・・・。(嬉しそうに微笑んで、ヘンリーを
        見る。)」
  ヘンリー「やっと笑顔を見せてくれましたね。」
  エンゼル「え・・・?」
  ヘンリー「(片手でグラスを弄ぶように。)今日のあなたは・・・
        いや、今日に限った訳じゃない。僕と2人でいる時の
        あなたは、丸で笑顔を忘れてしまっているようだ・・・。
        あなたの気持ちが分からないでもない・・・。ついこの
        間まで、顔も全く知らなかった赤の他人が、数日後に
        はもう夫と呼ばれるのですからね。だけど、あなたも
        大財閥の御令嬢なら、そろそろ覚悟を決めて下さい。
        何も僕を、今直ぐ愛せと脅している訳ではありません。  
        少しずつ自分の置かれている状況を、受け入れ歩み
        寄る努力をしなければ、何も変わらないと思うのです。
        僕だって最初は、戸惑いも躊躇いもありましたよ。
        だけど、初めてあなたと会った時から、こんな美しい
        人と一緒に暮らせるのは、幸せだと思うことに決めた
        のです。ようは心の・・・気持ちの持ち方次第で、これ
        からのあなたの人生、良くも悪くもなると言うことです。
        我が家もあなたの家とは、何れ劣らぬ名門旧家だ。
        お金には一生苦労することはないでしょう。ただそれ
        だけあれば、他には何もいらないと言うものでもない
        が・・・。さ・・・もう今日は帰るとしましょう。そして、今日
        僕の言ったことを、一度ゆっくり考えてみて下さい。
        これからのあなたの人生にとって、何が一番得策かを
        ・・・。そして何をすべきかを・・・。(グラスの酒を一気に
        飲み干し立ち上がる。)結婚とはビジネスですよ。」
  エンゼル「(ゆっくり立ち上がる。)・・・ビジネス・・・」

         エンゼル、スポットに浮かび上がり
         悲し気に歌う。

         “夢に描いた輝く未来は
         本当にただの夢なのかも・・・
         ただの私の心の空想・・・
         御伽の国の世界では
         誰もが主役であるように
         私の心の世界では
         小さい頃から見た夢が
         そのまま世界になるように
         何時までもこのまま夢の世界のまま・・・
         幸せな気持ちに包まれて
         ただ眠りたい・・・
         たとえ夢が夢で終わっても
         夢で終わるものならば・・・
         それならこのまま夢の世界のまま・・・
         ただ何時までも何時までも
         眠りたい・・・”

         遠くを見遣るエンゼルで、フェード・アウト。
         (音楽残して。)
        
    ――――― 第 5 場 ―――――

         紗幕前。
         アレックス(バックポーズ)から、フェード・イン。
         アレックス、両手をズボンのポケットへ突っ込み、
         俯き加減にゆっくり振り返り、歌う。

         “自分の考えしてきたことが
         他人からみれば
         たとえば馬鹿げたことかも知れない・・・
         だとすれば そこで他人を巻き込むことは
         決してしてはならないこと・・・
         今まで何の躊躇いも・・・
         迷いも持たずにただ真っ直ぐに
         自分の進むべき道と
         信じて歩いて来たけれど
         屹度それは自分だけが
         歩くべき道で・・・
         誰かがここにいて欲しいと願うことは
         決してしてはならないこと・・・
         たとえ今そのことが
         相手を傷付ける結果となっても
         未来で過去を振り返った時に
         一番最良の道だったと
         納得できるものだから・・・”

         そこへ上手より、クリスティーン悲し気に登場。
         アレックスを認め、近寄る。

  クリスティーン「・・・アレックス・・・」
  アレックス「(クリスティーンを認める。)クリスティーン・・・」
  クリスティーン「・・・本当に行ってしまうの・・・?」
  アレックス「・・・ご免・・・」
  クリスティーン「(涙声で。)・・行かないで・・・」
  アレックス「ご免、クリスティーン・・・。」
  クリスティーン「もう待てない・・・。もう限界なの・・・。何時も何時
           も、あなたが海に出て行ってから、戻るまでただ
           不安で・・・心配で・・・この気持ちを如何していい
           か分からないの・・・。」
  アレックス「・・・もう・・・待たなくていいから・・・。」
  クリスティーン「・・・え・・・?」
  アレックス「もう・・・俺の為に、君を縛り付けておくことは出来な
         い・・・。」
  クリスティーン「そんな・・・勝手よ・・・。」
  アレックス「・・・俺の我が儘だ・・・。何と言われたって仕方ない
         ・・・。だけど俺は、ここで夢を捨てて生きて行くことは
         出来ないんだ・・・。今まで・・・何度も危険な目に遭い
         ながら・・・それでも一つずつ達成させて来た・・・。そ
         うやって、過ごして来たもの全てを、今ここで全部捨
         ててしまうことは出来ないんだ・・・。」
  クリスティーン「私が・・・言っても・・・?」
  アレックス「(躊躇うように、ゆっくりと。)・・・君でなくても・・・誰に
         言われたって俺は・・・」
  クリスティーン「もう・・・私のこと愛していないの・・・?」
  アレックス「そうじゃないんだ・・・。」
  クリスティーン「だったら・・・何故・・・?」
  アレックス「たとえ今・・・君の言う通り、止めたとしても、俺は
         屹度再び海へ行く・・・。屹度生きている限り、俺の
         夢に終わりはないんだ・・・。だったら・・・もう・・・」
  クリスティーン「・・・別れるって言うのね・・・(下を向く。)」
  アレックス「・・・すまない・・・」
  クリスティーン「・・・今までの私は・・・一体何だったの・・・?
           今度こそは・・・もうずっと一緒にいれる・・・そう
           信じながら、何時も何時も待ってた私って一体
           ・・・何だったの・・・?」
  アレックス「・・・今までありがとう・・・。」
  クリスティーン「・・・そんな言葉をあなたから聞きたかったんじゃ
           ないわ!!さよなら!!」

         クリスティーン、下手へ走り去る。と、同時に
         上手よりジョーイ登場。

  アレックス「・・・クリスティーン・・・!!待って・・・!」
  ジョーイ「・・・今更呼び止めて、如何しようって言うんだ・・・。今
        更彼女に、何を言うつもりなんだ・・・。」
  アレックス「(振り返ってジョーイを認める。)・・・ジョーイ・・・」
  ジョーイ「(アレックスに近寄り見据える。)・・・今更ながら俺は、
        自分の浅はかな行いを悔いるよ・・・。何でおまえと、
        クリスティーンを引き合わせたりしたのか・・・ってな・・・
        !!(アレックスの頬を、思い切り殴る。)」
  
         アレックス、よろめいて膝を着く。

   アレックス「(フッと笑って立ち上がる。)・・・おまえに殴られて
          スッとしたよ・・・。サンキュ・・・。じゃ・・・元気でな
          ・・・。」

         アレックス、片手を上げて、上手方へ歩いて行く。

   ジョーイ「馬鹿野郎!!」
   アレックス「ああ・・・。(歩きながら。)」
   ジョーイ「死んじまえ!!」
   アレックス「ああ・・・。」
   ジョーイ「畜生!!何時立つんだ!!」
   アレックス「・・・今夜さ・・・」
   ジョーイ「アレックス!!」
   アレックス「(振り返らずに立ち止まる。)」
   ジョーイ「・・・殴って・・・悪かった・・・。」
   アレックス「(背を向けたまま笑って。)何、謝ってるんだよ、
          ばーか・・・。クリスティーンのこと、幸せにしてやっ
          てくれよ・・・。」

         アレックス、上手へ去る。
      
  ジョーイ「・・・アレックス・・・馬鹿野郎・・・馬鹿野郎!!(叫ぶ。
        )」

         音楽でフェード・アウト。(紗幕開く。)







