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リンカーン登場
1860年、民主党大会は分裂退会となりました。 低南部の強硬派は、北部人の最後の証として『住民主権論』に固執するダグラスに見切りをつけ、脱党して独自候補ブレッキンレッジを立てました。
高南部からも強力な新党候補ベルが立候補することになったので、田クラスは南部の支持をすべて失いました。
共和党の本命はニューヨーク州の大物シュワードでした。 しかし、穏健派は、これまでの彼の対南部強硬発言のゆえに、内戦を恐れて反対しました。
また、共和党は北部のアメリカ党と文化的基盤を共有し、党の下部機構の中には、反カトリック・反移民感情が強くありました。
シュワードは知事時代、ジェームズ欽定版聖書の使用を嫌うカトリック教徒に対して、公費による彼ら独自の教区学校の設立を認めました。
彼のこのアイルランド人票取り政策を許さない人々もいました。 結局、無難な妥協候補として、過去にほとんど見るべき政治経歴のない、鉄道会社御用達弁護士エイブラハム・リンカーンが、大統領候補に選ばれました。
共和党は、西部州からの奴隷制締め出しの他に、連邦政府所有の公有地160エーカーを移住者に無料で分与する自営農場法の制定を公約し、さらに北西部が求める大陸横断鉄道（American Express）の建設と、特にペンシルヴァニア州の鉄・石炭利害が強く求めていた保護関税政策を採択しました。
保護関税政策は1833年の妥協観世法以来、1840年選挙でのホイッグ党・勝利後一時復活しましたが、南部プランターの強力な圧力で抑えられていました。
これまで一般に民主党に自由貿易論が強く、ホイッグ党の中に保護関税論が強くありましたが、1830年代以来、全国政党として積極的に保護関税政策を打ち出す政党はありませんでした。
しかし、1857年恐慌後、失業問題解決のため保護関税の必要が声高く主張されました。
ペンシルヴァニア州は、経済的には保護関税を要求しながら、州民の民族文化的構成の多元性もあり、政治的には北部民主党の最も強力な地盤でした。
共和党の保護関税政策採択は、自由貿易を主張する南部プランターに対抗して、重工業化しつつｓる北部産業資本家の支持を求める戦略決定であり、より具体的には、民主党からのペンシルヴァニア奪取作戦でした。
この戦略は見事に成功し、1860年以来今日に至るまで、重工業州ペンシルヴァニアは共和党の金城湯池（きんじょうとうち）となるのです。
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PS．
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