Renaissancejapan

哲学と宗教、財閥、国際政治、金融、科学技術、心霊現象など幅広いジャンルについて投稿しています

ロスチャイルド財閥ー244 ロスチャイルドの平和工作

2023-11-07 11:14:41 | 国際政治・財閥

 

 

ロスチャイルド財閥ー243 放たれた五本の矢
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/3031557341f3c3a374dadfbb3e6ff2eb

からの続き

 

 

後世の、国際政治・研究者の多くは、ロスチャイルドの5極体制が確立された1820年代に国際金融の世界でのロスチャイルド家の支配権が確立されたと見ています。

それはヨーロッパの政治家たちの観察するところでもありました。

初代マイヤー亡き後、一族の指導者となったんがロンドン家・三男のネイサンです。 彼はよく「ヨーロッパ金融市場の支配者」と新聞にかかれましたが、その力をイングランド銀行相手に示しています。

 

ネイサン・ロスチャイルド(ロンドン家)

あるとき、イングランド銀行が長男アムシェルの小切手の受け取りを拒否すると、ネイサンは「ロスチャイルド家の小切手は誰のものであれ個人的なものではない」と怒り、仕返しに同銀行から連日。秘書らを動員して膨大な金額の金貨を次々と引き出して銀行の金準備高を急減させました。

恐れをなしたイングランド銀行側は折れて、ロスチャイルド5兄弟の小切手については現金化に応じることを決めるにの至りました。

 

 

ジェームズ・ロスチャイルド(パリ家)

一方、パリの5男ジェームズは相次ぐ政変を乗り切る才覚があり、時にはネイサンと組み、ときには単独でヨーロパ中の国々を相手に膨大な起債を行いました。

復古ブルボン王朝ではシャルル10世と手を握っていたのに、7月買う名の直後には、ルイ・フィリップ新国王と肩を組むという鮮やかな泳ぎブルを見せました。

ジェームズは商才にも丈けて、資産も増やしそのうちロンドン家を上回るのではないかと噂されました。

後にジェームズは鉄道事業に参入し大成功を収めロスチャイルド家のリーダー(ロスチャルド家当主)となっています。

 

 

サロモン・ロスチャイルド(ウィーン家)

ウィーンの二男サロモンは、1825年の恐慌で競争相手の老舗銀行が破産して経営者がドナウ川に身を投げる状況の中で、オーストリアでの独占的な立場を着々と固めていました。

そのため、宰相メッテルニヒらに賄賂さながらの有利な融資をして食い込んでいました。風当たりは当然のことながら強烈で、投身した銀行経営者はその遺書に、ロスチャイルド家を重用したメッテルニヒへの恨みを書き綴っていたと言われています。

ともあれ天下のハプスブルグ家の金庫番となれば、いやがおうにも政治に関わることになります。ウィーン体制の中心であるオーストリアの影響力を背景にサロモンはイタリア諸侯やプロシアのために大々的な起債を行い、これまた急速に業績を上げました。

 

 

 

アムシェル・ロスチャイルド(フランクフルト家)とカール・ロスチャイルド(ナポリ家)

フランクフルトの長男アムシェル、ナポリの四男カールも競争相手を圧倒して、ロスチャイルド帝国を拡げていきましたが、次第に問題も噴出してきます。 

それは5人の兄弟が密着している肝心の国家がそれぞれ利害異にして争う意を始めたからです。 グローバルに、国境を越えて繁栄しようとするロスチャイルド家の利益は、国家という鎧を付けてその目

追求する主権国家の利益とは必ずしも一致しません。その矛盾が表面化したのです。

 

 

 

平和を望むロスチャイル家の金融による平和工作

一族が扱う国債などの公債は、その国の安定した繁栄将来の見通しがなければ、たちまち価格が下がり、購入者はもちろん、公債を発行して一部を留保している銀行も 大損する性格のものです。

ナポレオン戦争で、イギリスに賭けて財を成したロスチャイルド家ではありますが、ヨーロッパ規模で事業を展開するようになってからは、相場が崩れる戦争はマイナスであり、なんとしても回避させねばなりません。

