りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“バーナード” ―全16場― 完結編

2012年10月30日 21時35分32秒 | 未発表脚本

  ジャック「(ニヤリと笑って。)やっと来たか・・・」

  バーナード「(ジャックたちに気付き。)しまった・・・」

  ボールデン「今の話によると、そちらの(顎でダイアナの方を差す。

         )お嬢さんが本当の目撃者のようだな、バーナード。」

 

           バーナード、顔を強張らせて、ボールデンを

           見据える。

 

  ジャック「(バーナードを見詰めて。)この間とは打って変わって、

       いい目だ・・・。大事な者を失うかもしれない恐怖に、光輝

       いている・・・。それでなくては盛り上がりませんからねぇ

       ・・・」

  ボールデン「こちらの(シェイラを見て。)お嬢さんには申し訳ない

         が・・・2人共・・・殺ってしまえ!!バーナード、おまえ

         も下手に庇い立てすると、ジャックの獲物になりかね

         ないぞ!!」

  ダイアナ「(驚いて叫ぶ。)殺ってしまえって、どう言うことよ!!私

       はまだ死にたくないわ!!放してよ!!誰かー!!」

 

           ジャック、銃を出して銃口を真っ直ぐ

           シェイラに向ける。

 

  シェイラ「・・・(ただ呆然と立ち尽くす。)バーナード・・・」

  バーナード「(シェイラにだけ聞こえるように。)大丈夫だ・・・おまえ

         一人を殺させたりはしない・・・!!」

  シェイラ「(バーナードの言った言葉の意味を悟り、バーナードを

       黙って見詰め、ゆっくり頷く。)」

  バーナード「ジャック!!誰もおまえを止められないと言った!!

         それなら俺は・・・(シェイラを守るように、シェイラに覆

         い被さりながら叫ぶ。)シェイラ!!目を閉じろ!!」

 

           バーナードの叫び声と同時にジャック、

           銃の引き金を引く。

 

  ダイアナ「(絶叫する。)キャーッ!!」

 

           一瞬の静寂の後、バーナード、シェイラの

           腕の中で崩れる。

 

  ボールデン「馬鹿な・・・」

  シェイラ「(バーナードを抱き抱えるように。)・・・バーナード・・・バー

       ナード・・・?」

 

           その時、パトカーのサイレンの音と共に

           警察官がなだれ込んで来る。

 

  警官「ボールデン、ジャック、おまえ達2人を、シェイラ・ハミルトン

     殺人未遂容疑で逮捕する!!」

  ボールデン「(呆然と。)何故・・・?」

 

           警察官、ボールデンとジャックを捕まえる。

           警官の後ろにいたウォルター、前へ進み出る。

 

  ウォルター「常務・・・矢張り私には黙っていることが、出来ません

         でした・・・(項垂れる。)」

  ボールデン「貴様・・・!!」

  警官「行くぞ!!」

  

           ボールデン、ジャック、警官に連れて

           行かれる。

           ジャック、途中一度振り返り、バーナード

           を見詰める。

 

  ジャック「・・・命が惜しくない程・・・惚れたか・・・」

 

           ダイアナも警官に肩を抱かれて呆然と

           出て行く。

           警官達、泣き叫ぶシェイラの肩にそっと

           手を掛けたりして出て行く。

 

  シェイラ「(バーナードを見詰め。)いや・・・いやよ!!バーナード

       !!バーナード!!(泣き叫ぶ。)一人にしないで!!」

 

           2人、残して皆去る。

 

  バーナード「(ゆっくり目を開け微笑む。)・・・よかった・・・おまえが

         死んでしまわなくて・・・おまえを一時でも疑った罰が当

         たったんだな・・・(静かに笑う。)心から・・・おまえを愛

         していた・・・だからおまえが裏切ったと思った時・・・何

         もかも分からなくなり・・・ただ・・・許せないと思ったん

         だ・・・」

  シェイラ「いや・・・死なないで!!愛してるわ!!だからお願い・・・

       (回りを見回して。)誰か・・・誰か助けて・・・」

  バーナード「(手を上げてシェイラの頬にそっと触れ、微笑む。)・・・

         いつまでも・・・愛して・・・(頬に触れていた手が落ちる。

         )」

  シェイラ「バーナード・・・?バーナード!!死なないで!!私も殺し

       て・・・私も殺して!!(泣き叫ぶ。)」

 

           港の静寂の中、シェイラの叫び声だけ

           木霊する。

           暫くの後、バーナードを抱くシェイラの肩を

           抱くように、バーナードの腕が動く。

 

  バーナード「・・・シェイラが死んだら困るな・・・」

 

           驚くシェイラに、少しはにかむように、

           バーナード微笑みかける。

 

  シェイラ「嘘・・・」

  バーナード「(起き上がり。)幽霊に見えるかい?」

  シェイラ「(首を振る。)」

  バーナード「・・・(照れ笑いしながら。)こんなこともあるかと、防弾

         チョッキを着込んでいたのを忘れてた・・・(背広を開い

         て、中を見せる。)」

  シェイラ「バーナード!!(抱き縋る。)」

 

