りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

シャーロットの翼—2幕― 2

2019年11月28日 11時14分09秒 | 新作(人形劇用)


   ― 第 1 場 ― B

   音楽流れ、上手よりじぃ1、2、慌てた様子で登場。

 じぃ1「シャーロット様ー!!」
 じぃ2「シャーロット王女様ー!!」
 じぃ1「どこにもおらんぞ。」
 じぃ2「やれ・・・」

   じぃ達、歌う。

  じぃ1゛一体         じぃ2゛どこに
     行かれた            どこだ
     こんなに            捜し
     毎日              毎日
     捜す              どこを
     捜す              そこを
     捜す              全部
     捜す              捜し回るぞ
     目を離すな           いつでも側に
     見張りを            見張りを
     立て              立て
     必ず              必ず
     守る”              姫”

  2人゛我らで守る”

  コーラス゛心配”

  じぃ1゛どこかに       じぃ2゛隠れ
      そっと            覗き見ている”

 じぃ1「シャーロット王女様をこの国の外へ出すのではない
     ぞ。」
 じぃ2「ああ、分かっておるとも。」
 じぃ1「しかし一体、王女様はどこに行ってしまわれたの
     じゃ。」
 じぃ2「まもなく15歳の戴冠式を迎えられ、正式にこの
     国のシャーロット王女様となられると言うのに。」
 じぃ1「そうすればいよいよ・・・」
 じぃ2「ああ、いよいよじゃ・・・」
 じぃ1「さぁ、もう一度、城の庭の方も捜しに行ってみよう
     。」
 じぃ2「そうじゃな。」

  2人、慌てた様子で下手へ去る。

  — 2 場 —

  音楽流れ、紗幕開く。と、森の様子。


  


  上手よりシャーロット登場。木々には小鳥達。歌う。

 小鳥(ピッチ)「シャーロット!どこへ行くんだい?」

  シャーロット゛思うままに 私は自由よ
         どこでも行く
         羽のあるあなた達と同じ
         もう嫌なの 囲われた暮らし
         好きにしたい
         私はただの女の子 変わりはないわ”

  ピッチ゛君には役目が 大切なことだ
      君にしか出来ないよ
      僕には分からない
      だけど君だけに 与えられたと”

 ピッチ「僕達は皆そう思っているよ!シャーロット!」

  シャーロット゛なぜ私 何代かごとに
         役目なんて 
         お父様お母様言うけど
         この広い 世界の中
         一人だけに
         引き継がれていく特別な力なんて
         欲しくない私”

 ピッチ「だけど今までのシャーロットも皆そうやって、自分
     に与えられた力を、国の為に使ってきたんだよ・・・
     きっと。」
 シャーロット「なぜ私は自由にどこへ行くことも出来ないの
        ・・・。私もあなたのように、どこへでも
        飛んで行ける翼が欲しい・・・。」
 ピッチ「これからも僕がシャーロットの代わりに国の外の
     世界を見て来て、君に色々と教えてあげるよ!
     ・・・それじゃあ駄目かい・・・?」
 シャーロット「ピッチ、優しいのね・・・。ありがとう。」

  その時、小鳥達騒ぎ出す。

 小鳥「イタチだ!!皆、逃げろ!!」
 ピッチ「え?」
 シャーロット「ピッチ!」

  小鳥達、飛び去る。ピッチ、シャーロットの肩へ。

 イタチ「こんにちは、お嬢さん・・・。」

  
  


 シャーロット「何かご用?イタチさん。」
 イタチ「いえ何・・・もしやあなたは、この国のシャーロット
     王女ではないかと・・・」
 ピッチ「だったら何だよ!」
 イタチ「おや、勇ましいおチビさんはお黙り!!」
 ピッチ「ピー・・・」
 シャーロット「イタチさん!確かに私はシャーロット王女よ
        !何か私に用があるの?」

  音楽流れる。イタチ歌う。

  イタチ゛聞いていた 本当か”

 イタチ「自由になりたいと話していた・・・」
 シャーロット「ええ・・・」
 ピッチ「シャーロット!」

  イタチ゛それなら いいこと
      教えて やろう”     コーラス゛話”

 イタチ「私について来るがいい。」
 シャーロット「え?」
 イタチ「自由の国への扉へ案内してやろう。」
 ピッチ「そんな話、信じちゃ駄目だよ!!」
 シャーロット「自由の・・・」

  イタチ゛この先に 誰も知りはしない
      隠された 秘密の扉ある”

  (イタチ、下手方を指差す。)

 シャーロット「秘密の扉・・・?」
 イタチ「ああ。」

  イタチ゛木の幹に ひっそりと
      開いた穴 それこそが!”

  シャーロット、下手へ走り去る。

 ピッチ「行っちゃ駄目だ!!」
 イタチ「煩い!!(ピッチへ向かって杖を振り上げる。)」
 ピッチ「あっ・・・(倒れる。)」

  イタチの笑い声で、紗幕閉まる。

  — 第 3 場 —


  

  
  紗幕前。音楽流れ、上手より黒いスーツに身を包んだ
  2人組の男達(アレック、ビリー)登場。歌う。
  (途中、紗幕開く。と、昔の村の様子。)

 アレック「あー退屈だねぇ。」
 ビリー「ああ、全く・・・」

  アレック゛毎日何してりゃ  ビリー゛やることがないんだ
       飽き飽きする程
       俺ら           俺ら
       昔            昔
       ちょいと         知られた
       有名           泥棒”

  アレック゛ただのやさぐれ者
       情けない姿”

  ビリー゛悪いことするのが
      俺らの生きがい”

