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トーマス・グラバー 第一章 トーマス十二歳、生まれ故郷を後へ アヘン戦争で飛躍したJM商会

2024-07-05 22:57:59 | 秘密結社 フリーメーソン、イルミナティ、秘密結社など、

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アヘン戦争で飛躍したJM商会

一方、一八世紀以降、イギリス本国では産業革命の進展、国内の産業資本家層が東インド会社の貿易独占に対して強い批判、不満の眼を向け始めた。また、同社自身、軍事費の拡大やインド綿布の本国への輸出の減少などによる採算割れから、一八三三年、同社の貿易活動は全面的にストップ状態となってしまった。

それから間もない一八五八年、長年にわたり東インドを支配し続けていた同社は、ついに解散へと追い込まれてしまったのだ。 同社のこの趨勢を睨み続けていたスコットランド出身のジャーディーンとマセソンが「好機到来」とばかり設立したのがJM商会だったというわけである。

そしてJM商会の設立は、まさにグッドタイミングだった。 設立から八年後の一八四〇年、イギリス本国は中国(清朝)との間に「アヘン戦争」を惹起、二年後の一八四二年、イギリスはこの戦いに勝利し「南京条約」を締結させた。

当時、イギリスの支配下にあったインド(主としてベンガル地方)において大量の阿片を生産、大半を中国への輸出にふり向けていた。

 

本来、アヘンの作用の主体は「モルヒネ」で、使い方によっては、中枢神経に対する抑制作用の結果として鎮痛、咳止め、下痢止めなどの効果を持たらす良薬であった。ところが、薬用に限定されていたアヘンが一八○○年頃から麻薬と化し、誰でも入手できるようになった。 その麻薬に大きく手を染め、中国へアヘンを大量に輸出していたのが東インド会社(後にJM商会も加わる)だったのである。

アヘンを一~二年も吸い続けると廃人同然になる。しかし人口が急増中の清朝では、アヘン中毒患者の急増を黙認した。これに危機を感じた鉱業大臣・林則徐はアヘンの輸入禁止策を打ち出した。 至極当然の措置であろう。

 

ところが自国の利益が減少することに怒ったイギリスは正義も恥もかなぐり捨てて、ついにはアヘン戦争へと突入してしまったのだ。 このアヘン戦争に勝利した結果一八四二年八月、イギリスは典型的な不平等条約と言われる「南京条約」を締結させた。この結果、清朝はイギリスの属国となったと言っても過言ではない。

 

これを契機にJM商会は、開店休業中の東インド会社に代わり、香港に本社を置き、アヘンと茶、さらには運輸、保険、造船、倉庫、不動産などにも次々と進出、当時としては世界最大の総合商社として発展したのである。

 

 

 

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この本には、歴史的に貴重な写真、図、文献なども数多く掲載されている秀逸な作品ですが、それらをPDF化して皆さんに紹介することもできますが、著者と発行所の『長崎文献社』に敬意を払って、全てを紹介するのは、控えたいと考えております。

 

 

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トーマス・グラバー 第一章 トーマス十二歳、生まれ故郷を後へ ジャディ・マセソン商会

2024-07-05 22:04:45 | 秘密結社 フリーメーソン、イルミナティ、秘密結社など、

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ジャディ・マセソン商会

幸いなことに彼の大きな希望を達成してくれそうな会社が身近に存在した。その会社名を「ジャディ・マセソン商会」(以下、JM商会と記す)という。

同社の設立は、一八三二年と言うから、日本の歴では天保三年になる。 後にグラバーと深い関係のある人物として本書にも登場する三菱の創始者岩崎弥太郎、慶応義塾の創始者、福沢諭吉の誕生が、天保五年(一八三四)であるから、日本が開国に踏み切る二年前の幕末時代、すでにイギリスでは株式会社、総合商社が誕生し、活躍していたのである。

 