     ――――― “未来への扉”5へつづく・・・―――――







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“ピンクのももちゃん―ももちゃんとお友達―” ―全〇場― 2

2011年10月27日 22時07分05秒 | 新作(人形劇用)


         その時、何処からか声が聞こえる。

  声「やあ・・・おチビさん達・・・」

  もも「え・・・?」
  ココ「・・・誰・・・?」
  
  声「ここだよ・・・!」

  もも「どこ・・・?」
  
  声「君達の目の前さ!」

         もも、ココ上を見る。

  声「よっこらしょ・・・っと・・・」

         “ゴーッ”と、波がうねるような音が響く。
         と、下手より大きなクジラの顔が覗く。

  もも「わあーっ!!大きなお顔!!」
  ココ「クジラだ!!早く逃げなきゃ!!もも・・・!!」
  もも「私達、おじさんの下に潜り込んでたのね!!」
  クジラ「そうだよ。」
  もも「それで、さっきから薄暗かったんだわ。」
  ココ「ももってばさぁ!!早く行こうよ!!」
  もも「(ココの言うことには、耳も貸さず、クジラに興味津々な
     様子で。)へぇーっ!!何て大きいのかしら・・・!!私、
     おじさんみたいに大きなお魚、生まれて初めて見たわ!!」
  クジラ「そんなに珍しいかい?」
  ココ「お願い!!僕達を食べないで!!」
  もも「ココ?」
  クジラ「(笑って。)食べやしないさ。」
  ココ「・・・本当に?」
  クジラ「ああ・・・。それより、君達2匹にお願いがあるんだけれど
       ・・・。」
  ココ「お願い・・・?」
  もも「なぁに?何でも言って頂戴!」
  クジラ「それが、さっき昼ご飯に食べた魚の・・・」
  ココ「ほらみろ!!魚を食べるんじゃないか!!食べないなんて
     嘘ばっかり!!」
  クジラ「それは自然の法則だからね。君達も小さなプランクトンや、
       藻を食べるだろう?それも皆生きているんだ。君達はそ
       れを食べて生かされている・・・。反対に僕だって、誰かの
       為に、そうなることもあるんだ。それと同じだよ。」
  もも「生かされている・・・?」
  クジラ「そうさ。」
  ココ「だからって・・・仲間も家族も・・・皆食べることないだろ!!」
  もも「どうしたの、ココ?」
  クジラ「僕はそんな風に、何もかも全部食べたりはしないよ。生き
       る為に、必要な分だけ・・・皆に感謝して頂くのさ。」
  もも「そう・・・。」
  ココ「そんなこと・・・信じれるもんか・・・」
  クジラ「それよりさっきの話しの続きだけれども・・・」
  もも「そうだったわね!何、おじさん!お願いって。」
  クジラ「それが、お昼に食べた魚の骨が、ノドの奥に刺さってしま
       って、どうにも取れなくて苦しいんだ・・・。君達、僕の口の
       中に入って、取って来てくれないかなぁ。」
  ココ「何だって!?」
  クジラ「君達のように、小さければそんなこと、造作ないだろう?」
  もも「分かったわ!」
  ココ「待って、もも!!そんな風に上手いこと言って、本当は僕達
     をそのまま丸飲みにするつもりなんだ!!」
  クジラ「そんなことしないよ・・・(“ゴホッ”と咳をする。)ほら、ノドが
       痛くてたまらないんだ。お願いだ・・・。」
  もも「分かったわ、おじさん!ココ!おじさんのノドに刺さった骨を
     取りに行ってあげましょう!」
  ココ「だって時間が・・・」
  もも「大丈夫!ほんの少しの時間よ!さぁ、おじさん!口を大きく
     開けて!」

         “ゴーッ”と、波のうねる音に合わせて、
         クジラ、大きく口を開ける。

  もも「わあーっ・・・」
  ココ「嘘だろ・・・」
  もも「体も大きいけど・・・中もとっても広いのねぇ・・・」

         もも、ココ、クジラの口の中へ入って行く。

  もも「どこかしら・・・」
  ココ「ま・・・真っ暗だよ・・・!!」

         その時、上手方よりサメ吉の声がする。

  サメ吉の声「おーい!!チビすけー!!」

         上手より、慌ててサメ吉登場。

  サメ吉「(息を切らせたように。)おーい!!チビすけ!!一体
       どこ行っちまったんだ、畜生・・・。反対の方向だったか
       ・・・。あ!!(クジラを認めて。)クジラのおっさん!!
       あんた、この辺りでピンク色の小さな魚を見なったか!
       ?」
  クジラ「あ・・・あ・・・(口を大きく開けていて、上手く喋れないよ
      うに。)」
  サメ吉「あ?」
  クジラ「あ・・・あ・・・」
  サメ吉「あ?」
  クジラ「ああ・・・あ・・・」
  サメ吉「もう!!何言ってんだよ!!ああだけじゃ分かんねぇ
       だろ!!仕方ねぇな・・・もうちょい先まで行ってみる
       か・・・。おーい!!チビすけー!!」

         サメ吉、下手へ去る。

  クジラ「あ・・・あ・・・!!あーっ・・・!!」

         クジラの顔、上手へ入る。と同時に、下手より
         珍しそうに回りを見回しながら、もも、ココ登場。
         (上手よりに、一本の柱のような骨が立つ。)

  もも「おじさんの口の中って、広いのねぇ・・・。一体、何処にその
     刺さった骨があるのかしら・・・。」
  ココ「(恐々回りを見回し。)ねぇ、もも・・・早く見つけて、ここから
     出ようよ!!」
  もも「大丈夫!ホント、ココったら心配性なんだから。(笑う。柱の
     ような骨に気付いて。)あ・・・あったわ!!ココ!!見つけ
     たわ!!屹度これよ!!」
  ココ「本当?」
  もも「でも、随分大きな骨ねぇ・・・。一体クジラのおじさん、どんな
     お魚を食べたのかしら。」
  ココ「魚なら何でも食べるんだ、屹度・・・」
  もも「如何したら、この大きな骨を取ることが出来るかしら・・・。」
  ココ「ねぇ、もも!!もう放っておいて、外へ出ようよ!!小さな
     僕達に、こんな大きな珊瑚みたいな骨、取れやしないよ。」
  もも「諦めちゃ駄目よ!!おじさん、苦しんでたじゃない!!助
     けてあげなけりゃ!!うーん・・・どうしたら・・・」

         その時、ノドの奥から声が聞こえる。

  声「うるせぇなぁ・・・」
  
  もも「え・・・?」
  ココ「もも・・・!!(ももの後ろに隠れるように。)」
  もも「(上手方を見て。)誰かいるの?」

  声「そっちこそ、誰かいるのか・・・?」

  もも「私はもも!クジラのおじさんにお願いされて、この骨を取り
     に来たの!」

  声「何だって・・・?その骨を取りに来ただって?」

  もも「そうよ!」

  声「そんなら早いとこ、その骨をどかしてくれないか。俺はさっき
    、クジラに丸飲みにされちまったんだが、逃げようとしたら、
    この骨が邪魔で、ここから出らんなくなっちまったんだ。早い
    とこ、ここから出ないと・・・ほら・・・そろそろ体が溶けてきち
    まいそうだ・・・。」

  もも「溶ける・・・?」

  声「ああ・・・頼むよ・・・。早いとこ、その骨を外して、この俺様
    をこの地獄から助け出してくれ・・・」

  もも「分かったわ!」
  ココ「(小声で。)待って、もも!!(ノドの奥に向かって。)ねぇ!
     ノドの奥にいるお魚さん、あなたはこの骨の間をすり抜け
     られない程大きいの・・・?」