一族は心底、平和を望みました。 

 

 

 

5兄弟の連携でフランス革命後の戦争阻止に成功

深刻な危機はまず1830年、フランスの七月革命の直後に訪れました。共和制を求める市民や学生たちがシャルル10世のブルボン王朝を倒して、ルイ・フィリップ王の立憲王政を樹立した政変です。

パリの騒乱はたちまちブリュッセルやフランクフルトなどヨーロッパ各地に波及し、ベルギーではオラニエ王朝が倒されて革命が成り、オランダからの独立を宣言しました。

これに勢いづいた民衆は、ポーランドやイタリア、イベリア半島でも反政府の行動に出るようになり、絶対王政のオーストリアやロシア、プロシアは武力鎮圧の必要を覚えました。

 

特にメッテルニヒのオーストリアは。これをウィーン体制への重大な挑戦と見て、っフランスとベルギーに軍事干渉行動にでることを決意しますが、いつの時代も先立つものはお金です。

そして大部隊を遠征させるその戦費は巨額で、ユダヤ系金融財閥・ロスチャイルド家くらいしか調達できるものではありませんでした。

 

【世界権力シリーズ】 ベネチアの黒い貴族 デル・バンコ一族
https://www.youtube.com/watch?v=KI38_9MqJvo

ロスチャイルド財閥ー85 ヴェネチアの黒い貴族: 人類史絶対勝者のルーツhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ee17d9c2af99e8fb646a1c44d6e8e129

 

ここでロスチャイルド家の、スピードにあふれる情報ネットワークがフルに動き出します。すでに戦乱を予想して各国の公債相場は暴落の兆しをみせています。

実際に戦争が始まれば、ロスチャイルド銀行は致命傷を負いかねません。 5兄弟、特にウィーン家のサロモントパリノジェームズ、ロンドンのネイサンはそれぞれの国の中枢の動きを逐一情報交換し合いながら、先手先手と戦争の阻止に動きだしました。

戦争の費用はどこの国にもビタ一文出さない。・・・

このとことは、兄弟の一致した申し合わせですが、それだけでは事はおさまりそうにありません。 サロモンとジェームズの暗号の手紙を積んだ、同家の二重底の馬車がウィーンとパリを全速力で往復しました。

 

「オーストリアがフランスに干渉すれば、民衆はもっと激高して王政を倒し共和制を樹立するだろう。 そぬばれば困るのはハプスブルグ家のほうではないか、とメッテルニヒを説得してほしい」

「メッテルニヒを説得するには、革命で実権を握ったルイ・フィリップ王側の何らかの譲歩が必要だ。 フランスが各国の革命勢力を絶対に支援しないという約束を取りつけてくれ」

 

戦争か平和か・・・暗号書簡の往復を受けて、歴史の行方にかかわる交渉がサロモンとメッテルニヒ、ジェームズとルイ・フィリップの間でひざ詰めで行われました。

オーストリアやフランスの大使などそっちぬけです。 一族はそれだけの親密な関係を築いていました。 ロスチャイルド家の信用がそれほど大きかったとも言えます。



革命の内情をいえば、裕福なブルジョアジーを後ろ盾とするルイ・フィリップ自身、1789年の大革命のときのようなフランス民衆のエネルギーの暴発を恐れていました。 

そして、メッテルニヒに干渉戦争を思い止まってもらいたいと願っていたために、事はロスチャイルドの思い通りに運び、メッテルニヒを思い止まらせることが出来ました。

もちろん7月革命の余波はくすぶり続けていて、絶対王政の諸国は、せめてベルギーにだけは干渉したいと考えていました。 しかし、これもロスチャイルド家が遠征費のための軍事公債の起債を拒絶したことから、どこの国も身動きが取れなかったのです。

 

かくして、ロスチャイルド家の平和工作は、見事に成功しました。 その後、7月革命で失脚、亡命したブルボン家のシャルル10世が、ロシアのツアーに泣きついて、フランスに武力干渉させようと執拗に働きかけたときも、ロシアを金縛りにして戦争を阻止することに成功しています。

