幸せについての考察 【桐棺三寸】

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JRの特急列車内における強姦事件について

2007-05-13 | 日記 Ⅰ
「40人の人が何もしなかった」ということを、どう見たらいいのでしょうか。
「そんなに人がいたのに何もしなかったとは…」という見解がほとんどだと思います。

しかしこれを、「世の中の人たちのサンプル」として捕らえることはできないでしょうか。
ちょうど、視聴率調査のようなものです。
たまたま現場に居合わせた40人が、特別な人だったということではないと思います。
言ってみればそれは、それが世の中の人たちの姿を表しているというものです。

この事件について、どんなメディア、どんな人の意見を聞いても、「周りの乗客が行動を起こさなかったのはけしからん」というような主張となります。
しかし世の中、それほど「行動」を起こせる人たちばかりなら、少なくとも40人のうちの1人でも、行動を起こせていたはずではないでしょうか。

もちろん、メディアで「怖くてできませんよ」などということが言えないということはよくわかります。
ただ、こうしたキレイゴトばかり並べても、実際の解決策にはほど遠いように思えてなりません。

私が現場に居合わせたら…。
恥を承知で本音を言えば、行動を起こしたであろう自信はありません。

おそらく「どうしたらいいんだろう」ということばかり考え、悩み、冷静な対処など頭に浮かばなかったことでしょう。

或いは、「今から警察や乗務員に知らせてもどうにもならないだろう」などと考えたかもしれません。

また、仮に乗務員に報告したとしても、それにより乗務員が適切な対処ができたという保証はどこにもない。
報告後、被害に遭った女性や乗務員がどんなにひどい状況になったとしても、「俺は義務を果たしたんだからもういいんだ」とは、安心してはいられないと思います。

そして、激しい自己嫌悪にさいなまれ、自宅に帰ったかもしれません。

当日の40人の方々も、おそらくこれに近い状況だったのではないでしょうか。
この世の中は、世間で言われているような行動を起こすことのできる、勇気のある冷静沈着な立派な人ばかりではありません。

被害に遭われた女性の方には、本当にお気の毒です。
この不幸な出来事を今後の教訓として活かし、自分が目撃者になったら、被害者になりそうになったら、どのように行動するべきなのかよく考えておきたいものです。

鉄道会社なども、既に行われてはいるのでしょうが、こうしたトラブルに対する乗務員の対処方法の教育を施すと共に、乗客にも「このような時はこうして下さい」という旨の表示を明確にしておくべきかと考えます。


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コメント (2)
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