JM商会は二人のスコットランド出身者によって設立された。 一人はW・ジャーディンと言い、もう一人はJ・マセソンと言った。 二人の名の頭文字を取って「ジャディ・マセソン商会」と名乗ったもの。JM商会は香港に本社を置き、主として中国貿易に携わった大商社だが、実は同社設立にはちょっとした経緯があった。

周知のように、一六○○~一八○○年代のイギリスと言えばアメリカとの独立戦争(一七七六年)に苦杯をなめたものの、アジア、アフリカなどに多くの植民地を有する「大英帝国」として世界に君臨していた。 国土としては大国に属するインドや中国もその支配下にあったのだ。

 

イギリスはインドやアジア各国との貿易を有利に展開すべく、早くも一六〇〇年、イギリスの特権的な会社「東インド会社」を設立した。 当時はオランダ。ポルトガル、フランスの列強もアジアの利権を狙っていたが、彼らを押しのけての会社設立であった。

同社はその名が示すように貿易の拠点としてインド各地に商館を設立、特に一七五七年の「プラッシーの戦い」(インドのベンガル太守と東インド会社の戦い。 東インド会社が勝利し、貿易上の特権や賠償金を獲得)以来、同社はインドの行政、司法など、大部分を支配した。

 

 

 

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この本には、歴史的に貴重な写真、図、文献なども数多く掲載されている秀逸な作品ですが、それらをPDF化して皆さんに紹介することもできますが、著者と発行所の『長崎文献社』に敬意を払って、全てを紹介するのは、控えたいと考えております。

 

 

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トーマス・グラバー  第一章 トーマス十二歳、生まれ故郷を後へ 活気に満ちたアバディーン

2024-07-05 20:41:30 | 秘密結社 フリーメーソン、イルミナティ、秘密結社など、

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活気に満ちたアバディーン

さて、グラバー家が新しく移り住んだブリッジ・オブ・ドンのあるアバディーンは、ハイランドの中では最も活気溢れる港町で、小さな造船所もいくつかあり、漁船。貨物船などを建造していた。

学校の旋盤技術で器用さを十分に発揮していたトーマス・グラバーは、造船建造の現場を見学するのが楽しくてたまらず、暇さへあれば頻繁に見に行った。この頃はようやく蒸気船(蒸気機関を用いた船)の建造が相次ぎ始めた。 しかし、従来の帆船と上記を用いた帆船併用も多く、グラバーが見学した多くは、この帆船併用であった。

 

ちなみに、一八五三年非七月(嘉永六年六月)米国ペリー提督の率いる東インド艦隊四隻は突如、浦賀沖に現れ、徳川幕府以下、江戸の町民たちを大騒動させた、と歴史書に記されている。

この時のペリー艦隊を日本人は「蒸気船」「黒船」と呼んでいるが、実は四隻とも帆走を併用した船であったことは意外と知られていない。 しかも四隻は全て現在のスクリュー(プロペラ)船ではなく、「外車推進」といい、船舷に大きな水車のようなものをくっつけて、それを回転させながら走行していたのだ。

 

それはと鉄製の船が色々な部品の組み合わせから出来上がり、完成すると数十人の人々を乗せ、白波を蹴立てて外海へと乗り出していく光景を見たトーマス・グラバーは「いつかは自分も大きな船に乗り、エリザベートと共に外国へ渡ってみたい」との夢を抱くようになっていた。 

しかし、その一方 「いや、そうではなく、自分はエリザベートを忘れ去るために海外へ行くのだ」との思いが彼の心を支配し始めていた。

 

 

ブリッジ・オブ・ドンへ移住し、十四歳(一八五三年)を迎えたトーマスに、ショッキングな出来事が起きた。 それは彼の住む家から、さほど離れていないアバディーン湾内で、蒸気船のヂューク・オブ・サザーランド号が難破し、何人もの溺死者を出すという惨事が起きたのだ。

この時、グラバーもうわさを聞き、急いで現場に駆け付けた。船の海難事故の話は、これまで幾度も父から聞かされていたが、実際に現場を目の当たりにしたのはこの時が初めてである。