           バーナード、優しくシェイラを抱き締める。

 

  シェイラ「(泣き声で。)死んだと思ったのよ!!本当に死んだと思

       ったのよ!!」

  バーナード「(微笑んで。)ごめん・・・」

  シェイラ「よかった・・・本当に・・・よかった・・・」

  バーナード「だけどシェイラ・・・上から言われたことだとは言え、俺

         のやったことは償わなければいけないことなんだ・・・。

         もし君が・・・」

 

  シェイラ「(バーナードの口元を押さえる。)・・・待ってるわ・・・いつ

       までも待ってる・・・」

  バーナード「シェイラ・・・」

  シェイラ「あなたが・・・いいって言ってくれるなら・・・」

  バーナード「勿論さ!!(シェイラを抱き締める。)」

 

           音楽盛り上がる。

           バーナード、座り込んだままシェイラを

           抱き寄せ口付ける。

 

 

 

 

 

 

           ――――― 幕 ―――――

 














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“リトルパイン7周年記念公演のお知らせ♪”

2012年10月30日 20時32分28秒 | リトルパインニュース



         



     リトルパイン7周年記念公演の詳細が決まりましたので、
     お知らせします(^。^)



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   ミュージカル人形劇団“リトルパイン”7周年記念公演♪




      日にち   ・・・  2012年11月2日(金)


      時間   ・・・  PM18:00開場 
                
                PM18:30開演



      会場   ・・・  吹田市文化会館“メイシアター”
                
                  小ホール



                入場無料



   
   第1部    『アリアの海―全6場―』  公演時間35分
   

         (あらすじ)

         海の国に住むアリアは、好奇心旺盛なお姫様です。

         ある時、父である海の国の王様に、行ってはならない
         と言われていた人間達の住む陸地へ、友達のイルカ
         (キューイ)とこっそり遊びに出掛けました。
         そこでアリアは、海の国へ入る為に必要な門の鍵、
         “貝の笛”を砂浜でなくしてしまったのです。
         
         アリアは無事にその笛を見つけ出し、海の国へと
         帰ることが出来るのでしょうか・・・?



             ――― 休憩 15分 ―――



   第2部    『J“未来の君へ”―2幕―』 公演時間1時間
                             (幕間休憩5分)


         (あらすじ)

         “J(ジェイ)”は、正義感一杯の子どもです。いつも
         いじめっ子から友達を守ることに一生懸命なJは、
         今日も友達のマイクを庇い、いじめっ子達に立ち向
         かっていました。
         その時、転がったボールを追い、車の前へ飛び出し
         た子犬を助ける為に、Jは子犬の身代わりとなって、
         死んでしまったのです。

         さて・・・そんな理由から天界へとやって来たJですが
         ・・・“いいこと”をして命を落とした為、一つだけ願い
         を叶えてもらえることになりました。
         Jの願いとは一体・・・そしてその願いは叶うことが
         出来るのでしょうか・・・?






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    今回は、記念公演と言うことで、日頃、リトルパインを応援
   
   して下さっている方達にも楽しんで頂ける作品を・・・と考え、

   いつものように子ども向きの作品(“アリアの海”)と、大人の方
   
   にも満足して頂ける作品(“J―未来の君へ―”勿論子どもさん

   でも楽しんで頂けるような作品になっていますので、ご安心
  
   を・・・^^;)の、2本立てを用意しております(^_^)


   念願であった、思い出の会場での公演・・・

   休日前の夜公演・・・

   そして、リトルパインではお目にかかることがほぼないであろ

   う、ちょっと大人な作品と・・・

   初めてのことばかりで、私自身、まだ試行錯誤を重ねながら、

   団員達と共に、準備を進めていっている最中であります^_^;


   ・・・が・・・

   足を運んで下さる皆様のことを思い、少しでも満足度の高い

   公演を行う所存で頑張って参りますので、

   お時間、ご興味がおありでしたら、秋の夜長・・・

   演じては人形ではありますが、1年以上かけ準備を進めて来た

   ミュージカルを、是非ご覧になりにいらして下さい





                   ミュージカル人形劇団“リトルパイン”

                                 代表 どら。





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       (おまけフォト^^;)

       

    
    これ ↑ は、“J”作品の私の台本の1ページです(^.^)

   綺麗だった台本が、1年の歳月をかけ編集、練習と重ね
   ていった後、こんな風に、どこに何が書かれてあるのか
   自分でもあまりよく分からないような台本に変わっていく
   のです(>_<)

   よ~く見て頂くと、Jがどんな願いを叶えてもらったのかが
   分かりますね^^;
   
   黄色のマーカーが引いてある箇所がJ(私)の台詞・・・上の
   写真の台本部分は、歌になります^_^;
   この作品、歌が主流の作品になるので、台詞だけの箇所
   を探すほうが、実は難しいのです(^_^;)

   かれこれ1年以上前、台詞メンバー達が四苦八苦し、文句
   を散々言いながらも録音に挑んだ作品・・・ある意味、
   私にとっても色々と思い出に残る作品であります(*^_^*)








    10月30日(火)


    本番まで後3日となりました(>_<)