  声「おまえは誰だ・・・。」   

  ココ「僕はココ・・・。ももと一緒に、この骨を取りに来た・・・。」

  声「そうか、それなら2匹で協力して、早いとこ・・・」

  ココ「自分で出てくればいいじゃないか・・・。」
  もも「ココ・・・?」
  
  声「・・・それが、出ようにも体の一部が、その骨に引っ掛かって
    しまって、どうにも出れねぇんだよ・・・。頼むよ・・・、早いとこ
    クジラのおっさんと・・・この可哀相な俺様を助けてくれよ・・・
    。」

  ココ「(ももに聞こえるように小声で。)ねぇ、もも!この骨の間を
     通れないって・・・屹度、もの凄く大きな魚だよ!!この骨
     を取ったら、外へ出るまでに、僕達がそいつに食べられる
     かも知れないよ!!」
  もも「まさか・・・。(笑う。)」

  声「おいおい、2匹で何の相談してるんだ?こうやってる間にも
    、俺様のヒレが・・・あ・・・あーっ!!・・・」

  もも「おじさん!?待って!!直ぐにこの骨を取ってあげるわ!
     !」
  ココ「もも!!」

  声「あ・・・!!あーっ!!く・・・苦しい・・・!!」

  もも「おじさん苦しそうよ!!ね、ココ!!なんとかしましょう!!」
  ココ「・・・でも・・・」
  もも「・・・どうしたらいいかしら・・・」

         その時、先生の声(回想)が響く。

  先生の声(エコー)「小さくたって、皆で力を合わせれば、どんな
              ことだって出来るのよ・・・出来るのよ・・・(繰り
              返す」

  もも「先生・・・。そうだわ!!ココ!!手伝って!!2人で“せーの
     !”で、この骨に体当たりして・・・」
  ココ「え・・・?体当たりって・・・」
  もも「力を合わせれば大丈夫よ!!」
  ココ「で・・・でも・・・」
  もも「小さくたって何とかなるわ!!2人だもの!!」   ※
  ココ「う・・・うん・・・」
  もも「さぁ、行くわよ!!いっせぇのぉで・・・!!」

         もも、ココ、骨に体当たりする。
         が、跳ね返される。

  もも「きゃあっ!!」
  ココ「いってぇ・・・」
  もも「さぁ、もう一回よ!!」
  ココ「うん・・・」
  もも「せぇの!!」

         もも、ココ、再び骨に体当たりする。
         と、少し骨が傾く。

  もも「やった!!もう少しよ!!」
  ココ「うん!!」
  もも「さぁ、頑張りましょう!!」
  もも・ココ「せぇのぉ!!」

         もも、ココ、三度骨に体当たりする。
         と、骨が大きな音を立てて倒れる。

  もも「やったーっ!!」
  ココ「わーい!!」
  もも「どんなことでも、皆で力を合わせれば、何だって出来る
     のよ!!」
  ココ「もも・・・」
  もも「(クスッと笑って。)先生がそう教えてくれたの。」

  声「そうさ・・・だから2匹一緒なら、どんなことでも怖くない・・・」

  もも「え・・・?」
  ココ「もも・・・」

         その時、上手よりサメ1、ゆっくり登場。  ※2

  ココ「(サメを認めて。)角・・・」
  もも「角・・・?(サメを認めて。)サメのおじさん・・・」
  ココ「え・・・?」
  サメ1「サメのおじさんだと・・・?(ももを認める。)おまえは・・・」
  もも「違う・・・あなた、サメのおじさんじゃないわ・・・。おじさん
     を連れて行こうとした悪いサメよ!!・・・でも・・・あの時
     確か漁船の網に捕まって・・・」
  サメ1「(笑って。)お生憎様!!あの時、引き上げられた船の上
       から、俺様だけ命辛々逃げ遂せたのさ!!もう一匹の
       ドジな奴は、おまえのせいで、残念なことになったがな
       !!」
  もも「違うわ!!あなた達が悪いことをしようとしたからじゃない
     !!」
  ココ「それだけじゃない・・・」
  もも「ココ・・・?」
  ココ「こいつは・・・僕のお魚村を・・・僕の仲間達を皆・・・僕の
     パパやママを・・・!!」

         怪しげな音楽流れる。

  サメ1「お魚村・・・?・・・なんだ、あの時の小魚が一匹、逃げ延
      びていやがったのか。(笑う。)あそこの魚は美味かった
      なぁ・・・。お陰で、久しぶりに腹一杯になることが出来た
      んだ。」
  もも「酷い・・・」
  ココ「僕は・・・僕は皆の敵をとる為に、ここまでおまえを捜しに
     やって来たんだ!!」
  サメ1「敵だと?(笑う。)そんなチビっこい体で、何が出来るん
      だ!!」
  ココ「糞う・・・!!わぁーっ!!(サメ1に体当たりする。)」
  もも「ココ!!」
  サメ1「煩い!!(ヒレでココを払う。)
  ココ「わぁっ!!(飛ばされる。)」
  もも「ココ!!(慌てて寄る。)」

         サメ1歌う。

         “俺は海の王者だ
         この水の中では
         誰もが俺様の言う通り
         逆らう奴は丸飲みだ
         俺は海の王者だ
         この広い水の中
         姿を遠目に見ただけで
         皆怯えて背を向ける”

  サメ1「それより・・・俺様がおまえを、仲間のいる所へ送って
      やろう・・・か?丁度クジラのノドの奥に閉じ込められて、
      腹が減ってたんだ・・・。」
  ココ「え・・・?」
  サメ1「空きっぱらでウロウロと、エサを探し回る必要がなくな
      ったぜ。(笑う。)」
  ココ「畜生・・・」
  もも「ココ・・・!!」









           サメに狙われたももとココは、一体どうなる
           のでしょうか・・・?“ピンクのももちゃん―
           ももちゃんとお友達―3”へつづきます・・・。














    ※ “2人”ではなく、本来は“2匹”だと思うのですが・・・
      聞こえが良くないので、敢えて“人”と数えさせて
      頂きました^^;

    ※2、サメに“1”が付いていますが、これは“ももちゃん”
      第2段で登場した“サメ1、2”の“1”と同一サメだから
      です(^^♪
 
     (ももちゃんシリーズの、時期的なことをお話しすると、
      “2”で、珊瑚の森へ向かったサメ2匹は、漁船に捕まる
      数日前に、ココの村を襲っていたのです。) 




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



      (おまけフォト^^;)
      
          (左より)ジ―ク・ポーラ・クリフ。

     明日の録音日に、メンバーにプレゼントするマスコット
     です♥・・・と言っても、クリフくんは私です^^;
     他のメンバーのマスコットは・・・写真に収める前に、
     撮ろうと思っていたのを忘れて、袋詰めしてしまいまし
     た~(^_^;)

     基本的に声が高めな為、男の子の声はどうしても低め
     になり、女の子の声の時より、ノドの調子が厳しいです
     ~・・・(>_<)・・・のど飴片手に、頑張ります・・・(^^)v  



     (どら余談^^;)

     録音、その編集作業と・・・長時間に渡り、只今帰還致し
     ました~(>_<)まだまだ編集に要する時間は、計り知
     れませんが、一先ず録音したままの状態のものを、持ち
     帰りました(^^♪今回、皆の頑張りが大きく、私的には、
     中々満足の行く、録音具合であったと、自分のことは
     さて置き、とても面白い作品に仕上がりそうで、嬉しい
     限りです(^^)
     来年春公演、楽しみにしていて下さい♥








