樵(きこり)の日記

福岡県の奥八女に棲む一人の樵が、田舎から発信する「自分発行き先不明」の情報切符。

環境少女「グレタ」

2019年09月26日 | Weblog

ここ最近、地球環境の保全活動に熱心なグレタという16歳の少女が国連でスピーチを行い、注目が集まっている。一人で始まった彼女の活動は世界中の若者を中心に伝播し、各地で温暖化対策の急務を訴えるデモが行われていると聞く。

でもどうなんだろう。
言ってることは解る。そのために世界中の研究者や政治家、民間の活動家達がどうやったら地球環境を守れるか、実際に活動しているし目標を立ててやっているのだ。そういった面を知らずに、ただただ騒いでいるのであれば、彼女の活動は至って狭い視野で物事を見ているとしか思えない。

彼女の主張は反対側からの視点だけを印象的かつ感情的な言葉で訴えているに過ぎず、ある意味危険だ。また彼女を担ぎ上げ利用する環境団体も少なからずいるはずで、国際社会に対し、良くも悪くも影響を及ぼしかねない。

ボクから見れば、彼女の活動の特徴はワン・イシュー。

実はこれほど怖いものは無い。
かつてナチスがやった扇動もこれに近い。一つの極端な主張を声高に訴えて周りの人々が扇動されていくのを見ると、恐怖でしか無い。デモは民衆が自分達の主張を訴えるための一つの手段だ。だがその中には必ず雑多な輩が入り込んで何の為の集まりなのか解らなくなってしまう。

どうみても彼女の主張は環境を破壊する経済=悪と決めつけているフシがある。
しかしその経済で生み出された富によって困窮する人々を救ったり、病気を治す施設が出来たりしているのも事実だ。彼女の言う環境保全活動だって寄付金によって賄われたりしているという現実を見るべきではないか。

彼女の主張を頭ごなしに批判するつもりは毛頭無いし、高い志に拍手を送りたいとも思う。環境問題に取り組む現場から離れた所に居る彼女にしてみれば、遅々として進まない(ように見える)世界はもどかしく感じていることも理解できる。しかし彼女が言う理想のために多くの人々が国際的枠組みを構築し、協力し合っている事も分かって欲しい。

確かに彼女にしてみれば、これほど環境破壊につながる社会を造った大人達への不信感はあるだろう。だが彼女が国連でスピーチすることが望ましい一石であるかどうかは…疑問だ。地球温暖化対策の救世主であるかのようなマスコミの取り上げ方をみると、こんな小さな少女をシンボル化しないで欲しいし、かわいそうだ。

ただし、「無邪気な子供の主張」と片付けるつもりはない。
みんなで地球環境を守っていくという思いはこれからも持ち続けたいし、一歩ずつでもその方向で進むよう願っている。今回のスピーチを肯定的に捉えるならば、まぁ誰かがインパクトのあるコトしないと物事ってなかなか進まないから、その意味では有意義だったかもしれないな。

追伸

彼女に関連して小泉環境大臣がやたらと叩かれているが、軽々しい発言が許されない立場の人間に向かって「それはないだろう」と思う。マスコミは大臣の失言を狙って質問してるって事に、何故気がつかないのだろう。


原発汚染水問題を考える

2019年09月22日 | 社会の出来事

小泉環境大臣で俄にクローズアップされた「福島原発汚染水問題」。
2023年には東電敷地内が満杯になる事が確実視される中、どういった対応がなされるのか注目が集まっている。

そもそも問題にとなっている「汚染水」とはいかなるものか。海外の原発では汚染水の海洋放出は一般的というニュースも聞くが。

原子力に全く知識の無いボクが報道で知り得たレベルでは、汚染水を浄化する「ALPS」という機械を使って放射性物質を可能な限り除去したものが貯水タンクに貯まった汚染水であり、その中には取り切れなかった「トリチウム」が残され「汚染水=トリチウム水」というのが国や東電の説明だ。
しかもこのトリチウムは半減期が12年、体内に摂取されたとしても普通の水と同じように排出されるので、「遺伝子を破壊する悪魔の放射能」という定説は間違っていると言う。
つまり、それほど影響の少ない放射性物質であるトリチウムならば海洋放出しても問題は無いと結論付けて汚染水を処理しようと昨年から公聴会や広報などで議論されてきた。

ところが、だ。
2018年8月に「河北新報」(宮城県仙台市)、トリチウム以外の放射性物質が検出されたと報じたのだ。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201808/20180823_63005.html

これが深刻なのは単なるフェイクニュースでは無いところ。
この結果は原子力規制庁も実態を把握してるというのだから、当然政府にも報告は上がっているハズだ。その事実を知りながら汚染水を放出するという結論ありきの公聴会を開いていたのであれば…

これは由々しき事態だ。
いくら安部政権に寛容なボクであっても、被災地を騙すような行為は容認できない。
今国民は放射能に対する過剰なまでの反応を示す。またそれを野党や政治団体が政治イシューにして政権を揺るがそうとしている。全く情けない状況だ。

この放射能問題は与野党関係無く取り組んでいかなければいけない、国としての大きな課題だ。思想信条や政治スタンスの違い、選挙での勝ち負け等というくだらないものを別にして、国民の英知を結集し、一刻も速い被災地福島の再生に繋げていかねばならない。

もういい加減しっかりした対応をやって欲しい。
利権や政争の具にしないで、次世代に対し責任ある行動をとって欲しい。
できれば超党派で国会の委員会を立ち上げ、党派を離れたカタチで専門家を交えて対応策を練って欲しい。もう…国会で不毛な議論に時間を費やすのでは無くやらなければいけないことを粛々と進めていってくれ。

ホントに頼むよ…。


チェンソーでの看板作り

2019年09月13日 | チェンソーカービング

厄介な注文が入ってきた。

日頃からお世話になっている業者さんからの依頼なんだが、普段ボクが作っているサイズとは違い、キッチリサイズ指定がされてる。長さ2200mm、幅300mm、厚さ40mm。さて、ほとんど板のサイズだが、製材所に問い合わせたらそんなサイズは特注になるから値段も割高になるとの返事。

いろいろ考えるよりもこっちで作った方が早いと思い、丸太から板を作るコトに(笑)

粗挽きした板をとりあえず80mm程度に挽き、とにかく一面を平面に仕上げる。

木裏の部分を仕上げて、いよいよ50mmの厚さに整える。

耳(両端の丸みの部分)を落として寸法を整え、いよいよ文字の下書きへ。

文字の部分を残して40mmに削る。
若干、左右の余白が均一にならなかったのが心残りだが、フリーハンドなんだからしょうがない(笑) この後ペイントして防腐剤のクリアで仕上げるんだけど、まだ水分が抜けきっていないので、このまま自然乾燥ですね。

板看板を1本の木で作るには、まぁ最大幅400~500mmが限界かな。
もっと広い看板を作るには貼り合わせで無いとムリ。

一度は挑戦してみたいけど…今のところ需要は無い(笑)