    こんな間際ではありますが・・・今日、アリアちゃんパパが
   
    出来あがりました^^;

    (アリアちゃんは少し前に出来上がっていたものです♪)

    いつもは一人で全部のお人形を作っていたので、その
  
    過程などもご覧頂いたりしたのですが、アリアちゃんに
  
    関しては、肩付け辺りまで、今回からお手伝いに入って

    くれているお針子さんにお願いして作っていた為、仕上

    がり過程の紹介は省かせて頂きました^_^;


    下の写真はアリアちゃん親子です(^^)v

    パパのお髭を、どうしようかと考え・・・いつもと違った・・・

    「エッヘン」な感じで付けてみました^^;

    写真では分かりませんが、2人は“海の国”の人なので、

    足はありません(^。^)

    “J”に比べて足がない分、随分軽めのお人形で、出ずっ

    ぱりの私には、嬉しい限りです^^;




         




    さて、いよいよ本番月へと突入です(>_<)

    今回はいつもより練習時間も多めに、頑張ってきたつもり

    ではありますが、何分、初めてだらけの公演で、柄にもなく

    こんな本番までまだ日があるうちから、緊張気味の私で

    あります^^;

    
    それでは本番で皆様にお会いできるのを楽しみに致して

    おります♪



                                どら。








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“バーナード” ―全16場― 9

2012年10月29日 21時12分20秒 | 未発表脚本

           そこへバーナード入って来て、回りを

           見回し誰かを捜しているように。

           居ないことが分かると、一寸端へ寄って、

           誰かを待っているように立っている。

           フランク、バーナードを認めて駆け寄る。

           ジュディ、続く。

           ダイアナたちは話し込んでいる。

 

  フランク「バーナードさん!!誰か待ってるんですか!?俺・・・?」

  バーナード「馬鹿野郎。」

  フランク「・・・な訳ないか。飲みに行きましょうよ!!明日は休みだ

       し!!折角のフライデー・ナイト!!」

  ジュディ「フランク!!(フランクの腕を抓る。)」

  フランク「痛っ!!(振り返って。)何すんだよ!!」

  バーナード「彼女を待たせちゃ駄目だな、フランク。」

  フランク「こいつは単なる・・・」

  ジュディ「単なる何!?」

  フランク「あ・・・えっと・・・」

  バーナード「さぁ、帰った帰った!!俺は今日は野暮用だ!!」

  フランク「チェッ、仕方ないな・・・。今度、また飲みに連れて行って

       下さいよ!!」

  バーナード「分かった分かった。」

  フランク「じゃあ、失礼します!」

 

           フランク、ジュディと共に出て行く。

           ダイアナたち、バーナードに気付き、

           嬉しそうに近寄る。

 

  ダイアナ「バーナードさん!!」

  ジャッキー「どなたかと待ち合わせですか?」

  バーナード「えっと・・・君たちは・・・?」

  ダイアナ「シェイラと同じ課で働いています。」

  バーナード「そう。シェイラはもう帰ったかな?」

  フィービー「シェイラなら、まだ残って仕事してたと思いますけど・・・

        。」

  ハッティ「シェイラを待ってるんですか?」

  バーナード「ああ。」

  ダイアナ「けど!!別れたんじゃ・・・?」

  バーナード「別れた?誰がそんなこと、言ったんだい?」

  フィービー「誰って・・・うちの課の男子社員が、2人が喧嘩したとこ

        ろを見たって騒いでたから・・・」

  バーナード「ハハハ・・・あれは単なる痴話喧嘩に過ぎないんだよ。

         参ったなぁ・・・」

  ハッティ「なぁんだ・・・そうなんですか・・・」

  フィービー「面白くないの!」

  ジャッキー「フィービー!!」

  フィービー「あ・・・」

  ジャッキー「さぁ皆!!行きましょう!!じゃあバーナードさん、お

        先に失礼します。」

  フィービーハッティ其々「さよなら・・・」

 

           バーナード、手を上げてそれに笑顔で答える。

           ジャッキー、フィービー、ハッティ出て行く。

           ダイアナだけ、少し遅れてバーナードを気に

           しながら、不貞腐れた面持ちで出て行く。

           バーナード、女子社員が全員出て行くのを

           確かめてから、溜め息を吐き腕時計を見る。

           そこへ、男子社員に囲まれたシェイラ、帰り

           支度で出る。

 

  スティーヴ「ねぇ、シェイラ!明日は休みなんだし、これからどこか

        へ食事にでも行かないか?」

  ジョー「抜け駆けはなしだぜ!!」

  スティーヴ「なんだよ、おまえ!!邪魔なんだよ!!」

  ビリー「シェイラ、僕とドライブでもどう?」

  スティーヴ、ジョー、ビル「おい、ビリー!!」

  シェイラ「(困ったように下を向いて。)あの・・・ごめんなさい・・・私

       真っ直ぐ帰りますから・・・」

  スティーヴ「どうして!?」

  バーナード「(シェイラの前へ進み寄って。)シェイラ・・・」

  シェイラ「(顔を上げ、驚く。)・・・バーナード・・・?」

  バーナード「・・・話しがあるんだ・・・」

  スティーヴ、ビル、ビリー、ジョー声を揃えて「えーっ!!」

  バーナード「(4人に向かって。)悪いな。」

 

