「金メダルしか要らない」
そう誓ってオリンピックに臨んだ星野ジャパンだったが、準決勝で韓国に2-6で敗れ、3位決定戦にまわることになった。
まずは、韓国、決勝進出おめでとうと言いたい。決勝ではあの強いキューバから是非とも勝利をもぎ取って、金メダルを取って欲しいと心からエールを送る。
日本国内には、まだ韓国の強さを肯定的に見る人は意外と少ない気がする。それは選手のコメントややマスコミの取り上げ方を見れば容易に分かる。野球の歴史が日本と違う、というのがその大きな理由のようだが、先に行われたWBCにしても今回の大会にしても、韓国が日本の野球と肩を並べた、いや、それ以上の強さを身につけた事は、結果が全てを証明してると、僕は思う。
確かに日本チームは合宿の期間が短かったとか様々な理由はあるだろうが、それはどこも一緒だと思う。競技に向かう選手達のコンディショニングの難しさは、かの劉翔や野口みずきを見れば分かる。しかし大会があり、そこで試合をするという一点に置いては、皆条件は一緒。そこで結果を出せるか出せないか。そこにどんな言い訳も通用しない。
僕は素直に韓国代表チームの強さを評価し、金メダルに向けて頑張って欲しいと思う。マスコミ的には「宿敵」とか「永遠のライバル」とか言って煽っているけど、へんな意味でなくアジアの「好敵手」としてお互いに切磋琢磨して行ければ良いと思う。良いライバルがいて自分達も強くなれる。戦い終わったとき、お互いを讃え合えるような良好なライバル関係を、僕は望んでいる。
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以下は個人的に思った星野ジャパンについて。
日本代表チームにとって、川崎(ホークス)が五輪全体を通じて出場できなかったのは・・・案外痛かったのでは無いだろうか。チームのムードメーカーでもある彼の存在は、心理的に意外と大きかったのでは・・と思う。もちろん中島選手(ライオンズ)の力が劣っているというつもりは毛頭ない。しかし、WBCなどで修羅場をくぐってきた彼の国際大会での経験は、目に見えないところで宮本(ヤクルト)同様、選手達から一目置かれていたように思う。
星野監督の采配にも、多少疑問が残る。イ・スンヨプとの対戦で、シーズンで顔を合わせている岩瀬よりもパ・リーグ出身の和田あたりをワンポイントで持っていく方が同じ左でも良かったように思えるのだが・・・。確かに和田は次の先発予定ではあったが、負けてしまっては何もならない。大野投手コーチがどのような考えを持っていたか定かではないが、結果論として岩瀬は失敗だったと僕は思う。ただ岩瀬には星野監督自身が絶対的な信頼を寄せており、それで打たれたんだから・・監督自身は納得出来るんじゃないかな。
日本の守備にもほころびが出て、これは想定外だったかも知れない。振り返ると、あのエラーは大きかった。野球は不思議と四球・失策によって流れが大きく変わってしまう。ここ一番の大事な場面でのミスは命取りになる国際大会の厳しさを、G.G.佐藤は身をもって知ったかも知れない。打てない事で佐藤の心理状態は決して良くはなかった。個人的に同情するが、結果だけを見れば致命的なミスだった。「打てば文句ねぇだろ」という、西武ライオンズの態度では世界に通じない。彼にとっては辛い五輪だったかも知れないが、貴重な経験を積んだことは間違いないだろう。
まあとにかく、日本は点が取れなかった。
のんきな田淵打撃コーチが
「良い投手にあたれば、そうそう点は取れない」
と言ってたそうだが、国を代表して来た投手に悪い投手など居るはずがない(笑) そもそも最初から認識が間違っているとしか言いようがないと思うけど。「つなぐ野球」を標榜しながら、それが出来なかった日本チーム。意外と田淵を打撃コーチに置いた事が間違いだったりして(笑) 確かに星野監督と田淵コーチ・山本コーチは気心知れた仲かもしれないが、勝利を目指す厳しい戦いに仲良しグループは要らなかったと思うのだ。そこに唯一、星野監督の脇の甘さを感じてしまう。
冒頭の文句が適わなくなった星野ジャパンにとって、3位決定戦にかける想いは相当なものがあると思う。ただ・・・、自分達らしく精一杯プレーして欲しい。どの競技だって最高の結果を出せるように頑張っても、そうはいかないのが現実だ。ただ全員がプロである野球日本代表に、プロの名に恥じないプレーを魅せて欲しい。
ガンバレ!! ニッポン!!