長崎県美術館で4月7日まで開催中の
クリムト生誕150年記念の展覧会「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」を見てまいりました。
19世紀末から20世紀初頭にかけてウィーンを中心に活躍した画家・クリムト。
甘美、華麗、ときには官能的であるその作品スタイルが生まれるまでの流れと、
失意からの周囲の無理解と己の芸術で戦う姿を重ね合わせた作品である
「人生は戦いなり(黄金の騎士)」、
そして彼をとりまく仲間である「ウィーン分離派」の芸術家や工芸家たちの作品、
彼らの作った雑誌である『ヴェル・サクルム』、
そしてその分離派からも分離し、より工芸へと比重を高めた「ウィーン工房」の工芸品の数々に
この時代のヨーロッパに吹き荒れたジャポニズムブームを呼んだ
日本の蒔絵や鹿の子絞りなどの工芸技術・・・と
クリムトだけでなく、彼をとりまく芸術家/工芸家の作品も大量に展示されております。
学生時代のデッサンから、彼の人生の方向性を大きく変えた一件となった
ウィーン大学講堂の天井画(1945年に焼失)の実物大複製写真
(カラーで無いのが残念ですが・・・)
黄金の騎士に繋がる「ベートーヴェン・フリーズ」の壁画と
代表作である「接吻」以外のクリムトの作品が年代順に展示されているほか
クリムトが中心となった「分離派」のアーティストたちの作品
(中にはロダンの「歩く人」も!)や展覧会ポスター
(どれもデザイン性が高い作品です)も多く展示され、
19世紀末のオーストリアのアートシーンの最前線を体験できるような前半に対し、
クリムト自身の興味がより工芸のほうに傾いた後半では、
クリムト自身が愛用し、恋人にも贈った工房のハイセンスなジュエリー、
シンプルな中にセンスを感じる家具調度類など、
「生活を美しくするデザインの力」的なものを感じました。
あまりクリムトの作品にはぴんとこない状態で見に行ったんですが
19世紀末~20世紀初頭のオーストリア・・・
第一次大戦敗戦(クリムトの没年と同じ1918年のことです)を経て
ナチスドイツに併合され、第二次大戦後の分割占領の時代を経て
独立を回復したこの国の持っていた「文化の輝き」を象徴するような
芸術・工芸の数々は、見ていて楽しい展覧会でございましたし
「日々の生活を美しくすること」の大切さみたいなものが
うっすらと感じられたようにも思います。
次の企画展は「ラピュタ」「時かけ」の背景美術を手掛けた山本二三の展覧会。
こちらも楽しみでございます。
(でもその前に福岡で一件見に行くのよー)
クリムト生誕150年記念の展覧会「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」を見てまいりました。
19世紀末から20世紀初頭にかけてウィーンを中心に活躍した画家・クリムト。
甘美、華麗、ときには官能的であるその作品スタイルが生まれるまでの流れと、
失意からの周囲の無理解と己の芸術で戦う姿を重ね合わせた作品である
「人生は戦いなり(黄金の騎士)」、
そして彼をとりまく仲間である「ウィーン分離派」の芸術家や工芸家たちの作品、
彼らの作った雑誌である『ヴェル・サクルム』、
そしてその分離派からも分離し、より工芸へと比重を高めた「ウィーン工房」の工芸品の数々に
この時代のヨーロッパに吹き荒れたジャポニズムブームを呼んだ
日本の蒔絵や鹿の子絞りなどの工芸技術・・・と
クリムトだけでなく、彼をとりまく芸術家/工芸家の作品も大量に展示されております。
学生時代のデッサンから、彼の人生の方向性を大きく変えた一件となった
ウィーン大学講堂の天井画(1945年に焼失)の実物大複製写真
(カラーで無いのが残念ですが・・・)
黄金の騎士に繋がる「ベートーヴェン・フリーズ」の壁画と
代表作である「接吻」以外のクリムトの作品が年代順に展示されているほか
クリムトが中心となった「分離派」のアーティストたちの作品
(中にはロダンの「歩く人」も!)や展覧会ポスター
(どれもデザイン性が高い作品です)も多く展示され、
19世紀末のオーストリアのアートシーンの最前線を体験できるような前半に対し、
クリムト自身の興味がより工芸のほうに傾いた後半では、
クリムト自身が愛用し、恋人にも贈った工房のハイセンスなジュエリー、
シンプルな中にセンスを感じる家具調度類など、
「生活を美しくするデザインの力」的なものを感じました。
あまりクリムトの作品にはぴんとこない状態で見に行ったんですが
19世紀末~20世紀初頭のオーストリア・・・
第一次大戦敗戦(クリムトの没年と同じ1918年のことです)を経て
ナチスドイツに併合され、第二次大戦後の分割占領の時代を経て
独立を回復したこの国の持っていた「文化の輝き」を象徴するような
芸術・工芸の数々は、見ていて楽しい展覧会でございましたし
「日々の生活を美しくすること」の大切さみたいなものが
うっすらと感じられたようにも思います。
次の企画展は「ラピュタ」「時かけ」の背景美術を手掛けた山本二三の展覧会。
こちらも楽しみでございます。
(でもその前に福岡で一件見に行くのよー)