           4人、ぶつぶつ言いながら、シェイラを

           気にして出て行く。

 

  スティーヴ「何だよ、あいつ!!シェイラのこと、振ったんじゃない

        のかよ!!」

  ビル「しっ!!聞こえるぜ、スティーヴ!!」

  シェイラ「あの・・・」

  バーナード「この間はごめん・・・行き成り酷いことをして・・・」

  シェイラ「(首を振る。)私・・・私ね・・・私・・・鈍感だから、知らない

       うちにあなたに酷いことをして、怒らせたんだと思ってた

       の・・・。私が謝りたかった・・・ごめんなさい!」

  バーナード「(思わず微笑んで、シェイラを抱き締めようと手を伸ば

         そうとするが、握り拳を握り、止める。)・・・あの・・・さ

         ・・・日曜日のカーニバルは、誰かと行く予定かい?」

  シェイラ「(首を振りながら。)いいえ・・・」

  バーナード「よかった!じゃあ一緒に行こう。君がよければ・・・」

  シェイラ「(バーナードを見上げて。)本当・・・?」

  バーナード「ああ・・・」

  シェイラ「本当に本当!?」

  バーナード「勿論!」

  シェイラ「嬉しいわ!!(思わず、バーナードに抱きつく。)」

  バーナード「(抱き締めたいのを我慢するように。)・・・シェイラ・・・」

  シェイラ「(ハッとして、バーナードから離れる。)あ・・・ごめんなさい

       ・・・すごく嬉しくて・・・」

  バーナード「じゃあ日曜日の昼頃、迎えに行くから・・・」

  シェイラ「ええ!楽しみにしてるわ!(暫くバーナードを見詰めるが、

       不思議そうに。)・・・あの・・・まだ帰らないの・・・?」

  バーナード「あ・・・ああ・・・今夜はこれから接待なんだ・・・」

  シェイラ「そうなの・・・」

  バーナード「送っていけないけど、気をつけてお帰り・・・」

  シェイラ「私なら平気よ!バーナードの方こそ、あまり無理しないで

       ね!じゃあ!(行きかけるが、途中で振り返り、微笑んで

       バーナードに手を振る。)」

  バーナード「(思わず手を上げて微笑む。)気をつけろよ!」

 

           シェイラ、微笑んで頷き出て行く。

           バーナード、上げた手を見詰めて、

           遣り切れない表情でスポットに浮かび 

           上がる。

           切ない思いを歌う。

 

           “何故・・・

           俺はここにいる・・・たった一人で・・・

           何故・・・

           おまえはいない・・・俺の側に・・・

           ほんの少し手を差し伸べて

           捜せば見つかるかも知れない

           一番大切なものが・・・

           何もかも夢であったなら・・・

           2人が出会ったその時から・・・

           もう一度・・・”

 

           暗転。

 

        ――――― 第 14 場 ―――――

 

           舞台上、一転して明るく賑やかなカーニバル。

           人々、歌い踊り、活気に溢れている。

           横で楽し気に見ている人々の中には、

           プリンセス・コーポレーションの知った面々の

           顔も見える。

           音楽段々盛り上がり、高揚した雰囲気の中、

           決めのポーズ。

           観客、拍手喝采。

           カーテン閉まる。

 

        ――――― 第 15 場 ―――――

 

           カーテン前。

           上手よりダイアナ出る。後ろからジェーン、

           追い掛けるように出る。

 

  ジェーン「ダイアナさん?」

  ダイアナ「(振り返って、マジマジとジェーンを見る。)あんた、誰?」

  ジェーン「アルバート専務の秘書、ジェーンです。」

  ダイアナ「専務の秘書が何の用?私、早くカーニバルに行きたい

       のに!」

  ジェーン「専務から、あなたがこの間、専務に話されたことについ

       て、もう少し詳しく聞いて来てくるように言われましたので

       ・・・」

  ダイアナ「この間の話・・・?ああ、バーナードが6日の金曜日の夜

       に、残っているのを見たって言うあれ?」

  ジェーン「・・・ええ・・・」

  ダイアナ「いやよ。私、急ぐんだから!それより専務は、バーナード

       には私じゃなく、シェイラが見たんだって、ちゃんと言って

       くれたのかしら?」

  ジェーン「え・・・?」

  ダイアナ「あの2人、一度は喧嘩したようだったから上手くいったと

       思って安心してたら、今度はまたカーニバルに一緒に行く

       って・・・一体どうなってんのかしら、あの2人!専務、まさ

       か私が告げ口したって、バーナードにバラしたんじゃない

       わよね!?」

  ジェーン「じゃあ矢張り、あなたが2人を別れさせようと思って、専

       務に告げ口をしたんですね・・・。しかもシェイラが言った

       ことにして、バーナードに伝えさせた・・・」

  ダイアナ「何!?あんた知ってたんじゃないの!?」

  ジェーン「(ニヤリと笑って。)これでハッキリしました。」

 