大自然の前には人も船もいかに弱い存在であるかをグラバーは思い知らされた。 しかし、十四歳の若さに満ち溢れるグラバーは恐怖よりも「スコットランド生まれの自分は、大自然の力にも打ち勝って、成功を勝ち取って見せる」と強い決意を顔面に張らせていた。

 

 

 

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トーマ・スグラバー  第一章 トーマス十二歳、生まれ故郷を後へ 内部の矛盾を抱える

2024-07-05 16:14:04 | 秘密結社 フリーメーソン、イルミナティ、秘密結社など、

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内部の矛盾を抱える

一六〇三年、絶えず争いを繰り返していたイングランドとの間に「同君連合」(両国共通の君主を抱く)を実現、その後一六八八年のイギリスの産業革命を経て、一七〇七年両国は議会合同により合邦を実現した。

 

しかし、合邦はしたものの、スコットランドは宗教に関する内部対立(カトリック派とプロテスタント派)、英国への根強い反感などが長期にわたり継続された。 また、スコットランドは一つの国ではないといわれているように、「ハイランド」(高地地方)と「ローランド」(低地地方)では土地柄も違えば人物も大きく異なると言われている。

 

すなわち、ハイランド地方はスコットランドの北ないし、北西に広がる高地地方と小さな島々から成立、寒冷多雨、深い谷と入江で分断されている。このため人口も少なく、これと言った産業もない。 牛と羊による放牧で細々と暮らしている人が多い。

これに対しローランド地方は、スコットランド王国時代の首都だったエジンバラやグラスゴウを有しており、ハイランドよりは、はるかに気候にも恵まれている。 農業の産業化も早く、所得水準も高い。 このため、教会、修道院、裁判所、大学などは全てこのローランドへ集中している。

 

トーマス・グラバーや兄弟たちが生まれ育ったフレーザーバラも次に移転したドン川近くのブリッジ・オブ・ドンも残念ながら貧しいハイランド地方に属する。 トーマスをはじめグラバー家の兄弟達が「脱スコットランド」を目指したのも同地の生まれだったことが大きく影響しているといえよう。

それでも当地へ移転して来た時のトーマスの年齢は未だ十二歳。 学校の勉強。ヨット、海、川での釣り、夏は水泳、山岳での狩猟などを大きな楽しみとしていた。

この頃、トーマスは夜、睡眠中、エリザベートの夢をよく見た。 フレーザーバラで教会学校に通っていた時には、一度も彼女の夢を見たことはなかったのに、これは何とした事であろう。

毎日のおうに会えていた時には、夢で見なくても現実で会えた。 しかし会えなくなってしまった今、せめて夢でもいいから会いたい、との気持ちがエリザベートをひんぱんに夢に登場させることになったのであろう。

 

 

 

 

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英スターマー新政権、対EU修復へ 貿易・安保協定狙う

2024-07-05 14:37:30 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


英スターマー新政権はEUとの関係修復をめざす=AP

 

【ロンドン=江渕智弘】

英国で14年ぶりに労働党政権が誕生する。外交政策の柱に離脱で傷んだ欧州連合(EU)との関係修復を掲げる。

再加盟は否定しつつ、貿易や安全保障で新たな協定をめざす。2020年の離脱の「失敗」は保守党の歴史的大敗の一因となった。

 

「貿易、研究開発、安全保障でより良い協定をEUと結べると考えている」。

首相に就任する見通しのスターマー労働党党首は選挙の3日、記者団に語った。政権公約には関係の「リセット」をうたう。

 

英国は20年末にEUから完全に離脱した。関税ゼロは維持したが、食品などの輸出入に煩雑な通関手続きが生じた。書類の記入などの手間が膨大で、廃業した中小事業者も多い。

