『アルバイト探偵(アイ)』(by大沢在昌)、読了。
全4話の連作短編集。
男子高校2年生男子の冴木隆(さいき りゅう)が、
私立探偵の父親・涼介の依頼を手伝い、または代行する物語。
彼らの住んでるアパートの名前が「サンタテレサ」だったり、
喫茶店の名前が「麻呂宇(マロウ)」だったり、
分かる人にはニヤリとする小ネタが散りばめられてる。
因みに初出は1986年、つまり昭和61年。
今から約30年の隔たりがあるわけだが、
それにしたって、この隆の奔放さには目を丸くした私。
酒も煙草も単車も女も難なくこなすハイスペック。
昔の自分だったら眉をひそめただろう描写もしばしばあった(苦笑)。
私が驚かされたのは、大沢氏の文章の多彩さである。
書かれた時代を差し引いても、
『新宿鮫』や『俺はエージェント』と全く違う。
今後は涼介の過去と、隆の生い立ちが少しずつ明かされていくのかな。
時間をかけて読み進めていきたい。
それでは。また次回。