炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

大場秀章 『 バラの誕生 』 中公新書 1997 を読む

2010-05-05 | 休憩室
 園芸好きの私は、大場秀章 『 バラの誕生 』 中公新書 1997年 の前書きに、感動的な一節を見つけた。

「.... このように、園芸は一種の芸術工学とも言うべき性格をもつものなのである。
これまでも類書があるバラについて今回新たに本書を書くことを決意した背景には、バラの園芸化の歴史こそは、科学と芸術の融合の歴史であり、そこに、科学と芸術の一つのあり方を見てとることができるのではないか、という期待があった。」


 最近のバラは、色彩が素晴らしく、花の形もどことなく、東洋的で、香りも優れ、病気にも強いものが増えています。 まさに、芸術と科学の融合した分野と言えるかもしれません.

 一方、最近の日本の社会は、経済の衰退期を向かえ、欧米並みか、それを凌ぐ社会病理の巣と化してしまいました。 せめて、庶民は花でも愛でて、静かに暮らそうというのが、心情です。
 大場秀章は、次のように、本書を締めくくっています。

 「ある植物の園芸化を発達させるのは、必要な技術の獲得が第一であるが、いくら技術的裏付けがあっても園芸化は進展しない。これから人類が直面するであろう未知との遭遇の場面に、バラを位置付けること、それにバラの将来がかかっている。」


 私たちの社会は、すでに未知なる頽廃、腐敗した社会に到達しています。他国に戦争を仕掛け、それにより、辛うじて経済をつないで来たアメリカ。 そのアメリカに工業製品を売って、何とか経済を繋いできた日本。。...
 
 香りを嗅いだだけで、人々を正気に戻すバラが、出来たら日本やアメリカも、没落を免れるかな。。。。


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