  アレック゛だけども
       今はこの姿
       ただのチンピラ
       野良犬さ”

  ビリー゛戻ろう また前みたいに
      悪いことやり カッコ良く”

  アレック゛馬鹿言うな これからは
       真面目に生きると決めた”

  ビリー゛いいじゃんか またやろう
      面白可笑しく生きる”

  ビリー゛悪いことやるのがカッコいい?
      馬鹿言ってんじゃないよ
      俺らは
      正義の味方にゃなれなくてもいい
      何か出来る筈だろ
      人様のお役にさ”

 ビリー「兄貴、本気でそんなこと考えてんの?」
 アレック「いや・・・まぁ何、今まで散々悪事を働いて来て、
      今更こんなこと言えたギリでもないがよ。たまに
      はちょっとぐらい・・・いい事ってのをやって
      みても、バチは当たんねえんじゃないか?」
 ビリー「えー、兄貴、マジで言ってるのかよ・・・」
 アレック「ま、おまえもこの際だ、俺と一緒に心を入れ替え
      てみねぇか?」
 ビリー「えー!!俺やだよ・・・」

  アレック゛いいことが 出来たなら
       きっと悪行消え去る”

  ビリー゛そんなこと 本当に
      考えてるの嘘だろ 笑っちゃう”

 アレック「だったら何か?おまえは・・・」

  アレック゛悪いことやるのがカッコいい?
       馬鹿言ってんじゃないよ
       俺らは
       正義の味方にゃなれなくてもいい
       何か出来る筈だろ
       人様のお役にね”

 アレック「兎に角だ!俺はもう二度と盗みも強盗も空き巣も
      スリもやんねぇ!」
 ビリー「しっ!!兄貴、声がでかいよ!!」
 アレック「あ、悪い・・・しかしまぁ・・・」        





       ―゛シャーロットの翼” 3へつづく—






― ♪ — ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

 (どら余談^^;)

 皆様、ご無沙汰しておりました(>_<)
 長い間来ないうちに、季節はすっかり冬・・・

 やっとこさ書かなければいけなかった、来年9月に行う
 15周年記念公演の台本と・・・(こちらのお知らせは
 まだしていなかったですね・・・^^;)1月以降、来年度
 小学校ボランティアに持って行く為の台本を仕上げ、残る
 は後2作品の台本を書くのみ!となりました、今の時点で・・・
 (^^)v(これをサッサと仕上げないと、また後ろが詰まって
 くるので頑張らないと・・・です)

 リトルパインとしましては・・・ただ今台詞練習を行いつつ、
 来週にその内の1作品を録音・・・再来週には育児サークル
 のボランティアにお邪魔しつつ・・・1月半ばに依頼のある
 小学校公演の練習・・・↑で録音した作品を仕上げて持って
 行きます^^;・・・なんかこう並べてみると、忙しそうです
 ね、とっても・・・(*_*)

 でも楽しんで忙しくしてます(^^)v
 でも・・・なかなか更新しに来れなくてすみません<(_ _)>





 (リトルパイン15周年記念公演のお知らせ♪)

 
  『フワリ』—2幕—


  日時 ・・・ 2020年9月11日(金) 

           18時30分開演

  場所 ・・・ 吹田メイシアター 小ホール

       

 
   また詳細は後日に・・・
   よろしければご覧になりにいらして下さい(^^)v



















゛シャーロットの翼”—2幕―

2019年06月23日 19時30分41秒 | 新作(人形劇用)


 〈主な登場人物〉

 シャーロット ・・・ 本編の主人公。ある王国の姫君。
            ある役割を担う。

 アレック ・・・ 心を入れ替えた泥棒。過去に住む。
 ビリー ・・・ アレックの弟分。

 じぃ1
 じぃ2

 王様 ・・・ シャーロットの父親。
 王妃様 ・・・ シャーロットの母親。

 イタチ(占いの老女) ・・・ 悪い魔族。

 シャーロット(過去)

 小鳥(ピッチ) ・・・ シャーロットの友達。

 その他



― ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪



   




   音楽が流れ、中央スポットにゆりかご。(赤ん坊の
   泣き声が聞こえる。)その横に2人のじぃ。ゆりかご
   を覗き込むように。

 じぃ2「おお、よしよし・・・いい子じゃ・・・」
 じぃ1「なんと利発そうなお顔じゃ・・・。我々、そなたの
     生まれてくるのを、どれ程の時、待っておったか
     ・・・」

   コーラス゛この国を守る役目を持つ者
        生まれし時から与えられた”

   じぃ2人゛待ちわびてた 巡り合うこの日
        遠い昔に 我らは知っていたのだ”

 魔女の声(エコー)「また次なる我が魔族の敵となる娘が生
           まれたわ。何百年も昔から、我が一族
           を封じ込める力を持って生まれた忌々
           しい運命を持つ娘よ。今にみておれ・・
           ・」

   ―プロローグ―

   音楽流れ、幕が開く。
   舞台明るくなる。(と、村の様子。村人達、板付き。
   歌う。)


   


   村人達゛この国は 平和と希望に満ち溢れた国
       素敵な国
       誰でもが 幸せになれる暖かな場所さ
       守られた国
       昔からの語り継がれた物語
       この国に伝え聞いた物語 言い伝え
       この国に伝わる伝説 
       守る者がいる 素晴らしい国”

   村人(女)゛今      村人(男)゛今
        ここに          現われたもの
        いつでも         昔からの
        今           直ぐそこにいるさ
  
   村人(男女)゛いつでも”

   下手より一人の娘(シャーロット)、沈んだ様子で
   登場。歌う。


   