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“未来への扉” ―全9場― 3

2011年10月26日 22時55分09秒 | 未発表脚本


  アレックス「おまえが言っても、聞くような親じゃないとすると、
         赤の他人の俺なんかが言ったところで、聞く耳は
         持たないだろう・・・。けど・・・そんな力でよければ、
         幾等でも貸してやるぜ・・・。」
  エンゼル「アレックス・・・」
  アレックス「一緒に行ってやるよ。それで駄目なら、また考えれ
         ばいい・・・。そうだろ?」
  エンゼル「・・・本当に・・・一緒に・・・もし今・・・そこにいたら・・・
        その時に私のことを知ってたら・・・本当に一緒に行っ
        てくれた・・・?」
  アレックス「ああ・・・。(微笑む。)」
  エンゼル「・・・本当に・・・」
  アレックス「帰ったら、一緒に行こう・・・!」
  エンゼル「・・・ありがとう・・・」
  アレックス「別に礼なんていらないよ・・・。俺自身・・・もう少し早 
         く・・・人の為を考えられる余裕が持てる人間になれ
         てたら・・・あいつに悲しい思いをさせることもなかっ
         たんだ・・・。それこそ俺の単なる我が儘だったんだ
         ・・・。」
  エンゼル「・・・あいつ・・・?」
  アレックス「・・・ああ・・・さっきも考えていた・・・。あいつが何時も
         どんな気持ちで、俺の帰りを待っていたか・・・。何故、
         もう少しあいつの心の内を、察してやれなかったんだ
         ろう・・・って、後悔ばかりだ・・・。まだ未練があるとか
         ・・・そんなことじゃないんだ・・・。俺はあいつを幸せに
         してやることができななったけど、あいつには心から
         幸せになって欲しい・・・。本当に俺とは正反対の・・・
         あいつは人のことを考え過ぎる奴だったよ・・・。次の
         航海が決まったと言った時・・・あいつはもう待てない
         と言ったんだ・・・。目に涙を一杯溜めて、俺の方を
         一度も見ないまま・・・ただ、もう限界だと・・・だから
         行かないでくれと言ったのに俺は・・・あいつより夢を
         取ったんだ・・・。」
  エンゼル「・・・愛していたから・・・突き放したんでしょう・・・?
        彼女の幸せの為に・・・。」
  アレックス「・・・そんな格好良いものじゃないさ・・・・」
  エンゼル「いい人ね・・・。」
  アレックス「(フッと笑って。)冗談だろ?(両手をポケットへ突っ
         込み、ゆっくり後方へ。彼方を見詰める。)」

         エンゼル振り返り、アレックスを暫く見詰める。
         ゆっくり俯き加減で正面へ。瞳を閉じて両手を
         胸で組む。

  エンゼルの声「・・・私には分かる・・・。あなたの声が聞こえる
           ・・・。でも・・・ここへ来た直ぐに比べると・・・何か
           ・・・吹っ切れた・・・?(目を開けて、再び振り返る
           。)」
 
  アレックス「(振り返って。)ここは本当に、南の孤島なんだな・・・
         。船一艘通らない・・・。(再び後方、海を見て。)この
         広く青い海を見ていると・・・人が生き続けている意味
         は、誰の道であろうと・・・何の嘘偽りのない、確かな
         一つの真実の道なのだと、心から感じるよ・・・。たと
         え・・・助けが来なくて、一生このままであっても・・・
         これはまた一つの真実の道なのだと・・・。」
  エンゼル「そうね・・・。私が選んで歩んで来た道も、決して否定
        されるものではなかったかもね・・・。あの日々は・・・
        戻らないのだけれど・・・。」

         フェード・アウト。

  エンゼルの声「過ぎ去ったあの日々は、決して・・・戻らない・・・」
         
     ――――― 第 4 場 ―――――

         紗幕前。
         音楽で、下手スポットにクリスティーン、
         浮かび上がる。
         歌いながら、ゆっくり中央へ。

         “何故かしら 少しの不安が心を過ぎる
         真冬の隙間風のように
         あなたの思いが
         冷たく頬を撫で
         遥か彼方へ通り過ぎていく
         あれは夢だったのかしら
         それとも私の愚かな幻想・・・
         あなたの心は丸で空に浮かぶ
         あの白い雲のように
         決して掴むことが出来ずに
         少しずつ私から遠ざかっていく・・・
         ほんの一瞬の瞬きで
         あなたの心はもう形を変え
         私に背を向け走り出す
         何故かしら そんな不安が胸を掠める・・・”

         クリスティーン瞳を伏せ、上手へ去る。
         紗幕開く。
         と、開店前のアレックスの働く店。
         下手よりアレックス、ジョーイと話しながら登場。

  ジョーイ「一体、何考えてるんだよ!一体、この間の航海から
        どれだけここに留まってたって言うんだよ!!なのに
        また行くなんて!!3ヵ月だぞ!?たった3ヶ月・・・。
        なのに、もうクリスティーンをほったらかしにするなん
        て・・・!!おまえにとって一体彼女は何なんだよ!!
        おまえにとって、ヨットは彼女よりも大切だって言うの
        かよ!!」
  アレックス「俺は自分一人の手で、全世界の海を渡り歩くのが
         夢なんだ・・・。」
  ジョーイ「それにしたって・・・!!」
  アレックス「そりゃ、彼女を何時も一人にして悪いと思ってる・・・
         。何時も無線だけの会話は、俺だって正直辛いさ・・・
         。だけど、俺は俺の夢を達成するまでは、屹度、誰
         に何と言われたって、海へ出て行く・・・。そこが、今
         の俺が生活するべき場所だからだ・・・。海が俺を受
         け入れてくれる限り・・・。」
  ジョーイ「馬鹿馬鹿しい・・・!じゃあ一生、結婚なんて望めない
        じゃないか!?彼女が何時も、どんな気持ちでおまえ
        を見送っているのか知っているのか!?何時もここに
        取り残されて、再びおまえが戻ってくるその日まで、
        彼女が何を拠り所として生活しているか、おまえは分
        かってやれるのか!?何時も彼女が考え願い信じる
        ことは、今度こそは最後の航海なんだと言うことだ!!
        そんなおまえの戯れ言を、彼女は彼女なりの精一杯
        の気持ちで受け止め、笑って見送っているんだ!!
        なのに・・・!!」
  アレックス「ジョーイ・・・確かに・・・戯れ言だと言われても仕方
         ないだろう・・・。何年も親友をやってきたからって、
         俺の夢に同調してくれとは言わない・・・。多分、おま
         えと俺とは、求めるものが丸で違うものなんだ・・・。
         おまえが暖かな包まれたものの中に、心安らぐ何か
         を探し求めるのに対して、俺はその包まれたものの
         外に、限りなく広がる未知の世界に、自分の可能性
         を探し求めるんだ・・・。」
  ジョーイ「分からないよ!!おまえの言いたいことが!!」 ※
  アレックス「もし、俺の夢の為に、彼女が犠牲になるようなこと
         があるとすれば・・・彼女と俺が、共に歩いていくと
         言うことは、その時点でもう意味を持たなくなってし
         まうんだ・・・。何故なら、俺が彼女の人生を、束縛す
         ることなど、出来る筈もないのだから・・・。」
  ジョーイ「じゃあ、おまえは彼女よりも夢を取るって言うのか・・・
        ?・・・何時も・・・おまえはそうだ・・・。何時も自分の
        ことしか考えられないんだ・・・。おまえのことを思って
        る人間のことなんてどうでもいいんだ・・・。そうなんだ
        ろ!!」
  アレックス「・・・そうかも知れない・・・。もう開店の時間だ・・・。
         奥を手伝わなけりゃ・・・。じゃあ・・・。(下手へ去る。)
         」
  ジョーイ「アレックス!!(呆然と、アレックスの背中を見詰めて
        いる。アレックスが去るのを見計らって。)・・・何でなん
        だよ・・・何で・・・!?俺じゃ駄目なんだ・・・。おまえで
        なけりゃ駄目なんだ・・・なのに・・・。(握り拳を握り、
        下を向く。)」

