Vol.258 螺旋 虫 [97BT99]

2005-03-25 03:35:57 | 日経新聞
 「第4世代携帯 日中韓、同じ周波数帯に 5面経済1」


日本、中国、韓国の政府は24日、2010年頃に実用化する第四世代携帯電話で
使用する周波数帯の帯域をそろえることで合意した。
世界最大の携帯電話需要国である中国を含め世界市場の約3割を占めるアジア三カ国が
共同歩調をとることで、技術使用も含めた世界標準化で主導権を確保する狙いがある。

自国と異なる周波数帯が世界標準になれば、国内向けと海外向けで
異なる部品を搭載する必要があり、携帯電話機メーカーのコスト負担が高まる。
日本が中国などと組んで取り決めた周波数帯や技術仕様が世界の標準になれば、日本の携帯電話機メーカーが
国内向けに開発した端末を世界に売り込んでいくことが容易になり、国際的な競争力を高められる。


(私見)

この文面から違和感を感じた人は少なくないはず。
私が感じた最大の違和感は中国メーカーの脅威です。

中国メーカーの飛躍を妨げる主たる要因の一つに特許料が考えられます。
他国の部品や技術を莫大な特許料と引き換えに使用しているのです。
携帯電話ひとつを生産するにあたっても、主要な部品のほとんどが輸入に頼っている現状から
中国における技術力の乏しさが読み取れます。
携帯電話において世界最大の市場を持つ中国にとって、
技術力は中国メーカーと外資系メーカーを隔てる大きな壁です。
標準規格が競争力に及ぼす影響は、中国で微々たるシェアしか持たない
日本の携帯電話メーカーが物語っています。

日中韓が共同の技術を使用するということは、技術優位を失うという側面も持っています。
とりわけ、日本や韓国にとっては中国が最大の市場であるとともに、最大の競合でもあります。
反日感情が根強い中国や韓国を舞台に、果たして日本のメーカーが競争力を発揮できるのか疑問です。
逆に、日本メーカーは中国や韓国からの日本本土への脅威にさらされる危険もあります。
韓国のサムスンは世界規模では松下を凌ぎ、中国の波導は中国市場で莫大なシェアを誇っています。

今回の記事からわかることは、日本のメーカーは今後より一層の競争を舞台に技術革新に追われることです。
ブランドではサムスン、地の利で中国メーカー、果たして日本の競争力は何になるんでしょうか。





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2005.03.14

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