   シャーロット゛皆が期待するような
          私にどんな力がある
          気のせい”

   シャーロット、上手へ去る。

   村人達゛物語 言い伝え
       この国は昔からいつも 守る者がいる
       不思議な国
       でも誰も 誰かは知らない
       ただの言い伝え 守られた国”

 村人(女)「さぁ、早くお城へ行きましょう!」
 村人(男)「今日はシャーロット王女の15歳の誕生日!」
 村人(男2)「皆で盛大に盛り上がるんだ。」
 村人(女)「ええ!」
 村人(男)「行こう!」

   村人達゛今日は誕生日 今日は特別な日”

   紗幕、閉まる。

   ― 第 1 場 ― A

   (鐘の音が聞こえる。)
   紗幕前。上手より、王、王妃、話しながら登場。


   


 王妃「あなた、シャーロットがまたお城を抜け出して、村へ
    遊びに出かけたようですわ。」
 王「全く・・・今日はあの子の15歳の誕生日・・・やっと
   15になったばかりの娘に・・・我が王国の役割とは
   言え、国を守っていくなどと・・・あまりにも重荷では
   あるまいか・・・。」
 王妃「ですが、私のおばあ様も・・・そのずっと前のご先祖
    様も、そうやって役割を担ってきたのです・・・。
    この国は、何代かごとに大きな魔力を持った者
    が生まれ、その者が次の力を持つ者が生まれるまでの
    間、この国を悪い魔族から代わる代わる守ると言う
    ・・・。ただ、どうして私ではなくシャーロット
    なのかと・・・。あの子はまだまだ自由ですわ。
    (音楽流れる。)小さい頃から聞かせて育ててはきま
    したけれど、どれだけ自分の背負う役割のことを理解
    していると言うのでしょう・・・。」 ※

   王、王妃、歌う。

   王妃゛この国に伝わる
      代々引き継ぐ
      国を守る役割持つ
      シャーロットの名前”

   王゛早過ぎはしないか
     代々受け継ぐ
     たとえ役目だとしても
     まだまだ子ども”

   王妃゛心配          王゛心配だ”
      勿論
      大切な可愛い子
      いつまでも
      この日が
      こなければいいと”

   2人゛私達2人で これからも守る
      その思い変わらず
      愛しい我が子よ
      何も変わりはない
      大切な思い
      これからも続いていく
      思いはひとつ”

 王妃「おばあ様がお亡くなりになられる時・・・シャーロット
    が15歳になるまで、この国に結界を張って下さった
    のです。ですがそれ以上は、おばあ様の力も持たない
    ・・・。これからはシャーロットが国を守る役目を
    引き継ぐこと・・・それはあの子が生まれた時から、
    決められたことなのです・・・。」
 王「私達が、あの子を守っていこう・・・」
 王妃「ええ・・・」

   王、王妃、下手へ去る。

   ― 第 1 場 ― B

   音楽流れ、上手よりじぃ1、2、慌てた様子で登場。







      

       —゛シャーロットの翼”2へつづく—










― ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪

  ※ 改めてここの台詞を書いて見て・・・どうしても
    可笑しい?と思い書き直しました^^;
    本番はその可笑しな台詞を皆様にお聞かせしてしまい、
    いやはや申訳ございませんでした<(_ _)>



  (どら余談^^;)


  12月26日(水)

  皆様、お変わりないですか?
  素敵なクリスマスを過ごされましたか?
  今年もあとわずかですね(^^)
  リトルパインは12月も2か所にボランティアにお邪魔させて
  頂きました。・・・のですが・・・
  今年ラストのボランティア公演、私、とんでもない失敗をして
  しまいました(*_*; 
  なんと、公演CDを間違えて持って行ってしまったうえに、
  音楽が流れ始めても、暫くの間、それがその日に公演する作品
  ではないということに気付かず、子ども達が音楽に乗って 
  いる途中で゛ブチッ”と音を途切れさすという・・・
  本当に申し訳ないことをしてしまいました(;'∀')

  そんな失敗もしつつ、リトルパイン、来年も頑張って活動して
  参ります。今年一年、ありがとうございました<(_ _)>  






  2019年1月11日(金)

  皆様、年末年始、いかがお過ごしでしたか?
  新しい年になり、まもなく半月・・・
  一昨日から6月公演の台詞練習も再開致しました。
  今年は私的な都合で、数か月ボランティア公演を
  控えさせて頂いており、この6月公演からリトルパイン
  の公演始動となります。
  この間に、作品を書き溜めようと考えているのですが・・・
  6月公演の人形作りに多分手間取る予定で・・・^^;
  ですが、すでに依頼も数件お受けしているので、頑張って
  準備しなくては・・・(*_*;
  頑張ります(^^;)

  本年もヨロシクお願い致します<(_ _)>








    
  リトルパインホームページが変更になりました(^^)

      http://littlepine.starfree.jp





  ホームページ担当の方には、いつも本当にお世話に
  なっております。この場を借りてお礼申し上げます
  <(_ _)>












゛アレクサンダーの秘密”—全5場―5

2018年12月02日 17時55分08秒 | 新作(人形劇用)


  