         そこへトレイシー、話しを聞いていたように、
         上手よりゆっくり登場。

  トレイシー「・・・矢っ張りね・・・」
  ジョーイ「(トレイシーを認めて。)トレイシー・・・」
  トレイシー「私があなたに“愛してる”と告白した時・・・あなたは
         “ありがとう”と答えた・・・。その次に私が“付き合っ
         てくれる?”と聞いた時、あなたはOKしてくれたけど、
         暫く付き合っていることは内緒にしてくれるかな?
         と言った・・・。別に深い意味はないんだけれど・・・っ
         て、笑ってたわね・・・。矢っ張りクリスティーンのこと
         ・・・愛してたのね・・・。」
  ジョーイ「トレイシー!!違う・・・」
  トレイシー「(少し辛そうに。)・・・私はいいの・・・。少しの間だけ
         でも、大好きなあなたとデートが出来たり・・・。アレ
         ックスがこのお店で働くことになった時、私は“やった
         !”と思ったのよ・・・。親友のアレックスが、この店に
         いるんだもの、あなただってこれからは、ちょくちょく
         顔を見せてくれるかも・・・って・・・。」
  ジョーイ「トレイシー、違うんだ・・・!」
  トレイシー「・・・もう否定しないで・・・。私が惨めになるだけじゃ
         ない・・・。(無理に微笑む。)」
  ジョーイ「ご免・・・。君に辛い思いをさせるつもりなんて、これっ
        ぽっちもなかったんだ!!信じてくれ!!・・・君を本
        当に・・・愛せると思ったんだ・・・。だから・・・自身を
        持って、皆に君を愛しているから付き合うことにしたと
        言えるようになるまで、時間が欲しかった・・・。その
        ことで、君に余計な心配を掛けることになるなんて・・・
        考えもしなかったんだ・・・。」
  トレイシー「ううん・・・。(首を振る。)もう、いいの・・・。どちらに
         しても・・・あなたの気持ちが、私に向くことはないっ
         て、分かったから・・・。」
  ジョーイ「・・・アレックスに、クリスティーンの気持ちを考えてや
        れなんて・・・偉そうなことを言っておきながら・・・俺が
        一番君の気持ちを分かっていなかったんだな・・・。
        情けないよ・・・。」
  トレイシー「人間って・・・誰だって自分が気に掛けていることに
         、心がいくものよ・・・。それに、目の前に見えるもの
         に、つい一生懸命になるの・・・。だから私は、あなた
         の後ろにいたってこと・・・。けどアレックスは少し違
         うと思うわ・・・。アレックス、あなたにあんな風に言わ
         れて可哀相だった・・・。彼はあなたやクリスティーン
         のことを、とてもよく考えているもの・・・。何故、彼が
         住み込みなんてやって、この店に来たと思う?今ま
         で住んでたアパートは、あなたとクリスティーンの
         勤める会社から遠過ぎるって・・・。本当言ったら、
         もっと割のいい仕事もあったみたいだけど・・・。この
         店に決めたのは何故かしら・・・。」
  ジョーイ「・・・俺と君のことを・・・?」
  トレイシー「多分・・・ね・・・。それにひょっとしたら、アレックスの
         ことだもの・・・あなたの本当の気持ち・・・知ってるか
         もね・・・。」
  ジョーイ「・・・まさか・・・」
  トレイシー「この間の航海で、今また出発出来る程、お金なんて
         あるのかしら・・・。私には“そろそろ海が恋しくなった
         から・・・”なんて言ってたけど・・・。」
  ジョーイ「だけど・・・!」

         その時、上手よりエンゼル(フランシス)、婚約者
         のヘンリーにエスコートされるように登場。
         中央、テーブルの方へ。










      ――――― “未来への扉”4へつづく ―――――










     ※ ジョーイさんに同感・・・^^;

       もう、随分前に書いた作品の為、何か違うことを
       しながら(例えば音楽を聴きながら・・・とか(^^♪)
       、こうやって載せる為に“文字”を追っていると、
       長い文章などは特に、一体何を書いているのか、
       自分でも訳が分からなくなってくるのです~(^_^;)



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


     (どら余談^^;)

     この作品の登場人物達・・・皆さん負けず劣らずの“饒舌”
     で・・・とっても書き難い作品です・・・(^_^;)










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“未来への扉” ―全9場― 2

2011年10月23日 15時40分28秒 | 未発表脚本


  ジョーイ「あ・・・ご免・・・。何も深い意味があって言ったんじゃ
        ないんだ・・・。」
  クリスティーン「・・・分かってる・・・。でも、誰に反対されたって、
            私は彼を愛しているから・・・。」
  ジョーイ「・・・クリスティーン・・・。そうだな・・・。あいつも、その内
        気付くさ。一生のうちで、夢よりも大切な者が、必ず必
        要になる時がくることが・・・。」
  クリスティーン「ええ・・・。あ・・・ここよ!!(手で舞台奥を、差し
           示す。)」
  ジョーイ「(少し驚いた面持ちで。)ここは・・・」
  
         音楽で紗幕開く。
         と、中央に一組のテーブルと椅子。(紗幕で
         店幅調整。)一人のウエイトレス(トレイシー)、
         テーブルの上を拭きながら、近寄って来た
         ジョーイとクリスティーンを認める。

  トレイシー「いらっしゃい、ジョーイ。」
  ジョーイ「やぁ、トレイシー。」
  クリスティーン「こんにちは。」
  トレイシー「いらっしゃいませ。」

         ジョーイ、クリスティーン其々椅子へ腰を下ろす。

  ジョーイ「ビール2つ。」
  トレイシー「はい、畏まりました。」
  ジョーイ「それとアレックス、ここで働いてるんだって?来てる
        かな?」
  トレイシー「ええ。呼びましょうか?」
  ジョーイ「(クリスティーンをチラッと見て。)ああ、頼むよ。」
  トレイシー「はい。(下手へ去る。)」
  クリスティーン「ジョーイ!今、彼仕事中よ・・・。」
  ジョーイ「(回りを見回す。)今、暇そうだし、構やしないさ。折角
        会いに来たんだろう?」
  クリスティーン「そうだけど・・・。なるべく邪魔になるようなことは、
            したくないの・・・。」
  ジョーイ「君はどうもアレックスに気を遣いすぎな所があるようだ
        ね。もっと、自分を主張しなければ、何時までも奴は、
        君に甘え続けるよ。たとえば危ないことは止めてくれ
        と、ハッキリ言うとかね。」
  クリスティーン「私には・・・そんなこと言えないわ・・・。」
  ジョーイ「違うな。言えないんじゃなくて、君だから言えるんだよ、
        クリスティーン。」

         ジョーイ、クリスティーンを励ますように歌う。

         “愛しているなら
         たとえば相手が我が儘言っても
         愛しているから
         その相手にとって本当に大切なことを
         言えるのは愛する者だけ
         心の奥で感付いて
         自分で分かっていることも
         ただ何時もそこにいるのは当たり前だと
         思い違えてしまう程
         愛し合う2人なら
         屹度分かり合える筈・・・”

  ジョーイ「・・・そうだろ?」
  クリスティーン「ええ、そうね・・・。ありがとう・・・。何時もジョーイ
           には、どれだけ励まされるかしら・・・。」
  ジョーイ「そんなことないさ。君達2人が上手くいけば、俺だって
        嬉しいんだ。」
  