ロスチャイルド家の金融力は、ついにヨーロッパの歴史をを動かすに至ったのです。 その頃、5兄弟の母・グレーテは、フランクフルトの本家に健在で、戦争を心配する近所のの婦人から尋ねられると、昂然とした口ぶりで、 

「とんでもない。うちの息子たちは戦争などさせませんよ」と答えたと言います。

 

平和が維持されたことによて同家発行の各種公債は再び価格を回復し、5兄弟が一段と大掛かりな融資活動を再開したことはいうまでもありません。

ロンドンのネイサンの事業は独立アメリカにまで及んで、rスチャイルド金融帝国の範囲はヨーロッパから新大陸にまで広がっていきました。

 

(関連情報)

・ロスチャイルド財閥ー9 ウィーン体制
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/bdb88089d7be05f04ad603f308e78bfd

・ロスチャイルド財閥ー11 合衆国銀行
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/298ff70e5599f850b9160c392cb774a7

 

・秘密結社イルミナティと啓蒙思想、そしてフリーメーソン
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/99379628d151606e0abd60929462d284

・イタリア統一運動とイルミナティ、そしてアルバート・パイクの世界統一思想
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e83fd662e0eaf27127efa1b25eb6b1aa

・西欧神秘主義とフリーメーソン 西欧文明に流れる始原(アルケー)への夢
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/158c1b959ffd61936a06920ddc8333e1

・薔薇十字団 ( ばらじゅうじだん 、 ( 独: Rosenkreuzer、ローゼンクロイツァー)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d973d086bbbbf9188a6472b89a36500b

・近代自然科学を先取りした薔薇十字運動
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1ca9ffd964a9ef28339578d0bf78dc34

・スカル&ボーンズ(米国版イルミナティ)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/838b2645668bec299e52924811ee39ca

・フリーメーソンと「百科事典」
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/24c8f895f413e807ff12894e9d467381

・植民地アメリカ合衆国とフリーメーソン
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ae9b85808ea46414d369b35ad5864a63

・独立戦争の立役者となったフリーメーソンたち
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/fce4b740b3a0d249bbcb2f323b6b0afc

・トマス・ペインとフリーメーソン精神
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/00adc1545e7bbb1b0444977ea6f806ec

・「独立宣言」が宣言した18世紀西欧の終結と「近代」の開幕
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/538d820399620488ae23e60c1742656a

・フリメーソン、フランクリンと科学技術
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2693c1548cdce48241e8132e71539801

・フランクリンの「フリ-メーソン外交」 アメリカ=フランス同盟条約
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/77f65a1d787e4261d239aade21748c72

・ワシントン 初代大統領就任 そしてホワイトハウス
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/8077e3e2a43ab86755e9d01e38f4d81b

・ワシントンのオベリスク と ニューヨーク自由の女神像
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b3db089cb5537d5675667e4793657259

・アメリカ合衆国の国璽(こくじ)とフリーメーソン
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6949f0fd37ab5891de4e5f52067bf336

・13人のフリーメーソン・アメリカ大統領
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/06baa9328f5c2ad107dadf41d950733f

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

哲学・宗教・思想 ここまでの投稿記事一覧
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7da98797504886d8b9eaa2e5936655e6

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (1/3)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1f87a836a42cfdcf5bc18c8a5e212fe5

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (2/3)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/40a30f12de3651f13810a90405370238

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (3/3)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/47e334f8ba710639aefdcc8d7824f9fa

ロスチャイルド財閥-163  ロスチャイルド財閥について今まで投稿してきた記事一覧https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/fedeabe97fbe342e880f7195d00dabec

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

世界の財閥 ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/14d30c37bfae00d834c78d49da070029

日本の財閥 ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6958fc72746302160416dd6dad039f68

ゴールドマン・サックス ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0b4c5b8ba383a38e0af1df7b1a477ea3

Black Rock ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/93ef8de49c1ff9039ce7446f1f3fb0e8

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。