炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

格付け AAA.最優良証券として売り出された 「 サブ プライムローン証券 」

2008-07-29 | 人災社会学!
 サブプライムローン問題のあおりで、アメリカの大手金融機関が、兆や数千億単位の損失を被ったことが、報じられている。サブプライムローンとは、いったい何だったのか? その意味を考えます.

 アメリカの不良債務者の住宅ローンを、証券として売ったことに事の発端があったのですが、いったいなぜ、不良債権者のローンが、証券として、億や兆単位で売れたのでしょうか? 既に別のローンで、返済が滞りぎみの人たちが、高い金利の住宅ローンを払えると思ったのでしょうか.
この点が、「サブプライムローン」問題で、一番の謎です。

 雑誌 『 経済 』 8月 特集 金融投機化への対抗号 には、この点、分かりやすく図で解説してありました。 銀行やローン会社が住宅ローンを貸し付けた相手の多くは、信用度不適格を示す、格付けBBクラス以下の層、つまり、お金を貸しても返せない人々でした。「サブ プライム層」、つまり安全水準以下の人々でした。こうした人たちが借りたローンを証券化して、なぜ、数千億、兆の単位でそれを、投資家に売ることができたのでしょうか?

 ローン返済能力の危うい人々に、住宅ローンを貸し付けた、末端の銀行やローン会社は、別の大手巨大金融機関にそのローンを売却し、買い受けた大手金融機関が、それを高利回りの証券として販売したのでした。
 世の中のお金を持っている人々は、より高利回りで安全な金融商品を探しています。 サブ プライム層(安全水準未満の層)の住宅ローンを引き受けたこれらの大手金融機関は、これらの証券を主に、AAAクラスとして「再格付け」し直して、安全高利回りな「 プライム証券 」として、投資家へ販売したのです。
証券の格付けのAAAは、最上級の安全で優良な格付けを意味します.顧客は、大手金融機関の看板と、最上級の格付けを信用して、これらのインチキ債券を、購入してしまったのでしょう.

 こうした偽証券を販売した大手金融機関側は、近い将来、住宅ローンの借り手が、支払いに行き詰まる事を、充分承知していますから、その不良住宅ローンを肩代わりしても余りある高い金額に、額面を水増しして、投資家に証券を売りつけたため、被害金額が、兆単位に膨らんだ模様です。
 
 返済の見込みの危ない貧しい人々に高利でお金を貸して、お金をむしり取り、さらに、それを最上級安全で、高利回りな証券として、裕福な顧客に売り付けたのですから、二重の証券詐欺です。現在のアメリカの主要産業である、大手金融業界の実態は、そんなインチキ大企業集団と見て良さそうで、ハゲタカとか、ハイエナ呼ばわりされる所以です。

 そうした業界が、その損を取り戻そうと、次にやり始めたのが、今の穀物、石油、金属バブルです.実際の取引量の二十倍と言われる、紙の上の取引で価格をつり上げ、消費者からお金を巻き上げる手法で、貧しい国々では、多くの餓死者を出し、裕福な国々でさえ弊害を招いていることは、みなさんご存知のとうりです。悪徳金融投機の暴走、いったいどこまで進むのでしょうか.


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。