好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

昭和の物語は現代へ通ず。

2019-08-07 | 物語全般

『おれに関する噂』(by筒井康隆)、読了。

昭和49年作。全11話の短編集。

表題の作品は、比較的有名だろう。
「日本中のマスコミが自分について報道している」。
当時でも現在でも、妄想の典型的症状の一つとされるが、
この作品では、それが実際に起こっているという異常事態。
主人公以外の医療関係者の方が現実を認められずに狂う流れには、
真っ黒な笑いが満ちている

『心臓に悪い』も、精神的病理がテーマ。
今で言うパニック障害を当時、既に書いている事に恐れ入る。

『幸福の限界』は、書かれた当時の時代性を痛烈に感じる。
昭和50年代くらいまでは、レジャーと言えばまず海だった印象。
21世紀のソシャゲレベルで全員が海水浴行ってた。

『講演旅行』の序盤には、にやにやしてしまった。
作品にかこつけて、奥さんにのろけまくる筒井さん、可愛いです(笑)。

それでは。また次回。