           ジェーン、片手を上げると、ボールデン

           の部下の男たち数人、駆け付けて

           ダイアナを取り囲む。

 

  ダイアナ「何、一体!?」

  ジェーン「一緒に来てもらいます、ダイアナ・バリー。」

 

           ジェーン、男たちに目で合図すると、男たち

           ダイアナを両側から捕まえるように、連れて

           行く。

 

  ダイアナ「いやよ!!放してよ!!何処へ連れて行く気!?誰か

       ー!!(叫ぶ。)」

 

           男たちに付いて、ジェーンも出て行く。

           ダイアナの叫び声残して、暗転。

 

        ――――― 第 16 場 ―――――

 

           カーテン開く。舞台上は港。

           夕暮れ時、カーニバルの行われている

           街中とは丸で別世界のように、静けさが

           漂っている。

           時折、船の警笛が響き渡る。

           下手より、バーナード、シェイラの手を

           引いて出る。

 

  シェイラ「今日はすごく楽しかった・・・」

  バーナード「そう・・・(沈んだ声で。)」

  シェイラ「・・・バーナード?」

  バーナード「(シェイラの方を向いて、手を離す。)シェイラ・・・(辛そ

         うにシェイラを見詰め。)どうして・・・俺のことを会社に

         告げ口するようなことをしたんだ・・・。もし君があの日、

         俺のことに気付いていたとしても、知らないで通してく

         れていたら、俺が上手く抑えてみせたんだ・・・。」

  シェイラ「・・・バーナード・・・?あの日・・・って・・・?」

  バーナード「いつまで知らばっくれるつもりだ・・・」

  シェイラ「(訳が分からず。)・・・知らばっくれるって・・・?」

  バーナード「(呆れたように。)6日の金曜日のことで、君もアルバ

         ート専務に呼ばれただろう?それで、その時に俺を見

         たことを奴らに言った・・・」

  シェイラ「(首を強く振って。)いいえ・・・私、最近専務に呼ばれたこ

       となんてないわ・・・本当よ!以前はよく失敗して、呼びつけ

       られて叱られたけど・・・最近は、失敗する程、課長に仕事

       を回してもらえなかったし・・・」

  バーナード「・・・冗談だろ・・・?」

  シェイラ「6日の夜も、社内で誰に会ったかなんて本当に知らない

       わ。会った相手は屹度、私のことを礼儀の知らない、呆れ

       た奴だと思ってるでしょうね・・・。眼鏡なしじゃ1メートルも

       離れると、顔なんて全く分からないんですもの・・・。バーナ

       ードはあの日、私のことを見かけたの・・・?」

  バーナード「・・・シェイラ・・・」

 

           そこへジェーン、ボールデンの部下に捕まえ

           られたダイアナ出る。

 

  ジェーン「バーナードさん、彼女の言ったことは本当ですわ。専務

       に告げ口したのはダイアナです。(振り返ってダイアナの

       方を見る。)」

  バーナード「何だって・・・!?」

  ジェーン「ダイアナが専務に頼んで、シェイラが告げ口したと、あ

       なたに吹き込ませたのです。」

  ダイアナ「それがどうしたのよ!!いい加減、放してよ!!(暴れ

       る。)」

  バーナード「じゃあ、シェイラは・・・」

  ジェーン「彼女はあなたを陥れるようなことをする人ではありませ

       んわ。それはあなたが一番よく分かっていたことだと思い

       ましたけど・・・」

  シェイラ「・・・(涙を浮かべて。)よく・・・分からないけれど・・・あの

       日、私が社内に残っていたことで、何かあなたに大変な

       迷惑をかけたのね・・・。ごめんなさい・・・」

  バーナード「謝るのは俺の方だ!!シェイラ!!何て俺は馬鹿

         だったんだ!!」

 

           その時、上手よりボールデン、ジャック、

           ボールデンの部下たち出る。

           

 

       

 

          

 

 

 

 

 

 

 

    ――――― “バーナード”完結編へつづく ―――――

 

 

 

 

 

 

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“バーナード” ―全16場― 8

2012年10月28日 22時13分48秒 | 未発表脚本

   ――――― 第 12 場 ―――――

 

       カーテン開く。(絵紗前。)

       NYインターナショナル、ボールデン常務室。

       ボールデン、煙草を燻らせ、窓辺に立ち下を

       見ている。

       シンディ、自分のデスクについて仕事をして

       いる。

 

  ボールデン「(外を向いたまま。)シンディ・・・」

  シンディ「はい。(立ち上がる。)」

  ボールデン「君は私の遣り方をどう思う?(振り返る。)私はただ

         我武者羅に今まで突き進んで来た。たとえ、その遣り

         方が法に触れることであっても、私にはそんなことは

         どうでもいいことなのだ・・・。君は・・・いつも何も言わ

         ないな・・・」

  シンディ「私は常務の秘書ですから・・・。常務の為さることは私

       には絶対です。」

  ボールデン「・・・そうだったな・・・」

 

       その時ジャック、行き成り扉を開け、

       図々しい態度で入って来る。

       ボールデン、シンディ、ジャックの方へ

       振り向く。

 

  ボールデン「ジャックか・・・」

 