 老婆の声「止めるのじゃ、メリッサ!!」

 北の国の魔女「・・・誰?私をその天の国の名で呼ぶのは
        ・・・!!」

    下手より老婆登場。

 北の国の魔女「・・・アリッサ・・・」
 アレクサンダー「おばあさん!!」
 北の国の魔女「・・・おばあさん?」
 老婆「アレクサンダー、大丈夫かの?」
 アレクサンダー「うん!!僕は大丈夫だよ。」
 北の国の魔女「見た目は随分と変わられたけれど・・・(
        小声で。)やっと現れたわね!!私がどれ程
        、今まであなたが来るのを待ちわびていたか
        !!」
 老婆「知っておる・・・」
 北の国の魔女「じゃあ何故さっさとやってこなかったの!?
        私がこれ程まで首を長くして待っていたと言
        うのに。」
 老婆「おまえはわしをどうしようと言うのじゃ?」
 北の国の魔女「そんなこと決まっているでしょ!!目障りな
        の、あなたの存在が!!」
 老婆「だからじゃ。今はまだわしは命をおまえに差し出す
    訳にはいかんのじゃ。」
 北の国の魔女「そんなことは私の知ったことではないわ!!
        生まれてから今日まで、物心付くより以前
        に私は国を放り出され、たった一人で生きて
        いかなければならなかった私の気持ちを、
        あなたが分かるなんてこれっぽっちも思って
        ないの!!天の国の魔法使いとして守られた
        地位にぬくぬくとあぐらをかいて生きて来た
        あなたなんかにね!!」
 老婆「そうか・・・そうじゃな・・・そんなにも憎まれて
    おったのじゃ、命までも取る覚悟でわしのことを待ち
    続けておったとしても、なんの不思議でもあるまい
    な。じゃが、頼むメリッサ、もう少し、もう少しだけ
    時間をくれ。このやんちゃくれ王子が、せめて王子
    たるに相応しい風格を身に付け、王やお后が安心して
    王子に王位を任すことが出来るようになるまで・・・
    !!」
 アレクサンダー「おばあさん・・・」
 北の国の魔女「・・・そうねぇ・・・駄目よ!!今直ぐに
        ここで私の前に跪き、その首を差し出すが
        いい!!」
 アレクサンダー「おばあさん!!」
 北の国の魔女「・・・そうなのよねぇ・・・おばあさん・・・
        おばあさんなのよ、お姉様・・・。何故!?
        魔法界の住人は年をとらない・・・そうで
        なくて?」
 老婆「わしは魔法の国などと言うものとは全て縁を切り、
    そうしてこの人間界へとやって来たのじゃ。人間と
    なった者が、年をとるのは当たり前のことであろう
    。」
 北の国の魔女「魔法の国と縁を切った・・・?」
 老婆「ああ・・・」
 北の国の魔女「どうして・・・でも・・・何故お姉様まで
        天の国を出てしまわれたの!?あなたが天
        の国を出て行く意味が分からないわ!!」
 老婆「わしは・・・そなたの姉じゃ・・・。双子として生
    を受けたからには、二人共に天の国を引き継ぐのが
    道理じゃと思っとった・・・。」
 北の国の魔女「・・・お姉様・・・」
 老婆「のうメリッサ・・・そろそろ天の国へ戻ってみんか
    ?」
 北の国の魔女「え・・・?」
 老婆「二人共が天の国を捨て、跡取りがいなくなった訳じゃ
    ・・・。わしはまだこのイタズラなやんちゃ坊主が
    立派な王となる日まで、面倒を見て行かねばならん
    のじゃ・・・。だからそなたが天の国へ戻り、跡取り
    がいなくて先行きを不安視しておる天の国の人々を
    安心させてやってはくれんか?」
 北の国の魔女「お姉様・・・ふざけないで頂戴!!私はあの
        国から追い払われたのよ!!私から捨てた訳
        ではないわ!!そんな冷たい仕打ちをしてき
        た人々など、どうして私が安心なんて・・・
        !!」
 老婆「それは違うぞ、メリッサ・・・。天の国の人々は二人
    別々にしたことをとても悔いておったのじゃ。何も
    天の国の魔法使いが一人である必要はないと、おまえ
    を北の国の魔女に望まれるまま、北の国へやってから
    気付いたんじゃ・・・。」
 北の国の魔女「北の国の魔女に望まれるまま・・・?」
 老婆「そうじゃ・・・。跡取りのおらんかった北の国の魔女
    の口車に、まんまと乗せられ、おまえを手放したこと
    を天の国の魔法使い・・・我々の母は悔いておったぞ
    。」

    音楽流れ、老婆歌う。

    ゛辛い思いさせ 今まできたけど
     これから二人は第二の人生”   コーラス゛今”

    北の魔女、歌う。

    ゛私の思いは私だけのもの
     けれども分かってくれてた
     あなたを知らずに来たけど
     いつでもいたのね”

    老婆、歌う。

    ゛共にこの世に生まれ出て
     歩んだ道は違うけど
     今こうして再び会え
     あらたな未来始まる”

    北の国の魔女、歌う。

    ゛一人ぼっちだと思っていたけど
     ありがとう 私を包んでくれてた”

 北の国の魔女「お姉様ありがとう・・・私は先に、天の国へ
        帰ります・・・。」

    北の国の魔女、消える。

    — 第 5 場 —

    音楽流れ、日が差し込む。
    (城内、グレーから色彩鮮やかな様子へと変わる。)

 アレクサンダー「あ・・・!!石造が・・・!!」
 老婆「魔法が解けるぞ・・・」

    全ての石造が人へと変わる。
    (グリエルモ、老婆の側へ。)

