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NVIDIA株1強の理由は 株価とGPU、どちらも割安評価  点検 半導体株㊤

2024-06-18 16:07:52 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


エヌビディアのファンCEO(2日、台北)

 

人工知能(AI)向け半導体がけん引する米エヌビディアの躍進が続いている。

株価は前週末の14日に132ドルと分割を考慮した最高値を更新した。1年間で3倍になったにもかかわらず、株価の過熱感を測る予想PER(株価収益率)は下落している。

 

ただ、足元ではエヌビディア以外の半導体株は伸び悩む銘柄も目立つ。半導体株の現状と先行きを探る。

「次の産業革命が始まった。従来のデータセンターはAI工場になり、あらゆる分野でイノベーションが加速する」。エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は2日に台湾で開いた講演の席上、力説した。

 

 

英調査会社オムディアによると、エヌビディアはデータセンター向けのAI半導体で2023年に約8割のシェアを持つ。インドの調査会社ストラトビューリサーチの予測ではAI半導体チップの世界の市場規模は28年に1277億ドル(約20兆円)と21年(108億ドル)の約12倍に拡大する見通しだ。

エヌビディアの24年1月期の純利益は297億ドルと前の期比6.8倍となった。市場予想では25年1月期も前期比2.2倍になる見通し。予想PERは1年間で60倍台から40倍台まで低下し、成長株としては過度な割高とは言えない水準だ。

 

 

「エヌビディアが躍進できたのは値上げ力にある」。ピクテ・ジャパンの田中純平ストラテジストはエヌビディアが急成長した背景を分析する。

値上げが顧客に受け入れられるのはシェアが高いだけでない。性能が大幅に向上し、処理能力の単位あたりの価格が下がり、割安になっているからだ。

 

主力の画像処理半導体(GPU)である「H100」の計算能力は毎秒4000兆回と1世代前のA100(同620兆回)の約6倍に相当する。一方、AI開発用システムのジーデップ・アドバンスのカタログによると、H100の価格は571万円とA100の2倍にとどまる。

楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリストは「最先端のAIを開発したい企業は、値上げを受け入れて最先端製品を使った方が計算速度や省電力の点では有利になる」と話す。

 

 

オムディアの南川明シニアコンサルティングディレクターは「生成AIは市場の立ち上がりが急なため、企業間で半導体の取り合いとなり、大幅な価格上昇を受け入れている」と指摘する。

データセンター事業を世界で展開する米グーグルや米マイクロソフトなどAI半導体を購入する企業の手元資金が潤沢なことも、値上げが許容されている理由の一つでもあるようだ。

 

そもそも通常の半導体の価格はパソコンなど最終製品の需給に左右されるほか、競合品との競争からユーザーの値下げ圧力も強い。性能を高めた新製品を発売しても従来製品の価格が下がった分を押し戻す程度にとどまるケースも多い。

エヌビディアは半導体の集積度が2年で2倍になるという「ムーアの法則」の微細化に頼るだけでなく、AIの計算能力を飛躍的に高めるGPUの並列処理能力を磨き続けた。最近はCPU(中央演算処理装置)との通信速度を向上させたり、メモリーの容量を増やす工夫も重ねている。

 

次の成長を支えるのが次世代GPU「ブラックウェル」だ。計算能力はH100の5倍になる見込み。主力となる「GB200」は価格が6万〜7万ドルとH100の約2倍になるとの報道がある。

エヌビディアの24年1月期の売上高粗利益率は73%(前の期は57%)だった。楽天の今中氏は「研究費も含めたコスト上昇分以上の値上げとなりそう。利益率は今後も高い状況が続きそうだ」と分析する。

 

アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)や米インテルもエヌビディアに対抗する生成AI向け半導体を投入している。両社とも自社のGPUはH100と同等以上の性能だと主張する。ただ、株価は伸び悩んでおり、この1年間ではAMDは3割高、インテルはほぼ横ばいにとどまる。

AMDの予想PERは30倍台後半で、エヌビディアと大差がない。米モルガン・スタンレーは10日、「AIに対する投資家の期待が高すぎる」として、AMDの投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。

 

楽天の今中氏は「AMDやインテルのAI半導体はH100よりは安いはず」として価格面では優位にあると指摘する。ただ、今期の市場予想の増収率はエヌビディアの97%に対して、AMDが13%、インテルが3%。エヌビディアの牙城を崩すのは難しいとの見方が多い。

週明け17日の東京株式市場では半導体製造装置の東京エレクトロンアドバンテストなど半導体株が軒並みさえなかった。これまでエヌビディアの業績や株価動向は日本を含めた世界の株価全体にも影響を与え、「エヌビディア祭り」と呼ばれる現象を引き起こしてきた。

 

エヌビディア株だけが上昇する「1強」状態は、AIブームがけん引してきた半導体相場の転機を示しているのかもしれない。

 

イノベーションで株価急騰 ファミコン任天堂、1980年代に100倍

イノベーションを起こし、新たな市場を開拓した企業の株価は急騰してきた。代表格は時価総額首位を米エヌビディアと争う米マイクロソフトと米アップルだ。両社が基本ソフト(OS)やスマートフォンを世に送り出した時は何年も株価の大幅上昇が続いた。

マイクロソフトがOS「ウィンドウズ95」を発売した1995年に株価は1年間で44%上昇した。初心者でも直感的に操作できるだけでなく、インターネットも使いやすくなった。改良したOS「98」も評価が高く、99年まで株価上昇率は毎年50%を上回り、5年間で株価は15倍強になった。

 

アップルも初代iPhoneを発売した2007年に株価が2.3倍となった。08年に通信規格「3G」への対応で、ネットが気軽にできるようになったほか、アプリ配信サービス「アップストア」を提供してシェアを高めた。リーマン・ショックがあった08年を除くと、14年まで毎年、株価が上昇した。

日本では家庭用ゲーム機という市場を開拓した任天堂株が急成長した。同社が携帯型ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」を発売した1980年に株価が4割高、81年には2倍になった。83年に家庭用テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」の発売が続き、80年代に株価は約100倍となった。

 

 

 

 

日経記事2024.06.17より引用

 

 

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