       シンディ、再びデスクについて仕事を

       始める。

 

  ジャック「(ボールデンのデスクへ行き、椅子に深々と腰を下ろし

       机の上へ両足を投げ出す。)一体、いつまでお預けだ!」

  ボールデン「まぁ、待て。もう直ぐバーナードが来る。」

  ジャック「バーナード・・・?ああ・・・あの俺の獲物に惚れた男か・・・

       」

  ボールデン「惚れた・・・?一体、何の話しだね。」

  ジャック「あいつは、あの女に本気で惚れちまったんだ。あんたに

       ちゃんと協力するかどうか、怪しいぜ。」

  ボールデン「(笑う。)何を言ってるんだ。あいつは私の右腕だ。

         太陽が西から昇ることがあっても、あいつは私を裏切

         りはしない・・・。」

  ジャック「(ニヤリと笑って。)たいした信頼だ。まぁ、精々飼い犬に

       手を噛まれないように、気をつけるんだな・・・。」

 

       その時、ノックしてウォルター入る。

       バーナード、続く。

 

  ウォルター「常務、バーナードくんです。」

  ボールデン「おお、来たか。待っていたぞ。」

  バーナード「遅くなりました。」

  ジャック「(椅子に座ったまま、片手を上げて。)よぉ・・・」

  バーナード「(ジャックにチラッと目を遣るが、顔色を変えずに。)

         今日はまた何か・・・?」

  ボールデン「どうだ?プリンセスコーポレーションでも君は、優秀

         な社員で通ってるそうじゃないか。」

  バーナード「・・・まぁ・・・」

  ボールデン「奴らもそんな君が、まさかライバル社の少壮重役だ

         とは思ってもいまい・・・。(笑う。)ところで2人に今日

         来てもらったのは・・・」

  ジャック「(立ち上がってボールデンに近寄る。)いつ殺る・・・?」

  ボールデン「・・・次の休日に・・・」

  ウォルター「次の休みと言えば・・・カーニバルの日ですか・・・?」

  ボールデン「・・・そう・・・」

  ジャック「その騒ぎに紛れて・・・か・・・場所は・・・?」

  ボールデン「・・・港の倉庫・・・バーナード、君はそこまで彼女を連

         れて来るんだ・・・。」

 

       ジャック、目を輝かせてバーナードの方を

       見詰める。

 

  バーナード「・・・分かりました・・・」

 

       ジャック、バーナードのその返事に、一瞬

       意外な面持ちをする。

       バーナードとジャック残して、カーテン閉まる。

 

  ジャック「案外、あっさり返事しましたねぇ・・・私はまた、少しくらい

       は駄々を捏ねるのかと思いましたよ。」

  バーナード「・・・安心したか?おまえの邪魔をするようなことを口

         走らないで・・・」

  ジャック「まぁ・・・ね・・・(ニヤリとして。)しかし・・・あの時あれ程、

       向きになって私を止めようとしていたあなたが、どう言った

       心境の変化ですか?」

  バーナード「・・・心境の変化・・・?さぁ・・・俺は最初から・・・俺が

         常務を裏切るなど有り得ない・・・。」

  ジャック「ほう・・・もう飽きたと言う訳ですか・・・。あなた程の人だ、

       女なんか放っておいても向こうから寄って来るでしょう・・・。

       なのにまた、なんて真剣で純粋な恋をしたものだと、少々

       驚いてもいたのですが・・・。矢張り・・・あなたにとって、恋

       など道楽の一つであった訳だ・・・」

  バーナード「・・・何が言いたい・・・」

  ジャック「しかし彼女の方は、そう言う訳にはいかないでしょう・・・

       ?何せ初めての恋だ・・・。屹度あなたに振られて、落ち

       込んでいるでしょうねぇ・・・」

  バーナード「違う!!彼女の方が!!・・・彼女が俺を裏切ったん

         だ・・・」

  ジャック「(驚いたような面持ちで、肩を窄める。)おやまぁ・・・」

  バーナード「もう・・・放っておいてくれ!!」

 

       バーナード、遣る瀬無い表情で上手へ出て行く。

 

  ジャック「(バーナードの背中を見詰めたまま。)・・・燃え上がって

       いる2人を引き離すのは・・・最高の快感ですよ・・・(笑い

       ながら、下手へ出て行く。)」

 

       暗転。

 

       ――――― 第 13 場 ―――――

 

       カーテン開く。舞台上はプリンセス・コーポレーション社

       フロント。(正面に受付。下手に出入り口。上手は社内。)

       就業後、社員たちが帰宅の途についている。

       フランク、受付嬢ミリーと話している。

 