 グリエルモ「チュー!チュー!」
 老婆「グリエルモ、偉かったの。」
 グリエルモ「チュー!」
 后「(大きく息を吐く。)・・・あなた・・・」
 王「(息を吐いて。)・・・后・・・」
 アレクサンダー「(ゆっくり王と后の側へ。)・・・父上
         ・・・母上・・・」
 后「・・・え?」
 王「(振り返り、アレクサンダーを認める。)・・・そなた
   は・・・」
 后「・・・アレクサンダー・・・」
 王「・・・はい・・・」
 后「まぁ、アレクサンダー!!何て立派に・・・!!(涙
   ぐむ。)」
 王「なんと・・・!!」
 老婆「王様・・・」
 王「(老婆を認め。)婆様!良くぞアレクサンダーをここ
   まで立派に・・・守ってくれたこと、礼を言うぞ・・・
   (涙声で。)」
 老婆「(首を振る。)」

    王、歌う。

    ゛大切な者を守ってくれた
     どれ程 感謝に溢れ
     巡り合えたろう”

 アレクサンダー「父上!!母上!!(駆け寄る。)」
 王、后「アレクサンダー!!」

    3人、抱き合う。
    老婆、グリエルモに魔法を掛けると、グリエルモ
    人間の姿へと変わる。
    曲変わる。

 王「さぁ、皆の者達!!王子と共に新しい国造りを始める
   ぞ!!」
 人々「はっ!!」
 アレクサンダー「父上!!」

    グリエルモ、アレクサンダーに駆け寄る。

 グリエルモ「アレクサンダー!!」
 アレクサンダー「グリエルモ?(老婆を見る。)」
 老婆「褒美じゃよ。」

    アレクサンダー、グリエルモ、嬉しそうに話し
    ながら一寸端へ。

 家臣3「王様、王子が立派に成長され、我が国はこの先、
     安泰ですな。」
 王「うむ。」

    アレクサンダー、老婆の背後からコソッとイタズラ
    をする。

 老婆「痛っ!!これっ!!何をするんじゃ、アレクサンダー
    !!」
 アレクサンダー「(笑う。)」
 老婆「やれやれ・・・体は立派に成長したが、中身は子ネ
    ズミのままじゃわ・・・。」
 后「アレクサンダーったら・・・」
 王「すまないな、婆様。」
 老婆「いえ、わしの育て方が悪かったんじゃ・・・。」
 アレクサンダー「おばあさんのお陰で今の僕がいるんだよ
         !!」
 老婆「王子・・・」
 アレクサンダー「ありがとう!!」

    アレクサンダー、歌う。

    ゛この大空の彼方に広がる
     夢と希望の未知なる世界
     どこまでも行く大切な者を
     守り育む未来”

 アレクサンダー「さよーならー!!」

    音楽、盛り上がり





      ————— 幕 —————
     








  次回からは11回公演の作品「シャーロットの翼」を
  ご覧頂こうと思います。
  お楽しみに(^^)v


  

































゛アレクサンダーの秘密”—全5場―4

2018年06月17日 12時14分25秒 | 新作(人形劇用)



 老婆「さぁ、今こそ城にかけられた悪の呪縛をその手で解
   いてくるのじゃ。」

    コーラス゛今こそ立ち上がろう
         この国の者の為に
         呪縛を解き放とう
         目覚めの時がきた”

    老婆、歌う。

    ゛なんと立派な姿か
     父母にも見せたかった
     その堂々とした
     王の立ち姿”     コーラス゛立派な姿 王様”

 老婆「さぁ、この城に代々伝わる王の剣を持って行くがよ
   い。これで北の国の魔女の首に掛かっておる首飾りを
   断ち切るのじゃ。そうすれば、城に掛けられた魔法は
   解け、全ての者が解き放たれるであろう。」
 アレクサンダー「(剣を受け取る。)僕が・・・」
 老婆「(頷く。)王子よ、そなたが行かぬで誰があの城を
   救う。」
 アレクサンダー「おばあさん・・・」
 老婆「今こそその時じゃ・・・」

    コーラス゛王子こそ 我々みな
        待ちわびた
        生きる希望”

 アレクサンダー「分かったよ、おばあさん!!僕がみんな
        を助けに行く!!」
 老婆「それでこそアレクサンダー王子じゃ。」
 アレクサンダー「はい!!」

    アレクサンダー、歌う。

    ゛立ち向かう時が来た
     長い眠りから目覚め
     前だけをただ見つめ
     僕のすべき役目だ
     果たす時だぞ
     行こう!!”

    暗転。

   — 第 4 場 — A

    (紗幕前。)
    音楽流れ、下手スポットに北の国の魔女、浮かび
    上がり歌う。(中央後方スポットにグリエルモ。)

 北の国の魔女「一体この私をどれだけ待たせれば気が済む
       の、お姉様!!この城にいつかきっと戻って
       来ると思っているのに!!」

    ゛何故あなたにこだわるのか
     この胸の苦しみを
     忘れてしまえばいいのに
     忘れることができず
     いつまでも囚われたまま  グリエルモ゛君を
     ただあなたを憎んで          守るよ
     その思いだけで            いつも
     今日まで来た            僕の側に
     辛い過去に縛られて       いてくれた君”
     私は一人”      
            (グリエルモ、フェードアウト。)

              コーラス゛今こそ
                   立ち向かう時だぞ”

    上手スポットにアレクサンダー、浮かび上がる。

 アレクサンダー「父上、母上・・・待っていてください!!
        今直ぐ僕が、みんなのことを助けに参ります
        !!グリエルモ!!待っていてくれよ!!
        君が助けてくれたように、今度は僕が君を助
        けに行くからね!!」

    アレクサンダー、歌う。

    ゛僕がみんなを助ける番だ
     命に代えてもきっと”

 コーラス゛今まさに立ち上がれ 北の国の魔女゛ただ憎んで
      王子たる名の下に        今日まで来た
      この国の者達を         何もかも
      自由への道示す時        手に入れた
      今まさに”            あなたに
                     我慢出来ないの
                     だから終わりに
                     したい”

