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好事家の世迷言。(初代)

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調べたがり屋の生存報告です。

事件173『赤と黒のクラッシュ(その3)』(第57・58巻)考察。

2013-03-03 | 『名探偵コナン』原作考察
この事件で、ようやく「キール編」の終幕が始まる。
『組織の手が届く瞬間』以降に張られた伏線が、怒濤の勢いで回収されていく。

話の規模はFBIどころか、とうとうCIAまでに拡大
その渦中に出てくる人々が、誰も彼もがトンデモナイ。

例えば本堂瑛祐は、独力でキールや父親の行方を突き止めたり。
なお、コナンがソレを調べる際、患者の守秘義務を破る看護師が悩ましい。
こうでもしないと、トリックの伏線を張れないのは分かるが。

それからキールは、昏睡から目覚めていながら医師の診断まで欺いたり。
コレをアンフェアな描写と見るか、キールが凄いと見るか、意見は大きく分かれるだろう。

そして何より、ジョディ達FBIの捜査に、当たり前のように加わるコナンがシュール過ぎ。
この作品を途中から読んでる人なら、
FBIは「コナン=新一」を知った上で話していると解釈する事請け合いだろう。

しかし、加わる方も加わる方だが、加える方も加える方だ。
ミステリでは往々にして、警察は愚鈍に描かれるものだが、
まさかFBIまでそういう軽い扱いに落ちるとは恐ろしい。

なお、メインとなるのは組織員の特定。
成功したと思ったら、またもアッサリ死なれて終わる。
実は、『満月の夜の二元ミステリー』のカルバドスに続いて二度目の失態なんである。
どうにも後味が悪いまま、更に物語はトンデモナイ方向へ、続く。

それでは。また次回。