  フランク「ねぇ、ミリー!今度一回俺とデートしない?美味い日本

       料理の店、見つけたんだ!それでその後、夕暮れの港

       を散歩するんだ。どう?ロマンチックだろ?」

  ミリー「(机の上を片付けながら。)いやあよ。フランクったら、一体

      何人の女子社員にそんなこと言って、デートに誘ってるの

      ?ジュディが知ったら怒るわよ。(笑う。)」

  フランク「白けるなぁ・・・彼女とは付き合ってるけど、まだ結婚する

       って決めた訳じゃないし、若いうちはどんどん遊ばなきゃ

       !!そうだろ?」

  ミリー「そうねぇ・・・あなたの言うことも分からなくはないけど・・・」

  フランク「だろ!?」

  ミリー「でも、もし私がジュディの立場だったら、矢っ張り怒るけど

      なぁ。」

  フランク「ははぁん・・・さては誰か好きな奴がいるんだな!?」

  ミリー「さぁ・・・(恍けたように。)」

  フランク「誰だよ!!俺の知ってる奴か!?あー!!ひょっとして

       おまえもバーナードさんじゃないだろうな!?」

  ミリー「おまえも・・・って何よ!!私の他にも誰か彼のこと狙って

      る女いるの!?あ・・・(仕舞ったと言った表情で。)」

  フランク「矢っ張り・・・。バーナードさんは駄目だよ!!いくらおま

       えが熱を上げたところで、高嶺の花って言うもんさ!!

       バーナードさんには彼女がいるんだぜ。」

  ミリー「庶務課のシェイラでしょ?」

  フランク「なんだ、知ってるんだったら・・・」

  ミリー「あら、だって2人はこの間、別れたって言う噂よ。」

  フランク「えー!!本当に!?」

  ミリー「何よ、フランクったら、バーナードさんの腰巾着やってるくせ

      に、知らなかったの?」

  フランク「どうりで最近、機嫌が悪かった筈だよ・・・って言うことは

       ・・・待てよ!!シェイラは今、フリーって言うことか!!

       やったね!!バーナードさんと付き合ってるんなら、見込

       みないと思ってたけど、フリーとなりゃ・・・」

  ミリー「よくやるわね・・・」

 

       ジュディ出て、フランクを認め歩み寄る。

 

  ジュディ「フランク!!また女、口説いてる!!」

  フランク「(振り向いてジュディを認め、驚く。)ジュディ!!いや・・・

       そんなんじゃないんだ・・・!!ちょっと彼女が暇そうにし

       てたんで、話し相手になってやってたんだ!な!!ミリー

       !!」

  ミリー「まぁ!!調子いいわね!!ジュディ!!彼は首に縄付け

     といた方がいいわよ!!お先です!!」

 

       ミリー、足早に出て行く。

 

  フランク「(気不味そうに。)君を待ってたんだよ!!ジュディ!!」

 

       ダイアナ、ジャッキー、フィービー、ハッティ出る。

 

  ジャッキー「あああ・・・折角、明日は休みだって言うのに・・・誰も

        誘ってくれないなんて、淋しいわよね。」

  フィービー「うちの課の男子社員ときたら、シェイラ!!シェイラ!!

        って・・・」

  ハッティ「もう、頭にきちゃうわ!!」

  ダイアナ「今までh足蹴にしてたくせに・・・スティーヴもスティーヴよ

       !!折角のカーニバルは一体誰と行けって言うの!?」

  ジャッキー「私たちは淋しく女同士で楽しみましょう。」

  ハッティ「でも、バーナードさんとシェイラが別れたって噂、本当か

       しら!?」

  フィービー「そうそう!!理由は分からないけど、つかつかと歩み

        寄ったバーナードさんが、シェイラに平手打ちを食わせ

        たんだって!!」

  ジャッキー「本当!?」

  フィービー「例によって、シェイラに取り巻いてたうちの男子社員

        たちが、見たって騒いでたもの!」

  ハッティ「何があったのかしら!?ダイアナ、知ってる!?」

  ダイアナ「・・・ど・・・どうして私が知ってるのよ!!知ってる訳な

       いじゃない!!(焦る。)」

  ハッティ「そっか・・・そうよねぇ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

     ――――― “バーナード”9へつづく ―――――

 

 

 

 

 

 

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“バーナード” ―全16場― 7

2012年10月27日 21時02分16秒 | 未発表脚本

        ――――― 第 11 場 ―――――

 

         カーテン前。

         リチャード、下手より俯き加減で登場。

         シェイラ、それに続く。

 