    アレクサンダー、歌う。

    ゛今までは知らされず
     ただ生きてきたけれど
     これからはこの僕が
     守るから
     大切な者達を”

    (アレクサンダー残して舞台明るくなる。)

   — 第 4 場 — B

    舞台、城の中。
    石造が立ち並ぶ。(その中にグリエルモの石造も
    ある。)

 アレクサンダー「(グリエルモの像を見つけ駆け寄る。)
        グリエルモ!!ごめんよ、グリエルモ・・・
        僕のせいでこんな・・・。でも待ってて!!
        今直ぐ僕が助けるから。(王と后の像に近寄
        る。像を見上げ。)・・・父上・・・母上
        ・・・」

    音楽流れる。

 北の国の魔女の声「誰!?」

 アレクサンダー「はっ・・・」

    下手より北の国の魔女、登場。

 アレクサンダー「おまえ・・・おまえが北の国の魔女・・・」

  北の国の魔女゛この城に無断で入る
         不届きな奴は誰かしら” コーラス゛不届き”

  アレクサンダー゛おまえこそ不届きな奴
          僕の城 父母もみな
          石にしてのさばり暮らす
          この僕がおまえを倒す”

  北の国の魔女゛何を可笑しな話ね コーラス゛なんて奴
         この私を倒すなんて”    不届きな”

  アレクサンダー゛おまえが僕の城を奪った恐ろしい悪魔だ”

  北の国の魔女゛誰が悪魔かしら
         何か証拠があってのことかしら
         おもしろい”

  アレクサンダー゛この僕が”

  北の国の魔女゛やれるなら”

  アレクサンダー゛倒す為”

  北の国の魔女゛やってみろ”

  アレクサンダー゛やってきたんだ”

    音楽変わる。

 北の国の魔女「(笑う。)面白い!!この私に敵うと思う
        なら、かかってくるがいい!!」

    アレクサンダー、剣を構える。

 アレクサンダー「望むところだ!!」

    (アレクサンダー、北の国の魔女、剣を交える。)

 北の国の魔女「(笑う。)」

    アレクサンダー、歌う。

    ゛おまえの悪事を
     正す為にやって来た”    コーラス゛正す為”

 アレクサンダー「やあっ!!」
 北の国の魔女「(笑う。)あらあら、どうしたの?手元が
        震えているわよ!!」

    アレクサンダー、歌う。

    ゛おまえが何も知らずにいた
     今日までの長い時を今”

    北の魔女、歌う。

    ゛再びやり直そうと言うのか
     愚かな奴だ”

 北の国の魔女「(笑う。)」
 アレクサンダー「はっ!!やあっ!!」
 北の国の魔女「ほらほら、どうしたの?」
 アレクサンダー「くっそう・・・僕が・・・僕がみんなを
         守るんだ・・・!!石にされた僕の大切
         な人達を・・・!!」
 北の国の魔女「(笑う。)勇ましい話だこと。」
 アレクサンダー「おまえのような悪い奴を、許す訳にはい
         かない・・・」
 北の国の魔女「ほう?それで・・・?」
 アレクサンダー「僕の大切な者を返せ!!やあっ!!(北の
         国の魔女の首飾りを切る。)」

    首飾りが千切れ散らばる音。(゛バラバラバラ”)
    (曲終わり。)

 北の国の魔女「ギャーッ!!何てことするの、この小僧!!
        私の大切な首飾りを・・・何てこと!!・・・
        何てことをしてくれたの!!私の魔法の鍵を
        壊すなんて!!これで今まで掛けた全ての
        魔法が解けてしまうわ!!おまえなぞ・・・
        この私の魔法でこの世から消してやる!!
        (杖を振り上げる。)」
 アレクサンダー「わあーっ!!」
        
  

 



  —————゛アレクサンダーの秘密”5へつづく—————










 12月2日(日)

 多分・・・随分と長い間ご無沙汰をしてしまいました^^;
 世はすっかりと冬・・・の筈ですが、なんとも暖かい日が
 続いております。
 昨日もボランティアに行ってきたのですが、短編の作品
 にもかかわらず、終わった時には汗ダクダクの私なのでした

 ここ数か月、ボランティア公演を重ねながら、来年度の
 第12回公演が決まったり、リトルパインが市長表彰を
 頂くことになり、その表彰式に出席させてもらったり、
 新作を書きながら、相変わらずドタバタと過ごしておりま
 した(◎_◎;)
 
 12回公演の詳細はまた今度に・・・^^;
 公演が終わった新作も色々と溜まってきました・・・(-_-)
 順番にご覧頂こうと思います。
 長-い目でお待ちくださいませ<(_ _)>

 では・・・










— ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ —
 

 (どら余談^^;)

  皆様、お久しぶりでございます。
  いつの間にやら季節は梅雨・・・
  本公演もいよいよ来月にと迫ってまいりました(◎_◎;)
  ドタバタと準備に追われている間に、本公演前後に
  3か所程、ボランティア公演の依頼が入り・・・
  益々追われた感満載の今日この頃ではありますが・・・
  今回は珍しく人形作製がスムーズに進み、毎回本番
  間近にならないと、本番用のお人形で練習が出来ない
  ような状態だったのが、あと一人で完成なのでーす

  「嬉しい・・・(T_T)」

  団員達が今までにも増して、大道具小道具などの準備
  を素早く進めてくれ、それに負けてられないと私も
  頑張ったからなのですが・・・^^;お陰で本番用の
  人形やセットで早くから練習が出来、喜ばしい限りです
  ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ・・・