         そこへ、下手よりアレックス、ビールを2本と
         グラスを2つ両手に持って登場。
         2人のテーブルへ近付く。

  アレックス「よぉ、2人揃って御出座しか。(ビールとグラスを
         テーブルの上へ置いて、空いている椅子に腰を下ろ
         す。)」
  クリスティーン「(アレックスを認め、嬉しそうに。)アレックス・・・!
            ご免なさい、お仕事中に。」
  アレックス「(微笑む。)」
  ジョーイ「アレックス・・・。クリスティーンが心配してたぞ。急に今
        まで住んでたアパートを引き払って、住み込みで仕事
        を始めたって。」
  アレックス「別に心配するようなことじゃないさ。(笑う。)ただ、住
         み込みの方が家賃だって助かるし、食事だって・・・。」
  ジョーイ「けど、クリスティーンにしたら、おまえを訪ねにくくなるだ
        ろ?」
  クリスティーン「いいのよ、ジョーイ。」
  ジョーイ「よくないだろ!?」
  アレックス「何、向きになってるんだよ、おまえ。(笑う。)」
  ジョーイ「(焦ったように。)・・・べ・・・別に、向きになんて、なって
        やしないさ。俺はおまえ達のキューピットのようなもの
        だから・・・。」
  アレックス「(笑って。)まぁ、彼女と知り合えたのは、おまえのお
         陰なのは分かってるが、キューピットはよしてくれよ。
         (真面目な顔付になって。)俺は、クリスティーンのこと
         は大切に思ってる。それじゃあ駄目なのか・・・?」
  クリスティーン「アレックス・・・」
  ジョーイ「(溜め息を吐いて。)・・・そうだったな・・・。俺にとって、
        クリスティーンは今までずっと側にいて、妹みたいなも
        のだったから・・・。その彼女の不安な顔を見ると、つい
        心配になって・・・。」
  アレックス「(ジョーイを見詰める。)そうか・・・。また3人で、クル
         ージングにでも行こうぜ。」
  ジョーイ「なんで俺まで・・・。俺はいいよ。クリスティーンを連れて
        行ってやってくれよ。」
  アレックス「(ジョーイの肩に手を掛けて微笑む。)何言ってんだ。
         俺達のキューピットなんだろ?それに、俺とおまえだっ
         て、もう何年来の親友だったんじゃなかったか?今
         じゃ、おまえの考えていることは何だって・・・」
  ジョーイ「え・・・?」
  アレックス「いや・・・。さぁて、仕事に戻らないと、マネージャーに
         どやされるから。(笑う。)ま、ゆっくりしていけよ。(立ち
         上がる。)クリスティーン、今晩電話するよ。」
  クリスティーン「ええ、待ってる・・・。」
  アレックス「(ジョーイに向かって。)送り狼になるなよ!(笑う。)」
  ジョーイ「送り・・・!?アレックス!!(思わず立ち上がる。)」

         アレックス、笑いながら下手へ去る。

  ジョーイ「あいつ!!(溜め息を吐いて。)・・・全く、何時もふざけ
        た野郎だな・・・!クリスティーンに奴を会わせたことを、
        後悔するよ・・・。(紗幕前へ。)」
  クリスティーン「(微笑んで、ジョーイに続く。)心からそんなこと、
            思ってないくせに・・・。アレックスの優しさは、あ
            なただって知ってる筈だもの・・・ね?」

         紗幕閉まる。

  ジョーイ「・・・ま・・・ね・・・。だから、あいつを君に紹介したんだ
        から・・・。(独り言のように。)その後に、まさか自分の
        気持ちに気付くとはね・・・。」
  クリスティーン「何?」
  ジョーイ「いや・・・何でもないよ。今・・・幸せかい?」
  クリスティーン「決まってるじゃない・・・。ジョーイには感謝してる
            のよ、とっても・・・。だって、アレックスと知り合え
            たのは、ジョーイのお陰なんだもの・・・。」
  ジョーイ「・・・俺の・・・お陰・・・ね・・・。さぁ、遅くならないうちに帰
        らないと・・・。アレックスの大切な預かり者だ・・・。」
  クリスティーン「まぁ、預かり者だなんて!」
  ジョーイ「冗談さ。(笑う。)」

         ジョーイ、クリスティーンの背中を軽く押し、
         エスコートするように、2人上手へ去る。
         暗転。

     ――――― 第 3 場 ―――――

         下手スポットに、エンゼル浮かび上がり、
         幸せそうに歌う。ゆっくり中央へ。

         “夢を見たの
         暖かな大きな心に包まれて
         安らかに眠る
         夢を見たの
         そこはとても心地好くて
         ずっと離れたくないような
         何時までもそうしていたいと思う程・・・
         夢の中でも夢見てた
         現実とは丸で違う安らぎを・・・”

         波の音が静かに、カモメの鳴き声が遠くに
         聞こえる。紗幕開き、フェード・インする。
         と、1場の島。中央、座り込んだアレックス、
         砂を弄ぶように。
         アレックスを認めたエンゼル、嬉しそうに
         アレックスの横に腰を下ろし、膝を抱え、
         アレックスの顔を見詰める。

  アレックス「(砂を見詰めたまま。)俺の顔に何か付いてるか・・・
         ?」
  エンゼル「何を考えているの?」
  アレックス「・・・別に・・・」
  エンゼル「(微笑んで。)当ててみましょうか・・・?」
  アレックス「何も考えてないさ・・・」
  エンゼル「・・・別れた恋人のこと!」
  アレックス「(少し驚いたように、エンゼルを見る。)」
  エンゼル「当たり?」

         アレックス、溜め息を吐いて立ち上がり、
         手の平を払う。エンゼル、つられるように
         立ち上がる。

  エンゼル「ね、当たり?」
  アレックス「(少しぶっきら棒に。)ああ!」
  エンゼル「如何して別れたの?」
  アレックス「煩いな。もう済んだことだ、如何でもいいだろ!?」
  エンゼル「まだ好きなのね?」
  アレックス「いいや!!・・・もう・・・忘れた!」
  エンゼル「(クスクス笑って。)強がりばかり・・・。」
  アレックス「(エンゼルを見て。)おまえの方は如何なんだ・・・。
         その左手首の傷・・・如何したんだ・・・」
  エンゼル「(驚いて左手首を隠すように。)」
  アレックス「(エンゼルの左手首を掴んで、傷を見る。)」
  エンゼル「離してよ!!離してったら!!」
  アレックス「(手を離す。)これは如何見たって、無理に傷付けて
         できたものだ・・・そうだろ?」
  エンゼル「・・・話したくない・・・」
  アレックス「ほらみろ・・・。おまえにだって、触れられたくないもの
         があるじゃないか・・・。俺は彼女のことを話すのは
         ご免だ・・・。分かったか・・・?」
  エンゼル「(少し考えるように下を向く。)・・・ご免なさい・・・。私
         ・・・話し相手ができて・・・嬉しくて・・・(手首の傷を、
         もう一方の手で隠すように握って、ゆっくり上手方へ
         歩いて行く。)」
  アレックス「(エンゼルを見て。)・・・おい・・・待てよ!」