  シェイラ「あの・・・リチャード・・・どうしたんですか?何か話しが

       あるって・・・」

  リチャード「(立ち止まり振り返る。)あの・・・さ・・・シェイラ・・・」

  シェイラ「(微笑んで。)はい。」

  リチャード「(シェイラを見詰め、口籠る。)・・・君・・・本当に綺麗

        になったね・・・」

  シェイラ「・・・リチャード・・・?」

  リチャード「君・・・本当に営業課のバーナードと付き合ってるの

        ・・・?」

  シェイラ「・・・え・・・?」

  リチャード「いや・・・あの女なんか選り取り見取りの奴が、本気

        でシェイラと付き合ってるとは思えないんだ!!・・・

        あ・・・ごめん・・・酷い事言って・・・」

  シェイラ「(首を振る。)リチャードがいつも私のことを心配して

       くれているのを知っています・・・(下を向いて。)私って

       ドジだから・・・それで他の人に迷惑を掛けて叱られて

       ・・・落ち込んだりした時に、いつも励ましてくれたのは

       リチャードだわ・・・。だから今回も心配してくれている

       のね・・・ありがとう・・・(微笑む。)」

  リチャード「・・・そんな・・・僕は君に礼を言われるような・・・そん

        な立派な奴じゃないんだ・・・」

  シェイラ「え・・・?」

  リチャード「そんな風に言わないでくれよ・・・(シェイラに背を向け

        る。)」

  シェイラ「リチャード?(リチャードを背後から覗き込むように。)」

  リチャード「僕は・・・ずっと前から君のことが好きだった・・・好き

        だけど、同僚たちから除け者にされるのが怖くて・・・

        ただ側で見ていることしか出来なかった・・・。それが

        ・・・君が綺麗になって、あのエリート社員と付き合って

        るって聞いて・・・あの男に嫉妬してる・・・ただの格好

        悪い男さ・・・」

  シェイラ「・・・リチャード・・・そんなことないわ・・・」

  リチャード「(振り返る。)え・・・?」

  シェイラ「あなたは格好悪くなんてないわ・・・。私はあなたのお陰

       で随分、力付けられたもの。本当よ。」

  リチャード「シェイラ・・・」

  シェイラ「あなたが・・・そんな風に私のことを思っていてくれたな

       んて、全然知らなかったから・・・ごめんなさい・・・。それ

       で・・・矢っ張り・・・ありがとうしか出てこないな・・・(微笑

       む。)でも嬉しいわ・・・」

  リチャード「(思わずシェイラの手を取る。)」

  シェイラ「(驚いて。)リチャード・・・」

  リチャード「僕の方こそ・・・ありがとう・・・(ハッとしてシェイラの

        手を離す。)本当は・・・あのエリート野郎の悪口でも

        君に吹き込んで、別れさせてやろうと考えてたんだけ

        ど・・・ごめんよ・・・僕の方こそ、いじけた奴だな・・・」

  シェイラ「(首を振る。)」

  リチャード「頑張れよ!!僕は失恋だけど・・・(笑う。)」

 

         そこへ、ジェラルド達、庶務課の男子社員

         上手より入って来る。

 

  ジェラルド「(リチャードとシェイラを認めて、近寄りながら。)おい

        おいリチャード、抜け駆けか?」

  リチャード「(振り返って明るく。)そうです!!でも振られましたけ

        どね。(シェイラに向き直って、片手を上げて。)じゃあ

        !!」

 

         リチャード、ジェラルドたちの横を通って、

         上手へ出て行く。

         ジェラルド、ジョー、ビリー、スティーヴ、

         シェイラの回りに集まる。

 

  スティーヴ「あいつ、前からシェイラに惚れてたんだ。」

  ビル「前から!?」

  ジョー「本当に?」

  スティーヴ「ああ。それがシェイラが綺麗になって、少し焦っていや

        がったからな。」

  ビリー「(シェイラに。)誘われた!?」

  シェイラ「(下を向いて首を振る。)」

  ビリー「よかった・・・」

  ビル「何がよかったんだよ!」

  ジョー「(横から割り込むように。)ねぇ、シェイラ!!たまには俺

      とデートしない!?」

  スティーヴ「おい!!何、割り込んでんだよ!!」

  ジェラルド「(シェイラの肩を抱いて。)矢張りここは大人の魅力

        で・・・」

  ビリー、ビル、ジョー、スティーヴ声を揃えて「課長!!」

 

         シェイラ、困ったような面持ちになる。

         そこへバーナード、硬い表情で上手より

         入って来る。

         シェイラを認め、歩み寄る。

         男子社員、バーナードに気付き、気まずい

         面持ちで、一寸シェイラから離れる。

 

  シェイラ「(バーナードを認め、嬉しそうに。)バーナード!」

  バーナード「(思わずシェイラの頬を叩く。)」

  シェイラ「(驚いて頬を押さえ、バーナードを見詰める。)・・・バー

       ナード・・・?」

  スティーヴ「(シェイラの肩を抱いて。)行き成り、何するんだよ!!

         」

 

         ビル、ビリー、ジョー口々に「本当だ!!」など。

 

  ジェラルド「(焦って。)・・・君・・・!!バーナード君!!何があった

        か知らないが、女性の美しい顔に手を上げるとは、なに

        ごとかね!!」

  バーナード「(誰の話しも、存在も気に入らないように、シェイラに

         向かって。)・・・見えていなかったなんて・・・嘘だった

         んだな・・・おまえは・・・俺を・・・裏切ったんだ!!」

  シェイラ「・・・バーナード・・・?」

 

         バーナード、シェイラから視線を捥ぎ取り、

         下手へ出て行く。

         シェイラ、頬を押さえて呆然とバーナード

         が出て行った方を見詰める。

 

  スティーヴ「大丈夫かい?」

  ビル「全く、何考えてるんだよ!!」

 

         シェイラ、下を向いて溢れる涙を拭う。

 

  ビリー「あ・・・泣くなよ・・・」

  ジョー「畜生、何て野郎だ!!」

  シェイラ「(呟くように。)バーナード・・・どうして・・・」

 

         音楽で暗転。

         

 

 

 

 

      ――――― “バーナード”8へつづく ―――――

 

 










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