  それでは、少しその成果をご覧下さい




  「シャーロットの翼」より・・・

   
     (左)アレック (右)シャーロット

 

   
        (左)アレック (右)ビリー

 

  彼らがどういった役どころであるか・・・は・・・
  ご想像にお任せ致します^^; 

  胴体が空洞のお人形なので、なかなか真っ直ぐに立って
  くれなくて、写真に撮るのがちょっと大変でした(-"-)

  

 

 

 

 

 






゛アレクサンダーの秘密”—全5場―3

2018年04月05日 19時13分31秒 | 新作(人形劇用)

  

    コーラス゛危ないぞ 危ないぞ
        来ては駄目 来ては駄目
        帰るんだ 帰るんだ
        今直ぐに 今直ぐに
        この城は 闇の国
        人はみな 石になる
        恐ろしい 場所だから

        危ないぞ 危ないぞ
        来ては駄目 来ては駄目
        帰るんだ 帰るんだ”

 王の声(エコー)「アレクサンダー・・・アレクサンダー・・・」
 后の声(エコー)「ここはあなたの来る場所ではないわ・・・」
 王の声(エコー)「早くここから出て行くだ・・・」
 后の声(エコー)「アレクサンダー・・・アレクサンダー・・・」

 グリエルモ「アレクサンダー!!」
 アレクサンダー「グリエルモ!おまえも来たのか?」
 グリエルモ「こんなところへ来ちゃ駄目だよ!!早く戻ろう!!」
 アレクサンダー「何故だよ。折角来たんだ。もっとこの城の隅々
       まで見て回ろうよ!」
 グリエルモ「駄目だよ!!・・・あ・・・ほら、来た!!」
 アレクサンダー「来た?来たって誰が・・・」 
 グリエルモ「・・・あ・・・駄目だ!!アレクサンダー!そこのカー
     テンの陰に隠れるんだ!!後は僕がなんとかする!!」
 アレクサンダー「え・・・?」
 グリエルモ「早く!!(アレクサンダーを無理矢理下手方、カー
     テンの後ろに隠す。)」
 アレクサンダー「・・・グリエルモ・・・!」
 グリエルモ「しっ!!黙って!!絶対に何があっても顔を出しち
     ゃいけないよ!!君は僕が守るんだから!!」
 アレクサンダー「・・・グリエルモ・・・」

    (扉の開く音。) 

 北の国の魔女の声「誰!?私の城で煩くするのは!?」
 
    下手より北の国の魔女登場。

 北の国の魔女「(グリエルモを認めて。)キ・・・キャー
       !!ネズミ・・・ネズミ・・・ネズミだわ!!
       偉大な魔法使いのこの私が、この世で唯一苦手
       とする生き物が、こんな小さなネズミだなんて
       !!」
 グリエルモ「チュー!!チュー!!」
 北の国の魔女「キーッ!!この・・・ウロチョロ逃げ回る、
       目障りな子ネズミめ!!」
 グリエルモ「チュー!!チュー!!」
 北の国の魔女「この忌々しいネズミ!!お待ち!!」
 グリエルモ「チュー!!チュー!!」
 北の国の魔女「全く、ちょこまかと逃げ回る子ネズミだ!!
       今直ぐにおまえもこの城の奴ら同様、石造に
       してやろう!!(杖を振り上げる。)」

    (魔法の音。)

 グリエルモ「チュー!!チュー!!チュー・・・(石像に
      なる。)」
 アレクサンダー「グリエルモ!!」

    北の国の魔女の笑い声残して、暗転。

    — 第 3 場 —

    舞台明るくなる。と、屋根裏。
    上手より老婆、登場。

 老婆「アレクサンダー?グリエルモ?二人してどこへ行っ
   たんじゃ・・・全く・・・。アレクサンダー?アレク
   サンダー!グリエルモ!(溜息を吐いて。)この狭い
   家のどこにそんな長い間隠れておる場所があると言う
   んじゃ・・・(ブツブツと。)」