         エンゼル、振り返る。

  アレックス「・・・悪かった・・・」
  エンゼル「(アレックスを見詰める。)」
  アレックス「ついカッときて・・・。俺もおまえに酷いことえを言って
         しまったな・・・。」
  エンゼル「・・・(下を向いて、首を振る。)」
  アレックス「・・・おまえの方が、触れられたくなかったかも知れな
         いのに・・・。ご免・・・。」
  エンゼル「・・・私・・・両親が決めた、結婚相手がいたの・・・」
  アレックス「何も、無理に話すことはない・・・。俺が悪かったんだ
         ・・・。」
  エンゼル「(少し淋しそうに微笑む。)聞いてもらいたくなったの
        ・・・。父の会社の取引先の一人息子で、名前はヘ
        ンリー・・・。私が生まれた時から決められていた、私
        の旦那様・・・。信じられる?今の世の中でそんな・・・
        許嫁だなんて・・・。私は絶対にいやよ・・・!!自分が
        結婚する相手くらい、自分で見つけるわ!!私は地位
        や身分や家柄や・・・そんなものを結婚する相手に求
        めてたんじゃないわ・・・。私が欲しかったもの・・・それ
        はただ一つ、愛する自分の心よ・・・。愛される喜びよ
        ・・・。」
  アレックス「はっきり両親に嫌だと訴えれば・・・。」
  エンゼル「訴えたからって、私の意見を聞いてもらえるような、
        そんな簡単なことじゃないわ・・・。家出だってした・・・。
        けど、父が雇った私立探偵に見つかって、無理矢理
        連れ帰らされてからは、ボディーガードまで付けられて、
        丸で監禁状態・・・。それでいよいよ明日は式だって言
        う前の晩・・・手首を切ったの・・・。これが、その時の傷
        ・・・。(手首を見せる。)」
  アレックス「そんな簡単に死を選ぶんじゃない・・・。」
  エンゼル「私を救い出してくれるスーパーマンでもいない限り、
        私には他に方法がなかったのよ・・・。」
  アレックス「命が助かったから、良かったようなものの・・・今度
         からは、そんな馬鹿な真似はするんじゃないぞ・・・。」
  エンゼル「じゃあ・・・あなたが私を助けてくれるの・・・?あなた
        が私を助け出してくれるって言うの!?」
  アレックス「・・・エンゼル・・・」
  エンゼル「・・・ご免なさい・・・。我が儘だって分かってる・・・。
        結婚が嫌なのも・・・単なる私の我が儘だって・・・。けど
        ・・・生まれてから何一つだって、私が自分の意思でやり
        たいと思ったことを、出来たことはなかった・・・。だから
        せめて好きな人くらい・・・自分で見つけたかったの・・・。
        」
    








     ――――― “未来への扉” 3へつづく ――――― 











 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


      (おまけフォト^^;)
      
 
     これは、水曜日の録音時に、メンバーに配る、登場
     人物達のマスコットの・・・まだ切り取っただけ状態
     のものです(^_^;)
     (バラバラ状態の為、袋入りで、光って見え難くて
     ごめんなさいm(__)m)
     左前から、一応・・・^^;“ジ―クくん”(お人形と、髪
     の色が違うのですが・・・^^;)隣が今回の主人公の
     “クリフくん”、後ろ左がクリフくんの妹のポーラちゃん、
     その隣がニッコリ見えますが、実はとっても悪い・・・
     カエルおばあさんです(^^♪     











      
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“ピンクのももちゃん―ももちゃんとお友達―” ―全〇場―

2011年10月21日 16時12分20秒 | 新作(人形劇用)


  ここに紹介するのは、現在発表予定のない、私が以前から
  書いてみたいと思っていた作品です♥
  先のページでも説明をしましたが、初めて・・・まさに今、書い
  て行こうとする作品の為・・・いつものように、上手くまとめて
  紹介していけるのかどうか・・・^^;とっても心配なところでは
  ございますが、また、このような新鮮な作品の数々も、フツー
  なら、公演が終わってからのお披露目となる為、鮮度的に言
  うならば、断然“採りたて感満載でありますこのページの作品
  達、お楽しみ頂ければ幸いでございます(^_^;)

  ・・・こんな上の文章のような言い回し・・・実は好きなんです
  よね~・・・^^;何が言いたいのか分からないでしょ^^;

  いつもは、前にもお話ししましたでしょうか・・・下書き用の
  ノートに、思い思いの場面を書き連ね・・・後で一本にまとめ
  あげる形で仕上げていくので、今回のように、ここで考えなが
  ら書いていく・・・と言った手法が、上手くいくのかいかないの
  か・・・(-_-;)ま、失敗もお楽しみ・・・と言うことで・・・^^;

  さて、そんな書き方をする作品第1号は・・・
  以前お話ししてました、ももちゃんシリーズの第3段、“ぴんく
  のももちゃん―ももちゃんとお友達―”を書いていきたいと思
  います♥第1作は、タイトルロールのももちゃんメインのお話し
  ・・・第2作はサメのおじさんメインのおはなし・・・で、この第
  3段は、サブタイトルにもあります通り、ももちゃんと、同年代
  のお友達のお魚2匹の・・・どんなお話しにしましょうかね~・
  ・・(^.^)ももちゃんの成長振りも、合わせてお楽しみ下さい♪

  途中、立ち止まることもあるかと思いますが、それもまた、
  タイムリー故・・・と言うことで、お許し下さい<(_ _)>

  


                                どら。



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


     〈主な登場人物〉

    ももちゃん  ・・・  ピンク色の小魚。お魚学校の生徒。

    サメ吉先生  ・・・  ももちゃんが慕う、お魚学校の先生。

    タコ先生  ・・・  お魚学校の先生。

    先生  ・・・  ももちゃんのクラスの先生。

    小魚達  ・・・  ももちゃんのクラスメイト。

    ココ  ・・・  小魚。新しいお友達。







    注)ここに書いている登場人物達ですが、今現在私が思い
     描いている作品に登場する者達なので、最後まで書き終
     わった時に、出てなかったやん・・・と言うことが・・・あるか
     も知れません^^;飽くまで、“登場予定人物”であることを
     ご承知下さい<(_ _)>


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 



     ――――― 第 1 場 ―――――

         静かな音楽流れ、幕が開く。と、海の中の様子。

     コーラス“海の中は危険が一杯
           何があるか分からない・・・”

         そこへ、一匹の小魚(ココ)上手よりゆっくり登場。
         淋しそうに歌う。

     ココ“僕は一人・・・
        パパもママもいない・・・
        大きな魚にやられたんだ・・・
        仲間も家族も・・・
        だから一人・・・
        ずっと ずっとこれからは
        僕一人きり・・・”

  ココ「・・・僕は絶対にあいつらを許さない・・・!!僕から皆を
     奪った、あの尖った角の生えたあいつらを!!次は珊瑚礁
     の森へ行くと言っていた・・・あの角の生えた2匹の魚・・・。
     珊瑚の森には、美味いエサ場があるからって・・・だから・・・
     だから僕は、珊瑚礁の森へ行く・・・!!あいつらを必ず見
     つけ出すんだ!!」」

        ココ、下手へ去る。
        曲調変わり、一転、明るく賑やかな海の中。
        上手後方より、ピンク色の小魚(もも)登場、歌う。

        “素敵な海の中
        毎日が楽しいの
        明るい日差しが差し込んで
        キラキラ輝く宝石箱のよう
        こんな綺麗なところが
        私のお家
        こんな素敵なところに
        住むわ私
        沢山の仲間に囲まれて
        だから皆で遊びに来てね”

  もも「(上手方を見て。)皆ー!!早く来てー!!もう遅いなぁ・・・
     休み時間終わっちゃうじゃない。(下手方を見て。)わあーっ
     ・・・海の上から、キラキラした日の光が差し込んで、とっても
     綺麗・・・(ハッとして。)あ、いけない!この岩場から外に出
     たら駄目だって、サメのおじさんが言ってたのよね!(サメ
     吉の真似をして。)“おいチビすけ!!おまえみたいな小さな
     魚が外の海に出たら、大きい魚に見つかって、一飲みにさ
     れちまうんだぞ!!(笑う。)どうなっても知らないからな!!
     ”って。(笑う。下手方を見て、何かに気付いたように。)あら
     ・・・誰かいるわ・・・ねぇ!!そこのあなた!!あなたよー!
     !」