EUは輸出の4割、輸入の5割を占める最大の貿易相手だ。英予算責任局は離脱によって英国の輸出入が長期的にそれぞれ15%減ると分析する。新政権は検査の廃止などで貿易円滑化をめざす。安保協定も含めて想定する協定の内容は明らかにしていない。

 

離脱は輸入コストの増大や東欧からの労働者の減少による人手不足でインフレを助長した。EU加盟国と行き来する際の厳格な国境管理のため空港や駅で待たされるようになった。

僅差で離脱派が勝った16年の国民投票から8年たち、国民の過半が離脱を「間違いだった」と考える。

 

EU離脱とリグレット(後悔)を重ねた「ブリグレット」という言葉も定着した。英ユーガブの1月の世論調査では再加盟に賛成が51%にのぼり、反対の36%を上回った。

離脱を主導した保守党は、EUの規制からの解放で経済が活性化するうえ、EUへの分担金を公的医療の充実に回せるといったバラ色の未来を提示していた。それらが実現せず、保守党に「裏切られた」との国民の憤りにつながっている。

 

スターマー氏をはじめ大半の労働党議員は国民投票で「残留」に投票した。関係の修復をめざすものの、国論を再び二分しかねない再加盟は明確に否定する。

外相に就くとみられるラミー氏は5月、保守党政権とEUの関係について「懸念を話し合う定期的な会合すら持っていない」と批判した。EU側が協定の交渉に応じるかは見通せないが、保守党と比べると伝統的に関係の近い労働党のほうがEU側の抵抗感が小さいとみられる。

 

 

保守党政権は離脱を機に世界で機会を求める「グローバル・ブリテン」構想を推進した。

インド太平洋地域を重視し、環太平洋経済連携協定(TPP)に参加した。日本とはイタリアを含めた3カ国での次期戦闘機の共同開発に取り組む。

 

キャメロン外相は2月、「(日英同盟を結んだ)1902年以来の緊密な関係だ」と語った。

労働党政権がEUとの関係修復に力を割き、日本を含むインド太平洋地域への英国の関心がこれまでより薄まるとの見方がある。保守党の政権公約に「日本」は3回出てくるが、労働党の公約には記述がなかった。

 

日本政府は議会解散前、労働党の「影の内閣」で外相を務めるラミー氏、財務相のリーブス氏による7月の訪日を調整していた。総選挙で仕切り直しとなったが、労働党政権とのパイプづくりを急ぐ。

新政権は対中国で「一貫したアプローチ」を主張する。対中方針を定める前に、英選挙管理委員会や議員への不正アクセスなど中国の高まる脅威を踏まえた「監査」をする。キャメロン首相時代の蜜月から強硬姿勢に大きく振れた保守党政権を反面教師にする。

 

近年の保守党政権は米国やドイツ、フランスなどに比べ、中国とのハイレベル外交が停滞した。

ラミー氏は1日の記者会見でこの点を問題視し、関与を強める考えを示した。「協力、競争、挑戦」を使い分け、安全保障上の懸念に対処しながら気候変動対策や貿易で連携を模索する。

 

同氏は5月、トランプ前米大統領の返り咲きの可能性を念頭に、トランプ陣営の選対幹部とワシントンで面会したと報じられる。米共和党と英労働党の政権の組み合わせはブッシュ大統領とブレア首相の良好な関係が知られるが、トランプ氏が相手だと見通せない。

外交経験のないスターマー氏がどう対峙するか「想像もつかない」(労働党ベテラン議員)。

 

労働党はパレスチナ寄りの議員や支持者を抱える。政権公約でパレスチナの国家承認に前向きな姿勢を示した。

イスラエルと独立したパレスチナ国家が共存する「2国家解決」をめざし「新たな和平プロセスに資するように国家承認を約束する」と記した。

 

 

 
 
 
 

イギリス議会下院が2024年5月30日に解散しました。7月4日に総選挙を実施します。スナク首相が率いる与党・保守党は最大野党・労働党に支持率で大きなリードを許しています。

 

 

 

 

日経記事2024.07.05より引用

 

 

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