 アレクサンダーの声「おばあさーん!!」

    上手よりアレクサンダー、慌てた様子で走り登場。

 アレクサンダー「おばあさん!!おばあさん!!あばあさ
        -ん!!」
 老婆「そんな大声を出さんでも聞こえておる。やっとこさ
   出てきおったわ。全く、出て来たと思ったら騒々しい
   のぉ・・・」
 アレクサンダー「おばあさん!!おばあさん!!大変なん
        だよ!!」
 老婆「何をそんなに慌てておるんじゃ。」
 アレクサンダー「おばあさん・・・大変なんだ!!グリエ
        ルモが・・・!!」
 老婆「グリエルモ・・・?グリエルモがどうかしたのか?」
 アレクサンダー「僕を助けようとして石に・・・」
 老婆「何!?石じゃと!?おまえまさか城へ行って来たの
   じゃあ・・・!!」
 アレクサンダー「ごめんなさい!!僕どうしても、あのお
        城の中のお宝が見てみたくて・・・それで
        ・・・」
 老婆「馬鹿者!!あれ程あの城へ近寄ってはいかんと言っ
   て聞かせておったのに!!おまえと言う奴は!!一体
   わしの話をどの耳で聞いて・・・」
 アレクサンダー「もう!!だからごめんなさいって言って
        るじゃないか!!僕は後でどんなお仕置き
        でも受けるよ!!だから僕のことよりグリ
        エルモを助けて、おばあさん!!グリエル
        モは僕の為に・・・僕を逃がして自分が・
        ・・!!」
 老婆「・・・アレクサンダー・・・あの城にお宝があった
   か・・・?」
 アレクサンダー「え?何言って・・・」
 老婆「お宝があったかと聞いておるんじゃ。」
 アレクサンダー「ないよ、そんなもの!!石ころが一杯転
        がった、つまらない場所だったよ!!」
 老婆「そうか・・・」
 アレクサンダー「だから何なの!?グリエルモが大変だっ
        て言ってるのに・・・そんな落ち着き払っ
        た・・・」
 老婆「そなたの父母に会うて来たか・・・?」
 アレクサンダー「何?」
 老婆「そなたの父母は城にいたか?」
 アレクサンダー「父・・・母・・・?」
 老婆「そうじゃ・・・」
 アレクサンダー「そんな人っ子一人いないお城に、ネズミ
        なんている訳がない・・・石造ばかりで・
        ・・」
 老婆「そうか・・・もう隠してはおれまいな・・・。あの
   城は・・・おまえの城じゃ・・・」
 アレクサンダー「だからお城は石造で・・・え・・・?」
 老婆「あの城は、わしの妹・・・北の国の魔女により、全
   てを石に変えられてしまった、おまえの城じゃ・・・。」
 アレクサンダー「・・・僕の・・・城・・・?」
 老婆「うむ・・・」
 アレクサンダー「僕の城って・・・僕はネズミの・・・」
 老婆「人間じゃ。」
 アレクサンダー「え・・・?」
 老婆「おまえは人間じゃよ。」
 アレクサンダー「まさか・・・」
 老婆「わしの魔法で、今はそんなネズミの姿をしておるが、
   本当はあの城に住むアレクサンダー王子なのじゃ・・
   ・」
 アレクサンダー「王子・・・」
 老婆「(頷く。)」
 アレクサンダー「じゃあ・・・あの石造達は・・・」
 老婆「城に住む人々・・・おまえの父、母・・・王と后も
   ・・・グリエルモのように石造に変えられて・・・あ
   そこで眠っておる・・・。」
 アレクサンダー「そんな・・・でも・・・おばあさん!!
        じゃあ・・・どうして僕は・・・!それに
        妹って・・・」
 老婆「色々と昔にあってな・・・わしと妹は別れ別れにな
   ったのじゃ・・・。」
 アレクサンダー「別れ別れ・・・でも・・・僕・・・僕だ
        けどうして・・・」
 老婆「おまえはこのわしが、王と后から託された者・・・」

    (音楽流れる。)

 老婆「王と后は自分達の命よりも、おまえを助けてくれと
   ・・・そう言ってわしにおまえを託して、石になって
   いったのじゃ。そんな王と后の思いを知っておるから
   わしは・・・おまえを何としても守ろうと・・・ネズ
   ミの姿へと変え、城の見えるこの一軒家の屋根裏で、
   今までこっそり隠れて暮らして来たのじゃ・・・。じ
   ゃが・・・」

    老婆、歌う。

    ゛時が来た 今こそ姿
    元に戻す時きた
    おまえの本当の姿へと
    まさにこの時
    やっと戻す時が来た”

 老婆「あぶらかたぶら・・・あぶらかたぶら・・・」

    コーラス゛本当のあなた 凛々しく
        今 現れ出でたる王子の姿”

    アレクサンダー、ネズミの姿から人間の姿へと
    変わる。(途中下がり、曲ラスト上がる。)

 アレクサンダー「僕・・・(自分の姿を見て驚いたように。
        )」

    音楽変わる。



   
      ↑ 人間になったアレクサンダー君。




 





      (゛アレクサンダーの秘密”4へつづく)















― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ — ♪ ― ♪ ― ♪ ―





       

      ↑ 来年7月の第11回公演に登場する、
   少ない出番の割りに重要な役割の小鳥(ピッチくん)です♪ 








  11月24日(金)  

  新入団員の紹介により、初めての保育所に公演に行かせて
  頂きました。

  当日は私的なことで団員達をドタバタと慌てさせてしまい、
  申し訳なかったと反省しきりではありましたが、公演は
  なんとかいつものように無事終了することが出来ました。

  子ども達にも喜んでもらえたようで、私達が片付けをする
  横で、ずっとと可愛い感想を聞かせてくれる園児がいました。
  その子曰く、最後は「涙が出そうになった」そうで、何かしら
  小さな心に残るようなお話であったのなら、これほど嬉しい
  ことはないと感じた公演日でありました。

  お世話になりました保育所の先生方、保護者の皆様、
  本当にありがとうございました


  さて、リトルパインは来週の育児サークル公演に向け、
  短いお話ではありますが、新作2本の為、練習に励んで
  いるところである筈なのですが・・・
  私、また風邪をひいてしまいまして・・・練習をお休みさせて
  頂いたりと、なかなか上手いこと進まない今日この頃・・・
  頭も物書きモードにスイッチが入らず、1月2月と公演が
  続くな~・・・などと、ボーッと考えながら、今日は止まらぬ
  咳と戦っておりました

  皆様もくれぐれもお体には気をつけて下さいませ













  2018年4月5日

  皆様、またまた本当にご無沙汰してしまいました
      季節はすっかり春・・・
  最近の私は・・・と言いますと、7月の本公演の
  録音編集がようやく終わり、ただ今より人形制作に
  取り掛かろうか・・・と思い始めたところであります。

  なかなか重い腰が上がらず・・・
  時間があるとついボ~ッとしてしまう今日この頃・・・
  温かな陽気のせいにしつつ、
  痛めた膝のせいにしつつ、
  色んなせいにしつつ・・・
  「あ~・・・新作も書かなければ・・・」・・・と、
  気持ちは焦るものの・・・

  春ですね~・・・頑張ります^^;