         その時、下手よりココ登場。

  ココ「誰?僕のことを呼んだ?」
  もも「こんにちは!」
  ココ「君は誰・・・?」
  もも「私はもも!お魚学校の生徒よ!あなたは・・・?見たこと
     ないけど、どこから来たの?この辺りのお魚じゃあないわ
     ね?だって、そんなに綺麗な水玉模様のお魚、見たこと
     ないもの!」
  ココ「うん・・・。僕は向こうの・・・ずっとずっと遠い海からやって
     来たんだ。」
  もも「ずっと遠くから・・・?」
  ココ「うん。」
  もも「何しに来たの?そんな遠くから。外の海は危険が一杯
     なのよ!私達みたいな小さな魚は、外の海に出たらどう
     なるか分からないって・・・。」
  ココ「外の海って何だよ・・・。海に外も中もあるもんか。どこに
     いたって・・・(独り言のように。)小さい魚は、大きい魚の
     食事にされてしまうんだ・・・」
  もも「え?何?」
  ココ「ねぇ、君、珊瑚礁の森って知ってるかい?」
  もも「ええ!珊瑚礁の森なら、お魚学校の遠足でよく行くもの
     !」
  ココ「本当に?」
  もも「ええ。」
  ココ「僕を珊瑚礁の森まで、案内してくれない?」
  もも「駄目よ!珊瑚礁の森へ行くには、外の海をずっと南へ
     下らなきゃならないんですもの!一杯危ないことが待っ
     てるのよ!」
  ココ「大丈夫さ!僕だって、ずっと遠くの海からここまで、一人
     でやって来れたんだから。ねぇ!一緒に珊瑚礁の森へ
     行ってくれよ!」
  もも「・・・珊瑚礁の森に、何しに行くの?」
  ココ「え?」
  もも「あそこはとても綺麗な場所だけど、近くには危険な魚も
     沢山いるのよ。ものすごく大きな体を持つ魚だとか、陰に
     隠れて私達を狙ってくる、怪しい魚だとか、角が生えてる
     魚だとか・・・」
  ココ「・・・角・・・?」
  もも「ええ!(笑う。)でも皆が皆、悪いお魚ではないけれど。」
  ココ「ねぇ、お願いだよ!!僕をそこへ案内しておくれよ!!
     僕、どうしてもそこに行かなけりゃならないんだ。」
  もも「でも・・・」
  ココ「大切な用があるんだ!!お願いだ!!」
  もも「・・・仕方ないわね・・・。じゃあ先生に言って・・・」
  ココ「時間がないんだ!今ならまだ、日の光も差し込んで、安全
     な内に戻って来れるだろう!?」
  もも「・・・わかったわ!!じゃあ、ちょっと行って、直ぐに帰って
     来るのよ!」
  ココ「うん!ありがとう!!僕はココ!」
  もも「ココ・・・行きましょう!!」

         音楽流れ、もも、ココ歌う。

         “行こう 行こう 珊瑚の森へ
         危ないことない2人で行くんだ
         行こう 行こう よく知った場所
         だから大丈夫 仲間と一緒
         君と僕 僕と君
         知り合ったばかりでも
         同じ海に住む者同士
         ヒレをつなげば もう仲間さ!”

  もも「さぁ、付いて来て!案内するわ!こっちよ!」
  ココ「うん・・・・」

         もも、ココ、下手へ去る。
    
     ――――― 第 2 場 ―――――
    
         入れ代るように、上手よりサメ吉登場。

  サメ吉「チビすけー!!どこだ、チビすけ!そろそろ給食の時間
       だぞー!!(回りを捜すように。)」
 
         そこへ上手より、先生登場。

  先生「サメ吉先生、どうしたんですの?」
  サメ吉「あ、先生。向こうでチビすけ見なかったか?」
  先生「ももちゃん?」
  サメ吉「ああ。」
  先生「さあ・・・見なかったですわ。ももちゃん、いないんですか
      ?」
  サメ吉「そうなんだ。さっきまで、チョロチョロ俺の横で、お腹が
       減っただの、何だのと騒いでいたんだが・・・。・・・まさ
       か・・・外の海へ出て行ったんじゃ・・・」
  先生「まさか・・・。あの子最近は、サメ吉先生の言い付けを、
      ホントによく聞いて、危ないと言われたことは、絶対にしな
      いって約束を、ちゃんと守ってましたわ。サメに襲われそう
      になった時のこと、しっかり覚えてるようですし・・・。」
  サメ吉「そうだな・・・。じゃあチビすけは一体・・・」
  先生「ももちゃんのことだから、どこかの岩陰でお昼寝でもして
      るんじゃないかしら。」
  サメ吉「・・・だったらいいんだが・・・」

         その時、サメ吉を呼ぶ声が聞こえる。

  声「サメ吉先生ー!!」

         上手より、タコ先生慌てて登場。続いて小魚
         登場。

  タコ先生「大変よー!!」
  先生「タコ先生?」
  タコ先生「(息を切らせて。)この子がさっき、ももちゃんが外の
        海へ出て行くのを見たって・・・。」
  サメ吉先生「え!?本当か!?」
  小魚「うん・・・。水玉模様のお魚に付いて、向こうの方へ行っちゃ
      った・・・。」
  サメ吉「チビすけの奴!!」
  先生「ももちゃんが!?」
  タコ先生「どうするんだよ!今、外の海は漁が真っ盛りで、海の
        上は漁船だらけなんだよ!!」
  サメ吉「畜生・・・。皆は絶対にこの岩場の外には出るんじゃない
       ぞ!!」
  先生「サメ吉先生!!」
  タコ先生「どうする気さ!!」
  サメ吉「俺はチビすけを追い掛けてみる!!どこへ向かったか
       分からないが・・・」
  先生「危ないですわ!!」
  タコ先生「そうだよ!!サメのあんたがウロウロ出て行ったんじゃ
        忽ち見つかって、銛で突かれて一貫の終わりだよ!!」
  サメ吉「それでも!!俺はあいつを見放したりしない・・・。タコ先
       生!!後のことは頼んだ!!」

         サメ吉、下手方へ慌てて去る。

  タコ先生「サメ吉先生ー!!」

         全員下がる。
    
     ――――― 第 3 場 ―――――

         上手より、もも、ココ楽しそうに鼻歌を歌いながら、
         登場。(少し薄暗い感じ。)

     もも、ココ“行こう 行こう 珊瑚の森へ”

  もも「あら・・・?もう夜なのかしら・・・?」
  ココ「そんな筈は・・・。どうしてこんなに薄暗いんだろう・・・。」
  もも「さっきまで、日の光が一杯辺り一面に注いで、キラキラ光っ
     てたのに・・・」

         その時、何か唸り声のような轟音が、地響きの
         ように聞こえる。

  ココ「な・・・何だろう!!」
  もも「どうしたの!?海が揺れてるわ!!」
  








         海の様子が変だと感じた、ももとココですが、
         その変化は一体何なのでしょうか・・・?
         それでは“ピンクのももちゃん―ももちゃんと
         お友達―”2へつづきます・・・。











 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


     (どら余談^^;)

     ここで仕上げながら書いていこうと思っているのですが・・・
     いたのですが・・・つい時間があると、ノートを広げて書いて
     しまって・・・^^;面白くなりそう・・・そう感じると、途中で止
     めることも出来なくなるので、今も序盤の盛り上がりまで書
     き上げてしまいました~(^_^;)
     極力、タイムリーに仕上げていきたいな~・・・とは思ってい
     るんですけどね・・・^^;
     時々、今もそうですけど、書き終わった台詞に追加された
     言葉なども出てくるので、お見逃しなく・・・(^.^)


   
     (おまけフォト♥) 
     
     
     これは、来年春公演作品の・・・先だって作って
     いたカエルくんのマスコット人形です(^^♪
     春公演の時に、販売用にも同じものを作る予定
     ですが、先ずは来週録音時に、この役の声を演
     じる団員のプレゼント用に、作ってみました(^^)v


     
     (おまけフォト2^^;)
     

     

     “未来への贈り物”の男1(・・・は、以前ご紹介しま
     した(^^)v)と2です(^^)30日の区役所での公演
     は、この作品で行くので、捜しまくったお人形の中に、
     1の相棒である2がありました~♥
     本番間近で、お人形が沢山その辺にほったらかし
     状態なので、ちょっと写真撮影してみました^^;
















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