炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

夏の戦争ドラマの感想 / 水木しげる  「鬼太郎が見た玉砕」

2007-08-26 | 休憩室
 夏恒例の戦争ドラマ、今年は力作が多かった。特に、水木しげるの「鬼太郎が見た玉砕」は、戦争の無意味さを、実に際立って表現していたように思う。

 上官の体裁のために、大軍相手に突撃、即ち無駄死を命ぜられる中隊の指揮官と兵士の憤りをリアルに表現して、ドラマを見る側にも、そのやるせなさや憤激が強く伝わってきた。その中隊数十人中、ただ一人生き残った水木しげるが、その後、妖怪ものを書くようになった経緯が、よく飲み込める内容でもあった。

 最近の日本映画のトレンドは、硫黄島玉砕もの、戦艦大和もの、人間魚雷回天ものなど特攻と玉砕ものが多い。これが現政権の目指す「美しい国」を示すものなのであらふか。
美しい南国の島々に散った水木さんの戦友や遺族は、これを美しいと思っているのだろうか。この作品は、戦争の本質を衝くじつに簡潔な秀作であると思う。
「 鬼太郎が見た玉砕」の事実は、妖怪を含むアニメーションを合成した映画にして、世界の人々にその実態を知ってほしいものだと思った。再々放送を望む。

NHK 鬼太郎が見た玉砕  ホームペイジ

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2 コメント

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o_sole_mioさん、お返事おくれました。 (U-3)
2007-09-08 13:22:37
o_sole_mioさん、コメントありがとうございます。
PCが故障して、村のハコモノからの送信です。
お返事遅くなりまして、たいへん申し訳ありません。

 戦争末期の日本軍の「作戦」はめちゃくちゃなものが多く、要するに特攻、玉砕が「 美 」とされました。
こうした作戦を計画、遂行する人たちは、国民から見ると化け物、妖怪、怪物以上に恐ろしい存在ですね。
「妖怪より恐ろしい」というご指摘、本当に的を射た表現と思います。

今も、経済がおかしくなった国が、あちこちで作戦を繰り広げていますが、本当に恐ろしきは、狂った資本家や政治家ですね。自分の失態を、戦争でごまかそうという人間、本当に奇怪です!!
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妖怪より怖いのは人間 (o_sole_mio)
2007-09-01 00:07:08
こんばんは、ご無沙汰しています。

私も水木しげるさんの戦争体験のドラマは見ました。
南方戦線の戦死者は、かなりの割合で餓死したと言われており、戦場での食料不足は現実にはこのドラマよりも悲惨だったのではないかと思います。

戦場で飢餓やマラリアなどでバタバタと兵隊が亡くなっていく惨状はまさに生き地獄でしたでしょうし、水木さんはその中で対峙している米軍や自分達を戦場に送り込んだ上官や時の政府など、人間より怖いものはないと思ったのではないでしょうか。
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